タイヤ使ってみました!
アジアンタイヤとの比較など
コンフォート性能として乗り心地と騒音テストをメインに、タイヤによってはサーキット走行でのレビューも掲載中。
ミシュランから発売されているドレスアップ系タイヤ「パイロットプレセダ」についての使用レポートです。
ミシュランのパイロットプレセダといえば、エントリー〜ミドルクラスのスポーティタイヤ。
ネーミングからパイロットシリーズが連想できるけど、実際はコンフォート性能が重視されているので、バランス系タイヤもしくはドレスアップ系タイヤに分類したいイメージ。
パイロットプレセダはインチアップなどドレスアップ時、つまりアルミホイールを交換装着する際によく選ばれるという。
ドレスアップ系といえば、運動性能や快適性能がほどよくバランスされ、パターンやショルダー部のスタイル(デザイン性)にも注力されるクラス。
それでいて価格も安めでないといけないから、実際には快適性の部分が妥協されやすいがパイロットプレセダはどうだろう。
品番はPP2となり新しい世代。日本で人気のクラスだけあって、フランスのメーカー・ミシュランであってもこのタイヤは、日本の開発チームによって主導されたらしい。
通販ショップ / 海外生産品などが低価格で販売されています。
Pilot Preceda PP2をトヨタ・ベルタで使用しました
タイヤサイズは「185/55R15」
(ベルタ、試乗レポートの用意はございません。ごめんなさい)
タイヤは特に評価基準、判断が難しく、テスターの体調次第で比較評価が変わってしまうほど繊細です。主観を多く含む評価になってしまう点をご了承下さい。
※記事中のタイヤ空気圧、圧力単位は 「kgf/cm2」。
※XL規格=ヨーロッパのETRTO(エトルト) XL規格。
ほどほどのスポーティ性能 + ほどほどの快適性能 価格はやや高め。
比較対象は交換前のタイヤ(新車時装着タイヤ・銘柄はBS・B250)。パイロットプレセダを1000km使用、新車時タイヤに戻して数ヶ月使用、パイロットプレセダを1000km使用という感じで計2000km程度使用しました。
快適性能に関する使用感、タイヤを交換してすぐに感じるのはかすかなゴツゴツ感にゴロゴロとした低いロードノイズ。スタンダードな特性を持つB250と多少分が悪い。”かすかに”といった差だから人によっては気にならないかもしれないし、筆者も1ヶ月間が空けばこんなものだっけ?なんて違いがわからないかもしれない。
タイヤが吸収すべき小さなボコボコを越える段差のような場所では、ベルタのチープなサスペンションにより単純に不快なだけ。そのまま乗っているだけだと違いがわからず。
そこでタイヤ空気圧を変化させてみれば、空気圧2.2キロだとポンポン弾まず乗り心地がよく感じられる。
リアタイヤは2.0キロでもいい。しかし小さいボコボコに関しては2.4キロあたりで高めの方が印象がいいという感触を受けた。重戦車が軽戦車になったような感じといえばわかりやすいかな。
単純に空気圧を下げれば必ずしも乗り心地がよくなる訳じゃないのが面白い。
このような印象だから、パイロットプレセダをミドル級スポーティタイヤと思えばかなりコンフォート指向と評価できる。タイヤサイズが185/55R15と小さいから違いが少ないというのもある。新車時装着タイヤとさして変わらない。
比較対象および方法は上記同様。ステアリングを握って受ける走行性能に関する印象はどうか?
新車時装着タイヤ(ブリジストンB250)からみれば、真がスッと通っていて心地よい。具体的にはドライバーに伝わるクルマ直進時のタイヤ接地感が上がった。一般道の国道レベルから高速道路を走る速度まで手応えがある。
ゴツいスポーツタイヤに近いというか、グリップしてます!安心して下さい!的なアピールが凄い。
ちょうど、シェアを増してきたエコタイヤ系が苦手な部分。ここ中立付近から緩く切り込んだ辺りのグリップ力を落としているというが、運転すればそれがハッキリ。手応え無く微調整が難しくなり、曖昧さから動かしすぎればフラフラに。動作から反応してくれるまでの時間も長い。
日常的に使うこんな部分が明確だと例えベルタでも気分は欧州車。しかしその分、ハンドルが重くなった、というのはある。軽い操舵感がお好みの方にはもっとベーシックなタイヤの方があっていると思う。
これに関して今回、ホイールオフセットはほぼ一緒だから、単純にタイヤ銘柄だけでの変化だろう。
コーナーでは全然普通のコンフォートタイヤみたい。
接地感が上がったという評価はどこにいった?スポーティという感覚が人それぞれ違うといっても、よくいわれるスポーティな感触はわからない。もしくは、わかりにくい。
シャキッとしているわけじゃないし、絶対的なグリップ性能が高い訳じゃない。また荷重を掛けていくとカッチリするなんて演出も感じられない。
タイヤメーカー各社、特に日本のメーカーではエントリー〜ミドルクラスのスポーティ系タイヤに一定の快適性を盛り込むという商品が人気な様子。ブリジストン、ダンロップ、ヨコハマ、基本は”スポーティ”。多少の固さは演出という味付け。
一方でこのパイロットプレセダ、スポーティ系としてはかなりコンフォート性能重視。ネーミングに「パイロット」とついても「プライマシー」に近いんじゃないの?
ここに関して、日本で開発っていうけど、プライマシーシリーズの方がミシュランらしさを味わえます。
そんな感じだから、メーカーでもドレスアップに最適とアピールしている。つまりバランス・ドレスアップ系タイヤとして考えた方が良いと思う。
この手のタイヤとしてお値段は高め。コストパフォーマンスを気にされる場合は他銘柄がいいし、中途半端はイヤだっていうのならアジアンタイヤがいい。
同じようなキャラクターのタイヤでは、ネクセンの「N」シリーズとか凄く良い!
ネクセン?由緒正しきミシュランと比較すれば、確かに韓国タイヤだけどね。
最近少なくなった柔らかいタイヤで乗り心地が大幅アップする可能性。
パイロットプレセダの使用感をチェックするのにあたり、比較対象となったのは交換前の新車時装着タイヤ。銘柄はブリジストンB250。
新車時から3年6ヶ月、走行距離25000キロ使用。車検時に1回、タイヤローテーションを実施。
年数が経過してゴム表面は薄く割れが見受けられる。
実際の使用には問題ないが、不安に感じる方もいらっしゃる。
ゴムの残り山は2部山。多くのタイヤでゴムが薄くなると乗り心地や静粛性が悪化する。このブリジストンB250もそう。
ブリジストンはゴムの質が世界一といわれるだけあり、タイヤの構造よりゴムに任せる部分が多い可能性がある。
ならばゴムが減った状態での性能低下は大きい可能性も考えられる。
Pilot Preceda PP2、市販の騒音計を利用して、ノイズを計測してみました。単位はdB。(dBについてはネット検索して下さい)。
騒音計ということで音圧に補正が掛かっていますが、人間が感じる不快さとは違います。耳障りな音とか、そういった感覚は含まれていません。
タイヤ空気圧が高いと、騒音(ノイズ)は大きめになる傾向があります。計測時はステアリングフィールを優先したF/Rともに2.5キロ。
指定空気圧、あれは新車時装着タイヤの参考値。タイヤが異なれば最適な空気圧も異なるはず。
特にXL規格のタイヤにはご注意下さい。
このパイロットプレセダはXL規格ではなさそう。走行の質感優先ならもう少し空気圧は下げたい。同乗者にはF2.0〜2.2キロ、R2.0キロあたりが優しいかな。
他のタイヤ、他の車種でもテストを行い、データを集めています。
違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転で試乗レポート。
受け売りでなく、カタログ的でない。紹介ではなくレビューです。
評論家さまとの違いは、率直な表現と自由度の高さ。辛口といえば辛口です。
評価評論・比較レビュー「間違いいっぱいの自動車選び」。