タイヤ使ってみました!
アジアンタイヤとの比較など
コンフォート性能として乗り心地と騒音テストをメインに、タイヤによってはサーキット走行でのレビューも掲載中。
ブリジストンタイヤの中でもトップブランドとなる「レグノ」についての使用レポート。銘柄は「REGNO GR-X1」。
レグノといえばトップクラスのコンフォート性能がウリのタイヤ。ビッグセダン・高級セダンにマッチするタイヤというだけあり、性能はまさに何でも有り。
タイヤはお金を出せば良いモノが買えるという商品だということを改めて思い出させてくれます。
今回のレグノは、エコタイヤ(省燃費タイヤ)の弱点が小さいのが特徴。また価格が下がってコストパフォーマンスが改善。
先代や先々代レグノとインターネットでの実売価格を比較すれば、同サイズ比較で3割くらい安価に。
欧州向けなどで価格の安いブリジストンタイヤが販売されています。
レグノ・GR-X1をトヨタ・マークXジオで使用しました。
タイヤサイズは「215/60/16」
(試乗レポート:マークXジオ試乗インプレ)
比較参照:レグノGR-9000の使用感
比較参照:スタッドレスwinter maxxをドライ&ウェットで使用
タイヤは特に評価基準、判断が難しく、テスターの体調次第で比較評価が変わってしまうほど繊細です。主観を多く含む評価になってしまう点をご了承下さい。
※記事中のタイヤ空気圧、圧力単位は 「kgf/cm2」。
※XL規格=ヨーロッパのETRTO(エトルト) XL規格。
レグノと言えばブリジストンのみならずコンフォート系タイヤの代名詞的存在ですね。ポテンザと並ぶブリジストンのトップブランド。
静かなタイヤといえばやっぱりレグノ。モデルごとに特徴は変われど、高い静粛性が最大の特徴。相変わらずクルマ好き御用達のプレミアムタイヤとなっています。
タイヤ銘柄は「ブリジストン・レグノGR-X1」レグノの先々代モデル「GR-9000」からホイール含めての交換で使用しています。
クルマはトヨタのマークXジオ。新車時とはダンパーなど足回りに若干の変更がある状態。
ジオのタイヤは標準で18インチサイズですが前回、同サイズでマッチングがイマイチだったので、今回は2インチダウンの16インチに変更。ホイールごとの交換なのでいつでも履き替えての比較が可能な状態で使用しています。
結果、クルマとのマッチングは前回より悪化。そうした部分は過敏に手厳しい使用感となっている可能性をご了承下さい。
レグノだから静かなのは当たり前。これぞブランド力!ということで、筆者が感じる魅力はこの二つ。
まずは価格。店頭でもインターネット通販でも価格が安い!今までのレグノと比較すれば、3割くらい安いんじゃないかな。価格はもうエコピアPZ-Xあたりとほとんど一緒。高いタイヤは全てが良いというより、特徴で選んで買えるような感覚。
安かろう悪かろうではなく、致命的な弱点がない状態での実売価格ダウンだから、これは大きなコストパフォーマンス改善。減ったのはプラシーボ効果による神通力くらいだw
もう一つがエコタイヤらしい弱点の改善。先代GR-XTから省燃費タイヤのラベリングを取得。先代はエコタイヤらしさが強かったため交換を見送ったんだけど、今回は大丈夫。完璧じゃないけどうまく弱点を隠してる。
現在エコタイヤを避けようとすれば、スポーティタイヤか欧州車向けの高級タイヤを選択するしかない。そんな中で「これなら有りかな」と思えるところがウレシイ。
レグノと言えばやっぱりコンフォート性能の高さに期待。その中でも静粛性の高さに関しては試乗せずとも安心して選べるだけの信頼があり、一方で乗り心地に関してはブリジストンらしい固さが見え隠れ。
であるからまずは静粛性の高さ。同世代タイヤ比較ならやはり圧倒的。トレッド面を手で叩いてみても、音が減衰されているよう。
走行すると、ジオの時速60km時のエンジン回転数は、約1000回転。この状態でタイヤの静粛性を実感出来る。フロントシードでもリアシートでもOK。特にロードノイズが小さい印象。
速度を上げればエンジンノイズ以上にタイヤノイズのボリュームが増してくるけど、耳障りな音じゃない点が素晴らしい。周りに気を遣わせるほど声の小さな人と同乗しても、これなら時速80km巡航も許容範囲内。
さらにレグノの素晴らしいと思える点は、舗装状態が悪くても、そうノイズが高まらない点。いつも走行する道で、旧にうるさくなる舗装ってあるでしょう。そんな路面に差し掛かってもノイズの高まりが少ない。これは素晴らしい。
レグノだってまだまだ完璧じゃないけど、他のタイヤと比較すればよほど快適。
静粛性の高さが素晴らしいレグノ。一方で、静かだからこそ限定的な場面でのノイズが気になりやすい。
ミニバン系の車種だと、ハンドルを切った際にタイヤから「ゴー」と音が出る車種がある。ジオもその1台。そんな場面の音、新車時装着タイヤなど一般的なタイヤと比較すればとても目立つ。
また、クルマが弾んだ際の空気が共鳴するような「コンコン」とした音、こちらも目立つ。今回の環境では路面のうねり程度でもクルマが揺すられやすくなったので、より気になった。ノイズ吸収シートの効果?中音以上が消えて「コンコン」とした音が残ってます。
このあたりの音が気になる方は、他のタイヤを選んだ方が、特に精神的に気分良いと思う。
静粛性に関して、エンジンを始めとする動力源のノイズとか風切り音が減れば減るほど、タイヤノイズが気になるように。ジオの場合は「クルマ静か!タイヤうるさー!」なんてならないが、ハイブリッド車にお乗りの場合は、それなりには音が目立つと思う。
ここはクルマの問題。本質的な部分は高級ハイブリッド車に乗り換えて改善するしかありませんね。
静粛性が高い一方で、乗り心地については並み。バネしたがスルスルと動いてるように、何事もなかったように段差を越えるアジアンタイヤがある中、レグノにはそんな質感はない。
ロングライフとか省燃費性能なんて考えずに、乗り心地に限定して評価すれば、大きな差がある。
今回のレグノはただ固いというワケじゃない。固さと柔らかさが同居しているよう。例えば目に見えないような路面のうねりをホワホワと拾い、はっきりとドライバーに伝える。
目に見えるデコボコではホワンホワンと収まりが悪く、切れの悪い、スッキリしない乗り味が気になる。
如何にもエコタイヤな固さじゃないけど、気持ち良いものでもない。
傾向としてはこんな感じ。しかし上記どちらもクルマとのマッチングが悪いから目立つ部分だろう。やはり新車時からのタイヤサイズ変更はリスクがでかい。
インチダウンすればタイヤ&ホイール重量が減って乗り心地悪化する事もあるし、タイヤの厚みが増えれば単純に乗り心地が良くなるワケじゃない。
もともと乗り心地の質感が高いクルマなら、タイヤの弱点をカバーしてくれる。メーカーがコンパクトカーに対応とはいっても、レグノの良さが引き立つのはやはりビッグセダンかもしれない。
レグノはGR-7000なしGR-8000の頃から、意外にもシャキッとしたハンドリングを体感することができた。GR-9000もそう。
前回のGR-XTではエコタイヤらしくなり、評判が悪かったわけだけど、今回のGR-X1ではどうだろう?
時速60km以下、日常的な走りでは、軽いステアフィールが印象的。中立から軽いからキビキビ感あって、取り回しもラク。同時にエコタイヤらしい中立付近の曖昧さも感じにくい。
(ホイールごと変更したけどオフセットはほぼ同一)。
言葉にすればこんな感じ。スポーティな味付けと宣伝しているエコタイヤより、よほど走りやすい感触を得られる。
少しペースを上げてみる。そうするとやはり、舵角の小さな領域で反応が悪い。穏やかというなら悪くはないけど、反応がワンテンポ遅れる。ミニバンらしさがパワーアップしたという感じかな。
ワインディングを気持ち良くということなら、まだまだ省燃費タイヤのラベリングが「ない」タイヤの方が、失敗は少ないだろう。加えて、素早くハンドルを回せば、低いレベルから鳴きやすいタイヤでもあった。
縦方向のグリップ力、主にブレーキング時の性能だけど、GR-X1ではフルブレーキは1回も試しておらず。GR-9000では十分な性能を発揮していたため、多分十分じゃないだろうかと予想。
気になるのは路面からのフィードバック。スポーツタイヤやアジアン系輸入タイヤが走りやすいのって、路面インフォメーションをドライバーが感じやすいから。今回のレグノは特に16インチと小径でタイヤが厚い。だから極端に言えば、軽自動車に近づいたよう。なんも考えずに走れると言えばそうもいえるけど、安っぽく感じるのは事実。
文中でたびたび登場するエコタイヤらしさとは? 先代レグノから省燃費タイヤラベリングが「A」となり、いわゆるエコタイヤに仲間入り。
先々代GR-9000と比較すれば転がり抵抗は5%低減されたと公表される。
で、エコタイヤ。グリップ性能が必要ない直進時の抵抗を低減してるらしい。これによりデメリット的な”らしさ”を感じる時がある。「普通のタイヤと変わらなくなりました」なんてアピールされるようになったけど、「どこがやねん」と突っ込みたくなる時も多々ある。
ステアインフォメーションとか中立付近の反応とか。
GR-X1はこのデメリットをうまく弱めてるな、と感じる。低速時には軽くキビキビ感を演出。速度を上げれば中立付近の弱さを、切り込んで行くに従っての手応えアップというカタチでナチュラル感を出してる。
カッチリとしたわかりやすい質感こそないけれど、日常では乗りやすいとさえ感じさせてくれる。
ただし、レグノがやみくもに省燃費タイヤラベリングで「AAA」を狙わないところから、やはり省燃費性能を重視すると他にしわ寄せがくるという予想、つまりそういうことですね。
エコタイヤのラベリングがAということで、低抵抗は乗れば実感出来る。特に履き替えた直後はよ〜くわかる。
具体的な印象を箇条書きにしてみる。
エコタイヤ良いじゃないですか。エンジン排気量の小さなクルマほど効果はでかいと思います。
しかし!ジオの場合は実燃費の違いがない!1000km以上走行して、少なくとも車載燃費計の数値は変わらず。抵抗が5%低減??エコタイヤを生かすエコランをしなければ、実燃費は変わらない可能性あり。
先代のGR-XTから、サイドウォールが派手になってきた!やや派手目に変化したGR-XT、そして大きく派手になったGR-X1。これは如何なモノでしょう。
左の画像はGR-X1。実際は写真で見るより模様が目立つ。安っぽさを感じさせるほど、めちゃくちゃ目立ちます。
レグノは価格も下がり、新しい方向に進化したのねって感じですか。カジュアルに親しみやすく、逆に言えばチープで質感ナシ。まるで最近のミドルクラスなファッションブランドのような変化。トレンドに乗っちゃいましたか。
運転しちゃえば見えない部分、別にサイドウォールでタイヤを選ぶワケじゃない、ですよね。
今回のGR-X1、先代のGR-XT、先生代のGR-9000。ブリジストンのホームページでは旧モデルも並行して紹介されている。加えて通販での販売もされているようだ。なのでトレッド面を比較してみる。
左上から順に、GR-X1、GR-XT、GR-9000。GR-XTは購入しなかったのでわかりやすい画像が見つかりませんでした。すみません。
サイドウォールが派手になっても、トレッドパターンは地味。イメージ優先のスポーツタイヤじゃないから、機能性重視なんだろう。非常に好感が持てる。
意外なのはどれも、サイドのブロックが大きめなこと。ハンドル切った際に使用するショルダー部分はカッチリしている。タイヤ全体のミゾ面積を一定と仮定した場合、もっともカッチリがGR-9000で、GR-X1に向けてややブロックが柔らかそうなに変化した印象を受ける。
センター付近のパターンは大きく変化したのがわかる。これをみて、筆者的にスポーティーなイメージを抱くのはGR-9000で、最もコンフォートなイメージなのはGR-X1。
トレッドパターンを見てもそれだけでタイヤの特徴がわかるわけじゃない。でも購入前に予想するのは楽しい。タイヤは安い買い物じゃないから、少しでも楽しんで買い物できればいいねw
総合すれば、今回のレグノは良い部分がいっぱい!
まずは静粛性の高さ。特に静かなトヨタ車の場合で、普通のタイヤだと「タイヤがうるさい」が一般的。でもレグノなら「風切り音がうるさい」となる。
また路面の質が変わっても音量の差が小さい。この点においてライバルのヨコハマ・アドバンdbを越えている。
タイヤは静かならそれでいい、ならば実売価格の下がったレグノは非常に魅力的な選択肢。
乗り心地は今一つ。ミシュランやネクセンのように「クルマのランクを上げてくれる」という質感はない。今回のマークXジオとの組み合わせでの乗り心地は、特に今一つ。次はアドバンdbを履いているトヨタSAIと相互交換して試してみる予定。
この乗り心地とハンドリングの印象を考えると、アジアン系輸入タイヤってホント凄いと思う。部分ごとに比較すればレグノより良いなんて、言葉にすると改めてビックリ。やはりレグノを選択する理由は「静かさ」と「安心」。そしてすべて最高の「どれもが高性能」を期待してしまう。
ほどほどの静粛性でいいのなら、筆者なら割安な輸入タイヤを選択する。安心に関してはもう慣れちゃってるから全然気にならない。
それから鳴きやすいタイヤだけど、これは必ずしも限界性能の高さとは一致しない。だからそんなに心配しなくても良いんじゃないかな。
REGNO GR-X1、市販の騒音計を利用して、ノイズを計測してみました。単位はdB。(dBについてはネット検索して下さい)。
騒音計ということで音圧に補正が掛かっていますが、人間が感じる不快さとは違います。耳障りな音とか、そういった感覚は含まれていません。
タイヤ空気圧が高いと、騒音(ノイズ)は大きめになる傾向があります。計測時はメーカー指定空気圧と同数値かマイナス0.1キロ。
タイヤはサイズ(幅や直径)が大きくなると、同じ銘柄のタイヤでもノイズが大きくなる傾向があります。別ページに掲載している旧レグノはタイヤサイズが大きく異なるため、直接的に比較できる部分は限定的です。
すべてアマチュアレベルの計測なので、厳密な正確性については期待しないで下さい。
低転がり抵抗、エコタイヤ認定でなくても、ちょっとタイヤ空気圧を高めにすれば軽く転がるのは実感出来ます。
エコタイヤに交換時、こっそり多めに空気を入れられる場合も。これは詐欺です。お気を付け下さい。
他のタイヤ、他の車種でもテストを行い、データを集めています。
ドライ路面での走行感覚も重視したというダンロップのスタッドレスタイヤや、新しい世代のレグノを試しています。
違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転で試乗レポート。
受け売りでなく、カタログ的でない。紹介ではなくレビューです。
評論家さまとの違いは、率直な表現と自由度の高さ。辛口といえば辛口です。
評価評論・比較レビュー「間違いいっぱいの自動車選び」。