辛口の評価評論。マツダ・デミオ(3代目DE3)。「13CVミラーサイクル」と「13C」です。
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コンパクトになって塊感が強調された型のデミオ。当ページスタッフが「デミオ1500cc・スポルト」を購入しました。
人気高く知名度高いコンパクトカーといえばホンダ・フィット。広い室内空間と低燃費を実現し、カローラシリーズを販売台数ナンバーワン座から引きずり落とし、ヴィッツから始まったコンパクトカーブームを一段と盛り上げました。
そんな時代に登場したのが3代目デミオ。フィットと比較すれば室内スペースは優先順位が低く、走行感覚とボディデザインを重視。
ファミリーではなくパーソナル感が強いクルマです。
実用性一辺倒ではないボディデザイン、いってみればクーペルックセダンと同じようなアプローチと感覚。
(画像はデミオ・スポルト1500cc)
だからこその魅力を感じさせるエクステリアデザインや、走りやすい走行感覚は、流行とは逆方向。日常的な利用がドライバー1人なら最適なのはデミオ。フィットが4人で1台だとするとデミオは2人で1台。
ドライバー優先の快適性や走りやすさ、セダンライクなドライビングポジションetc...。デミオは運転することに関してはフィットより優れます。分をわきまえて背伸びしないから完成度高し。特長が明確だから商品価値高し。なんでも1台で...なフィットにはないそこがデミオの魅力です。
2007年にデビューした3代目デミオは、先代のコンセプトから路線変更となりました。小型軽量化されて実用燃費を重視、室内スペースよりフロントシートでの快適な移動を目指したであろうことはすぐに分かります。
ボディデザインからもスポーティーなキャラクターであることは伝わってきます。スポーティとは速いという意味ではなく、日常の運転が楽しいということ。走りやすいクルマを連想させます。
1996年にデビューした初代デミオは、ミニバンが売れ筋だった当時、コンパクトカーとして最大級の車内のスペース、優れた実用性などをフルに追求し、デザインはともかく車室内の広さでヒット。別名「マツダの救世主」と呼ばれています。
続く2代目デミオは大きく立派に。コンパクトカー最高の質感を武器にした高級路線。足回りの良さは乗ってすぐ体感出来るレベルで感動モノ。
同じ車体をベースに「ベリーサ」という兄貴分も登場。上級を感じさせるクルマでしたが平均購買年齢が高く、50歳代と聞きました。
そこからもわかるように、価格以上に立派さを感じるデミオに対し、ベリーサは割高さが目立つクルマ。人気と知名度も低めです。
3代目デミオはコスト低減世代のコンパクトカーです。上級感をウリにした先代デミオからは大方向転換です。
ちょうどヴィッツもマーチもこのデミオも、シンプルでコスト優先という方向が目立つ世代です。
なお、どの車種も販売価格は安くなっていません。
走るのに余計なモノいらない、そんな感じで大勝負に出たモデルだそうです。
注目は価格。基本グレードの車両価格が1300ccで115万円、1500ccで133万円、特別仕様車では99万円も目にしました。軽自動車と比較できる価格+値引きが期待できます。
コストダウンは内装で目立ちます。とてもシンプル、というか品祖。インパネなど形状デザインがシンプルなら素材感も装飾もシンプル。率直に言ってチープです。
ボディデザインはまとまり、塊感を感じさせます。絞られシャープ、リアサイドウインドのサイズが小さく3ドアハッチというイメージです。見ためからクルマのキャラクターがハッキリ伝わり、運転しても裏切られることはありません。
※内容は辛口評価です。試乗時に確認したいポイントを重視!
フロントシート優先のデミオ、ドライバーズシートに室内に乗り込むとシートは好印象。形状と前後スライド量が嬉しい設計です。
コンパクトカーでは珍しく男性も座れる作りになっています(女性は内股、男性は外股)。
内装を質感で評価すると残念な部分が多いです。メーターはチープで安っぽいく、インパネ全体も表面がチープ。シボ(模様)は一昔前のコンパクトカーのようで品質感は最悪です。
インパネではそもそもの形状が素っ気なさ過ぎて、やはり昔のコンパクトカーみたいです。
内装質感は車両価格とほぼイコール。納得できるかどうかが重要です。
ドアミラーとドアミラーの幅は、ドライバーが感じる車幅感として車格感を伝えてきます。
これにボリューム感なども合わさり、乗員は高いクルマか安いクルマかを想像するわけです。
デミオは、地味で安いクルマらしさを強く感じます。しかしその分、走りやすさに繋がっているわけです(後述)。
インパネセンター部(センタークラスター)のパネルはかっちりとはまっており、パンパン叩いても詰まっている感じ。ガッチリ固定されています。
トヨタで例えるとミドルクラス以上にカッチリはめ込まれているよう。雑に扱っても気にならないし、ガタブルな路面を無頓着に走っても心配することもなし。
これは上級グレードになるスポルト1500ccのインパネ。
メインメーター部分を除き、ベースグレードと大きな差はありません。
最初にエンジン。今回はミラーサイクルということで、実排気量を落として効率を重視したタイプ。具体的には、通常の1300ccより燃費良好な反面、出力は1000cc+アルファ。
力強さは、1000ccのエンジンほど非力ではなく、特性も元気な印象。市街地では普通の加速力を感じます。
足りないのは余裕という部分。回転数高めに制御される事が多いため、エンジンノイズは盛大で振動も多く伝わってきます。
ミッションが特にCVTでは、低回転で発揮するトルクが少なければ少ないほど、より高い回転数を使われることが多くなります。
試乗しての走行フィーリングはどんな感じ?
まず優れた点としては加速減速時におけるドライバビリティの高さ。アクセルとブレーキが扱いやすい。
この時代のマツダ車でドライバビリティが高いなんて、このデミオくらいです。
奇跡か個体差化か??セダンのように低い着座位置とドライビング姿勢も効いてそうです。
試乗したのは4ATモデルがメイン。スロットル早開き感あって燃費重視の運転はちょっと神経使い、発進時も神経使いますが、他のマツダ車よりは全然マシ。他のライバル車と比較してもマシです。
後期型ではさらに改良されています。新グレード「スカイアクティブ」ではアクセル特性がもっと穏やかに。神経使わず発進できます。
コーナーリング特性、ハンドルを切った時の感覚は、コダワリ少ないコンパクトカーといえども無視することはできません。試乗の重要ポイントです。
このデミオ、私的には凄く良いと評価させて頂きます。ある種のポンコツ感を味わえるデミオ、そうしたクルマだけが持つ楽しさ、ワクワク感etc...。これに走りやすさがプラスされるので無敵です。
ライバル車であるスイフト、上級車ライクなコンパクトカーですが、結局上級車の代わり。ならではの魅力ではありません。
デミオのハンドリングはほどよくクイック。そしてクセが目立ちません。他のマツダ車と同じ系統ですがデミオだけ、中立からの過渡特性が良好。
望むなら切り込んだ先の微調整だって許容してくれ、ちょっとペースを上げるというシチュエーションでハンドルを切りやすい。
デミオはステアリングギヤ比は緩いのに、フロントの反応は良好。切り始める位置を定めやすいし、思い通りに走りやすい。こんなところから真面目に作られたクルマだと想像します。
ではではともっと速度を上げていけば、チープな箇所が目立ち始めます。頼りない部分がでてきたり、リアサスの安っぽさを感じたり、唐突な動きが目立ったり。
上記特徴からデミオはキビキビとしたハンドリングとも、表現できる。これには足回りが固めという理由もある。
キビキビといっても他車よりはレベル高いキビキビで、フィットと比較すればスムーズにヨーが立ち上がり走りやすい。そしてトヨタ車ほどダルじゃない。
日産と比較すればストローク感をウリにした4代目マーチ、でもデミオの方がストローク感ある。リアが突っ張っちゃっているのは多くのコンパクトカーで一緒。
ライバルのヴィッツはクルマは小さいながらも落ち着きある安定志向。ハンドルを回しても質感がある。フィットは元々クルマが大きく一クラス上の印象。
コルトは落ち着いた乗り心地を重視している分、ハンドリングのキビキビ感ではデミオを含めた3車より劣る。そしてクルマとしての本質をみれば、もっとも安っぽく感じるのはマーチだろう、と思います(試乗比較は次の項目へ続きます)。
デミオのブレーキペダルは重く、フルブレーキには力が必要なほどの剛性がある(ペダルを踏むのに力が必要)。※年式により、ペダルが軽くなっていたりします。
ペダル剛性高いブレーキは魅力。しかしこのDE3型デミオでは予想以上の重さ。
筆者も最初、踏む力が弱すぎて制動力が立ち上げられなかった。時速80kmからのブレーキでABSが作動したのは踏み増ししてから。
ブレーキペダルがかっちりしていることは好ましい。
でも、コンパクトカーのデミオでこれはちょっとやり過ぎのような。輸入車でもFIAT500(イタリア)などペダルはもっと軽い。
通常時はジワッと力強く、緊急時は4輪が限界まで、全力でブレーキペダルを踏めることが大事。
デミオに限らずコンパクトカーユーザーには、強いブレーキをした事がないユーザーも多いと想像出来る。ペダル剛性とかブレーキアシストの効きとか、一般的ユーザーに合わせて調整してくれて良いと思います。
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デミオ
DC3 - ZJ-VE 1300cc 2007年〜
55D23L
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国産車バッテリー
比較評価 |
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エンジン質感 | |
ガサツでうるさい。ただし回していくとメカ的な音が混ざりマニアックに嬉しい。 |
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駆動系質感 | |
4ATも、CVTも、できればどちらも選びたくない。 |
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足回りの質感 | |
新車時はシブチン。少し乗るとフロントサスのストローク感は悪くない。 |
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内装の質感 | |
間違いなくマツダ車。ゴミ品質でも立て付けはカッチリ。 |
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外装の質感 | |
前席優先に割り切ったからこその塊感。 |
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快適性 | |
リアハッチからの騒音がまるでバンのよう。 |
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パッケージング | |
フィットだって所詮コンパクト。デミオの割り切りは”超”好印象! |
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お買い得度 | |
軽自動車と張り合える。 |
黒い内装カラーだから、ぱっと見は普通。でもこの質感といったら・・・まるでブラウン管テレビのプラスティックみたい。
チリ(隙間)も広め。
サイドのベルトラインはフロント部がかなり低め。開放感重視。
(ベルトラインとは、ボディとガラスの境目の前後方向に伸びるライン)
一方でフロント部のインパネ高さはやや低い程度。インパネ高さが低いと運転していて疲れるが、シートリフターをさげればこれくらいなら平気だろう。
ガラス開閉の関係上、エアコンホルダーを付けて灰皿を置くと、風で灰が飛び散る。
特徴的な形状をしたグローブボックス。手前には新車時の車検証入れがちょうど収まるようになっている。
リンケージは変わった形状。左足部分はフットレスト代わりの形状をしている。
ブレーキ踏力剛性はかなり高め。
上がデミオ1300ccモデルの内装、下がデミオ1500ccモデルの内装。どちらもブラック基調というか黒一色。多少の装備の差こそあれど、イメージはほとんど変わらず。
違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転で試乗レポート。
受け売りでなく、カタログ的でない。紹介ではなくレビューです。
評論家さまとの違いは、率直な表現と自由度の高さ。辛口といえば辛口です。
評価評論・比較レビュー「間違いいっぱいの自動車選び」。