評価評論「間違いいっぱいの自動車選び」。試乗レポートは日産ノートです。
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日産ノート・2代目E12型(1200cc/NAモデル)です。
女性が運転されることが多いコンパクトカーでは、視界の問題は重要です。なにしろ、ベルトラインに沈んじゃうようなドラポジだったりしますからね。クルマにより大きな違いが出ます。
ボディ小さければ取り回しが良い訳じゃなく、見切りとか車両感覚が大事です。これが悪ければカンだより走るわけです。
現在は多くのコンパクトカーで見切りが今ひとつ。車両感覚が取りやすいクルマといって思い浮かぶのは、キューブとか3代目デミオくらい。
ノートで工夫を感じるのは、フロントサイドの三角窓。この三角窓周辺の内装が、下向きに広がっている。ドライバーズシートから見ると、斜め下に視界が広がる感じ。
ノートのコレはちゃんと使える。飾りの工夫ではなく、実用的に優れてます。
実際の効果は、足元の感覚が取りやすい。低い塀に寄せるときに効果を感じた。ただ他車でも同様の工夫がされている場合があるので、ノートがオリジナルではない。
オデッセイとフィットの写真。Aピラーでは本来、サブフレームがない方が視界はよし。でも、サブフレームがあった方が包まれ感=質感が演出されやすい。
それならば無駄な部分を削って視界を確保。の極細Aピラーほどのものではないにせよ、こういったアピールは大歓迎。フィットは普通。
※内容は辛口評価です。試乗購入時のお役に立てれば幸いです。
手元のメジャーを利用して気になる部分の長さを測ってみました。
数値からわかること。センターコンソールの幅、運転席と助手席の間は広め。ドアミラーの端から端の長さは狭めで、ギリギリの駐車場で助かることがあるかも。ラゲッジ広さはフィット(3代目)とほぼ同等。
身長172センチの筆者がドライビングポジションを取った状態でリアシートチェック。
カップホルダーの数
広い広いといわれるフィット(3代目)と室内スペースを比較すれば、実はノートの方がやや広い。
フィットとの比較では、ノートのリアシートが使いやすい。例えばシートベルトがノートの方が締めやすいなど。
2016年のマイナーチェンジで追加された、ノートe-powerにも試乗しました。
当ページで取り上げているのはデビュー初期のノートがメインだけど、e-powerも少し。
ノートe-powerはエンジンを発電専用に搭載し、動力にモーターを使うシステムを搭載。シリーズハイブリッドなどと呼ばれるハイブリッド。
加速感覚は電気自動車的。そう、日産が誇る電気自動車リーフのフィーリングを、より安価に味わうことができます。
e-powerに試乗すれば、感覚は電気自動車。トヨタやホンダのハイブリッド車とは違いが大きいです。例えばアクアと比較すれば素晴らしい加速感が魅力的でした。
純電気自動車のリーフと比較しちゃうと、仕方ないけどノートは厳しい。
ノートe-powerは”電気自動車っぽい”というか、予想以上にエンジンが頑張って回っちゃって、電気自動車感が希薄。
アクセレーションに対するドライバビリティは良く、ラクに滑らかに運転できる。けど、快適性としては音や振動が気になる。
乗り心地やステアフィールも、普通に大きく重たいエンジンを搭載しているから、電気自動車らしさというよりは普通のクルマらしさが強い。
また、専用設計というリーフと比較すれば、妥協点も気になる。走行できるほどのエンジンを発電専用に使うの?という疑問。オイルなどのメンテナンス、自動車税なども必要。
そして同じボディで重量増。その分サスペンションは固められ、乗り心地は標準車と異なるものになり、短時間試乗でもアラが目立った。ボディは限界直前、タイヤもエコ性能重視だろうというのも予想できる。
長所より欠点が多く感じるのは、割高に感じる車両価格のせい。価格の割に装備面もやや厳しい。
ナビや明るいヘッドライトを追加して、リーフと見積もりを比較したら、差額はなんと100万円弱。ここからリーフの補助金と値引きを引けば、差額は50万円あたりになってしまう(2016年見積もり)。
ノートe-powerは売れているようで、しばらく条件は厳しそう。アクアなど同クラス内での質感は高い一方で、お値段的には上のクラスに近づく。わりに質感では上のクラスと大きな差がある。
上で述べたように安価に技術が降りてきてくれれば嬉しいんだけどね。「一般的な内容で...」と出てきた見積もりが270万円オーバーなのは、けっこうリッチな実用車だと思いました。
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三角窓は飾りではなく、実用性を感じさせてくれる形状。できる限り足下が見えるような形状で、例えば低い塀に寄せるときに効果を感じた。
違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転で試乗レポート。
受け売りでなく、カタログ的でない。紹介ではなくレビューです。
評論家さまとの違いは、率直な表現と自由度の高さ。辛口といえば辛口です。
評価評論・比較レビュー「間違いいっぱいの自動車選び」。