ノートは日産の「排気量大きめだけど低価格」がウリのコンパクトカー。日産ノート(E11)、グレード「15SV」の試乗レポート。
比較と辛口評価の試乗レポート
内容は辛口評価です。試乗時に確認したいポイントを重視!
今回はディーラーで通常の試乗のみなので、詳しいことはわかりません。また長距離の試乗をすれば印象が変わる部分もあるので、とりあえず乗ってみての試乗記となります。
2代目ノート!新しい日産ノートの試乗レポ
ノートのエンジンは1500cc。そしてマーチやヴィッツなどより大きく見えるボディデザインが採用されています。
それでいて車両価格は130万円。お得感が高いコンパクトカーです。
フィットの様に車格を無視した内容と価格、この価格破壊こそヒット商品の王道。それを狙ったのかもしれません。
さらに聞けば、ベース車両はマーチではなく、ティーダとのこと。だから1500ccのエンジンなのかと、妙に納得。しかしコンパクトカーの中では優れたドライビングフィールと立派なお値段を持つティーダがベースというのは、固い頭ではすぐに理解できません。それだけノートがお得ということなのですが。
もしヴィッツやフィットの1500ccエンジン搭載グレードを考えていらっしゃるなら、ノートも比較対象としてぜひ!装備内容を考えなければ車両価格は2割近く安くなります。自動車税も一緒。ボディサイズは概ね10cm、ノートの方が大きくなります。
他のコンパクトカーより大きく見えるデザインにティーダベースということで、室内も広さを期待しますが、特別広い感じはしません。
ただラゲッジスペースに関しては、ヴィッツやコルトより広め。これは、既婚子供有りの夫婦でも使えるようにと営業マンは言っていたが、実際にはこれじゃ里帰りもできない。旅行に行くにもベビーカーを閉まったらいっぱいになってしまう広さ。
まあ筆者が贅沢なだけかもしれませんが、基本コンパクトカーの為、広い狭いといっても50歩100歩。内装に傷が付くほどギュッと詰め込まなければ、ご夫婦子供付きで使うには厳しいという事実は変わりません。
ノートの内装、質感については、コンパクトカーの中でもちょっと劣るかもしれません。これは、普通っぽいデザインだから余計そう見えるのかもしれない。
ただし、タイ生産となった4代目マーチよりは間違いなく良いです。
ノートの内装について、個人的には安っぽくなってしまった3代目ヴィッツよりは好感が持てる。2代目スイフトや3代目デミオと比較しても好印象。スイッチの触り心地も標準的というか悪くない。
といっても、高級な軽自動車と同レベル。軽自動車の内装レベルが急激に上がってきている現在、追いつかれてしまったという評価もできる。
ティーダと比較すれば価格なりの差はあり、ティーダの方が内装の質感は高い。スイッチの触り心地もコンパクトカーを越えたレベル。一部はスカイラインと部品共有している可能性も。でもティーダは意外と高い。
試乗の話になったとき、ノートは元気がいいのでクネクネ道を走ってみて下さいとのこと。たまたまかもしれませんが、店長クラスを知っていると、普通のテストコース以外の道を走らせてくれるので、いろいろと試して走ることが出来ます。
筆者が最も興味あるのはボコボコ道だが、何も言わずわざとボコボコを踏むことにした。それから、この手のクルマにあーでもないこーでもないと言ってもしょうがないから、営業マンとは基本的に価格の話しかしない。これはいつでもどこでも同じスタンス。
加速しようとアクセルを踏むと、スロットルは一気に開くタイプ。じわっと出るのは苦手。衝撃がこないように運転しようとすると疲れるタイプだが、確かに加速力はあるように感じる。また3人乗車なら神経を使うことは全くなくなる。
ノートの車重、1090キロということでコンパクトカーとしては少しだけ重めだが、トルク不足の感はなし。
そのまま強く踏み込めば、エンジン回転は上がるが、一気に踏めばやはり回転が先に上がります。これは現在のCVTの宿命。ハンドル切っているときにはフロントタイヤが空転しているような感覚を一瞬受けます。
エンジンの質感は、4000回転弱からガーガーという音を盛大に出します。振動もシートに伝わってきます。とても回す気になれませんが、トヨタの実用4気筒なんて3000回転弱から不快な振動と音を出します。
それと比較すれば全然いいかもしれません。少しは実用回転域が広いわけですから。ただ、高回転はホント酷いレベル。これを”味”と考えることもできますが、この辺りはコストダウンや燃費重視の影響と考えるほうが自然でしょう。
トヨタとのエンジンの比較では、振動という面では確かに日産の方が一歩上手。しかし全開時の加速力という点では、1500cc中最速なのはトヨタのエンジン。体感上パワフルというのはカタログ値以上に重要な点。
ただしこのエンジンパワー比較において、全開以外は意味をなしません。ハーフスロットルでの加速はセッティング次第。そしてここで勢いよく加速するクルマほど、だいたい扱いにくいクルマとなります。
次にステアリング関連。こちらはアクセルと違って落ち着いています。マーチより落ち着いた感じさえ受ける。回した感覚はコンパクトカーとしては若干重めかもしれませんが、特に記憶に残っている点はなし。
コーナーでのハンドリングはちょっとしたペースで走っただけなので、こちらも特別印象はありませんが、少なくてもキビキビという感じじゃない。その分、思い切ってハンドルを切っていくことができそう。
(注・横滑り防止装置がついているかはわかりません。)
ワインディングを走ると、コンパクトカーといっても1500ccエンジン。下り坂なら結構な速度が出ます。速度が上がるとハンドリングがクイックになっていくクルマも多いが、ノートは速度が上がってもそんなことはない。一般的な速度で走った分には、思った以上に舵が効いてビックリすることは全然なし。
ただ、ステアリングを切り遅れてしまうことがあった。完全に慣れてないだけですが・・・。
そんな時は多少素早くステアリングを回すとか舵角を増やすとか修正するわけですが、こんな時でもグラッときたり急にヨーが立ち上がることがない。これ、同乗者に気を遣うことなく走れるというメリットがある。
コーナーでステアリングを切り遅れると、特にリアシートではグラッという不快な感触が出やすい。クルマによっては神経を使う車種もある。重心が高かったり、ショックがへたっていたりして初期のロールスピードが速いクルマはそう感じるのかもしれない。
乗り心地はちょっと固めな今風コンパクトカーの感じそのまま。アクセルワークは少し神経使うが全体的に普通すぎというのがノートを試乗しての印象。
例えばヴィッツなら柔らかめの足回り、フィットならエンジンの感触、コルトなら内装のデザイン、bBならクイックなステア特性、マーチは悪路での乗り心地の良さ、など、コンパクトカーでも何かしら印象に残る場合もけっこうあるのだが、このノートは、タントやパレットに試乗したあとの感覚と一緒。
そりゃ軽自動車と比較すれば横幅もあるし、エンジンも大きいから、軽自動車の感触とは違います。でも、ノートは良くも悪くも普通といった感じが強すぎる。乗って1日経つと、クルマの感じを忘れてしまいます。少なくともクルマ好きが積極的に選ぶクルマではなさそう。
逆に言えば、1500ccで低価格なノート、キビキビ加速できるコンパクトカーとして、移動のための道具としては最高レベル。
日産お得意のカスタム系にはライダーが複数種類、用意される。デザインの質感アップでユーザーは嬉しい。利益率アップで日産も嬉しい。まさに一石二鳥のカスタム戦略。
※ハイパフォーマンススペックは外観以外にも変更ポイントがある。特別なライダー。
ライダー系、新車価格だけみると結構高い。売れ筋グレード「15X・SVプラズマ」が133万円なのでラクに30万円以上はお値段が上がる計算になる。運転する事が好きな人にはワンランク上のクルマをオススメしたいが、ノートライダーなら眺めて満足、信号待ちで隣にノートが並んでも満足感を感じることもありそう。
ではライダー3種、価格が違うが内容はどこが違うのか?
ライダーの基本はメッキグリルを基本とした外装デザインの変更がメイン。「ノート・ライダー」は前述の通り。「ノート・ライダーブラックライン」はメッキパーツは黒クロムメッキ風に変わる。
「ノート・ライダーハイパフォーマンススペック」はちょっと別物で、エンジンのカム仕様が変更になり若干のパワーアップ。マフラー、ローダウンサス、ボディ剛性強化パーツなどが装着される。
価格は「ノートライダー」に+25万円。どうせならこのハイパフォーマンススペックを選んだ方が価値がありそう。だって、基本はまず車高のダウン。ドレスアップなら車高を落とさないと始まらないでしょ。やっぱり。
アフターマーケットのパーツを選んで付けるのも楽しいが、ライダーなら手間が省ける。ただしノートの売れ筋グレードは133万円なのをお忘れ無く。
ということでこのノート、1500ccがお得な価格でラインナップされているとは間違いありません。これでティーダベースという点を生かした”何か”を感じられればベストかもしれませんが、なんだかんだ言ってこの130万円で1500ccというのはすごい。
他のコンパクトカーで1500ccというと、概ね140万以上〜。150万円160万円だって普通。
そういった車種は装備も充実するので、一概に比較できるわけではありませんが、とにかく安くてエンジン大きめがいいという方にお得なノート。日産も開発担当レベルで「キビキビ走る」というのをアピールしています。
逆にこれくらい安くて大きな欠点がないのは、それこそ素晴らしいことかもしれません。ちょっと買ってみる、飽きたから乗り換える。そんな選択肢だって普通に可能なコンパクトカーだからこそ、とりあえずノートを選んでみても問題なさそうです。
系列サービスです!
法人、個人事業主の「ETCカード」。複数枚契約が可能。
セディナなど法人ETCカード
系列サービスです!
「自動車保険一括見積り」の比較。見積もりはメールか郵送で安心。
保険一括見積りサービスの比較サイト
ネットでバッテリー価格を確認
国産車バッテリー
エンジン質感 | |
駆動系質感 | |
足回りの質感 | |
内装の質感 | |
外装の質感 | |
快適性 | |
お買い得度 |
着座位置は思ったほど高くない。外見から感じるより低めのポジション。
低価格がウリのノートだが、メーター内には液晶表示部が付く。
2代目ノート、別ページで掲載中。
違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転で試乗レポート。
受け売りでなく、カタログ的でない。紹介ではなくレビューです。
評論家さまとの違いは、率直な表現と自由度の高さ。辛口といえば辛口です。
評価評論・比較レビュー「間違いいっぱいの自動車選び」。