評価評論「間違いいっぱいの自動車選び」。日産キューブ・Z12型。2017年式の試乗レポート。
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デビューから10年超、未だ美しいボディデザインに惹かれます。
キューブの内装はシートが立派!見た目も肌触りも座り心地も良好で、大きさも大型サイズ。
内装(内張り)を見ると、インパネ形状のデザインは優雅、多くの部分でパネル材質は貧弱。そして全体的に部品点数が少なく大味。
曲面が多様されたインパネは、造形的には立派に見える。なので内装にこだわりがないユーザーなら不満はなさそに思える。
内装が気にならければ買わない位のユーザーだとプラスティッキーな材質が気になると思う。
パネル表面のシボ(模様)が安っぽく、質感が低い。どのくらいといえば軽自動車、それもミライースやアルトといったベーシックグレードと同じレベルに思えるほど。
インパネからドアトリムへはラウンドして繋がる。とても魅力的な部分だけど、なぜか段差が。
精度の問題かと思えば、段差はあまりにも大きく、しかも左右均等。敢えてデザインしたの?って感じですが、どんな理由があるのか気になります。
また一つ一つのパネル面積が大きく、加飾される上級グレードを選んでも、残念ながら立派には見えず。
しかし一点だけ見れば、コンパクトクラスとは思えぬほど立派な箇所がある。それはシート。
※内容は辛口評価です。試乗時に確認したいポイントを重視!
シート表面の素材感も、内部的な座りやすさも立派で、そしてサイズも立派。見るからに上質かつ、機能性も高い。
フロントシートだけでなくリアシートも、クルマのサイズを考えれば規格外?というレベル。
走行性能だけ考えれば、柔らかくてクルマの動きを感じにくい面はある。それでもこのキューブのシートなら、そうした欠点を補って余りある快適な座り心地を得られる。 車内での仮眠時だって、良さを存分に味わえます。
シートが大きいのは体型の大きなドライバーでも快適なわけだけど、キューブのそれはちょっと大きすぎるかもしれない。
この写真では、ドライバーの膝の位置と、シート先端に注目して下さい。
左が身長172cm、座面が長過ぎる。
右が身長182cm。座面の長さは丁度良いくらい。このシートはまるで輸入車のようなサイズ。
輸入車と比較すれば、座面が柔らかいから違和感は弱いけど、身長160cmほどのドライバーだと浅く腰掛けたくなる場合も。
膝裏まで圧迫感が強いと足がダルくなったり、ペダル操作がしにくかったり。ディーラーでの試乗は短時間なので気づきにくい部分だけど、よければ気にしてみて下さい。
ドリンクホルダーは運転席側のみ、エアコン吹出口の場所にデザインされている。助手席側は見た目優先、運転席側は機能性優先という感じかな。
このドリンクホルダーが個性的で、大小2連の形状をしている。太めのドリンク2本は難しいけど、サイズに合わせてどちらかを利用できる。また灰皿を使うユーザーなら、灰皿とドリンクと両方置けるだろうと予想。
なお助手席側はドアポケットとアームレストにドリンクホルダーが用意されている。
円形にデザインされたエアコン操作部だけど、スイッチが機能によりサイズや段差で差別されていて使いやすい。
レイアウトは好ましいんだけど、惜しいのは精度。試乗したキューブではいくつかのスイッチで引っかかりが感じられた。
最近では全体的な精度が上がり、精度が気になることが減ってきたからちょっと気になる(個体差の可能性もあります)。
キューブのどこに座りたいか選択権があるのなら、筆者は助手席と即答。運転席より助手席を選びます。
丁度よいシート高に、座りやすく立派なシート形状や材質、着座姿勢もきちんと座れるから足元だって狭さを感じない。快適です。
前後方向への揺れが大きいキューブだけど、アクセルワークが丁寧なドライバーならそれも無問題。この場合は長距離ドライブだってゆったり。
リアシートは?と考えると、シートはフロント同様立派ながら、着座姿勢が悪いため座りにくく、また静粛性が低いためフロントシートとの会話に神経を使う場合も。
この場合は乗り心地どうこうより、ドライバーの声が聞こえやすいかどうかが最重要。声が小さい、聞き取りにくい、そんなドライバーだったらかなり神経を使います。聞き直すのも申し訳ないし、疲れちゃう。
連日100km前後の走行をし、あちこち慣れて違和感がなくなったキューブだけど、最後まで思い通りに操作できなかったのが、コラムシフトでのシフトセレクト。
正確にいえば「P」から「D」への操作は無意識に滑らかに操作できるようになった。
それでも、「D」から「R」、「R」から「D」への操作で神経を使い、時間もかかる。
困るのは駐車時とか素早い切り返しが必要な時。すばやく操作しようとすれば、雑な操作にならざるをえない。操作自体はそのうち慣れちゃうだろうけど、時間がかかるという部分はどうしようもないかもしれない。
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違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転で試乗レポート。
受け売りでなく、カタログ的でない。紹介ではなくレビューです。
評論家さまとの違いは、率直な表現と自由度の高さ。辛口といえば辛口です。
評価評論・比較レビュー「間違いいっぱいの自動車選び」。