間違いいっぱいの自動車選び。試乗レポートはマツダ・デミオ(3代目)。当ページはグレード「1500cc・スポルト」の試乗記です。
当ページは3ページ目です。「快適性や日常での実用性」などを掲載中。
リアシートの実用性の評価といえば、広さと並んで静粛性や乗り心地の良さなんかも同じくらいに重要でしょう。
デミオのリアシートに座るとどうか?まず乗り心地は非常に悪い。
何が悪いのかって、サスペンションが固い。小さなボコボコが大きなボコボコのように伝わってくる。
そしてチープ。伸び方も縮み方も安っぽいの次元を越えてる。新車時〜1万kmくらいまで抵抗の塊のようなショックアブソーバーがこのクルマの本質を教えてくれる。そう、リアシートは非常用と。
マツダ車といえばリアサスが引き締まっているイメージ。デミオはクラスを考えれば仕方ないんだけど、固い上に安っぽさが目立っている。
このデミオは中古車を購入。いわゆるダウンサスと呼ばれる交換用スプリングに交換されていた。その後、気になる部分があり純正スプリングに交換。
すると、よくあることだけど純正スプリングの方が、ショックアブソーバーが突っ張ってる。パッツンパッツンのショックは最近のトヨタ車より酷い。
多少なりともダウンサスの方がバネレートが高いのね。だから少しだけバネが勝ち気味になる。フラフラとかユラユラしやすい反面、サスが動きアタリが柔らかく感じる。単純な乗り心地ならこちらが良好。
先代デミオはコンパクトカーの中で頭一つ抜けた重厚な乗り味を持っていた。今回のデミオは車重100kgほど軽くなったというから先代デミオはオーバークオリティだったのか?いや時代の流れか。どちらにしても単純に重いクルマの方が良いことも多い。乗用車に限ってはね。
静粛性について、1300ccベースグレードとこの試乗車「1500ccスポルト」では印象が異なる。スポルトに限定すれば、普通にコンパクトカーといった感じ。静かとまではいえないけど、ずっとデミオに乗っていれば慣れてしまうレベルの静粛性だと思う。
1300ccの方はリアハッチ裏からとんでもない音が終始響く。ハッチの鉄板部分ですね。1500ccでは内張りがある部分に内張りがないほど、明確に差別化されている。特に雨の日のスプラッシュノイズはひどいから、雨の日はデミオに乗らず、タクシーを利用して下さい。
デミオのリアシートって、不安感が少ないと思う。”不快感”ではなく”不安感”ね。ここでいう不安感とは、運転が下手だったり居眠りしてそうだったりという内容。
巡航中、ドライバーが真っ直ぐ走っているつもりでもリアがフラフラしているクルマってかなり多い。例えばフィットとかヴィッツとかマーチとか...。このフラフラ、同乗者は敏感に感じ取る。
デミオは同じドライバーが運転しているとは思えないほど、真っ直ぐ走る。
スポルトはリアサスが固いからとかスタビが固いからとかではなく、1300ccベースグレードでも一緒。そもそもトーションビームはそれ自体がスタビ。無くて用が足りるならきっとその方がいい。
真っ直ぐ走る+低くFシートを抱え込むような着座姿勢。デミオのリアシートはこれが組み合わさって不安感少ない感じに。
一応ね、ドライバーが先読みせずに修正舵の繰り返しとか、あまりにタイヤ空気圧が低い場合はデミオでもフラフラ。ここは過信せずご注意をどうぞ。
デミオ・スポルトの一番最後のモデルは、フロントのショックアブソーバーにモンローブランドを採用しているかもしれない。一番最後のモデルっていつの?マイナーチェンジもしてないかもしれないからわかりにくい。筆者の予想だと、シューティングスターなどの特別仕様車が出た時期以降と予想する。
実際、未試乗だし未確認。ネットにもほとんど情報なし。ただしサスペンションブランドのテインのホームページや純正部品、その他の情報を総合して考えれば、モンローのアブソーバーを使用しているデミオは確かに存在すると思う。
マツダ車全体が持つ致命的な弱点がショックアブソーバー。だからこそ、ショックアブソーバーがレベルアップし、それに合わせてセッティングされているモデルはとってもとっても期待できます。
狭いところでは見切りの良さという長所を発揮。取り回し性もOK。
ここだけ見れば短距離を重視したクルマのようだけど、長距離もラク。両立しているのがいいね。3時間ドライブならトイレ休憩さえなくても大丈夫。
シートはマツダらしさ満点。
マツダらしさって筆者が勝手に抱いているイメージで、全然違うかもしれないからアレなんだけど、まず、座面の大きさは初代アクセラくらいはある。小さめだけど小さすぎはしない。
またコンパクトカーでは珍しく男性も座れる形状(女性は内股、男性は外股)。
問題は2つ。ひとつは新しいうちはつっぱり感の強いシート生地。それが、柔らかく大きく変形するクッションに組み合わせられるから不快。古くなると伸びてたわんでいるのがすぐわかる。クッションがへたるのか生地が伸びるのか、中古のマツダ車を見るとかなり多い。
次に、クッションの変形と一緒にシートバックが動いているのかも。新車から5年経過する前に、ギゴギゴ鳴り出す。不安感を感じるかもしれない。レカロシートみたいにゴム板変えて簡単に直るならいいけど情報不足。
マツダ・デミオが属するのは日本で定番のコンパクトクラス。全長4000mm前後で最近はBセグメントなんて呼び方もされます。
コンパクトクラスは近年、急激に質感アップし、高い人気と知名度を得ています。ハイブリッド車がブームになり、一番人気は取られてしまいましたが、今も豊富なモデルがラインナップされています。
「コンパクトだけど広いクルマ」「コンパクトらしさを生かしたクルマ」「経済性最重視」「とりあえず用意されたクルマ」いろいろあります。
デミオは「コンパクトらしさを生かしたクルマ」。ボディデザインはアグレッシブな前傾デザインとギュッと固まった塊感で、スペース重視の他車とはちょっと違う方向性です。
またコテコテさせて質感を”ダマス”他車とも違います。
リアシートが狭いのは想像の通り。個人的にはこの割り切りが清く気持ち良い。コンパクトなファミリーカーを求めるならデミオは違います。フロントシート優先、1〜2名乗車がほとんどいうユーザーにピッタリの特長を持ちます。
デミオのラゲッジスペースは至って普通。スイフトよりは良く、ヴィッツやマーチと同じような感じ。
手元のメジャーで寸法計測
ラゲッジ寸法 奥行き66cm、幅100cm、入り口最低地上高71cm。
リアシートを倒した際、段差は大きく残る。使い勝手は最良ではないけど、簡単に倒せるのが利点。
なお、ラゲッジスペースにアンダートレイはありません。
ネットでバッテリー価格を確認
国産車バッテリー
ラゲッジスペース。アンダートレイは無し
シートを倒すと大きな段差が出来る上にフラットじゃない。
見た目で選んでも後悔しないと思います。
輸出用デミオのリアリフレクターを付けるとこんな感じ。
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