タイヤ使ってみました!
アジアンタイヤとの比較など
コンフォート性能として乗り心地と騒音テストをメインに、タイヤによってはサーキット走行でのレビューも掲載中。
ファイアストンブランドで発売されている輸入タイヤ「ファイアホーク・ワイドオーバル」についての使用レポートです。
ファイアホーク・ワイドオーバルという名称のタイヤ。ファイアストンのホームページ(英語)を見ると、あまり細かい情報は載っていませんが、UNI-Tテクノロジーって書いてあるのでブリジストンのドーナツ技術みたいなのは使っているっぽい。
価格はミドルサイズで1本10000円以下と、グッドイヤーの人気タイヤLS2000シリーズと同程度かちょっと安い。
取り扱い(販売)はネット通販だけでなく主要タイヤショップでも販売されているのを確認済み。ブリジストン系タイヤショップならFirestoneブランドのタイヤが販売されている可能性は高そうです。
価格と取り扱いの有無は変動しています。
ファイアホーク・ワイドオーバルを三菱コルト・ラリーアートで使用しました。
タイヤサイズは「205/50R16」
(試乗レポ:コルトラリーアートverR試乗インプレ)
比較対象は新車時装着タイヤ及びアジアン系スポーツタイヤ。記事には比較も含んでいます。
タイヤは特に評価基準、判断が難しく、テスターの体調次第で比較評価が変わってしまうほど繊細です。主観を多く含む評価になってしまう点をご了承下さい。
※記事中のタイヤ空気圧、圧力単位は 「kgf/cm2」。
※XL規格=ヨーロッパのETRTO(エトルト) XL規格。
ファイアストンホームページによればグリップ重視系となっています。ウルトラ・ハイパフォーマンスなんて書いてある(笑)。が、実際にはドレスアップ系のようなキャラクター。
ただし、ショルダー部分が丸っこくてデザイン性が悪いため、インチアップ用途には他に適したタイヤがあります。
ワイドオーバルはショルダーのデザインが悪い反面、他のドレスアップ系タイヤよりグリップ力やブロック剛性を重視した傾向。これは走行しての感想と、トレッドパターンから感じる視覚的な面でそう感じます。
ファイアストンというブランドからすれば、ブリジストンブランドで同じタイヤを出していそうな気もしますが、これはわからず。現在調査中です。
タイヤサイズは205/50/16。最近のクルマではめっきりサイズが減ってしまった16インチタイヤ。
大きすぎず、小さすぎずで適度なサイズだとは思いますが、言い換えれば見た目的にもコスト的にも中途半端ということ。少数派になってくるということはそういうことなのでしょう。
メインストリームを外すとコスト的に割高になってしまうという点がイタイですね。
タイヤサイズは騒音の大きさやドライビングフィールに直結。大サイズになればノイズは増えるのが一般的です。
また実験した空気圧は1.6キロ〜2.6キロ(kgf/cm2)。こちらも乗り心地をメインに大きく影響します。
このファイアホーク・ワイドオーバルというタイヤを使用しての総合的なイメージは、なんちゃってスポーティタイヤ。各タイヤメーカーのミドルクラススポーティタイヤをワンランク落とした様な感じといいましょうか、全体的に狙い所がよくわからないタイヤです。
ということでこのタイヤの評価は?といえば市街地やクネクネ道など一般道では、ロードノイズが大きい。ノイズが大きいといってもコンパクトカー全般でうるさいわけだから、普通に常識的な範囲内。標準タイヤよりちょっとうるさいが誤差の範囲でしょう。
乗り心地は空気圧を落としてもカチカチ。サイドウォールが固くて弾力がない印象だ。実はタイヤを組み替える際に聞いた「16インチとしてはビックリするほどタイヤが固かった」というハナシを思い出した。乗り心地に関してはちと厳しいレベルかな。
ファイアホーク・ワイドオーバルで期待したいのはドライグリップ力。具体的にはブレーキ制動力やハンドルでの緊急回避能力、またその両方を同時に行った時の総合力。この点が価格以上に優れていれば合格でしょう。
新品時なら一般道では概ね合格。縦方向のグリップ力はまずまずで横方向も一般運転なら問題なし。ただし劣化もしくは山が減ったあとのグリップダウンはなかなかのもので、5部山程度に減った時には、ABSの作動開始がセンシティブに感じられたり、1速ではすぐにトラコンが介入するようになった。
今回、9部山だったタイヤを1ヶ月間で前後5部山以下まで一気に減らしたので特別違いが目立った可能性も否定できないけど、ことトルクステアが大きいコルトラリーアートでは「ゆっくり走ろう東京の道」と走行中いつも考えちゃう。
ミニサーキットでは、よく鳴いてくれるタイヤです。溝が細い訳じゃないけど。女の子の悲鳴で興奮する方は試してw
楽しいかどうかを別にすれば、最低限のグリップは確保できてると思う。
グリップが高いわけじゃないけど、こんなもんでしょ。タイヤが痛むのを度外視して走れば、サスが底付きすることもあるし、踏ん張らなきゃいけないだけの横Gも出る。
良い点は熱による変化が少ない点。最初から最後までダラダラって感じで変化量が少ないと思う。それから何かの操作で瞬間的にグリップを失った時も、スパッと横に滑らない。一昔前はタイヤ幅2本分くらいツッツーといくのが普通だったから、おおざっぱな速度コントロールさえすれば、安心感は感じます。
残念な点は、アンダーアンダーアンダー承知でコーナーに突っ込む時、クルマの特性とも相まって、微少なコントロールは受け付けてくれません。残念ながらインフォメーションも伝えてくれず。いつのまにかハンドルフルロックなんて事もあり得る。
総合すれば、コンフォート性能は今一歩でありつつ、スポーティ性能は重視されているけれどもクルマ好きからすれば物足りないタイヤ。
ということで一番重要視されているのは価格的なメリットと予想。
「タイヤが重要なのはわかっている。でもクルマにはできるだけお金を使いたくない。しかしアジアンタイヤは嫌だ」。こんな方、けっこういらっしゃるかなと。
確かにコンパクトカーに上質なタイヤというのもなんだかあれだし、そもそもお金のかけ方に疑問が。そんな時に俄然ファイアホークが魅力的に見えてくる!
「女房の乗るクルマだから最低限以上のグリップ力は欲しい。ブレーキ制動力が大事だ。それから安心できるメーカーでありつつ、なるべく価格は安い方が良い」 。
まさにピッタリはこんな感じでしょ!?
乗り心地や静粛性は2の次で。何も言わなければ奥様は多分、古いタイヤより良い評価してくれることは間違いありません。
市販の騒音計を利用して、ノイズを計測してみました。単位はdB。(dBについてはネット検索して下さい)。
騒音計ということで音圧に補正が掛かっていますが、人間が感じる不快さとは違います。耳障りな音とか、そういった感覚は含まれていません。
タイヤ空気圧が高いと、騒音(ノイズ)は大きめになる傾向があります。計測時はメーカー指定空気圧より冷間時に2割高め。元々サイドが固いタイヤということもあり、けっこうパンパンな感じでの計測となりました。
シフトポジションはどれもトップギヤ5速で計測。速度が上がるとフロントシートで騒音計の数値が大きくなる傾向から、エンジンの音が大きいのがわかります。
体感的には、一昔前のスポーティタイヤよりは静かですが、うるさいタイヤです。今回、16インチという今では小径タイヤなので、サイズが大きければ結構うるさそう。乗り心地もカチカチです。
すべてアマチュアレベルの計測なので、厳密な正確性については期待しないで下さい。
※マフラーの排気音がうるさいクルマなので、指定速度のやや高い速度に到達後、可能な限りアクセルペダルを緩めて走行。その間に騒音データを計測しています。
現在のファイアストンはブリジストンの1ブランド。だから高性能なのは間違いなし。世界一を争うレベルの”弟分”タイヤであり、価格は多少抑え気味。
最新機術の搭載という面やブランドイメージでは本家ブリジストンにはかなわないけど、全般的に走れば何でもいいって方には贅沢すぎるほどのタイヤですよ。アジアンタイヤに不安を感じるならちょうど良い落としどころですね。
他のタイヤ、他の車種でもテストを行い、データを集めています。
違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転で試乗レポート。
受け売りでなく、カタログ的でない。紹介ではなくレビューです。
評論家さまとの違いは、率直な表現と自由度の高さ。辛口といえば辛口です。
評価評論・比較レビュー「間違いいっぱいの自動車選び」。