間違いいっぱいの自動車選び。デミオ「XD・ディーゼル」。車名は2019年からマツダ2です。
当ページは3ページ目です。
マツダ・デミオ(4代目DJ5)「XD・ディーゼル」の試乗レポートです。
先代もその前のデミオも、見切りが良くて狭い駐車場でもラクラクという長所があった。左側寄せるのは全国産車で比較してもトップレベルの簡単さだし、走行中も車線内のどこを走っているかが手に取るようにわかる。
今回のDJ型デミオはエクステリアデザインがグッと優雅になった。特にフロントセクションは高級欧州車のように立派。
その分、ワリを食らうことになったのは見切りと運転席からの視界。車両感覚が取りにくく、もっと大きいクルマの方が全然ラク(デミオに限らずよくあること)。
Aピラーは太く、ドライバーの着座位置からすれば遠目に位置する。通常Aピラーは、「より奧から」「より寝て」デザインされているクルマほどピラーが邪魔になりやすい傾向。3角窓があるタイプを想像して頂ければわかりやすいと思う。
このデミオはピラーが太いという欠点はあるももの、その他の条件は悪くないはず。それでも視界は悪く、交差点での死角はフィットなどと大差ない。原因はもしかしたら、外寄りのシート配置にある可能性も。
ボディとドアミラーの隙間は、他車より効果的に利用できます。
悪いのは前方視界だけじゃない。リアクオーターからリアにかけての視界も悪い。
交差点での巻き込み確認で、勢いよく走ってくる自転車などを確実に確認するために大事な斜め後方の視界。まるでクーペを運転してるように見づらい。
リアドアのウインドーが小さく、ハッチへ続くCピラーが太いから。「4枚ドアが付いたクーペ」みたいな感覚。
リアウインドも高い位置にあるけど、バックモニターが一般的だから無問題かな。
※内容は辛口評価です。試乗時に確認したいポイントを重視!
※一部画像は拡大します(横長画像など)。
デミオは2019年、マツダ2に車名変更されました。
デミオの内装を見て思うのは、「オトナの男性が乗れるデザイン」。こんな印象がメチャクチャ強い。もちろん褒め言葉。
コンパクトカーっていうとどうしても、ポップで親しみやすさを重視したり、使い勝手重視になりがちだからね。
インパネ周辺は他のマツダアニキ分車種と同じ系統で統一され、メーターレイアウトも大きく違わない。マツダで統一する家庭はどれを運転しても同じ感覚でドライバーズシートに座れると思う。
質感という点で評価すれば、素材の質感はあまりよくない。意外にもメチャクチャ評価の低かった先代デミオと同レベル。
例えばダッシュボードのシボはミゾが浅く、またデザインもチープ。さらにテカテカしやすくて眩しい。もうちょっと気配りが欲しいというレベル。
画像左。素晴らしい点の一つ。カップルディスタンス(左右シート間距離)が広い。実寸で20cmほどはある。
カップルディスタンスが広いと感じたフィットでもここまでなかったと思う。
デミオの長所は、元が優れ、微調整も可能なドライビングポジション。以下箇条書き。
ペダルの位置、コンパクトなFF車といえば、内側よりにレイアウトさせるのが当たり前。ペダルのすぐ隣はタイヤハウスだからね。でもデミオは違うよ。ドラポジを重視したFF車の足下は、FR車より快適というのを教えてくれる。
好みを言わせて頂ければ、ブレーキペダルが高く、遊びが少ない。シティユースが続くとちょっと疲れる。
ステアリングは前後するだけでも立派なのに、これがまた可動範囲が広い!
続いてシート。パワーシートと比較すれば手動シートは微調整効かないのが欠点。だけどデミオは違うよ!
スポーティカーの手動シートと同じくらい微調整が可能。
あえていえば、シートリフターを下げると座面が前上がりになっちゃうんだけどね、これはワザとかも。
ここまでドラポジが快適なコンパクトカーは、実質2人乗りのホンダCR-Zくらいしか思いつかず。
それから例えばメルセデスベンツ。CクラスのパワーシートはSクラスと同じように微調整が可能で、また滑らかに動作する。
車格関係なしに重要な部分だと思うから、メルセデスベンツのこうした考え方が好き。
マツダのデミオも、まだ多少の不満(後述)があるけれど、同じようにドラポジを重視する姿勢には好感がもてる。
マツダは盛んに、ドラポジの重要性をCMしてる。確かにドラポジって運転しやすさを左右するよね。マツダは3ペダルMTを多くラインナップし、低く身動き取りにくいシートが多いし、納得。
でもね、「だったらトコトンやって」と感じる部分も少し。
ナビゲーションディスプレイの設置場所。これは流行に合わせちゃっただろう?なんて思う。ディスプレイは見やすい位置だけど、運転中100%ナビ使う人っている??
ここがこんなだと、車両左前の感覚が取りにくいと思う。やっぱり目線の先はダッシュボード中央奧で、その先は車両左側の先端でって。今回、VWの一部純正ナビより気になった。
さらにこのディスプレイ、キーオフにしてからナビシステムがオフになるまでの間は減光せず。これは一部を除き当然。でもデミオは、すぐにナビが切れてくれないんだよね。夜間メチャクチャ眩しい。
別にコレでも、前倒しでも可能なら問題なし。ポップアップとは言わないから、マイナーチェンジで改良して欲しい最優先項目。
メインメーターのスピードメーターが縦にデカイ(これも流行?)。そして、それが原因かもでステアリング直径が気持ちデカイ。
最近は腕を動かす量が少なくて済む、小さめなステアリングが一般的だったりするんだけど、デミオのステアリングはドラポジからすると、ちょっと大きく感じる。
メーターに被っちゃうから希望の位置までステアリングを下げられないし、シートリフターを上げればステアリング下の方での操作がきつくなる。
最後にやや不満な点。デミオのセンタークラスター下部、フロント乗員のヒザの部分だけど、軽く踏ん張っただけでグニャグニャする。
助手席の人が大股で座れば、ドライバーが意識しちゃうほど、ココが動く。
人間とクルマが触れる部分はとても重要。というのなら、ここはもっと剛性が欲しい。余計なとこに神経が飛ぶし、安心感だって乏しい。実際に強度が低いワケじゃないんだけどね。CX-3も一緒。
ペダル位置はOK。そしてアクセルペダルは「オルガン式ペダル」が採用されている。「コレはかかと固定でいける」とか「奧の方で調整しやすい」なんてメリットがある。
で、このメリットを得るためには、ペダル上と足裏が滑らなきゃならないんだけど、それも問題なし。気になる事すらない。
そして合わせて肝心なのはアクセルのスロットル特性。どんなにペダルが良くたって、特性が扱いにくけりゃ意味ないからね。
低回転からアクセルを開けた時の操縦性が悪い事は、エンジンの項目で述べさせて頂いた。じゃあ、ゆっくり発進や巡航中はどうかというと、欧州車みたいな感じ。
10%くらいアクセルペダル踏んで加速して、3〜5%のペダル開度で巡航。ほとんど足を乗せているだけ。
こんななのに発進加速はギクシャクしない。巡航中は「ちょっとアクセル戻して燃費稼ぐ」なんて意識もしないでいい。
ディーゼルだからかステップ式ATだからか、セッティングの妙なのか。個人的には好きな特性かな。
系列サービスです!
法人、個人事業主の「ETCカード」。複数枚契約が可能。
セディナなど法人ETCカード
系列サービスです!
「自動車保険一括見積り」の比較。見積もりはメールか郵送で安心。
保険一括見積りサービスの比較サイト
ネットでバッテリー価格を確認
国産車バッテリー
視界はちょっと、車両感覚が取りにくい。
ペダルはしっかり、右足で操作することが考えられた位置。
カップルディスタンスが広い!
スタバのベンティサイズがしっかり置けるセンターコンソール。ドアカップホルダーは少し厳しい。
ドアミラーリモコンは良くできてる。一方で開閉スイッチは、ちょっと手間取った。
違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転で試乗レポート。
受け売りでなく、カタログ的でない。紹介ではなくレビューです。
評論家さまとの違いは、率直な表現と自由度の高さ。辛口といえば辛口です。
評価評論・比較レビュー「間違いいっぱいの自動車選び」。