タイヤ使ってみました!
アジアンタイヤとの比較など
コンフォート性能として乗り心地と騒音テストをメインに、タイヤによってはサーキット走行でのレビューも。
シンガポールのタイヤメーカー「OMNI」から発売される、「RADAR RPX900」についての使用レポート。
RADARタイヤとして1ブランドになっています。
「RADAR RPX900」はコンフォート性能が重視されているタイヤで、実際に使用しても乗り心地よし、静粛性まずまず。ハンドリングはいまいちだけど物凄く悪いわけでもない。
超低価格帯の輸入タイヤとしてはバランス良好。
そして良くも悪くも「ピンクリボン寄付金付き」というのが特徴のタイヤです。
RPX900のサイドウォールにはピンクのラインが入ってて、実は左の画像のような見た目をしていません(笑)クロじゃなくてピンクのラインが入っています。
価格と取り扱いの有無は変動しています。
RADAR RPX900を17年式トヨタ・アルテッツァで使用しました。
タイヤサイズは「205/55R16」(インチダウン)
(試乗レポート:アルテッツァRS200)
アルテッツァの履き替えということで、「ダンロップ・SP SPORT MAXX TT」 との一部比較も含みます。
タイヤは特に評価基準、判断が難しく、テスターの体調次第で比較評価が変わってしまうほど繊細です。主観を多く含む評価になってしまう点をご了承下さい。
※記事中のタイヤ空気圧、圧力単位は 「kgf/cm2」。
※XL規格=ヨーロッパのETRTO(エトルト) XL規格。
超低価格 + 快適性重視系 (ETRTOスタンダード規格)
シンガポールのタイヤメーカー「OMNI」から、「RADAR」ブランドで発売されるのがこの、「RADAR RPX900」。大きな特徴として、ピンクリボンタイヤというのがあります。
ピンクリボンこれは、BCRF(乳がん研究財団)への寄付金が付いていることを表し、自動的に4本で1ドルが寄付されます。
タイヤ以外の分野では以前から取り組まれているらしい。
このピンクリボンを表すためか、外側サイドウォールにピンクのラインが入ります。ドレスアップ?善し悪しの部分なので、落とせるかを編集部で実験しました(後述)。
タイヤ本来の内容としては、コンフォート性能が重視された特性。2014年時点の比較では、他銘柄より快適性が優れているだけでなく、他の超低価格輸入タイヤよりバランスが優れている。
筆者の経験した限りでは、1本3000円〜のレベルのタイヤでは、頭一つ抜き出て、ドライバーもパッセンジャーも、走行中の不快感は少ないタイヤです。
乗り心地や静粛性といった同乗者も気になる部分の快適性能について(ドライバーの快適性は別項目)。
このRADAR RPX900は、この快適性能がとてもいい。アルテッツァとの組み合わせでは、ほとんどの場面において国産(低価格)スタンダードタイヤと遜色ないレベル。
乗り心地に関して言えば、空気圧を上げてもそんなに悪化しないし、一般的な空気圧で使用していればたわみを感じるほどアタリが柔らかい。小さなボコボコを拾い続けるようなタイヤとは全然違って、あえて固さを感じる部分といえば、よほどの悪路くらい。
「ETRTO-XL規格」というヨーロッパの固いタイヤが主力の輸入タイヤの中で、このタイヤは「ETRTOスタンダード規格」。どちらかといえば、なじみ深いタイヤに近い規格のタイヤ。やはりXL規格は固いタイヤになりがちなのかもしれない。
また、静粛性に関しては舗装が良い路面も悪い路面も普通。これならそれなりの自動車好きも許容範囲内だと思う。
乗り心地に静粛性、多くの超低価格輸入タイヤでダメな部分。
RADAR RPX900をライバル比で評価すれば、ゴーゴーもパタパタも少ない。それどころか、コンフォート性能の向上もアピールされているアジアン系の上級スポーツタイヤと比較しても、優れたレベルをキープしていると思う。
※静粛性は、タイヤの設置状態によって異なります。車種によってもサスペンション型式によってもアライメントによっても空気圧によっても変わってきます。評価は参考程度に認識下さい。
ドライバーが感じる走りやすさという面の快適性、そして運動性能に関して。RADAR RPX900は至って普通。より優れたタイヤも多いけど、もっと酷いタイヤもいっぱいある。つまり、実用車で普通に利用する限り、普通という評価がピッタリ。
しかし普通というだけじゃ面白くない。最初、乗り心地から察するに、グニャグニャして反応が悪かったり、そんなタイヤだと思っていた。
それが、いざハンドリングを気にして走行すれば、全然そんなことがないことに気付く。安いけどバランス良いんだねってビックリ。
一流のスポーティタイヤと比較すれば、確かに切り込んだ先の手応えとかは劣る。フラフラ感が恐怖心として感じることもある。
お乗りのクルマで高級タイヤを使ったことがある方だったら、不満を感じると思うし、いつもベーシックなタイヤを使用されている方なら問題ないと思う。
ライバル比較、例えば同価格帯の「MASAのCORSA 60」と比較すれば、こちらRADAR RPX900の方が若干ハンドリングの手応えが薄いけど、静かでコンフォート性能は高い。逆にハンドル切ってからヨーの立ち上がりが早く、キビキビ感を感じるのはCORSA 60。その分、固くてうるさい。
サイドウォールに付いているピンクのリボン、落とせそうな落とせなそうな、微妙な説明がされている。
簡単に落とせれば問題ないし、落とせなければファッション、もしくはこのタイヤ唯一の弱点となってしまう。
落ちるか落ちないか、試してみました。
別ページ!RADAR RPX900のピンクリボンは落とせるのか?
内容はリンク先でどうぞ。
※文中のタイヤ空気圧、圧力単位は「キロ」=「kgf/cm2」。
RADAR RPX900の規格は、ETRTOスタンダード規格。輸入タイヤでは多いXL規格より従来ながらの規格。日本のJATMA規格に近いといってもいいと思う。
高い空気圧で走行することを前提にしているXL規格のタイヤは、乗り心地が固いタイヤが多いように感じる。「空気圧を高くしても乗り心地が悪化しない」のではなく、「低くても乗り心地が悪い」。そんな印象。
ETRTOスタンダード規格はどう?ロードインデックスと耐荷重を見れば、目安の空気圧範囲は1.5〜2.5キロ。MAX値は3.1キロとタイヤに表記されている。耐荷重だけ気を付ければ、普通の国産タイヤと同じ感覚でいけそうだ。
快適な走行の為にはどれくらいにセットすればいいのだろう?ということでちょこっと空気圧テスト。
他のタイヤと比較して、空気圧に対する変化はものすごく”鈍感”。敏感じゃなくて”どんかん”ね。
2.2〜2.8キロの範囲であんまり大きな差がない。普通は、0.2キロ変えたらフィーリングは大きく変わる。
一般道を制限速度厳守、時速60キロ厳守でテスト。冷間時に調整して、走行して温間時の空気圧をチェック。意外とトレッド面の温度が上がっていて、前後輪ともに0.1キロも上がった。単純に空気の量が多いからと思われる。
暖まるとタイヤの印象が目に見えて変わるタイヤもあるが、このRADAR RPX900なら、大きな違いは体感出来ず。MTだと最初の一回だけ、クラッチミートが神経質??その程度。そんなこと気にしないで出だしから普通に走行できます。
RADAR RPX900というタイヤは、価格を超えたレベルのコンフォート性能を持った輸入タイヤ。
それでいて、文句を言いたくなるほど運動性能が悪い訳じゃないから、超低価格帯のタイヤではかなりオススメのタイヤ。乗り心地の柔らかさなんて驚きといってもいい。
マニアックなシンガポールメーカーということで、構造とか使用している技術とか、品質なんていうのはよくわからない。
場合によってはバランスが取りきれない事もあるかもしれない。そもそもピンクリボンで話題を取るだけのタイヤかもしれない。
しかしそんなの気にならないほど、使用すればかなりイイ!コンフォート性能は確実に一クラス上だよね。
この乗り心地の良さと、悪くない静粛性。ほんとはこれにレベルの高い走りやすさを備えれば、それは韓国のプレミアムタイヤクラスになっちゃう(価格帯が違う)。
唯一気になる問題は、もちろんピンクリボン。好みだったら全然問題なし。嫌ならガマンするか、ファッションと割り切るか、対処方法を試すか。
違うタイヤにする?筆者が持つ現在の知識でいえば、少し予算アップしないとこのコンフォート性能は得られないと思う。柔らかめが好きな方ならなおさらだよ。
安いタイヤの場合は組み付け工賃がネック。だからアルミホールセットがとてもオトク。オートウェイの場合は送料が無料になったりも含め、差額は最小限。このタイヤもセットで購入しています。
2014年5月現在、「RADAR RPX900」は、販売されるサイズラインナップが最小限。ご確認下さい。
違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転で試乗レポート。
受け売りでなく、カタログ的でない。紹介ではなくレビューです。
評論家さまとの違いは、率直な表現と自由度の高さ。辛口といえば辛口です。
評価評論・比較レビュー「間違いいっぱいの自動車選び」。