タイヤ使ってみました!
アジアンタイヤとの比較など
コンフォート性能として乗り心地と騒音テストをメインに、タイヤによってはサーキット走行でのレビューも掲載中。
台湾のタイヤメーカー「CST」から発売される「PRESA PS55」についての使用レポート。
PRESA=プレサ、
通称CST=Cheng Shin Rubber。
PRESA PS55は、低価格なスポーティタイヤ。いや”スポーティ”というより昔ながらの”ミドルクラス・スポーツタイヤ”。メリハリ感重視系。
価格はスポーティ系輸入タイヤの中でも特に安い部類。16インチ17インチ辺りの価格が特にお得感ある。メーカーがスポーツと謳うからスポーツってわけじゃないけど、味付けは十分スポーティ。とても低価格にスポーツタイヤが購入できます。
通販ショップ / 価格と取扱の有無は変動しています。
PRESA PS55を三菱・コルト(ラリーアート)で使用しました。
タイヤサイズは「205/45/16」
(試乗レポート:コルトラリーアート・verR試乗インプレッション)
比較参考:ファイアストン・ファイアホーク・ワイドオーバル使用レポ
「ファイアストンの”ファイアホーク・ワイドオーバル”」からの履き替えということで、一部比較も含みます。
タイヤは特に評価基準、判断が難しく、テスターの体調次第で比較評価が変わってしまうほど繊細です。主観を多く含む評価になってしまう点をご了承下さい。
※記事中のタイヤ空気圧、圧力単位は 「kgf/cm2」。
※XL規格=ヨーロッパのETRTO(エトルト) XL規格。
超低価格 + スポーツ性能重視系 (XL規格)
タイのタイヤメーカー、通称CST=「Cheng Shin Rubber」が発売する超低価格なスポーツタイヤがこの「PRESA・PS55」。スポーツタイヤは高い!というのが当たり前になってる世界で、1本4000円とかで購入できるスポーツタイヤです。
使用しての特徴は、シャキッとメリハリがある。単純にグリップ力がどうこうでなく、フィーリングがスポーティ。だからこの点に関しては、スポーティタイヤではなくスポーツ系タイヤだと思います。
快適性は多くの場面で平均以下。これはもう、仕方がありません。寧ろ、演出でしょうか。コルトとの組み合わせでは、固いリアサスとマッチングが良く、乗り心地は悪くないと感じる場面も”たまに”あります。
静粛性、乗り心地、バイブレーションなど快適性についての使用感。印象を一口にまとめれば、10年ほど前の国産スポーティタイヤのよう。
乗り心地はゴムが柔らかいわりにゴツゴツ。静粛性はパターンノイズもロードノイズも混じって静かじゃない。別の言い方をすれば戦車とかクロカン4WDを運転しているような感じ。
コンパクトカーは全般的に静粛性が低く、風切り音も多く室内に侵入するが、風切り音を打ち消して、中低域の周波数帯ノイズが響く。コルト・ラリーアートのようなクルマの場合、同乗者にはクルマなりって思われたり。
同乗者にはちょっと辛い快適性能。反面、ドライバーにとっては走りやすい快適さがある。コンフォート系タイヤと比較し、通常運転でも走りやすい。安価な輸入タイヤはもとより、国産の低価格スタンダードタイヤよりも走りやすい。
なにがいいってやはりスポーティタイヤ。ファイアストンのファイアホーク・ワイドオーバルとの比較では、ステアリング中立付近から手応えが増し、直進安定性も向上。切り始めてからの反応も早くなるから切り遅れが減る。
うまく運転しやすくなり、同乗者の車酔いも減ると思います。
スポーティ走行時の印象は、なかなかメリハリの効いたタイプ。食っているか滑っているか、ある程度のメリハリってスポーティタイヤには重要。終始ダラダラしていたら面白くないですから。
あんまりGをかけず、タイヤへの入力が少ない一般道、試乗車コルトはFF+ターボということもあり、フロントタイヤがホイールスピンする時は意外と唐突。スキール音もしないでタコメーターがレッドゾーンを目指す。
言葉で表せば「プッツン」という感じ。こんな時は単純にグリップ力低いよねって思う。
まともなLSDが欲しくなる。荷重掛かっていなくて温度も低いからしょうがないと言えばしょうがない。
オーバーステア時のチェック。コルトは極端な旋回ブレーキをしないとリアがでないから、速度が上がってちょっと危険。それならばということで、コーナーで軽くサイドブレーキを当ててみる。グリップして滑って戻るまでの反応が早く、やはりメリハリある。ステアリングを切る戻す速度も速いから、気分はとってもスポーティ。
空気圧を2.5キロあたりにセットすればヨレが少ないって感じる。ステアリングを切る際の反応はレスポンスの良さを重視した系。ワンテンポ遅れてグワッとくるわけじゃなく、中立からガシッとしているからゆっくり切ればゆっくり反応。運転しやすい。またステアリングを切り込んでから0.3秒後、グッとタイヤが路面を掴む感触がどこからか伝わってくる。安価なスタンダードタイヤのようにグニュグニュとしたヨレまくり感覚ではなく、それなりの剛性感。
大きく気になる点は一つ。コーナー途中に大きなバンプがあるとき。タイヤに強めの荷重が素早く乗るわけだけど、そんな時、中折れするようなフィーリングを出す。タイヤサイドがガクッとたわむようなフィーリングね。乗り心地固めのタイヤだからわかりやすいのか?
準備中
このPRESA・PS55に変えて始めに感じたのが、クルマが重い!タイヤの抵抗を感じるんだけどそれがMTだとわかりやすい。
具体的には、ハンドル切った状態で発進しようとすると、クラッチリリースだけでそうっと出るのが無理。
アクセルペダル踏まなきゃいけない。もともと1500ccだから低回転トルクは無いんだけどね。
また加速時、普段より3%(1mm)くらい、アクセルペダル開度が大きい感じがする。
ところが、走り出して30分ほどすると、不思議とクルマが軽くなる。ハンドル切って発進も問題ない以前と同じにスタートできる。
最初は流石スポーツタイヤ!いや気のせいかも。と思ったんだけど、何度運転しても同じ印象。やはりタイヤ温度が原因だろうと思う。
30分は冬の気温。冬場で30分、準備体操が必要らしい。
どんなクルマもタイヤも、暖まりによって多少は印象が変わるけど、PRESA・PS55は印象深いだけの違いがある。
こんなんだから燃費、短距離が多い方だと伸びないと思う。筆者の場合、1回エンジン始動すれば、1時間は走行することが多い。下記、前タイヤとの比較。
燃費、筆者の環境では体感するような違いはありません。ちなみにサーキット走行をすると、平均値で6キロ、とかになります。
タイヤを交換する際のバンラス取り、手数料払って重りを付けてもらうアレです。
最近はタイヤ及びホイールの品質向上により、バランス調整を行わない方も増えているらしい。筆者はお財布と相談してやったりやらなかったり。
ということで今回のPRESA・PS55、バランスを取らずに試乗。どんな感じ?走行を開始して直後はリアタイヤからホントに微妙な振動がシート座面に伝わってきた。人によっては気付かないレベルの振動。しかし500kmも走ったら収まってしまった。
一方で高速走行でステアリングに伝わる振動というかステアリングが左右に振られる症状はなし。こちらは発病すればわかりやすいものだから放ってはおけません。もし発病したらバランス調整を行った方が安全です。
左の写真は約1万km走行後のフロントタイヤ。
目視だと、あんまり減っていないように見える。コーナーで数回のホイールスピンをしてしまった。この時点ではまだサーキットは未走行。
コルトはコーナーリング時のタイヤ設置状態がよくないから、外側が減りやすい。車高&キャンバーはノーマル。
長所があるから欠点が気になりにくい。クルマにおいて常に感じる事ですが、それくらい味が濃くなければ積極的に選ぶ理由は希薄。なんでも良いって事になっちゃいます。
PRESA・PS55は特徴あるタイヤでお値段安い。それが魅力。安くて全てを求めるのは失敗の確率が高いというわけです。
楽しめる点ではベストな空気圧を見つけるのも一つ。PS55はスイートスポットが狭く、外すと騒音や乗り心地、剛性感が大きく悪化します。何も気にせず快適に走れるタイヤとは違うと思います。
筆者の状況では2.4キロが快適性ベスト。別のクルマだとどうなるか気になります。
タイヤのキャラクターはメリハリあってスポーティ。ステア時にはカッチリ感も体感できると思います。特にFF車ではダラダラとしたスタンダード系タイヤよりよほど楽しく走れると思います。
※文中のタイヤ空気圧、圧力単位は 「kgf/cm2」。
※XL規格=ヨーロッパのETRTO(エトルト) XL規格。
PRESA・PS55、市販の騒音計を利用し、ノイズを計測してみました。単位はdB。(dBについてはネット検索して下さい)。
騒音計ということで音圧に補正が掛かっていますが、人間が感じる不快さとは違います。耳障りな音とか、そういった感覚は含まれていません。
タイヤ空気圧が高いと、騒音(ノイズ)は大きめになる傾向があります。計測時はXL規格のタイヤとして適正値。乗り心地は2.4キロがベストに感じられました。2.4以下だと逆に悪化します。特別悪くない舗装でもザラザラゴロゴロと、終始、路面のざらつきを伝えるような感じです。
シフトポジションはトップギヤ5速で計測。 時速80キロ以上では、エンジンノイズによりFシート側がよりうるさくなりました。
すべてアマチュアレベルの計測なので、厳密な正確性については期待しないで下さい。
※マフラーの排気音がうるさいクルマなので、指定速度のやや高い速度に到達後、可能な限りアクセルペダルを緩めて走行。その間に騒音データを計測しています。
CST(Cheng Shin Rubber)のホームページ http://www.cst.com.tw/ 半分、日本語です。
MAXXISのホームページ http://www.maxxis.co.jp/ 日本語です。
安いタイヤの場合は組み付け工賃がネック。だからアルミホールセットがとてもオトク。送料が無料になったりも含め、差額は最小限(1万円とか)。
他のタイヤ、他の車種でもテストを行い、データを集めています。
違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転で試乗レポート。
受け売りでなく、カタログ的でない。紹介ではなくレビューです。
評論家さまとの違いは、率直な表現と自由度の高さ。辛口といえば辛口です。
評価評論・比較レビュー「間違いいっぱいの自動車選び」。