辛口比較・評価評論の試乗レポート、2代目ヴィッツ(90系)グレード「1.3F」。一部グレード「RS」(5MTモデル)を含みます。
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初代ヴィッツを超えるためにトヨタが巨額をつぎ込んで開発したらしいこの車、内外デザインがレベルアップ。特に内装は質感アップして落ち着き感も備えてきました。大人でも乗れるデザイン。
快適性やライバル比較など試乗感をお伝えします。
ヴィッツは世界で発売されているらしく、ヨーロッパでもフィットとライバル関係みたいです。もちろん日本でも、ライバルはフィットでしょう。
今回のヴィッツは大きくサイズアップ。先代比較で全長が10cm以上も伸びています。
フィットと比較すると、まだ差があります。横幅が5ナンバーいっぱいになった現在のコンパクトカー。全長が短いのはトヨタならではの上下関係?車格の問題??ですか。
トヨタにはカローラという越えられない壁があるからか、軽自動車のポジションも兼ねるからなのか、フィットと比較すると全長は13cmほど短いんです。
ということで、2代目になってもヴィッツには、リアシートとラゲッジスペースにハンデがあります。ラゲッジがどれくらい狭いかといえば、奥行きはフィットの半分くらい。
今回のヴィッツ、1000ccのエンジンは3気筒になりました。3気筒でも出来が良ければいいんですけれども、コレはちょっと...という質感。ちょっとの意味、試乗すればわかると思います。
予算が許せば1300ccの4気筒モデルをお薦めします。価格差は10万円以内ですし、下取り価格で元が取れるかもしれません。
ヴィッツの3気筒1000cc、このエンジンは厳しいと、試乗すればそう感じると思います。質感なんて完全無視。「わずかなコストダウンと極端なガマン」がキーワード。まるで1世紀前にタイムスリップしたような感覚を覚えます。
少し安いからといって買ってしまうと、後悔してしまうかもしれません。うるさいし振動も多い。
笑っちゃうほど個性的といえば個性的ですが、ある意味ジョークのようなこのエンジン、売れ行きが気になります。
価格差は5万円〜10万円。維持費では排気量の関係で自動車税が5000円/年の差があり、多少なりとも燃費の差があるかもしれない。総合すると、1000ccモデルなら1回グアム旅行に行けるくらいは安く買えるということです。
3気筒エンジンで良ければ軽自動車だって有力な選択肢です。車両価格はほぼ一緒。街中なら動力性能や静粛性の差もあまりありません。
ヴィッツを購入してマイカーにした場合の満足度を想像すると、低価格だからヴィッツ、そんな価格面を考えなくても、ヴィッツのボディデザインが好きなら積極的に選べる、今の時代のコンパクトカーと評価できます。
ボディデザインは、ヴィッツらしい面影のまま正常進化。大人の男性が所有しても、全然恥ずかしくないと思います。
好みを言わせて頂くと、ポヨヨンとしたフィットと違って自信を持って乗れます。ディテールまでちり合わせがよく、また内装も一部のプアなとこを除けば質感高いです。フロントシートも従来からレベルアップして立派に。
クルマの内容で比較すれば、フィットに及ばない部分は多くあります。フィットはコンパクトカーとして反則w カローラクラスでいいじゃない?みたいな。
しかしヴィッツだって、ライバル変えれば魅力十分。マーチやスイフト、パッソ/ブーンとの比較なら立派です。フィットと比較しなければ、満足感高い生活のお供。
購入時の比較はフィットも見てからがいいと思います。それから3代目マーチのボディデザインは放ってはおけない。するとヴィッツの順番は何番目??
試乗車は1300ccのヴィッツ。走ってみれば、まずは静粛性が高く、先代ヴィッツから進化しています。
静粛性向上の要因は、巡航中のエンジン回転数が低いから。速度計を見ないと速度を勘違いしちゃうかも。
足回りはフリクションを感じるものの、全体的にはすばらしいレベル。ダンパーがいったん動き始めれば、でこぼこを越えてもハーシュはほとんど伝わってきません。最初のゴツンは渋いけど、柔らかいサスペンションはいなしが得意。そんなイメージ。
2代目ヴィッツになって、コンパクトカーという枠内ではボディの剛性感も高く、安っぽいノイズも少なくなりました。段差を越えた時やガタガタ道でのノイズも減っています。
足回りのキャラクターは、ゴムブッシュなど含め柔らかめ。軽くボディが上下に揺すられるため、なんだかんだいっても足元だけがスルスル動いている様な”感じ”を受けます。
フリクションを感じるのにスルスル?おかしな話ですが、サスペンションが柔らかいから粗が目立たない。またフリクションによって落ち着いている感もある。
乗り心地は、コンパクトカーとしては十分な乗り心地と思います。コンパクトカーに適した柔らかい乗り味。上級車と比較しなければこれで十分だと思います。
追記:3代目スイフトの標準グレードには歯が立ちません。
速度を上げて入力を強めにすると、大きくピッチングしたりヨーイングが立ち上がります。
サスペンションが柔らかく想像以上にストロークするのはトヨタ車らしいところ。初期はショックアブソーバーの渋さから動きが悪く、一定以上の加重がかかると急に動き出す。入力が小さい時と大きい時でこれだけ違いがあると、同乗者は緊張してしまうかもしれません。
固めのサスペンションが増えてきている中、ヴィッツは柔らかめ。全長短いからピッチング(前後方向の動き)は大きいです。
ヴィッツの静粛性は国産コンパクトカーでトップと思えるもの。風切り音もロードノイズも少なめで、他のコンパクトカーのようにノイズで拷問という感じではありません。
CVTはギヤ比がワイドで、巡航時のエンジン音も静か。これに関してはどのコンパクトカーも一緒ですが、全体的な静粛性の高さで速度を感じさせないのはヴィッツがトップと思えます。
CVTは通常のATと比較して、運転のしやすさでは一歩劣りますが、時速80km以上の巡航では静粛性に大きく貢献。ギヤ比がワイドです。
ただしこれは4気筒1300ccモデルの話。3気筒の1000ccモデルでは全域でノイズと振動が気になります。
ヴィッツの内装では、演出感という点が優れています。価格なりの安っぽさはありありますが、雰囲気が良く立派に感じます。
コンパクトカーでも貧しさは感じさせない。そんな意気込みが新世代コンパクト。ボディデザインで選んでも不満がでない内装は、輸入車のコンパクトカーを選ぶよう。
内装の全体的なイメージとしては、先代ヴィッツと同じイメージ。あらゆるものがセンターに集約、左右対称の今風デザイン。曲面が多く優雅なイメージ。こういった部分は色濃く残り、内装を見ただけで、「あ、ヴィッツだ」とわかります。そんな中で先代よりはグッと立派に見せています。
このヴィッツのおじいちゃんにあたるトヨタ・スターレット。そのスターレットから先代ヴィッツに進化したとき、コンパクトカーの魅力は一気に上がりました。内装のデザインもしかり。
今回、その時の感動とは違いますが、これだけ凝ったデザインを継続採用するあたり、実はものすごく力のこもった意欲作なのかもしれません。
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エンジン質感 | |
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快適性 | |
お買い得度 |
スポーティグレードRSにはタコメーターが付く。(他のグレードでもタコメーター付きも有り)
インパネとドアトリムの接点は凝った造形。
スポーティグレードRSのリア。バンパーにリフレクターが付く。クルマとしての内容自体にはそんなに違いはない。ただ乗り心地が悪い。
違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転で試乗レポート。
受け売りでなく、カタログ的でない。紹介ではなくレビューです。
評論家さまとの違いは、率直な表現と自由度の高さ。辛口といえば辛口です。
評価評論・比較レビュー「間違いいっぱいの自動車選び」。