自動車の試乗比較、中古車選びにも・マツダの特徴

2016年記事 マツダ2
 & 

デミオ・マツダ2「XD・ディーゼル2」
運転感覚

間違いいっぱいの自動車選び。デミオ「XD・ディーゼル」。車名は2019年からマツダ2です。

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「ミッション、ハンドリングなど運転感覚」

マツダ
  • グレード:“XD 1500cc”
  • 年式:2015年式
  • 車両価格:178万円
  • デビュー年:2014年10月〜
デミオ(ディーゼル)内装1デミオ(ディーゼル)内装2

試乗:ミッション

シフトセレクター

ミッションは「ステップ式AT」とか「トルコンAT」とか呼ばれる伝統的なATの新世代版。マツダの旧世代4ATや5ATは全く良い印象が無かったのだが、このデミオと同世代のアテンザから始まった6ATはかなり印象が良い。

デミオディーゼルと6ATの組み合わせはどうか?結論から言えばアニキ分達ほど良い印象は無かった。良い部分もあれば悪い部分もあるって感じかな。

ステップ式ATの特長とデミオでの特長

滑らかな発進加速

CVTやDCTなど他のミッションと比較した場合の、ステップ式ATが持つ大きな長所、滑らかな発進加速。ここは今一つ。

ミッションというよりエンジンがガラガラしており、時より大きな振動を出す。だから高級感ある滑らかな発進とは言えず
せっかくの6ATもトラックのミッションのように感じちゃう。アクセラのガソリン1500ccと6ATでは、高級車みたいな発進が出来ただけに残念。

巡航からの再加速

車速と回転数がリンクした自然な再加速。ここはそれなりには納得だけど特別良くはない

特に低回転域でオタンコなアクセルレスポンスがね、ミッション以上に気になってそれどころじゃない。ついでにモッサリ感の高いブロック状のデジタルタコメーター。

黒子のようなジェントル感

余計な事をしないドライバー優先の変速とポジションキープ。ここは大合格。様々な状況で、アクセルペダルの微調整でシフトポジションキープのまま走れる。

もちろん積極的に走ればキックダウンもするけれど、必要以上には変速せず、ドライバーに権限を渡してくれる。

ちょっとしたアップダウンがある市街地など得意で、回転数キープで滑らかに走りやすい。同乗者も快適。

不快感の少なさ

エンジンがね「もう少し踏んだら苦しそうな音出す」とかあるでしょ。それがなくて乗りやすい

上り坂で回転上がったり下がったりせわしないCVTとは全然違うし、唐突にガツンと来やすいDCTとも全然違う。

ギヤ比とか有効車速

シフトセレクターガソリンエンジンと比較すればやっぱり最高回転数の低いディーゼル。どうギヤを割り振っているのか興味津々だった。

試乗時に意識してみれば1速2速は思ったよりショートで守備範囲が狭い。
で、5速6速は逆に思ったよりハイギヤード。ということで全体的には想像以上にワイドだった。

このクルマはシフトセレクターをマニュアルモードにすると現在のギヤポジションが見られるんだけど、街中ではだいたい3速。
時速50〜60km流れる幹線道路で4速。市街地ではほとんどの時間を3速または4速で走る事になる。

5速6速は高速用

5速6速はいつ使うのかといえば、それは高速道路。5速に入るのはおよそ60km/h以上。6速に入るのはおよそ80km/h以上

ドライバーによっては4速ATか、みたいな感じ。だけど変速回数が少ないおかげで、変にミッションを意識することがない。
2〜4速の間は意識しなければ変速ショックもない。ほんとに普段は黒子。

高速道路に入るともちろん6速で巡航。ここで強い再加速が必要となると4速に落ちてもちときつい。合流とか速度によっては軽自動車のように加速しない。巡航はラクなんだけどね。

巡航中の回転数は大ざっぱにこんな感じ
  • 時速80km・・・約1500rpm(ロックアップ後)
  • 時速100km・・・約1800rpm(ロックアップ後)
  • 4速・時速50km〜 / 5速・時速65km〜 / 6速・時速80km〜

 


※内容は辛口評価です。試乗時に確認したいポイントを重視!
※一部画像は拡大します(横長画像など)。

デミオは2019年、マツダ2に車名変更されました。

試乗:ドライビング感覚

マツダに期待する事はなに?走りの良さ??やっぱりあれだけ「人馬一体」とかCMしてるわけだからね。

でも残念ながら、乗りやすいと感じだマツダ車は先代DE型デミオしかない(実際に購入した)。だからこれ、ついつい偶然の産物と評価してしまいたくなる。

このDJ型デミオもやっぱり、高速道路を除き走りにくいクルマだと思った。ハンドリングだってフィット並みのゲーム感覚。

楽しさはドライバーが楽しく走ろうと”思ってこそ”と、ただそれだけ。高級感とか上級車感覚の前に、まずは走りやすいクルマを目指して!全てのクルマに望むこと。

直進安定性について

ハンドル市街地での直進性、具体的には5速までの領域では、直進性がすこぶる悪い。

ステアリング中立付近、反応が無いように感じられるところで、実はクルマがふらついている。ヒョコヒョコしてる感じなんだよね。修正時もクルマが反応を返してくれないから、カンで微調整の繰り返し。助手席から見ていてもドライバーが忙しいのがわかる。

加えて今度のデミオは車両感覚が掴みにくい。だから、車線の中でどこを走っているかが判断しにくい。これも直進性が悪く感じる原因だろう。

時速80km超、では運転しやすくなる

デミオのステアリングは中立付近の指1本分、無反応なようで反応している領域がある。

だったらここをパワステで重くセッティングしてしまえばいいじゃないか!そんな感じで80km/hを越えると中立付近が重くなる。

するとあらビックリ。とっても直進がラクになる。100km/hで走る高速も実にラクラク。電動パワステのセッティング次第でクルマの印象は変わるね。ここは静粛性も高いし気持ち良い。

ハンドリングで感じた特徴

シャシーコーナーでハンドルを切った時の印象は、良い点が多い

良い悪いで言ったら「良い」。楽しいつまらないで言ったら「つまらない」

そう評価させて頂きます。

好ましい点

ステアリングを切り込んだ先の保舵力が高い。これは上級車感覚が強く、特に長いコーナーで安定感や落ち着きを演出。

軽く手を添えていればいいから、クルマと対話できる。中立に戻していく時はそっちに切っていく感じ。マツダ兄貴分達と統一されたステアリングフィールが好ましい。

伸び側減衰力も強いサスペンションダンパーだから、ウネリのある路面でもクルマが安定。他のクルマが踏んでいけない道でもなんのその。

またアクセル全開でもステアフィール変化は小さく、上記の様な形で曲がっていける。だから、次のコーナー入り口ではけっこう速度が乗る。

好ましくない点

ミニバンのようにワンテンポ遅れて曲がり出すハンドリング。先読みしていつもより早くから切り始めなければならない。

合わせてパワステの特性。中立付近の無反応領域っぽい部分、ここが軽くてその先が一気に重くなる。
ゆっくり切り始めたい部分が重く、そぉっと切り始めにくいから、さらに反応が鈍く感じてしまう。ガシッと切るなら問題なし。

ゆっくり走る時もペース良く走る時も、ドライバーに情報を伝えてくれないサスペンション
良いショックアブソーバーだったら曲がり始める瞬間にほんの1mmとか、姿勢変化で教えてくれる。グラグラじゃなくゆっくりとした動きでね。

これは高級車だけじゃない。同クラスでも先代デミオは様々な情報をドライバーに与えてくれて、とっても走りやすい。

サスが動くというのは乗り心地だけじゃなく、こんな部分でも重要。

加速フィール

ディーゼルのお味その2。加速感覚について。新しくてしかも味が濃いエンジンだから、なるべくミッションと切り離した印象を心がけてみる。

アクセルペダル加速感はものすごくゆっくり始まり、時間を掛けて最大加速に移る

一定速度からスッとアクセルを開けた場合、じわ〜〜と加速しだしてグッと加速する。

アクセル開度に応じた加速を得るまで体感的に1秒。アクセルレスポンスが悪いと言ってもいい。

加速時のレスポンスが悪い

「踏んでも付いてこない」から「遅れて踏んだ分だけ加速」。加速始まるまでが遅く、旧世代ターボ車みたいに加速を初め、その後ググッと伸びる。乗りやすいタイプじゃない

パワーが必要な時にきつい

ゆっくり走るだけならマイルドレスポンスで、それこそヒールでも運転出来ちゃう気軽さ。だけど加速が必要な時は強く踏まなきゃならず、加速しねー!と思ったらアクセル一定なのに急に加速する。

滑らかに強く加速したい時は先読み必須。タコメーター見てアクセル戻して調整しなければならない。

具体的には全開踏んでキックダウン、2000rpmから加速が始まったとすると、ゆっくり2500rpmまで上昇して強い加速力を発揮。それが5000rpm近くまで続くイメージ。

気持ち良く運転するには、1秒くらいかけてゆっくりアクセルを全開にする。ドライバーがこう合わせれば、気持ちよーく走れると思います。

速いのか遅いのか?

メーター一旦加速が始まってしまえば、3速ならガソリン1500cc以上の加速力を発揮。少なくても商品価値がないほど遅くはない

また伸び側減衰力が強いサスペンションは路面のウネリに強く、踏んでいきやすい。そうした道でも次のコーナー入り口で1500ccターボのコルトラリーアートの速度に並んだ。

レッドゾーンが低くて低速ギヤの守備範囲が狭い、特徴的な加速フィール、走行性能重視のサスペンション。これら条件があえば速いといえるし、合流など瞬間的な加速力が必要な場面では遅い

上り坂は?

カタログスペックではトルク値が高いデミオのディーゼル。どれだけ快適に走れるか、動画を撮影してみました。

 

デミオ(メーター・昼)デミオ(メーター・夜間)

扱いやすいブレーキ操縦性

ペダルレイアウトデミオのブレーキは立派!扱いやすい!

一つはペダルのフィーリング。奧にいくほど踏み込み剛性が高くなる。もう一つはジワッと強く踏んでいれば介入してこないブレーキアシスト

また一つはサスペンションダンパーの減衰力が高いからジワッとフロントが沈んで、リリースでは自由にゆっくりと戻す事が容易

クルマが好きな方なら納得のブレーキでしょう。その代わりフルブレーキにはチカラが必要で、ドライバーによっては目一杯踏めない可能性も。ここはディーラー試乗時に出来たら確かめたい部分。

同乗営業マンに一言断れば、4輪にABSが効くほどのブレーキを試すことも可能だと思う。

ガンガンにブレーキを使う方でも、もしかしたら足が疲れるかもしれない。それだけカッチリ。

一応、ディメンション的に当然だけどフロントは大きく沈むし、たまにタッチが敏感になる事もあった。ディーゼルの重さを感じる場面。

なお最大ブレーキ性能でいえば、フロントが沈みにくくリアも沈む大きな車種にはかなわず。リアブレーキが効かせられるからね。この手のクルマはしょうがない。

デミオ(マツダ2)

マツダ

demio (デミオ)

  • グレード:“XD”
  • ミッション:6AT
  • 型式:DJ5FS
  • 年式:2015年モデル
  • 新車価格:178万円
試乗レポ・ライター

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ペダルレイアウトは右足で操作することが考えられている。普通のFF車より、普通のFRより、ちょうど良い位置といえそうだ。


夜間のシフトセレクター照明。視認性高く色合いもキレイ。


リアのルームランプにスイッチはなく、フロントスイッチに連動。


給油口の蓋(フューエルリッド)はここで開閉する。慣れるまで間違えちゃうかも。

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