自動車の・試乗レポート(日産)

2006年記事 日産 マーチ
著者:桃花

日産マーチ(2代目K12)試乗

8年というロングライフだった先代K11マーチのあとにデビューしたこのスタイリッシュなマーチ。3代目となるK12型マーチです。

比較と辛口評価の試乗レポート

「K12マーチ12C(1200cc)」

日産
  • グレード:“12C”
  • 型式:K12
  • 車両価格:約95万円〜
  • デビュー年:-
マーチの内装イメージ

日産キューブ(2代目)と並び最高のエクステリアデザインのコンパクトカーと評価の高いクルマ。ただ個性的なだけじゃなくて美しい。そこが凄い。今回の試乗記はそんな3代目K12マーチです。

タイ生産となった次期型マーチは!

4代目/日産マーチ試乗レポート

ボディデザインといえばやっぱりマーチ

日産

このK12型マーチのポイントは、1にシルエット、2にライン、3にディテール、ボディデザインの話です。

ポップでキャッチャーなんて褒め言葉がありますが、まさしくそんなイメージ。親しみやすく高い好感度。個性だって十分。最高です。

それでいて無理していないコンパクトらしさも強く、取り回し性がよくて見切りの良さも持ち合わせます。この点ではホンダのフィットトヨタのヴィッツもかないません。

ヨーロッパでも評価されているマーチのデザインはまるで輸入車。マーチのデビュー当時、これが日産車なんて、言われなければわかりません状態でした。

親しみらしくもあり、ヘッドライトがいかにもお目々。まるでペットを飼っているかのような、そんな感じで付き合えるコンパクトカーです。

スタイリッシュ、でも...それがマーチ

マーチ・ボディデザインマーチ・ボディデザイン

無骨で不格好、乗っているのが恥ずかしくなるともいわれる日産デザインから、バッチリかけ離れたマーチの素晴らしいボディデザイン。しかし運転すると、残念ながら欠点が多いクルマで有ることがわかります。

私(桃花)はほぼ新車のマーチに3回乗っています。一回は友人の運転で同乗しました。その時の印象は、積極的によくないクルマ。

中身の進歩が遅かった

日産の過渡期に開発されたというクルマだからでしょうか??ライバルのコンパクトカーが立派になっていくなかで、マーチは旧世代的で変わらない乗り心地と操縦性。走っての質感はものすごく低いです。

初めてクルマを買うのならこれでいいかもしれません。でも2台目以降のクルマとなると、アラというかウィークポイントが気になるもの。

マーチのボディデザインは素晴らしい魅力に溢れます。ファッションアイテムだったりペットだったり、褒め言葉しか浮かびませんし、そもそも世界中で評価されてるそうです。

ただちょっと中身は微妙。ヴィッツどころかデミオにも負ける内容。でもそこがまた可愛い。「できそこないほど可愛らしい」って格言がありましたよね。

マーチの車室内は狭め

K12マーチの室内は狭いです。軽自動車と同程度とスペースなので、大柄な男性が乗るなら他のクルマをおすすめします。大きいオトナが狭いクルマに乗る必要は、如何でしょう。

シートも立派ではありません。質はちょっとでサイズも小さい。これらホンダのフィットと比較してということになります。

ヴィッツやコルトと比較すると、前席(フロントシート)は同じような感じ。小柄な女性の方複数名に聞く限り、特別狭くはないとのこと。後席(リアシート)については、マーチは少し狭いと感じるらしく、女性でも4人でお出かけするのはちょっと厳しいということ。乗降性の良さでもマーチは劣るらしい。

でも結局、自分で買うならマーチということ。お出かけの際は別のクルマを使うって友達頼りみたいです。もしかして、車内の広さを考える意味はないのかもしれません。ご参考までに。

マーチを試乗しての評価と内容

K12マーチは1500ccだとミッションはCVT

走り出すとCVTがギクシャクします。なれるまではアクセルワークに神経を使います。まだまだCVTという時代ではないですね、効率悪く運転しにくい。

この点で言うと、1200cc+4ATの組み合わせの方がスムーズ。運転しやすい印象があります。ただしシフトアップとかシフトダウン時の衝撃は感じます。

足回りは?

そしてサスペンション、ちょっと荒れた路面に行くと、新車でもガタガラブルブルで、中古車のようにガタガタします。聞くところによればブッシュの容量が足らなそうです。さらにロードノイズもうるさいかな。

そしてちょっとスポーティな、2車線道路の転回や軽く定常円回転をすると、ハンドルを切った瞬間にタイヤのグリップレベルは抜け気味になります。足回りは柔らかいと同時にキャパシティが足らなそうです(年式によって良くなってる事が判明しています)。

ハンドリングは?

ステアリングはただただ軽い。でもスムーズで上品というわけでもないんです。ライバルのコンパクトカーは少しでもどっしりとしたハンドルを演出してます。ボコボコ道でもどこか安心。小さいクルマを感じさせないような努力がされています。

でもマーチは、よくもわるくも昔ながら。これに馴染んでるおじさま・おばさまの期待を裏切るようなことはきっとありません。安心してマーチからマーチへ乗り継ぎできる味付けです。

ブレーキは、いわゆる「スポンジー」な感じ。軽いチカラで踏めますが、ペダルが奥へ奥へ入っていくんです。剛性あるブレーキと比較すれば、細かい調整がやりにくいかな。でも人によってはこの方(マーチのこれ)がラクでいいと感じるかもしれません。

試乗:総合評価

これらをふまえ、この試乗レポートでマーチを評価するなら、「一昔前のコンパクトカーそのままの内容」と評価させて頂きます。

それから男性の人によれば、等身大の大きさだから扱いやすく、昔ながらの味付けだから振り回して走りたくなるみたい。グワッとハンドル切ってグワッとアクセル踏んで、おもちゃのように運転できるらしいんです。こちらも、昔ながらのコンパクトカー好きを裏切ることはきっとありません


K12マーチのまとめ!先代となるK11マーチとあまり変わった気がせず、残念。多少、どっしりした感覚はありますが、ヴィッツやフィットとは別のジャンルのクルマと評価させて下さい。

好みがあえば積極的に選べるデザイン

このホームページは独断を偏見を多く含みつつも、「辛口」が特徴。その中で、このマーチについては、デザインのみ、非常にいい評価となっています。

デザインのみ最高の評価ですが、これは時代のトレンドによっても、個人の好みによっても左右されるもの。その中でもし気に入れば、積極的に選べるほどの特徴を持つのがこのK12マーチだと思います。
もし、長距離乗る場合が多ければ他のクルマをオススメしますが、デザインだけで積極的に選べるクルマは本当に優雅。確かに内容ではフィットに全面敗退。ヴィッツにも負け。でもオトクだから魅力というフィットと比較すれば、全く違った価値観で選べるクルマ、それがこのマーチです。

ゆっくり走るがコンセプトの、2代目・3代目キューブも同様の価値観で選べます。ボディカラーだって、どんな色でも似合っちゃいますよ。

とにかく世界で評価される外観デザイン

マーチ・ボディデザイン1にも2にも、ボディデザインがすべて、それがマーチです。だからこそ、デザインが好きならばデザインで買って乗ってうれしい気分にさせてくれる車でしょう。

マーチの特徴をニッサン・ディーラーのセールスに聞くと、値段と見切りの良さと言っていました。うーん、正直なセールスマン。

実際にライバルのホンダ・フィットには10年の開きがあると感じたって不思議じゃありません。内容からすればそれくらいの差があります。

マーチ・ボディデザインただ、さすがに走れないわけではないので、デザインが好きならマーチがいいですよね。安いですし、走安性どうこうで買う車じゃないです。街乗りなら問題なし!

自動車はデザインが8割、わかりやすいヘンテコなフィットは愛嬌重視!マーチの方がじゅうぶんに魅力的であったりもしますから、クルマ選びは本当に難しいです。

追記:ライバルとの比較

このK12マーチ、フィットやヴィッツとの比較は少々荷が重いので、デミオと比較してみます。ポイントは内装の質感。

デミオ比較・内装

マーチの内装について、質感は語るほどのこともありません。とってもプラスチッキー。見るからにパコパコ。ただし長い販売期間の間には、特別仕様車も複数出てきており、内装の部材がレベルアップしてます。例えば「コンラン」とのコラボレーションモデル。シート生地がいいものに変わっています。それ以外でも色にこだわったモデルも販売されました。

かたやデミオ。デミオの内装は男性らしい香りがプンプン。でもマーチ以上にプラスチッキー。ドアもパカパカ。私もこれにはちょっと乗りたくありません。旧デミオの上級となる「マツダ・ベリーサ」なら全然いいんですけどね。

車室内の広さ、マーチの方がボディサイズが小さいけれど、ドライバーがアップライトな姿勢で座るのとシートが小さいために大きな差は感じません。特に短距離走行がメインならどっちでもOK。
デミオは自然なポジションでペダル操作も自然にできる位置をとれる。サイズの割に狭いデミオはこのポジションがメリットになっています。リアシートに関してはどっちもお手上げ状態。

デミオ比較・走行性能

走行に関する比較では、ミッションを除きデミオの方が完全に一枚上手。シートポジションも取りやすく運転しやすいし、ハンドル回しても段差を踏んでもワンランク上。デミオを基本に考えると、マーチは軽自動車に近いフィーリング。

ボディデザイン以外でマーチとデミオの要チェックポイントはブレーキペダルの重さ。デミオのブレーキは女性ドライバーだとフルブレーキは厳しいんじゃないかくらいの力が必要。質感という面では剛性ある方がいいんだけど、気になればマーチを選んだ方がパニック時にも安心でしょう。

マーチとデミオを比較すると、とにかく幸せ感いっぱいなのがマーチ。優しい雰囲気だし、そのイメージや外観デザインも大きく影響しています。

追記2:マイナーチェンジ

1000ccエンジン搭載グレードは前期モデルでなくなりましたが、同等グレードとして1200ccが同程度の価格で買えます。自動車税を考えれば年間約5000円不利になり、クルマ的なコストパフォーマンスではお得感が高まりました。自動車税といえばランニングコストの一部。マーチではライバルの1300ccエンジン搭載車より実燃費が劣ると言われています。普段100円を節約している主婦の方にとって、これはマーチの大きなデメリット。新車購入の際には、思いっきり値引きしてもらって下さい。

また、後期モデルを試乗すると、若干乗り心地がよくなった気もします。柔らかくなる方向ではなくしっかりする方向で。頼りないクルマが少し頼れるようになった、そんな感じで進化したと思います。

日産 マーチ (3代目)

日産

march (マーチ)

  • 試乗グレード:“12C”
  • ミッション:4AT
  • 年式:2005y
  • 車重:920kg
  • 新車価格:110万円

エンジン概要

  • 排気量:1200cc
  • エンジン型式:CR12DE

その他概要

  • 型式:“K12”
  • ボディサイズ:3725x1660x1525mm
  • 新車価格帯:約95万円〜

車両型式

  • K12 - 1000cc
  • AK12 - 1200cc
  • BK12 - 1400cc
  • BNK12 - 1400cc 4WD
  • YK12 - 1500cc
試乗レポ・ライター

当記事は「桃花」がお届けします
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適合バッテリー

ニッサンマーチ・バッテリー詳細


マーチ

K12 - CR12DE 1200cc 2002年〜
42B19L

マーチ

K12 - CR14DE 1400cc 2002年〜
42B19L

マーチ

K12 -  HR15DE 1500cc 2005年〜
60B24L

寒冷地仕様は「60B24L」

 
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国産車バッテリー

比較評価
エンジン質感 5段階評価
駆動系質感 5段階評価
足回りの質感 5段階評価
内装の質感 5段階評価
外装の質感 5段階評価
快適性 5段階評価
お買い得度 5段階評価


上級グレードは2トーン系のこの内装。オートエアコンも付く。


15SR-A、12SRというグレードがスポーティグレード。12SRのみMTが選べる。


※写真は3代目K12マーチ


※写真は3代目K12マーチ。カレスト幕張にて発見。貴重なクルマなのでじっくり見させて頂きました。

試乗や比較が難しい中古車も、より具体的なレビューでぜひ!
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