間違いいっぱいの自動車選び。マツダ・デミオ(3代目)「スポルト」の試乗レポート。
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塊感が強調された型のデミオで2007年デビューモデル。
同じようなボディディメンションを持ち、同じような価格で売られる国産Bセグのコンパクトカー。無個性な足代わりのようで、意外にも個性豊かで選ぶ楽しみがあります。
限られたコストがあっち優先、こっち優先。個性が強調される方が当然かもしれませんね!
競合車をキャラクター別に分類して簡単に比較します。
デミオと並びフロントシート優先のコンパクトカーといえば、スズキ・スイフト。
こちらも走行の質感重視&コンパクトだからこそのエクステリアデザインが魅力。
スイフトは内装の質感が一歩抜けている。上質さを売りにしたノーブルなデザインはCセグメントに迫る高級感を持ち、満足感の高さは期待できる。
また乗り心地に関する質感も高く、リアサスのストローク感が乏しいことを除けば概ね良好。全体的に上級指向で簡単にはライバルが追いつけないだろうと思われるだけの差がある。
一方で走りやすさに関してはややクセがあり、慣れるまでは走りにくい。加速〜巡航、曲がるという走りやすさではデミオの圧勝。乗員の疲れにくさもデミオが優れ、また狭いところでもデミオの方が見切りがいい。
デミオとスイフト、走るという点に長所を持っているのが共通点。リアシートが相当狭いのも共通点。
なお、マイナーチェンジで登場した「デュアルジェットエンジン」搭載グレードは車両価格が10万円上がり、値引きも厳しいので、いまのところパスするのが吉。
走行性能より居住空間の広さを重視したタイプ。何が楽しくて狭いクルマを選ばなきゃいけないんだ?というならこの2台が選択肢。
確かに、コンパクトカーこそスペースが重要。よくわかります。コンパクトカー選びの中心ですね。
どちらかといえばデミオとは別ジャンル。だから比較対象としては微妙かな。一人で乗車する時間が長いなら、デミオもしくはスイフトがオススメです。
※内容は辛口評価です。試乗時に確認したいポイントを重視!
トヨタ・ヴィッツと日産マーチ。昔からの定番と言うだけでなく、ディーラー店舗数でいっても定番のこの2台。
キャラクターはスペース優先タイプと走行優先タイプの中間。
CVTの感触がよく、またトヨタ車を乗っている方には変わらぬ自然さで走れるのが利点。
久々にトヨタの70点主義を久々に思い出した。中間的な選択肢として。
内容でいえば全ての質感が低め安定。エンジンも乗り味も操縦性も、内装含めどれもが低レベル。ただしお値段が安め。値引きだって期待できる。
写真のマーチは4代目。初のタイ生産輸入車として話題となったモデル。
これはオフロード車のような乗り味で、ゆっくり走ろうが飛ばそうが良いところが見当たりません。
内外装の質感だって日産とは思えないほど低品質。価格が割高に感じてしまいます。少なくても安くはありません。
さらにいえば、3代目の素晴らしきボディデザインも捨て去り、アジアンチックなデザインに。
スイフトのスポーティグレードがお馴染み「スポーツ」。通称スイスポ。デミオの「sport」とはスペルが一緒で読み方が違うだけらしい。
デミオとは ちょうどいいライバルのように思えるけど、実際は別物。スイスポ=スポーティ。デミオ=一般車。
スイスポもスペックを見るだけだと、たいしたことありません。走り出してもエンジン回転数5000回転までは至って普通。
それがトップエンドまで使うと評価一転、本性を現す。別に速くも何ともないんだけど、上で加速力を増すこの特性がスポーティ。ホンダのDOHC-VTECが好きだった方なら気に入ると思う。官能表現でいえばプチVTECかな。
そしてエンジン以外、内装含め質感高いのは素のスイフト譲り。このあたりはクラスNo1といっていいハイレベル。
高回転型エンジンなんて旧来的という意見はごもっとも。スポーティなんてイメージの問題かもしれない。それでも個性の強いエンジンというだけで評価出来る。ワクワクしますね。
もちろん基本がコンパクトカーだから本格的スポーティと言えない部分が多々。デミオにしろスイスポにしろリアシートは使えないのだから、他クラス含めて比較するなら中古でまともなスポーティモデルを狙うという手も。
実用車として開発されたコンパクトを、スポーティに仕上げるのはやっぱり無理があるらしく、サスペンション変えてスポーティというのは寂しい。コスト面でも設計からローコストでまとめたクルマをレベルアップさせると、割高になってしまうのは容易に想像出来る。
ここにデミオがライバルとして存在する意味がある!分をわきまえたポジション。このクラスだからこその魅力。
走りやすさに特化したようなデミオなら巡航から市街地、狭い住宅街までクラスNo1の走りやすさ。
自然な走りやすさはスイフトを圧倒。走りやすいクルマで走りたいように走る、これだって十分スポーティの意。
実際に購入の際には、デミオ・スポルトとは一クラス違うだけの価格差がでる。スイスポは取得税減税がなかったり値引きが厳しかったりで総額200万円強。
筆者が見積もりした時には、在庫車でもナビゲーションサービスの値引きなしという結果に。見かけ上の価格に騙されてはいけません。
デミオもエコカー減税はなく、かつベースグレードとそう変わらぬ走行感覚。ただし条件面で期待できます。
コルト・ラリーアート・バージョンR。スイフトが別物だといえばコイツは規格外。新車時の価格も総額250万円値引き無し。
コルトの何が凄いかって、ベースモデルからのカスタム具合が半端ない。コルトの特徴は、スポーティというには不向きな面が多々あれど、要所要所は素晴らしい本格指向。
ターボ加給されるエンジンはゆるゆるでスポーティでない上にトルク不足の超低回転域。燃費もやや悪い。ドラポジはミニバンに近く、走行感覚はな超安定志向。ハイギヤードすぎるギヤ比などネガティブな部分がずらり並ぶ。
ネガティブな部分が並ぶ反面、ポジティブな部分はものすごく素晴らしい。同クラス他車とは比べものにならず。
適度なパワーといってもフロントタイヤを楽々ホイルスピンさせるだけのパワーはあるし、搭載されるゲトラグ製MTと比較すればスイスポのMTなんてゴミ同然。
このミッション、ホントはエンジンレスポンスが良ければシフトチェンジがもっと楽しいんだけど、扱いやすいしコンパクトカーには贅沢なほどの質感がある。
次にヴィッツG's。簡単に言えばヴィッツRSのサスペンションを交換してバンパー等の外観を派手にしたモデル。
こいつも長所短所がハッキリしたクルマで、交換されたサスペンションはなかなかの質感を持つ。質の高い車高調に近い味を持っている。
それでいて耐久性も加味されているだろうし、不良品率も少なそう。コーナーリング中タイヤが滑っても、接地感が安定していて落ち着いた挙動はコンパクトカーを運転していることを忘れてしまう。まさにトヨタディーラーが販売するモデルとして安心できる。
サスペンション以外はただのヴィッツだから、エンジンの質感は最悪だったり、MTはカローラのそれと同じフィーリング。ブレーキフィールもクエスチョン。一芸に特化した内容と存在感ある外観が魅力。
評価評論「間違いいっぱいの自動車選び」
スカイアクティブ技術と呼ばれ、ディーゼルエンジンが話題の4代目デミオ。有段6ATミッション搭載もトピックス。こちらもリンク先で、試乗レポートをご用意しています。
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違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転で試乗レポート。
受け売りでなく、カタログ的でない。紹介ではなくレビューです。
評論家さまとの違いは、率直な表現と自由度の高さ。辛口といえば辛口です。
評価評論・比較レビュー「間違いいっぱいの自動車選び」。