タイヤ使ってみました!
アジアンタイヤとの比較など
コンフォート性能として乗り心地と騒音テストをメインに、タイヤによってはサーキット走行でのレビューも掲載中。
台湾のタイヤメーカー「NANKANG(ナンカン)」から発売されているタイヤ「NS-2」についての使用レポート。
安くてスタンダード〜ややスポーティなキャラクター。
ナンカンと言えば低価格&輸入タイヤの中では超有名。なにしろ一般のカー用品店で取り扱っているお店が多い。
また輸入タイヤは取り寄せ、なんてお店でもナンカンを勧めてくる。
そんなお店でもオートウェイの通販で仕入れるなんて聞くから、きっと安くて高品質。ある程度の利益を上乗せしても問題ないということなのでしょう。
オートウェイから仕入れるというのは、馴染みの店舗(TVCMやってるお店)で教えて頂きました。
「信用」と「責任」を重視する立場の方が、安心して勧めるナンカンタイヤ。性能はとりあえず置いておいても、実用上の品質は十分と予想ができます。筆者の周りでも使ってる人が多く、インターネットで購入すれば実店舗よりさらに安い。
そんなナンカンの性能やキャラクターについて使用感をまとめます。
価格と取り扱い有無は変動しています。
NS-2を日産・スカイラインクーペで使用しました。
タイヤサイズは「225(245)/45R18」
韓国・ネクセンN9000と同時チェック。比較的な言及もしています。
タイヤは特に評価基準、判断が難しく、テスターの体調次第で比較評価が変わってしまうほど繊細です。主観を多く含む評価になってしまう点をご了承下さい。
※記事中のタイヤ空気圧、圧力単位は 「kgf/cm2」。
※XL規格=ヨーロッパのETRTO(エトルト) XL規格。
ややスポーツ系 + 低価格重視系
NANKANG(以下ナンカン)は台湾のタイヤメーカー。
ナンカンタイヤのラインナップ中、NSシリーズはスポーティな位置づけ。その中でNS-2は最もベーシック。後から追加された「NS-2R」がよりスポーティ、「NS-20」がよりコンフォートな味付けとなっています。
そこでこのスカイラインクーペには今回、イメージに合いそうなNS-2を選択。
またNS-20は別のクルマ用に購入して現在、印象をまとめています。
スカイラインでは一時期、NS-2とネクセンN9000が同時に試せる環境があったので、比較使用感がメインです(現在N9000は処分済み)。
NS-2を使用するクルマはV35スカイラインクーペ。タイヤの使用感をまとめるにあたり、サスペンションロアアームを交換。ブッシュの変形による意図せぬ動きを改善。またショックアブソーバーを新品の純正品に交換しました。
空気圧は冷間時、フロント2.5キロ、リア2.4キロ(kgf/cm2)で使用。タイヤは2015年購入。
高いモノは内容も良いのは常。でもタイヤはちょっと違って、好み(求める特徴)が一致すれば、それが最も満足感が高いと思う。
高いお金を出したとしても、例えばレグノ、ポテンザ、エコピア、長所はみんな異なるしね。さらには愛車とのマッチング。少なからず運要素だってあるw やっぱり高ければいいってモノじゃない。
ナンカンNS-2をスカイラインクーペに装着した場合の特徴。
このタイヤで最も目立つ欠点といえば乗り心地の悪さ。国産タイヤやグッドイヤーなど有名所の輸入タイヤでのスポーティタイヤだって固いけど、全体的にアタリはマイルドな傾向。というかそういうトレンドになっている。
そして国産車の突っ張り気味のサスペンションと組み合わせても、「衝撃」というより「揺すられ」という感覚になる。ガツン!じゃくてタイヤのゴムを感じられるというイメージ。
NS-2は固さはほどほどにも関わらず、アタリはきつい。ガツンと来る。結果、固いスポーツタイヤより乗り心地が悪い感じを受けてしまう。
空気圧を調整することでバランスを取ることもできるけど、基本的な印象は変わらず。
スカイラインクーペはサスペンションの動きだしが優しく、条件としては悪くないハズなんだけど。これがネクセンN9000の場合は、クルマに衝撃を与えない段差とか路面の種類が、とても多くなる。
タイヤとサスペンションだけで解決する範囲が広く、乗り心地で高級感を感じさせてくれるのは、ネクセンの方。
話は戻ってNS-2、3500ccエンジンを積んでやや重量級のスカイラインでこんな感じだから、軽量級の車種だともっと乗り心地が悪く感じるかもしれない。
逆により重量級のセダンやミニバンだったらどうだろう?実はNS-2を履く知人のエスティマ、4人乗車で乗り心地はそんなに悪くない。
NS-2はうるさいといったレビューをよく目にする。確かに、低い周波数のゴーゴーとした音が目立ち、お世辞にも静かとは言えず。しかし何と比較してうるさいんだろう??筆者的には、アジアン系輸入タイヤの中では良い方だと思う。ネクセンと比較しても少しだけ、NS-2の方が静かなように感じる。
スカイラインクーペとNS-2の組み合わせだと、確かに高級車のように静かではない。路面問わず、タイヤの音が聞こえてくる。
でもどれくらい不快かと問われれば、フィットやデミオ、スイフトあたりと新車時装着タイヤの方が不快。スカイラインクーペとNS-2の方が快適だと感じる。
またエスティマに乗る知人が、すり減った「ダンロップ・ルマン3」から「ナンカンNS-2」へ交換し、”寿命間近”vs”新品”での比較なら、静粛性に差は感じられないらしい。
ということでNS-2の静粛性は、「ややうるさい」あたりの評価が妥当かと。
ネクセンタイヤと比較すると、ステアリング中立付近はやけに軽い。よく言えばFRらしさが強調される。
そんな中立付近、軽いと言っても反応がないわけじゃない。ハンドルとタイヤが繋がっていないように感じるのとはちょっと違う。穏やかにじわっと反応を返してくれる。
全開加速時、1〜3速ではフロントが浮き気味になる。荷重が減ったそんな時、ステアリングの手応えはかなり低下。何も考えずに加速できるのは5速以上だけなんてw
クルマ側の問題だろうけど、ネクセンではこんな感じはなかった。タイヤがドライバーに伝えてくれなかったか、こんな時でもグリップ力が強かったのか。
コーナーでは低速で強く旋回しようとした時、国産スポーツタイヤのようにスイスイ曲がっていくのとは違う。
でもこれは試してみただけで、いつもこんな運転が出来るワケじゃない。
普通のペースで早めブレーキ、丁寧な動作に徹していれば、クルマの特性によってかなりスイスイと気持ち良い。
NS-2でよく言われるのがブロックのヨレだけど、筆者はまだ酷いヨレは経験しておらず。
一般的な範囲内かと思われるがどうだろう。トレッド柔らかそうなのにね。自分が鈍感なのか操作方法によるものなのか、もしかしたらタイヤが年次的に改良されているのか?
サイドウォールの中折れというか腰砕けは経験した。うねりあるコーナーで一気に荷重がかかると、サスペンションが一瞬ペコンとするような感覚になる。
アジアン系タイヤでよくあるし、柔らかいネクセンタイヤでは段差をいなしてくれていると思ったら唐突な挙動を受ける時もあった。
こうした路面でちょうど少し前、VWゴルフR+ポテンザS001(40扁平)では変な挙動を感じなかった。絶対的なグリップやステアインフォメーション以外での、タイヤ特性に差がある部分じゃないかと。
クラッチペダル付きのMT車だと、けっこう気になるのが転がり抵抗と、温度変化的な特性。やや高めに空気圧をセットしたNS-2は他のアジアン系タイヤより走りやすい印象。
走りにくいタイヤって重たくて抵抗がある。クラッチを繋いで走り出す時、タイヤの抵抗で発進しにくい。
ハンドルを切っていると特に。またシフトチェンジ時、クラッチを切ってる間に速度低下が大きい。そして走行時間が延びると急に軽くなる。
ナンカンやネクセンはこのあたり、タイヤ温度なんて気にならないし、NS-2は特に軽く転がる方だと思う。
一口にアジアンタイヤといっても、韓国や台湾のグループがあって、そしてタイやシンガポールあたりのグループがあると思う。また輸入タイヤという幅を広げれば海外向けダンロップや中国産コンチネンタルなどのグループもある。こうした部分で差がわかりやすい。
スカイラインクーペはブレーキが気持ち良い。リアブレーキも仕事をしていて、そのディメンションの関係もありリアがしっかりと沈み込む。
どんなクルマでもそうだけど、旋回中のブレーキはドライでもあんまりしたくない。しかしNS-2はウェット路面でのフィーリングが良いので、ちょっと試してみる。
結果、ドカン!と踏めばプツン!と一瞬、外に逃げる。だけどジワッ!と強く踏めば、何も起こらず減速。強い横Gを感じている時にドカンと踏めば、内に向かおうとするチカラが強まるけれど、普通にちょっと早めペースくらいならズズッと一滑り。
こんな時、ヤバイと思う前に速度が落ちている。だから何てことはない。
ネクセンN9000とウェット路面で比較すれば、走り出してすぐからナンカンNS-2の方が走りやすい。
このタイヤを持ち上げて運んだ時、少し軽量な気がした。もし本当に軽量だとすれば、タイヤ内部のビートワイヤー(スチールワイヤー)が貧弱という可能性がある。
実は少し前、SUILENという輸入タイヤで寿命直前、編摩耗のような現象を体験した。
普通に走行している分には気付かないが、極低速域や減速しての停止直前、ボカンボカンというノイズと微振動が少しだけ、気になった。
他のドライバーは気付かなかったからほんの少しだけどね。
タイヤは普通に利用していて、スポーティ走行といってもゴムが切れるような摩耗もないし、パンク修理もしていない。
ほんのちょっとだから気にするほどじゃないと思うけど、神経質な方の場合は、スリップサインまでは使えない”可能性”があると思っていた方が良いかも。それでも価格的なメリットあるのが素晴らしい。
ナンカンNS-2を購入してから約6ヶ月&1000km走行。して感じる事は、乗り心地は悪いけど、それ以外に特別気になる部分はない。細かい事いわなければ、国産とそんなに違いはないといってもいい。普通に、一般的なタイヤとして使えると思います。
ネクセンNシリーズと比較すれば、このNS-2の方が欠点が少ない。逆に特別な長所もない。Nシリーズはスポーティといっても国産エコタイヤ以上の乗り心地の良さが別格。それから直進性の高さや中立付近の好ましい手応え。このタイヤだけの見所がある。
もう少し固めで路面インフォメーションが欲しいとなればこのNS-2だろうけど、なんだかんだでけっこう普通だよね。そこが魅力だったり。
今回NS-2はホイールへの組込み代金を合わせて約4万円。通販のオートウェイで特価品サイズということで安かった。
この18インチサイズで国産銘柄を店頭で購入したら、1本2万、4本8万円くらいは必要だろう。
差額は4万円+工賃分。タイヤは車体とのマッチングによる運要素もあるし、目的や欲しい特徴がハッキリしているなら、安いタイヤは非常に魅力。
何かで1番が欲しい時、例えば静粛性の高いタイヤなら国産レグノ、アドバンdB、ビューロと絞られてくる。しかし国産ミドルクラスで大径サイズを狙うならば、輸入タイヤの魅力はものすごく高い。
ややスポーティなイメージを持つ、スタンダードなタイヤ。
安いタイヤの場合は組み付け工賃がネック。だからアルミホールセットがとてもオトク。送料が無料になったりも含め、差額は最小限(例えば1万円以内とか)。
※「NS-2」と「NS-20」比較コーナーも別ページに用意しています。
このタイヤと近い存在に、「NS-20」というタイヤがある。
後から発売されたバリエーションモデルで、今回タイミング良かったので同サイズのNS-20も購入し、現在マークXジオに装着して試している。
使用感想と比較すると、Ns-2とNS-20、予想以上にキャラクターが異なる。NS-2がややスポーティなスタンダードタイヤだとすると、NS-20は明確に快適性を重視したタイヤ。
基本的に柔らかいタイヤで、得意な部分では乗り心地は十分だし、静粛性は新車装着タイヤと比較できるレベルにある。
このNS-2の方が固めで路面インフォメーションの豊富さ、そこからくる走りやすさは上。だけど乗り心地は今一つ。NS-20はハンドリングがマイルドでシャキシャキ感がない反面、快適性は2歩くらい上。欠点が少ないタイヤとしてはNS-20の上かな。
価格は同程度。似てる部分もあるけど、キャラクターは異なる。どちらも良い面があるし、価格を考えればどちらも輸入タイヤの中で比較の中心的存在といえる。
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