タイヤ使ってみました!
アジアンタイヤ!
コンフォート性能として乗り心地をメインに、タイヤによってはサーキット走行でのレビューも掲載中。
韓国のタイヤメーカー「NEXEN」から発売されている「N9000」についての使用レポートです。
ほどほど安くて質感はレベル高い。筆者のオススメタイヤ!
ネクセンといえば以前は韓国ミシュランとして提携していたタイヤメーカーで、ラインナップは豊富そして質は十分。
価格は上級クラスとなる「N」シリーズでも国内メーカータイヤの3割〜5割ととてもオトク。
同じ品番でネクセンブランドとRoadstoneブランドで出回っているタイヤがありますが、基本的には同じ商品だと想像しています。
知名度低いのが弱点ですが、その分オトク。なんでこの価格でこの性能?アジアン系輸入タイヤの中で現在イチオシです。
通販ショップ / ネクセン&ロードストーンのブランドで販売されています。
ネクセンの在庫がない場合はロードストーンを。地域ごとのブランド違いです。
N9000を日産・スカイラインクーペで使用しました。
タイヤサイズは「225(245)/45R18」
台湾のナンカンNS-2と同時チェック。比較的な言及もしています。
タイヤは特に評価基準、判断が難しく、テスターの体調次第で比較評価が変わってしまうほど繊細です。主観を多く含む評価になってしまう点をご了承下さい。
※記事中のタイヤ空気圧、圧力単位は 「kgf/cm2」。
※XL規格=ヨーロッパのETRTO(エトルト) XL規格。
スポーツ系 + 乗り心地重視系 (XL規格)
NEXEN(以下ネクセン)は韓国のタイヤメーカー。
ヨーロッパでは「ROADSTONE(ロードストーン)」ブランドで展開。
ネクセンの豊富なラインナップの中で「N」が付くシリーズは、高級ライン。そのNシリーズ内でグリップ力重視系〜バランス系など揃っている。品番は現在N2000〜N9000とあり、それぞれ特徴が異なる。
ハンコックが国内タイヤと変わらぬ価格となった今、今ならお得な選択肢がこのネクセン。
ここで取り上げているのは「ネクセンN9000」。スポーティという言葉以上にごっついトレッドデザインが特徴ながら、意外なほどに柔らかい乗り心地はコンフォートタイヤレベル。
スポーティと快適性のミックスという評価なら、なかなかハイレベルなアジアンタイヤです。
N9000を使用するクルマはV35スカイラインクーペ。今回タイヤの使用感をまとめるにあたり、サスペンションロアアームを交換。ブッシュの変形による意図せぬ動きを改善しています。
ネクセンタイヤの魅力と言えば、もちろん乗り心地の良さ。衝撃吸収性がものすごく高い。Nシリーズならどれを選んでも、筆者が知る限りどれもトップクラス。
最近では固いエコタイヤ(1流メーカー)でも乗り心地が良くなった。しかしそれは、例えば「こんな段差は上手くいなす」など条件付き。様々な場面でクルマの質感がワンランク上がったような、そんな変化を望めばやっぱりネクソンが良い。エコタイヤのラベリングはないけどね。
そんなネクソンNシリーズの「N9000」、もっともスポーティなキャラクターが与えられ、トレッドデザインも刺激的。ここを見れば乗り心地に期待なんか出来ないのが普通でしょう。さらに固いことが当たり前といっていいXL規格。
しかしそんな期待は軽く裏切ってくれる。こと衝撃吸収性の高さに限って言えば、乗り心地はものすごく良い。
試乗車であるスカイラインクーペに、もしいきなりN9000が付いていれば、高級車と間違えてしまうほどだろう。
固くて荒っぽいサスペンションがニガテな部分を補ってくれる。
タイヤを換えたってクルマを変えたほどの変化がないのは当たり前。似たようなタイヤを買えば違いがわかんない場合もある。ネクソンなら、クルマを一クラスランクアップしたような、そこまで大きな変化が感じられる。
同じ韓国タイヤでも、有名なハンコックとは全然違う。台湾の雄ナンカンとも異なる。
やはりこの柔らかさはネクソンNシリーズの魅力!
今回、「ナンカンNS-2」という人気のタイヤもスカイラインクーペで試しているが、目をつぶって乗ればどっちがスポーティタイヤか間違えてしまう。
また、ネクソンの中でも筆者のお気に入りはN7000。それと比較すればもう少し固めに感じる。
そんなに柔らかいとブニョブニョして気持ち悪い乗り心地なんじゃなんの?大丈夫、45扁平や50扁平なら気にならないし、好みによっては空気圧を高めに調整すればいい。
N9000はそもそもXL規格のタイヤだから、例えば空気圧を2.7キロ入れたって適正の範囲内かと。筆者は冷間時で2.3〜2.5キロで使用している。乗り心地の良さも損なわれず、2.5キロならステアレスポンスだって許容範囲内。
静粛性は低い。スポーツタイヤでは一般的な、大きなロードノイズ(タイヤが路面を叩く音)にプラスして、段差ではタイヤが変形する際の空気の音が聞こえてくる。パカンパカンみたいな。音量は小さいから、段差でガチャガチャ音を出すクルマならば気にならないだろう。
そうじゃない場合、これ何の音?って気になるかもしれない。高級車で窓を開けて運転してる場合とか。
スカイラインクーペとの組み合わせではゴーゴーするロードノイズ、そんなに響いてくることはなかった。ここはスカイラインクーペの良さ。ボディのカッチリ感が高い。
ロードイズというより、どちらかというと発進直後や停止直前のゴロゴロとした感じが、体感的に気になる音だ。
N9000はカリカリのスポーツタイヤに見えて実はそうじゃない。かといって、スポーティさをアピールしているスタンダード系タイヤとも違うし、キビキビ感をアピールしているエコタイヤとも違う。
つまり、スポーツタイヤほど本格的ではなく、”自称”スポーティな一般タイヤよりはスポーティ。
走ってみて具体的な使用感。まず前述のタイヤの柔らかさ。目一杯走った際にはこの柔らかさが悪い方に働く。
いわゆる”ヨレ”だよね。ちょっとブレーキングが遅れてタイトコーナーに入った時など、ブレーキとステアが重なったりすると、イヤな感触が伝わってくる。
それから通常走行時、ステアインフォメーションのわかりやすさはスポーツタイヤのそれじゃない。様々な情報が手のひらに伝わってきてこそ運転が楽しめるとすれば、このタイヤの価値は半分まで落ちる。
N9000は縦方向のグリップ力が強い。他のネクソンNシリーズと同じ感じだけど、しっかりタイヤ温度が上がっていれば、加速時に鳴いたり不安定感を感じたりするのには相当余裕がある。
また減速時のグリップ力も強力。ブレーキング時には意外とタイヤが路面に食い込むような感触が伝わる。ここはスポーツタイヤレベル。
エコタイヤは直進時のグリップを減らすというのが秘密の一つ。そんなエコタイヤと比較すればN9000はもちろんカッチリグリップ系なんだろう。通常はタイヤを変形させることでグリップさせる。だから、それが強いN9000だと、抵抗とか重ッたるさを感じることもある。
3ペダルMTだとタイヤが冷えてる時の発進時に重たいし、シフトチェンジの際にクラッチ切ってる間の速度低下が大きいし、タイミングが取りづらいレベルの重ッたるさがある。日常で利用するクルマにドッコイショ!なんて重さはいらない。ATなら気になることも無いと思うよ。
適正温度にならないとタイヤが重い。そんな事を感じたことはありません??筆者はタイヤによっては非常に気になる。で、この柔らかいネクセンのタイヤは暖まるのが早いと感じた。温度がわかるワケじゃないんだけどね。
これは日常で大きなメリット。乗り始め、最初のスタートとか巡航までのシフトアップ時、それからアクセルオフ時、確かに重い。アクセルペダルを踏む量も気持ち大きい。でも10分もすればいつも通りに走れる。
数回のスタートと減速をすればいつも通り。ミッションはまだまだ暖まらないから、シフトチェンジに神経を傾けられる。
これ例えば、リンク先でご紹介しているアジアンタイヤ「プレサPS55」なんて、なっかなか暖まらない。冬場なんて30分以上掛かるんだよ。その分サーキットを走行しても、内圧変化が少なく、また上昇するまで時間がかかるというメリットはあるものの、こんなんじゃ気楽には使えない。
世の中には価格と内容が一致しないモノもある!歴史やCMによるブランドイメージだったり、メーカー戦略だったり。販売網の充実度だったりetc...。
NEXEN(ネクセン)のN9000を含む「N」シリーズはそれを思い出させるほど、とてもいい。
単純にコストパフォーマンスが高いだけでなく、クルマにうるさい人からも評価を貰えそうな質感、パフォーマンス。
韓国で3位のメーカーということで、今はとてもオトク。販売経路が充実してくれば価格は国内タイヤメーカー並みに上がってくるかもしれない。そう、ハンコックのように。どこかで何かしらの理由で価格がつり上がる。
前置きが長くなった。N9000はコンフォートタイヤ並みの柔らかさを持ち、クルマの質感をワンランクアップしてくれる。静粛性だってカリカリのスポーツタイヤほど悪くない。
それでいてほどほどのスポーツ性能を持ち、トレッドデザインもハード。ほどほどと言っても、「エコタイヤにスポーツ性能をプラス」なんてアピールしてるタイヤよりよほど走りやすい。
タイヤに求める総合性能では同じネクソンN7000に負けると考えられるから、N7000じゃ柔らかすぎる、でも固いタイヤはイヤだという場合の選択肢にオススメ。
ネクセンN9000は、 Roadstone N9000も同じタイヤだと想像されます(ブランド違い)。
安いタイヤの場合は組み付け工賃がネック。だからアルミホールセットがとてもオトク。オートウェイの場合は送料が無料になったりも含め、差額は最小限(1万円以内とか)。
他のタイヤ、他の車種でもテストを行い、データを集めています。
同じ韓国のタイヤメーカー・ブランドとして「ナンカン」タイヤを使用しています。
このスカイラインクーペでナンカンNS-2、他車種ですがマークXジオでNS-20を使用した時の印象をまとめています。
違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転で試乗レポート。
受け売りでなく、カタログ的でない。紹介ではなくレビューです。
評論家さまとの違いは、率直な表現と自由度の高さ。辛口といえば辛口です。
評価評論・比較レビュー「間違いいっぱいの自動車選び」。