「SP sport maxx tt」タイヤ比較と評価

タイヤ使ってみました!
アジアンタイヤとの比較など

コンフォート性能として乗り心地と騒音テストをメインに、タイヤによってはサーキット走行でのレビューも掲載中。

「ダンロップ SP sport maxx tt」の使用感や比較

ダンロップ「sp sport maxx tt」の使用レポート。銘柄のタイヤについて使用感、参考データを掲載しています。

輸入と国産の輸出向けタイヤ、筆者はここで購入

タイヤの位置づけや価格イメージ

タイヤ01-01sp sport maxx ttはダンロップのハイパフォーマンス系タイヤ。
キャラクター的にはグリップ力を重視したスポーティ系を基本に、高速域での安定巡航性能やほどほどの快適性を盛り込んだタイヤ。

欲張りな分だけお値段は高いですが、競合ライバルはもっととってもお高い。このsp sport maxxは同クラスライバルと比較すればかなり安い値付けがされています。

当HPではこのタイヤをアルテッツァと組み合わせ使用。緩いワインディング、ミニサーキットで使用し、後に格安輸入タイヤに交換。ウンチクどうこうではなく使用した感想がまとまりました。

途中でホイール交換を行ったので、ホイールから分離して再取付を経験しています。

sp sport maxx tt の参考価格

  • 205/50R17 ・・・ 12000円〜13000円
  • 225/45R17 ・・・ 13000円〜14000円
  • 225/40R18 ・・・ 13000円〜14000円
  • 245/35R20 ・・・ 23000円〜24000円

タイヤ通販サイトで価格チェック(ダンロップのページ)

ダンロップのタイヤ一覧ページ

欧州向けなどで価格の安いダンロップタイヤが販売されています。

 

タイヤを使用した車

SP sport maxx ttはトヨタ・アルテッツァで使用しました。

タイヤサイズは「215/45/17」

(試乗レポート:トヨタ・アルテッツァ試乗インプレ

比較参考:アジア系の輸入タイヤ「Radar RPX900」
比較参考:グッドイヤー「LS-EXE」

タイヤを見て、使って、思うこと

タイヤは特に評価基準、判断が難しく、テスターの体調次第で比較評価が変わってしまうほど繊細です。主観を多く含む評価になってしまう点をご了承下さい。

※記事中のタイヤ空気圧、圧力単位は 「kgf/cm2」。
※XL規格=ヨーロッパのETRTO(エトルト) XL規格。

タイヤのキャラクター

上級スポーティタイヤ + ほどほどな快適性 + ツアラー的な味付け

タイヤの概要

ダンロップが輸入車向けという触れ込みで発売するスポーティタイヤが「sp sport maxx tt」。カタカナ読みだと「エスピー・スポーツ・マックス・ティーティー」

このタイヤは、スポーティ系パフォーマンスタイヤで、サーキット向けスポーツタイヤの一段下レベルのグリップ力を持ち、加えて高速での巡航性能(安定性や適度な快適性)が盛り込まれている。

お値段はそれなりに高いが同クラスライバルと比較すればかなり安い。インターネットで購入するなら、小売店でルマンを購入するより安く手に入る可能性も充分ある。

なお、国産車OEMタイヤでよく見る「sp sport」シリーズ、ネーミングは似ていても中身は別物です。
お気を付け下さい。例えばこちらなど。ダンロップsp sport230

「SP sport maxx tt」を使ってみて

使用レポート:快適性能

静粛性に関して

タイヤ01-05

まず、sp sport maxx tt(以下sp sport)の静粛性について、ガンガンのスポーツタイヤと比較すれば圧倒的に静か。

少し古い世代のスポーツタイヤでイヤなイメージの残っている方にも、安心してオススメできるだけの静粛性はある。

荒れた路面ではうるさいのは間違いないが、普通のスタンダードタイヤでうるさいと感じるのと同レベルだろうか。静粛性に優れたクルマなら、そんなには気にならないと思う。

アルテッツァとsp sportの組み合わせでは、リヤシートに座るとややゴロゴロとした音が聞こえる。フロントシートではエンジンノイズの方が聞こえるくらいで、かなり荒れた路面でなければ個人的に納得できるレベル。疲労困憊の時はもっと静かに走りたいけどね。

他の銘柄と比較すれば、ダンロップではビューロやルマン4、このあたりほど納得できるだけの静粛性はない。逆に2代目ルマンと比較すれば、ややsp sportの方が、ロードノイズがマイルドかなという感じ。
経年変化でゴムが固くなってくれば相応にうるさくなるから、これは購入後1年以内での評価。

乗り心地に関して

タイヤ01-03

乗り心地について、低速域だとドタバタ。一定以上の巡航速度だと収まりが良い。

具体的に苦手なのは、時速40km以下で越えなければならない凹凸とか、ドコドコドコと続く段差とか、このあたりクルマの特性と合わせ、ドタバタ感がある。

ミニバンのような感触といったらわかりやすいかな。こういった路面、柔らかいタイヤだと「しっとり」などと評価される部分だけど、sp sportだとちょっと苦手か。

好印象なのはそれなりの速度で直進していて、予想外のギャップを拾った場合など。柔らかいタイヤより安定してます。ほんのわずかでも、揺れの収縮、柔らかいタイヤより早く収まる。ギャップに気付いたらちょいと減速して〜フロントサスを伸ばしながら〜なんて不快でなければ気にすることもない。

使用レポート:ハンドリング

タイヤ01-02

”ステアフィールの上質さ”これこそSP sport maxx tt最大の、優れた特徴かと思う。タイヤだけでクルマの特性ってこんなに変わるものかっていうほど。

今回このタイヤと組み合わせたアルテッツァは後期型。同前期型と比較すれば相当に優れたステアフィールやインフォメーションの伝え方を持っているんだけど、その良さはタイヤが優れていることで良さが際立つ。

実際にコンフォート系の手応えのないタイヤを使用すると、軽くて反応薄くて、もの凄い安っぽいステアフィールに。人によってはワインディングが怖いと感じるほど。格安輸入タイヤで柔らかさ最重視のタイヤとか、お世辞にも気持ち良いとはいえない。

sp sportだと、中立付近から接地感、剛性感といわれるような手応えがあり、少しでもハンドルを回せばスッとノーズが反応する。フロントが軽いクルマのような感じだ。筆者的に良いもの感を感じさせてくれるのは、このあたり。ヨーの立ち上がりは早けりゃいいってもんじゃないから、クルマとのマッチングで印象が変わる可能性あり。

次に、高速道路や幹線道路の巡航時など。直進時、わずかなフラフラ感だったり微妙なプルプル感を感じるクルマがある。いやよくある。年々進化しているんだろうけどね。
気になるクルマだとドライバーは微調整が多いし、同乗者は不安感を感じるし、疲れやすいというわけだ。
これ、タイヤが原因の場合もあって、プアなタイヤだとどことなく落ち着きが悪かったり。

そういった場面でこのタイヤの固さが良さになる。少し大きいクルマに変えたような、そんな安心感が心強い

現状、衝撃吸収に優れた柔らかいタイヤで直進安定性もいいタイヤっていえば、市街地レベルの速度くらいまでになっちゃう。高速道路の一番右側レーンをキープして走るなら、何か妥協して固めのタイヤを選択した方が走りやすいと思う。

使用レポート:ミニサーキット

タイヤ01-06

ミニサーキットでSP sport maxx ttを使うとどんな印象?いちおう、後輪駆動で、MTでってことわりを前置きさせて頂きその上で。

FFとはコーナーイン前のアプローチから違って、意外と適当に走ってもノーズは入っていくし、荷重オーバーでズルズルとかしない限りはそれなりに走れちゃう。

こと楽しさという点のみで評価するなら、アンダーステアと対決するFFはグリップ力が高くないとつまんない。それなりの旋回力がないと様々な挙動を味わえないと思う。FRだと、パワーに見合ったグリップ力こそ楽しむ為に必要かなと。

アルテッツァ + sp sportだとどう?

もちろんグリップ力高いほうが良いのは間違いない。スッと入るノーズに踏んでいける立ち上がりに、ゾクッとする体験をさせてくれるのは、やっぱりハイグリップタイヤ。

しかし筆者の好みでいうと、SP sport maxx ttはグリップ力を少々もてあまし気味かと。アクセルワークをもう少し楽しみたいよね。
意図的なホイルスピンを狙うには、立ち上がりで2速中回転になるコーナー、進入でフロントタイヤがアンダーステアを出さないギリギリで進入できた時、立ち上がり全開で、ゼロカウンターあたりのオーバーステアに(クルマはクロスミッションと強化クラッチでLSDは純正)。

余裕を持って進入してパワースライドとか、もう全然。筆者レベルの腕だと半クラッチ当てなきゃ無理っぽい。
タイヤ空気圧は冷間時F1.8、R2.0キロにしてます。

定状円旋回、マトモにはできませんが一応。ハンドル切って5000回転くらいでクラッチミートすればリアはでます。ただ大排気量車のようには空転しないから、ゆっくりハンドル戻して少しアクセル戻して、次にアクセル全開にする時は半クラッチとセットで、みたいな感じに。タイヤ空気圧は2.8キロとか3.0キロでこんな感じ。
評価としてはクルマのパワーにたいしてグリップ強すぎ、くらいしかわかりません。

コーナーリングのイメージとしては、完全なスポーツタイヤほどメリハリがなく、スタンダードタイヤほどダラダラとはしていない。グリップ失って、グリップ回復してなんて場面、けっこう粘りけがある。スパスパしてくれた方が走っているって感じになりやすいと思うんだけど、それとはキャラクターが違う。

速度域が低くて急にグリップを失わないというタイヤ、逆に言うと滑ってるのかがわかりにくい。サーキットでは速度感が違うというのも、求めるキャラクターが変わってくる要因の一つでしょう。


※文中の「sp sport」はすべて「sp sport maxx tt」です。

「sp sport maxx tt」インプレ総合

タイヤ01-04

グリップ力に優れたスポーツタイヤからワンランクスポーティ性能を落とし、速度を感じさせない巡航性能を加え、スタンダードタイヤクラスの静粛性を加味。

そんなキャラクターを持つのがこのsp sport maxx tt。

わかりやすい欠点といえば連続する大きな凹凸でのドタバタ感くらい。
でもそんなタイヤって安いタイヤだといくらでもあるよね。また予想すれば、車重が重いクルマになるほど、気になりにくくなるかな。

それとネット上ではゴムの減りが早いって意見を見かけるけどどうだろう。このページで使っている写真のタイヤは、走行1万キロ以上使用してます。

もともと製造から時間の経過したタイヤだし、いろいろ活躍してくれたので流石にゴムはボロボロですが。
耐久性重視のコンフォートタイヤで丁寧に走れば5万キロとか6万キロ走れます。

パフォーマンス系タイヤだとライフは犠牲にされてることがほとんど。高価だからこそ長寿命であってほしいという願いはみな一緒です。

最後にこのタイヤ、ネットだと非常に安く手に入る可能性が多分にあります。海外向けのタイヤが買えたりとか。安ければ一気に魅力倍増。日本メーカーが好きって方も納得ですね。


一部を除き他のタイヤ、他の車種では騒音計でのチェックや転がり抵抗のチェックなどを行っています。

タイヤメーカーのアピールしている点

  1. ダンロップの最先端テクノロジーをフル投入したシリーズ。
  2. 欧州車向けのシリーズ。運動性能を重視。
  3. 高速走行時やコーナーリング時に広い設置面積を確保し、高い操縦安定性を実現。

似たようなキャラクターを持つタイヤ銘柄

  • ミシュラン・パイロットスポーツ(通称PSシリーズ)
  • コンチネンタル・スポーツコンタクト(通称CSCシリーズ)
  • ネクセン(韓国)・Nシリーズ N7000 / N9000

安いタイヤの場合は組み付け工賃がネック。だからアルミホールセットがとてもオトク。送料が無料になったりも含め、差額は最小限(1万円とか)。

アルテッツァ、別のタイヤをテスト&評価

他のタイヤ、他の車種でもテストを行い、データを集めています。

アジアンタイヤ使用レポート

比較参考:格安輸入タイヤだとどんなかんじだろう?
アジア系の輸入タイヤ「Radar RPX900」
 

グッドイヤーのエコタイヤ

比較参考:エコタイヤだとどんなかんじだろう?
グッドイヤー「LS-EXE」

その他関連ページ

タイヤに関する基本ページはこちらです
輸入タイヤや空気圧についてなどタイヤ基本ページ

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