普遍的だから変わる必要が無い。そんな安心して選べるコンパクトカーの試乗レポート。2代目K11マーチです。
比較と辛口評価の試乗レポート
日産マーチはモデルサイクルが長いクルマ。
ライフサイクルが長いということはベーシックの象徴。初代マーチは9年と言う長さで販売され、2代目マーチに関しては、10年間という期間販売されていました。
トヨタでいうとトヨタのスターレットなどがありましたが、それと互角に近い人気を誇り、日本のみならず、世界をシェアにいれたのがニッサンのマーチです。
しかし、トヨタが、次世代コンパクトカーヴィッツを出してからコンパクトカーの人気が高まり、瞬く間に販売台数がカローラシリーズに匹敵するほど大ヒットとなります。
ニッサンもCVTグレードや装備品を充実させ、電動パワーステアリングなども追加しましたが、設計思想が古く内容で圧倒的な差が開き、売れ行きは、下がる一方でした。
このK11型マーチのライバル車としては、日本ではトヨタ・スターレット、ヴィッツ、ホンダ・ロゴその他、モデル末期になるとコンパクトカーは激戦区となります。その中でマーチは女性向きという事もあり、もっともコンパクト。そして低価格が特徴でした。
※男性(身長180センチぐらい)が乗ると、室内の天井に頭がつきそうなくらい狭く圧迫感があります。
この2代目マーチは、旧世代の品質感のまま、10年という期間を販売されていたわけですが、ちょうど三菱のリコール問題が発生したこともあり、数カ所がリコールの対象となりました。
例えばパワーウィンドウなど、普通ではあり得ない場所そして、よくもわるくも金額的に結構大変な部分がリコールとなっています。
当記事の筆者「元お車整備士」はこのマーチを購入して実際に乗っていたという体験をもとに、この試乗記を書いています。
グレードは1000ccのコレット。筆者の実家で家族が利用していて、燃費記録があります。メーカーカタログ値の燃費は16.6km/Lで、実際は13km/Lぐらいの燃費でした。
経験上、田舎道ではカタログ値と同じか超える燃費で使用できますが、そうはいきませんでした。
コレット1000ccというグレードではパワーがないのでガンガンとアクセルを踏んで、希薄燃焼外の領域を多用して走っているのかもしれません。
燃費に好ましくない領域で走る時間が長い可能性。それプラス、ドライバーの問題。加速が終わってもアクセルを大きく踏んだまま巡航しているのかもしれません。
実際に加速に必要な燃料は、排気量が変わってもそんなにかわんない為、同じ気筒数なら排気量による燃費の差は意外と小さいんです。
1000ccということでもちろん、税金面、例えば自動車税や重量税での優遇はありますが、とてもこのトルク不足のクルマに、クルマ好きが乗って耐えられるものではありません。
1000ccでは、どのエンジン回転域でも、トルクが付いてくることはありません。排気量の多い1.3リッターや1.5リッターのグレードを選んで下さい。パワー不足によるストレスは軽減されると思います。
そしてエンジンはもとより、純正マフラーがとても賑やかなサウンドを奏でます。「ボヘボヘ」いっています。4気筒だから仕方ありませんが、うるさいものはうるさいです。
このマーチの1000ccモデルは、わけあってMT(マニュアルミッション)モデルも1年ほど所有しました。体感的にMTよりATの方が加速力強く走れる気もします。
(MTはパワーウインドがオプションの初期型、ATはこの型の最終型)
ギヤ比や駆動ロスを考えるとあり得ないわけですが、体感とは不思議なモノです。
ATのトルクコンバーターというのは、低速での効率こそ悪いものの、一定の速度まで加速すればトルク増幅装置のような効果も期待できるらしい。信憑性不明および体感はできず)
高回転で回らないエンジン、絶対的な加速力低すぎ、わざわざMTで乗る意味はなし、マーチのMTはそんなクルマでした。
ちなみにこのマニュアルミッションのマーチ、滑らせてコントロールする練習をしていたら、ガードレールに突き刺さり1年で廃車となりました。
足回りは、コンパクトカーという枠の中で考えても、チープなことこの上ありません。ハンドリングは中立が不安定で、切り込むのに非常に神経を使います。
これは軽自動車レベルと言わざるを得ません。また、新車時から低速で段差を乗り越えるときにダンパーあたりから異音がします。多分ブッシュの容量が足りないのでしょう。
ディーラーの営業に問い合わせると、メーカー側は不良ではないと言っていますが、一般人からしてみたらかなり不安な音です。
クルマが小さい分しょうがいないのですが、ピッチング・ヨーイングの立ち上がりが早く、クルマは常時不安定。ぴょこぴょこしています。ちなみに我が家での相性は「ぴょこちゃん」です。とにかくチープ、そしてフラフラする。まさに昔のクルマですが、こんな走りが面白かったりもします。
マニュアルミッションのK11マーチに1年ほど乗りましたが、意外なほどに挙動を覚える練習になりました。
無理ないボディサイズで背の低い全高。コンパクトカーらしい足回りや操縦性。これらは欠点ばかりじゃないんです。
キビキビと全開&えいやっとハンドルを切るような走り方をしていると、なんかスポーツしているような気分になりれます。
そうです。日常でスポーティドライブの感覚が味わえます。これぞコンパクトカー。
低い速度で挙動が大げさだから、乗って楽しい。考え方をひとつ変えれば、マーチだってとても面白い。人生を楽しくする秘訣はやっぱりコレでしょう。
余談ですが、この期に発売されるタイ製となるマーチ(4代目)、外装のチリ部分の合わせがひどく、10円玉が5枚入りそう。なぜって、このマーチはタイとかインドとかわすれましたが、そちらでの販売がメインになりそうとのこと。
つまり、細かな部分の品質より、1円でも安く作りたい車というわけ。
それならチープでも何でも、この2代目マーチの方が所有満足度は高い場合も。クルマ全体を見渡して、日本製の部品が多く、日本で組み立てられた、日本人にぴったりなクルマなわけですからね。
このK11マーチは、特徴的な外観と安価な価格設定により、長い期間人気を得たモデルでした。
1000ccエンジン搭載グレードなら、エアコン付きでコミコミ100万円!など魅力的な価格。
まだ安全装備という概念が薄い時代で、安全装備と言えば運転席エアバッグくらいですが、運転席エアバッグもついてこの価格。うーん、安い。
繰り返しますが1000ccは税金面でもお得、車重も1000kgクラスで重量税もお得。下手な軽自動車を買うよりよほどお得なマーチでした。
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マーチ (前期)
K11 - CG10DE 1000cc 1992年〜
42B19L
マーチ (前期)
K11 - CG13DE 1300cc 1992年〜
42B19L
※後期2000年以降は「60B24L」
※寒冷地仕様は「60B24L」
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オーテック「マーチルンバ」
オーテック「マーチボレロ」
※写真は3代目K12マーチ
※写真は3代目K12マーチ。カレスト幕張にて発見。貴重なクルマなのでじっくり見させて頂きました。
違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転で試乗レポート。
受け売りでなく、カタログ的でない。紹介ではなくレビューです。
評論家さまとの違いは、率直な表現と自由度の高さ。辛口といえば辛口です。
評価評論・比較レビュー「間違いいっぱいの自動車選び」。