タイヤ使ってみました!
アジアンタイヤの比較など
コンフォート性能として乗り心地をメインに、タイヤによってはサーキット走行でのレビューも掲載中。
グッドイヤー「LS EXE」(エルエス・エグゼ)の使用レポート。タイヤ使用感を掲載しています。
イーグル・LS-EXEはグッドイヤーのバランス系タイヤ。ミドルからアッパークラスに属し、様々な要素が求められた欲張りタイヤ。
さらにバランス系ミドルクラスだけあってコストパフォーマンスも重要というそんなジャンル。
当HPではこのLS-EXEをトヨタ・アルテッツァと組み合わせ使用。市街地メインに緩いワインディングで使用し、新品時から約2000km走行。他メーカーのスポーティタイヤやアジアン系輸入タイヤもホイール違いで所有しているので比較できる環境です。
そんな感じでウンチクメインではなく”日常的に使用した感想”と”ちょっと比較”がまとまりました。
通販ショップ / 価格と取扱の有無は変動しています。
LS-EXEはトヨタ・アルテッツァで使用しました。
タイヤサイズは「215/45/17」
(試乗レポート:トヨタ・アルテッツァ試乗インプレ)
タイヤは特に評価基準、判断が難しく、テスターの体調次第で比較評価が変わってしまうほど繊細です。主観を多く含む評価になってしまう点をご了承下さい。
※記事中のタイヤ空気圧、圧力単位は 「kgf/cm2」。
※XL規格=ヨーロッパのETRTO(エトルト) XL規格。
バランス系タイヤ & コストパフォーマンス重視 & ドレスアップ系タイヤ
グッドイヤーがスポーティ感を併せ持ったエコタイヤとアピールするのがこのLS-EXE。カタカナ読みだと「エルエス・エグゼ」。
このタイヤはメーカー曰くスポーティタイヤ。派手なTVCMやショー会場でのアピールでそれを強調。しかし実際は快適性とか省燃費タイヤのラベリングを重視したタイヤと思える。感じ方はそれぞれだから、店員さんやメーカーの宣伝文句に騙されちゃいけない。どこがどうスポーティなのかが重要でしょ。
このLS-EXEの一世代前が「LS2000ハイブリッド2」という銘柄で、いわゆるドレスアップ系タイヤだった。簡単に言えば”大口径タイヤがお安くしかもカッコよく”。そんな系統。
LS2000ハイブリッド2は筆者もインチアップでお世話になった経験がある。グッドイヤーといえば悪くなさそうだし、高くないしってね。
LS-EXEはそんなLS2000ハイブリッド2から見れば快適性は大幅進化。助手席に座れば高級タイヤって思うかもしれない。逆にハンドル握ればやっぱりドレスアップ系タイヤだと感じる。一言でいえばそんなタイヤ。
やはりコストパフォーマンスが重要みたい。筆者は17インチで1本21000円ほどで購入。期待していたほどの良さが無かったので少し高かったと思う。
タイヤの特性や組み合わせるクルマを考え、かつ上記サイズで1本17000円前後、そしてライバルより少し安ければ価値ありと思う。
静粛性の高さや乗り心地の良さといった快適性能。
ここはLS-EXEが得意とするところ。ミドルクラスという枠の中ではなかなか良い。
先代LS2000ハイブリッド2と比較すれば大きく向上。
静粛性に関して、タイヤが路面を叩く音(ロードノイズ)はうるさくないほどに抑えられている。静粛性にうるさいドライバーでも30分くらいの走行なら文句をいうことは無いと思う。
舗装の質が悪い路面を走っても、良い舗装路との差は少なく感じられ、路面によるロードノイズ変化は少ない様子。どこを走ってもそんなにゴーゴーはいわない。
良い路面と悪い路面の変化が少なく感じる理由を考えてみる。するとミゾが風を切る音(パターンノイズ)がけっこう大きく、速度による静粛性変化の方が気になりやすいからと考える事ができた。
組み合わせるクルマがセダンではなくミニバンタイプだったら、もっとうるさく感じるかもしれない。でもセダンボディのアルテッツァとの組み合わせなら総合してまずまず。
乗り心地はLS-EXEのもっともオイシイ部分。基本的に固めなんだけど、路面のザラザラなんかはシャットアウトしてくれる。本当はボディやシャシーブッシュが吸収して欲しい小さな振動なんかをタイヤが吸収してくれる。
これは低価格タイヤやスポーティタイヤじゃ味わいにくい部分で、クルマの質感をワンランク上げてくれる。
明らかな段差ではタイヤの固さを感じるから、荒れた舗装路や小さいポコポコはOKで、大きな段差はNG。例えばブリジストンのタイヤでは逆の傾向があるから、微振動や小さなポコポコが気になるという方はLS-EXEを試してみると面白い。
低抵抗、3ペダルMTのクルマならこれも快適性に直結。LS-EXEに変えたら発進が軽い。強化クラッチ+軽量フライホイールというこのアルテッツァでは効果はメチャメチャでかかった。
低回転トルクの少ない小排気量FF車で、ハンドル切りながら発進する時にもこの恩恵は受けられるはず。
「スポーティ性能を考えたシャープなハンドリング」なんてアピールされているから、どうしても期待してしまうハンドリングやステアフィール。
タイヤ使用感として先に結論を言えば、全然シャープじゃない!
いろいろ走っていれば、こういう部分をスポーティって言っているのかなぁなんて考えるけど、ことアルテッツァとの組み合わせでは、ミニバンに近づいたかもといった次第。
中立は曖昧で、中立付近のヨーの立ち上がりは非常に穏やか。向きを変えようとする反応を伝えてくれないまま、いつの間にか向きが変わってる。直進は走りにくい。
ジワッと穏やかな挙動を示すのに、ハンドルの重さはしっかりしている。エコタイヤに変えると中立付近が軽くなってフラフラ感がでる場合もあるけれど、LS-EXEは逆。スポーティタイヤに近い手応えでありつつ、反応は穏やか。
ここでいう手応え=ハンドル切る重さ。ここを見てどっしりしていると評価するスタッフもいる。
コーナーでハンドルを切り込んだ先、例えば舵角を微調整する場合では思ったより舵が効く感じなので、中立付近のみ大きめにハンドル切るとか、切るスピードを上げるとか、少し手前からハンドルを切るようにすれば何とかなる。ようするに、タイヤに合わせろということね。
以上のような感じなので、単純にハンドルを切る限りはシャープとかそういった感触はない。インチアップ用の薄いタイヤに合わせてあるのかな。
それから切ったハンドルを中立に戻すチカラの事をSATと呼ぶけれど、このSATがはっきり体感出来るだけ”弱く”なった。同じホイールでこんなにもSATの強さが変わるのにはビックリ。FF車では元々SATが強いクルマもあるから、上手く組み合わせればちょっとしたチューニングに利用できる。
運転を楽しむという部分ではもう一つ、ステアインフォメーションがある。クルマがどっちに行きたがってるとか路面の様子とか、そうした感触がハンドルに伝わるかどうかという部分。
このアルテッツァではスポーティタイヤもアジアン系の低価格タイヤも試しているけど、LS-EXEは最もインフォメーションを伝えてくれない。
筆者はアルテッツァのフロントが軽いようなステアフィールとか、豊富なインフォメーションを伝えてくれる所を気に入って所有しているわけだけど、LS-EXEだとこんな良さがスポイルされちゃう。
ちょっと組み合わせが悪いというか、目的に合ってないというか、一番欲しい部分が足りてない。やはりタイヤは目的がピッタリ合わないと。店員さんのオススメだからって騙されず、自己責任でキャラクターを見抜かなければダメですね。
省燃費タイヤっていわゆるエコタイヤだけど、何が違う?一言でいえば直進時だけグリップ(=抵抗)を落として燃費を稼ぐ。温度を最適化して燃費を稼ぐ。
そのために、一つは直進時のタイヤの変形を抑える。タイヤは変形することでグリップを発揮する。だから変形を抑える。
加速減速、コーナーなど状況により発生する周波数が異なるらしく、それに合わせてコントロールすることで直進時だけグリップを落とす、とのこと。
2つめに温度。タイヤ温度が上がりすぎればグリップが増す。低すぎれば単純に抵抗が強い。このウチ、温度の上昇を抑えるのが現在のメイン。タイヤによっては走り始め、ものすごい抵抗を感じるがここは程度の問題。初期から一定の性能を目指したタイヤは今後に期待。
エコタイヤの概要を知っていれば、どんなタイヤかの想像もしやすいはず。
同じタイヤで空気圧を高めに入れれば軽く転がるようになり、燃費も向上。固くなるからレスポンスも速い方向に変化。一方で乗り心地は悪化。固い上にポンポン跳ねやすくなる。そんな傾向がある。
空気入れただけで、タイヤを換えたような変化がある。プラシーボグッズや軽量ホイール、窒素ガスなど、実はタイヤの内圧変化の効果だったということが良くある。
タイヤの空気圧、最近は新車時の空気圧がけっこう高めになった。これは燃費を重視してるため。燃費と乗り心地、または燃費とグリップ力はある程度トレードオフの関係がある。乗り心地が納得できない場合は空気圧をグッと落としてみるのもいい。耐荷重の下限をみながらね。
普通に市販されているタイヤや新車時装着タイヤからの履き替えなら、実はほとんど差がない。誤差の範囲内だと思っている。特にレジャー利用メインの場合はそう。
毎日同じように通勤に利用する知人に聞けば、2%くらいの上昇らしい。
これなら例えば3万キロ走行で数千円稼げる(空気圧管理などは不明)。
ほとんど運転の差でどうにでもなるほどの差。しかしエコタイヤの性能を生かして走行すればもっと伸びる可能性もある。エコタイヤでは実燃費は体感出来なくても、転がり抵抗の少なさは体感できる。発進、巡航、減速時、クルマが軽い。だからギリギリのエコノミー走行を心がければ、実感出来るだけの高燃費が体感出来る可能性がある。
また条件付きながら、エコタイヤから1本3000円レベルの低価格タイヤに交換した場合、燃費の低下は簡単に実感出来たのを付け加えます。クルマはトヨタSAI。燃費20kmとかのハイブリッド車で、いつもギリギリの低燃費走行を心がけている場合、結果として数値に出てくると考えられる。
純正ホイールに純正サイズのLS-EXEを取り付けた写真。グッドイヤーのタイヤはLS2000の時からデザイン性が高いと思っていたんだけど、LS-EXEもやはりカッコイイと思う。
「225/50R17」という一般的に使用されるサイズで、50扁平だから厚みがある。
それでいてリムガードやショルダー、変に膨らまないサイドウォールという辺りが、1サイズ引っ張って装着した感じがいいね。
アジアンタイヤなどでは、40扁平でもイマイチだったりすることが多い。
グッドイヤーLS-EXE、市販の騒音計でノイズを計測してみました。単位はdB。(dBについてはネット検索して下さい)。
騒音計ということで音圧に補正が掛かっていますが、人間が感じる不快さとは違います。耳障りな音とか、そういった感覚は含まれていません。
※エンジンノイズや排気音がうるさいクルマなので、一定速度に到達後、クラッチを切った状態で計測。
タイヤ空気圧が高いと、騒音(ノイズ)は大きめになる傾向があります。体感上は?ロードノイズではなくパターンノイズが気になるので、頭痛がするようなやかましさはありません。
すべてアマチュアレベルの計測なので、厳密な正確性については期待しないで下さい。
派手なイメージが魅力的、しかし落ち着いたキャラクターを持つタイヤ、それがグッドイヤーLS-EXE。
イメージがカッコよければ内容が尖ってる必要は無いでしょ。運転すればタイヤがそう語りかけてくる。
地味なタイヤが快適性重視なのは当たり前。しかしそれじゃ積極的に選ぶ必要はなし。
タイヤなんて所詮、縁の下の力持ちだけど、クルマに与える影響はとっても大きい。だからカッコ良く快適性重視。プラシーボなインチキグッズを選んでる場合じゃないよ。カッコいいタイヤを選ぼう。
内容的にはほどほどの静粛性を持ち、乗り心地では路面のザラザラをシャットアウトしてくれるから、段差がない限りはクルマをワンランク上質に感じさせてくれる。それから省燃費ラベリング「A」ということで、MT車なら低転がり感を体感できる。
スポーティとかハンドリングに関してはイマイチだけど、不安な手応えってわけじゃないからまだ納得。多少の走りにくさは慣れればいい。お値段安ければガマンしてねっって事だと思います。
最後に日本メーカーの海外向けタイヤ、ネットだと非常に安く手に入る可能性が多分にあります。例えばダンロップの「SPスポーツmaxx」なんてフラッグシップタイヤも、1本1万円ちょっとで買える。
韓国タイヤだってコストパフォーマンスが素晴らしい。安ければ選択肢は一気に増加。
タイヤはクルマとのマッチングも大きいからほどほどにどうぞ。
安いタイヤの場合は組み付け工賃がネック。だからアルミホールセットがとてもオトク。送料が無料になったりも含め、差額は最小限(例えば1万円とか)。
タイヤショップ店頭で買える一番のライバルといえば、ダンロップ・ルマン。ルマン3はアコードワゴンやプレリュードで使用。ルマン4はアコードセダンで使用。
実はLS-EXEと大きな違いはないが、どちらかといえばルマンの方が満足できると思う。なぜかといえばルマン、3でも4でも静粛性の高さが魅力。メーカーが言ってるほど静かとは思えないけどミドルレンジではトップクラス。
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受け売りでなく、カタログ的でない。紹介ではなくレビューです。
評論家さまとの違いは、率直な表現と自由度の高さ。辛口といえば辛口です。
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