間違いいっぱいの自動車選び。マツダ・デミオ(3代目)「スポルト」の試乗レポート。
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塊感が強調された型のデミオで2007年デビューモデル。
真っ直ぐ走ってくれないとか、真っ直ぐ走りにくいとか、そんなクルマが多いと思いませんか?
コンパクトカーではフィットやヴィッツ、マーチなど残念ながらほぼ全て。ワンランク上位クラスでもノア/ヴォクシーやアイシスとか。
これってハンドルの反応が曖昧だったり、リアサスがやわかったり、ゴムに緩急材の存在が強かったり。ドライバーの思い通りにクルマが動いてくれない状態。
車両感覚が掴みにくいのも大きい。自車位置がわかりにくく、動作に対する感覚を掴みにくい。広い道を1台で走っていれば気になりません。でも、多車線道路の中央を走る時は、怖いし疲れる。
デミオはこの直進安定性の高さが素晴らしい。
今まで直進安定性なんて気にしたことがなかった人でもきっとわかる。
高級で大きく、ホイールベースの長いクルマならよくて当然。しかしデミオって価格重視なコンパクトカー。マツダでいえば最もエントリークラス。それでこの走りやすさは嬉しい誤算。
他にライバル比較で直進安定性の高さを感じるのは7型ゴルフ。こちらは意識してハンドルを回さなくても、行きたいと思うところにクルマ。筆者はこれ、無意識運転に一歩近づいたと思っている。
デミオはそこまでじゃない。それでも2014年現在のコンパクトカーで十分なレベルと気軽さを併せ持っている。
デミオ・スポルトのタイヤサイズは「195/45R/16」という、Cセグメントでも使われるようなサイズ。大きめです。
タイヤ大きめだけど止まっている時にハンドルを回せば、別に感触は良くも何ともない。むしろ革の滑りやすさからやや強めに握るのを強いられる部分などは慣れるまで苦痛を感じる。滑りやすいならもっとハンドルを軽くして欲しい。
しかし走り出すと評価は変わる。直進安定性が高いのは決してハンドル中心が重いからではないのがわかる。中立付近には軽く反応のない部分が残っており、その先もいきなり手応えが増すわけじゃない。
電動パワステ以前の油圧パワステみたいなフィーリング。コブシ1個〜2個分のハンドルを切って走る際のステアフィールは悪くない。
VWなどはここに強い手応えがあり、引っかかる印象がある。無理している面があるのか意図的にどっしり感を出しているのか。どちらにしても軽快感と気楽さではデミオの方に分がある。
デミオ初期設定タイヤはTOYOタイヤのプロクセスR31。プロクセスといえば悪くないイメージを持つ上品なタイヤですが、アジアンタイヤ(輸入タイヤともいう)に交換して見ました。
今回選択した銘柄は、「サイレン・アトレッツオ SAILUN ATREZZO」というタイヤ。
いちおう中国製といわれるけど、実際にドコの国のブランドでどんなタイヤかもわからず。これはワクワクします。
デミオは左右の車両感覚が掴みやすい。助手席側の距離間がわかりやすいから、狭い道でも、通常走行中でもなんでも来い状態。
最初は、思ったより寄ってしまい怖いと感じる可能性もあるけれど、それでもぶつけにくいことには間違いない。ドアミラーだって極端に出っ張っている他車が多い中で、適度な出っ張りだと思う。
またデミオはドライビングポジションが低いから、狭いところで苦労しそうなイメージがありますが、全然違います。昔の角張って窓がでかいクルマと同じように運転出来ます。
どんなに小さく小回りがきくクルマでも、車両感覚が掴めなければカンで曲がるしかない。結果、必要以上に余裕を取ることになり、無駄なスペースが多く必要。
実はコレ、ビッグセダンなどで感覚が取りやすいことが多いから、同じだけのスペースを使って回しているといっても過言ではないでしょう。
デミオは、フロント先端が見えないのは当然。真後ろの視界もそれなり。ここは普通にコンパクトカー。
しかしフロントサイドのベルトラインが低く、車両感覚の掴みやすさにつながっている。
運転席では包まれ感からくる質感が薄いんだけど、上半身丸出しというわけじゃない。適度に低いドラポジで上手にバランスされた包まれ感。これで車両感覚も取りやすいのだから見切りはデミオの優れた箇所。
着座位置の高いクルマが見切りいいとか、単純に評価できないのがおわかり頂けると思います。
※内容は辛口評価です。試乗時に確認したいポイントを重視!
サスペンションスプリングは純正オプションのローダウンサスから純正スプリングに交換しての試乗。
ハンドルを切ってからの反応は悪くない。適度なキビキビ感で走りやすい。ゴムでブニョブニョなモデルにありがちな、サスペンションは固いけど反応悪い、どこかに遊びがあるようだ。なんて事はないから、クルマが好きな方でも大丈夫。
角度のきつい交差点など、ハンドルを大きく回す際には、ステアリング表面の滑りやすさが気になる。思ったりチカラが必要で、これが”回す”チカラではなく”握る”チカラが必要。この手の革になれている方なら問題ないけど、できればトヨタ車のようなディンプル加工とか欲しいところ。
速度を上げていくと、舵の反応が徐々に落ちていく。
路面のミューが低い時もしかり。ドライバーに伝える情報が豊富なクルマだと逆に、安心感と感じる場面も多い。
ハンドルの反応に不満を感じる時、ほんの少しタイヤの空気圧を高めてあげれば対応出来る可能性あり。
空気圧を上げれば絶対的なグリップ力は落ちるけど、そんなにグリップ力が必要な場面は珍しいでしょ?
スキール音が出た先のハナシだから、いろいろ試して楽しむのだっていいかもしれない。
どんな車種でもスピンしないように出来ているといわれるし、そういえば筆者も公道ではスピンの経験なし。つまりどんな車種でも安定志向。強引な動作でリアが不安定になっても、わずかなステア調整で問題起きず。
問題は感覚。クルマによって速度を上げるとフラフラしたり過敏になったり、どっしりしていたり、必要以上に速度を感じたり、表現変えると安っぽかったり質感あったり、ドライバーが感じる感覚はいろいろ。
そういった部分からデミオのベーシックグレードとスポルトを比較すれば、より安定感を感じるのはスポルトの方。安っぽいけどフラフラするわけじゃない。ベーシックグレードのリアサスも固いんだけどね。
走行中、フロントのAピラーが邪魔になりにくい。
これってとても大きな長所。コンパクトカーしかりミニバンしかり、コーナーでのぞき込まないと先が見えないクルマ、とても多いんですから。
デミオだって完璧じゃない。十分太いし特別な技術が盛り込まれているわけでもない。それでも他車から乗り換えれば感動もの。太さと言うより位置や角度の問題も大きそうです。
電子制御スロットルを採用しているクルマでは特に効果的!スロットルボディの掃除。アイドリングが不調になったり、微振動が気になったり、アクセル開度特性がおかしいなと思ったら、まずはココを掃除です。
アクセルペダル操作に合わせて吸気量を調整するのがスロットルボディ。スロットルバタフライが空いたり閉じたりパカパカ動く。
電子制御スロットルと呼ばれるモーターでパカパカする自動車では、アイドリング時の吸気も同じバタフライで行う。全閉にはならず、少し隙間が空いてるのね。
アイドリング時はこの隙間から吸気してるみたいだけど、この隙間は汚れで簡単に詰まる!
隙間のつまりは車両コンピューターが感知して、アイドリングからバタフライを開けるように制御するのが想像出来る。そしてそれに合わせて学習制御が進むと予想。
ここでね、様々な不具合を体感することに。
掃除の仕方と様子は別ページでご紹介。作業時間は1時間〜2時間。
このデミオでも、キレイにしてコンピューターをリセットすれば、誰でもわかる大きな変化が体感出来ました。エンジンの静粛性が上がり、スロットル特性も改善。とっても運転しやすくなりました!
評価評論「間違いいっぱいの自動車選び」
例えば狭い住宅街でも困ることなく走れ、狭い駐車場でも困らない。デミオ一番の優れた点はこれ。
最小回転半径とか、如何にカタログ上のスペックが当てにならないかよくわかる。ご家族とかにもお勧めしやすいと思う。
次に直進のしやすさ。車線の中の中央を走れているかどうかもよくわかる。
どちらも特筆すべき点なんだけど、両方合わせ持っているのが凄い。
定年後のご夫婦、免許取り立ての方、田舎に引っ越して久々に運転される方、さらにコンパクトカーが大好きな方、コストパフォーマンス含め皆様におすすめです。
確かに欠点もあるし、安っぽい一面もちょこちょこ顔を出す。VWポロのようなCセグに迫る走りの質感とか、スズキ・スイフトで感じる価格を超えた高級感とかはなし。それでも総合的な走りやすさはデミオならではと言えるレベル。
長所が大きいから短所が気になりにくい。スイフトとはお好みで選んで下さい。デミオとスイフト、キャラクターで被る部分があります。
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内装をちょっと立派に返信。後付けパーツを取り付けてみる。写真は純正オプションのアームレスト。詳細は別ページにて。
こちらもちょっと加飾を。意外と面倒。詳細は別ページにて。
タイヤは大きめの16インチ。コンパクトカーにしてはタイヤ代が高く付くから、アジアンタイヤも選択肢に如何??
バネは純正オプションのオートエグゼというブランドに変わってます。初期はショックの動きが良くなる程度の固さで、沈み込んだ際に標準よりちょっと固い。良くも悪くもボヨンボヨンする普通のローダウンサス。
違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転で試乗レポート。
受け売りでなく、カタログ的でない。紹介ではなくレビューです。
評論家さまとの違いは、率直な表現と自由度の高さ。辛口といえば辛口です。
評価評論・比較レビュー「間違いいっぱいの自動車選び」。