タイヤ使ってみました!
アジアンタイヤとの比較など
コンフォート性能として乗り心地と騒音テストをメインに、タイヤによってはサーキット走行でのレビューも掲載中。
台湾のタイヤメーカー「NANKANG(ナンカン)」のタイヤ「NS-20」についての使用レポート。
安くてスタンダード〜ややスポーティなキャラクター。使用感をまとめます。
ナンカンと言えば低価格&輸入タイヤの中では超有名。なにしろ一般のカー用品店で取り扱っているお店が多い。
また輸入タイヤは取り寄せ、なんてお店でもナンカンを勧めてくる。
そんなお店でもオートウェイの通販で仕入れるなんて聞くから、きっと安くて高品質。ある程度の利益を上乗せしても問題ないということなのでしょう。
オートウェイから仕入れるというのは、馴染みの店舗(TVCMやってるお店)で教えて頂きました。
「信用」と「責任」を重視する立場の方が、安心して勧めるナンカンタイヤ。性能はとりあえず置いておいても、実用上の品質は十分と予想ができます。筆者の周りでも使ってる人が多く、インターネットで購入すれば実店舗よりさらに安い。
価格と取り扱い有無は変動しています。
NS-20をトヨタ・マークXジオで使用しました。
タイヤサイズは「225/45R18」
タイヤは特に評価基準、判断が難しく、テスターの体調次第で比較評価が変わってしまうほど繊細です。主観を多く含む評価になってしまう点をご了承下さい。
※記事中のタイヤ空気圧、圧力単位は 「kgf/cm2」。
※XL規格=ヨーロッパのETRTO(エトルト) XL規格。
少しスポーティ路線 + スタンダードな快適性
NANKANG(以下ナンカン)は台湾のタイヤメーカー。
ナンカンタイヤのラインナップ中、NSシリーズはスポーティな位置づけ。その中でNS-20は、最もベーシックな「NS-2」と比較すればワンランク上位かつ、コンフォートな位置づけ。
そこで足回りに多少手を入れているこのマークXジオには、キャラクターの合いそうなNS-20をチョイス。
同時に他車、スカイラインクーペではNS-2を使用中。こちらNS-2は固めでスポーティな味付け。タイヤサイズは同サイズ。このあたりの比較も入れながらタイヤ使用感をまとめていきたいと思います。
NS-20を使用するクルマはマークXジオ。サスペンションに多少手が入っていて、ゴムブッシュの動きを抑制するパーツとカヤバの交換用ショックアブソーバーが付いています。乗り心地やハンドリングについて新車時のマークXジオとは若干異なる点をご了承下さい。
空気圧は冷間時、フロント2.4キロ、リア2.4キロ(kgf/cm2)で使用。タイヤは2015年購入。
※文中のタイヤ空気圧、圧力単位は 「kgf/cm2」。
高いモノは内容も良いのは常。でもタイヤはちょっと違って、好み(求める特徴)が一致すれば、それが最も満足感が高いと思う。
高いお金を出したとしても、例えばレグノ、ポテンザ、エコピア、長所はみんな異なるしね。さらには愛車とのマッチング。少なからず運要素だってあるw やっぱり高ければいいってモノじゃない。
ナンカンNS-20をマークXジオに装着した場合の特徴。
現在、NS-20を装着後4000km走行。空気圧は冷間時に前後2.4キロが好みとなった。市街地走行中のやや温間時でF2.5キロ、R2.4キロになる。
この状態で、少し荒れた路面とか、なだらかな減速帯のような小さく続くボコボコは快適。
この”クルマが揺すられない程度の衝撃”は、サスペンションがワンランク上質になったような感じで、足下だけでボコボコを処理してくれるよう。
ブッシュ容量が大きくなったとか、ショックアブソーバーの初期が滑らかに動き出すようになったとか、そんな感じかな。
愛車のこんな部分に不満をお持ちなら、改善される可能性がある。
この領域では柔らかく上質な乗り味を持つネクセンNシリーズに似ているところがある。流れに沿って下り坂によくあるボコボコした減速帯、そこを通る時、減速しなきゃ不快!なんて気にせず走行できるようになる。
NS-20の前に使用していたブリジストン・レグノ(レグノGR-9000とレグノGR-X1)と比較しても、これは気持ち良い!
小さなボコボコはOK。じゃあハッキリした段差はどうかと言えば、こちらの乗り心地は「普通」と評価させて頂きたいと思う。
ガツンとした段差や大きなボコボコでは、アタリが強いというかなんというか、ハッキリとした衝撃がくる。ドタバタ感を感じる時もある。
マークXジオに格安な輸入タイヤを履いても、ウィッシュやノア/ヴォクシーといったクラスの車種よりはよほど、ドタバタしない。本質的な部分はクルマによると考える。クルマの持ち分が8割とかね。そんなマークXジオでもドタバタする時はあって、ガツンときたりバタついたり乗員は不快。
ドタバタって減衰力足りず”ドタン”なんてストンと沈むのが繰り返される時。ここではNS-20が柔らかめといってもやっぱり不快で、新しくゴムの厚い時から普通に不快。
柔らかいけどアタリが強く感じる。これはベーシックなNS-2でも感じた点。NS-20では特に、トレッドもサイドウォールも柔らかい感じなのにね。
ということで、得意な領域な大いに魅力。苦手な領域ではアタリが固い。価格を考えれば十分惹かれるね。
試乗して人間が感じる静粛性、筆者の評価は「並み」。今回タイヤが大きめサイズということもあり、カー用品店で大々的にアピールされるほど静かで快適とはいえない思う。
タイヤが関係するノイズの音質は、ゴーゴーした音が控えめで、ザーザーした音がやかましい。
それからミゾが空気を切る時のパターンノイズも聞こえたりする。ただ、どちらかといえばうるさいと感じにくい音質だと思う。
籠もる周波数が控えめなのは、長時間乗ってもラクだし、ストレスが小さい。そうした部分含めて感じる静粛性は、国産タイヤで低価格なスタンダード系タイヤと同じくらいかな。
この帯域のノイズを積極的に通す、日産車とか輸入車とか、コモリ音が気になるクルマでは試してみる価値あり。
それから路面の違い、舗装の善し悪しってあるじゃないですか、同じ平らな路面でも静かだったりうるさかったりするそんな舗装の種類。ツギハギで細かく舗装が変わっていたりすることもあるよね。
そんな舗装変化では面白いようにタイヤからのノイズ音質が変わる。レグノが舗装の悪い路面に差し掛かっても、ノイズが大きく高まらないのには感動した。
レグノと比較した場合、良い舗装の路面で同じように静かと仮定しても、質が悪い舗装で大きく差が開く。
ということで、通常走行時の静粛性は並み。国産タイヤと比較すれば、各メーカーで最も低価格なクラスよりは静かに感じる。
例えば高速道路など、速度を上げての巡航時は、パターンノイズが多少気になる。
乗り心地「やや良」、静粛性「普通」ときてハンドリングは?とえばこれも普通。反応は穏やかだけどエコタイヤのように無反応地帯が気になるワケじゃない。一言で表すとそんな感じ。
ステアリング中立付近、手応えは小さめ。ここはNS-2と同様の特徴。コブシ1個分くらいまでの走行中頻繁に使用する舵角域だけど、反応はゆっくりで優しくヨーが立ち上がる。
タイヤが18インチだと、特にシャープさが体感しやすい部分だけど、このNS-2は優しく曲がり始めようとする。
エコタイヤではビックリするほど反応が遅いタイヤもあるけれど、NS-20はそうじゃない。18インチの低扁平タイヤという条件もあるのだろう。全く反応しない時間は感じられないから走りにくいことはない。ゆっくり操作する乗り方にはピッタリでしょう。
クルマがグラッとしない範囲内で、少し速い速度でハンドルを切ってみる。すると感触は、ネチョネチョした感じ。同じに向きを変えるにしても「ピシッ、ピシッ」ではなく、「ネチョ、ネチョ」と。
頻繁に使用する領域だからこそ、スポーティなシャキッっとした乗り味が好みの方には物足りないと思う。
逆に丁寧に運転したいけど、同乗者から荒いと言われるドライバーには向いていると思う。切り始めや戻し初めなど、”角の立った”動作が身についたドライバーなら、その”角”を多少なりとも丸めてくれる。
横スライドする扉に例えれば、開け始めと開け終わりがゆっくり動く扉。
要所を押さえればお上品だよね。
ステアリングを90度以上切り込んだ場合はどうだろう。クルマの特性からハンドルは重くなり、グッと手応えを増したように感じる。この領域ではバランスが良く、何も気を遣わずに曲がれる。
同乗者に気付かれない程度の微調整をする時、反応は遅すぎず早すぎず。ここもやはり18インチということもあり、ネチョネチョしすぎて微調整ができない、なんていうことはない。
走行ペースを上げて負荷を高めれば、微調整はヨレるだけとなって反応が悪くなる場面もあるけれど、スポーツタイヤでなければどれもそんな感じ。こうしたタイヤの反応を楽しんでも良いし、気になるならネオバあたりを買うしかない。
これらから予想するとトレッドというかブロックというか、表面が柔らかいタイヤだと思う。新品に近くゴムが厚い現在、コンフォート系タイヤとして普通レベルと評価したい。
NS-20よりもっと安い快適性重視タイヤだと、「フラフラしやすい」とか「手応えなくてコワイ」とか、なかなかマニアックなタイヤもありましたから。
このタイヤというかベーシックモデルのNS-2を持ち上げて運んだ時、なんだか少し軽量な気がした。もし本当にタイヤが軽量だとすれば、内部のビートワイヤー(スチールワイヤー)がチープという可能性がある。
実は少し前、SUILENという輸入タイヤで寿命直前、編摩耗のような現象を体験した。
普通に走行している分には気付かないが、極低速域や減速しての停止直前、ボカンボカンというノイズと微振動が少しだけ、気になった。
他のドライバーは気付かなかったからほんの少しだけどね。
タイヤは普通に利用していて、スポーティ走行といってもゴムが切れるような摩耗もないし、パンク修理もしていない。
仕方ないんでスリップサインまでゴム山を残した状態で、「ミネルバ」という輸入タイヤに変更。
ほんのちょっとだから気にするほどじゃないと思うけど、神経質な方の場合は、スリップサインまでは使えない”可能性”があると思っていた方が良いかも。
ベースとなるNS-2はややスポーティな低価格タイヤとして普通に使えるスタンダードタイヤ的存在。筆者の好きな部分は、インフォメーションのわかりやすさ。印象に残る弱点は、固すぎるわけじゃないけど悪い乗り心地。
NS-20は快適性能を重視したと言うことだけあり、乗り心地は改善。合わせてハンドリングも優しい方向へ。
この2本、同じクルマで履き替えたワケじゃなくてもわかるくらいの違いがある。だから、各所でスポーティといわれるNS-2とはけっこう別物。名前が似ていると内容も近いことが多いんだけどね、この2本はほんとに別物。
そんなNS-20は筆者の現在の使い方で、乗り心地は普通にいい。たまにイヤな部分が目立つ時があるももの、それは立派なタイヤと比較した時のハナシ。
タイヤの価格を考えれば文句は言えないところだろう。静粛性などもしかり。だからコンフォート性能に関しては文句を言えないレベルにある。
ハンドリングに関しては穏やかという言葉が思い浮かぶ。特に中立付近、シャキッとしたスパスパ感はなく、ハンドルをガシガシ切る人でもジワッとした挙動で向きを変えるような、そんな挙動となる可能性がある。
結論、名前に「NS」と付く割に快適性重視思考。そして超低価格なこのクラス内では、特に静粛性が優秀。またエコタイヤで不満を感じる方は素直にコレ買った方がいいんじゃないかな。
燃費は以前のレグノ2種と比較して、誤差と言える分だけ下がっていると思う。ほんのちょっとね。
ややスポーティなイメージを持つ、スタンダードなタイヤ。
安いタイヤの場合は組み付け工賃がネック。だからアルミホールセットがとてもオトク。送料が無料になったりも含め、差額は最小限(例えば1万円以内とか)。
※「NS-2」と「NS-20」比較コーナーも別ページに用意しています。
このNS-20のベーシックモデルは、NS-2というタイヤ。キャラクターが異なり、NS-20は快適性重視、NS-2はスポーティ感重視。低価格なインターネット通販オートウェイでは、タイヤ価格はほとんど一緒。
この2つの銘柄は、かたや快適性重視、かたやスポーティ感重視といっても、どちらもスタンダードな枠内という印象。なのでどちらも普通に使うことができると思う。
強い長所や欠点がないと表現してもいいかな。なので好みで選択したり、クルマの改善したい特性に合わせて選択することができる。
せっかく同サイズで両方のタイヤを所有できたから特徴を比較してみる。
NS-20は快適性重視ということで、クルマが上下しないようなポコポコした路面で乗り心地がいい。ポコポコの種類によってはタイヤのゴムが振動を吸収してるように感じるから、この様な場面なら明確に乗り心地の良さを体感出来る。
NS-2はスポーティ感重視ということで、なるほど路面インフォメーションがよく伝わる。荷重が抜けてレスポンスが悪化している時、ハンドルの手応えもネチョッという感じに変化するから、こういった部分が限界性能に関係なくスポーティと感じる部分。
ハンドル中リフ金でのヨーの立ち上がりは穏やかだけど、基本的に固い部類のタイヤと言っていいだろう。乗り心地は角が立っていて荒っぽい。
静粛性はどちらもノイズの音質や響き方、傾向が似ている。18インチサイズでは決して静かと評価出来るワケじゃないけど、耳障りな音質じゃないのが好印象。特にNS-20はやわらかいタイヤが路面を叩くような、低周波のゴーゴー音が抑えられているのがいい。
この2本、モデルネームは似ているけど内容はけっこう違う。”同じようなタイヤ”というより、”別物”です。
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