間違いいっぱいの自動車選び。スカイラインクーペ(V35)の試乗レポート。
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日産スカイラインクーペ。車両型式CPV35。グレード「350GT」の6MTモデルです。
「直6エンジン+FR」という構造が「V6エンジン+FR」と変わったV35スカイライン。
ボディも大型化され、直線基調のデザインは曲面を多く取り入れたデザインに変化。デビュー当時、これはもうスカイラインじゃないと言われていました。
大変身は凶とでたのか、評論家様からの評価も低いものばかり。ちょうど日産が経営的に厳しい時期に開発された車種というのもあるでしょう。
このクルマがデビューして10年が経つ現在、運転すれば質感はすこぶる良好。オナンコなエンジンとチープな内装を除き、とても魅力的な走行感覚の持ち主。
ディメンションなどからも実は!時代を先取りしていたクルマというのがわかります。
スカイラインという車名にコダワリがないユーザーからすれば、車名なんてどうでもいいはず。筆者からすればスカイラインなんて古い名前は大嫌い。それでも魅力あふれるハンドリングなどにより、現在このクルマを所有しています。
長年乗ってきてわかった点や、メンテナンス箇所などをまとめました。
中古車選びの際、交換されていたらラッキーなポイントなど。中古車店で「整備記録簿」を見せてもらって、チェックされるのが良いと思います。
内容は辛口評価です。試乗時に確認したいポイントを重視!
試乗車は現在、筆者が所有するクルマで平成16年式スカイラインクーペ(CPV35)、グレード「350GT」。
ミッションは古典的な3ペダルの6MTで、ブレンボブランドのブレーキが付いたモデル。エンジン排気量は3500cc。
当サイトに掲載しているもっと新しいクルマ達、新車で購入してすぐに売却したりもしていますが、このスカイラインクーペは売らずに所有してます。
なんでかって? いろいろ試乗するけど変わるクルマが見つからないw
この次のV36スカイラインでもダメなんです。V36を試乗して納得できなかったのでこのV35を選んだってもあるんだけど。これは30分の試乗で即決。
V型エンジンに切り替わったモデル。弱点目立つも総合的な魅力は十分!このクルマじゃなきゃダメだという魅力を持つ1台です。
試乗車は筆者所有のスカイラインクーペ。走行距離は約12万km。
11万km台の時にショックアブソーバーや交換可能なサスペンションブッシュ、アーム類は新品交換し、エンジンルームも一部のセンサー交換の他、D.I.Y.によるメンテナンスをしています。
またニスモブランドのクラッチ&フライホイール、純正とほとんど違いがないマフラー、サスペンションスプリングあたりがアフターパーツに変わり、タイヤは購入時装着タイヤのほか2銘柄を試しています。
クルマは安価な改造により、日常での扱いやすさは悪化し、限界特性も悪化している状態。
しかしすでに中古でしか買えないクルマ。いじってある個体も多いですし、それを買ってきてメンテナンスをしたような状態だと思って下さい。
搭載されるエンジンは排気量3500ccのVQ35型。クーペでは全グレード共通でこのエンジンのみのラインナップとなっている。
そしてこのエンジンが最も大きな弱点であり、こと6MTとの組み合わせでは致命的といえるほどの欠点を見せる。
※スロットルバタフライや消耗品交換などのメンテナンスは行っています。思いつく部分を改善したあとの評価感想です。
エンジンで納得出来ないのは「質感」と「扱いやすさ」。エンジンの評価軸として中心になる部分だ。官能性能と実用性能って言い換えても良いだろう。
もちろん6気筒エンジンなりに優れている点もあるのだが、よく出来た4気筒エンジンに負けてしまう部分まで気になるのは実に悲しいところ。
質感の評価では6000〜6600rpmというトップエンドでイヤや振動やノイズを出すのが最も残念。ブィ〜ンと壊れそうな振動と音が混ざる。ここの不快度をレベルで表せば、もう誰でも感じるレベル。
扱いやすさという部分。いわゆるドライバビリティだけど、エンジンに関する部分だけはよろしくない。空ぶかしすれば極端にレスポンスが悪く、またタコメーター自体のレスポンスも悪い。
上がりにくく下がりにくいというやつね。さらにはアクセル開度一定キープでも、一定から開くみたいな動作をする。しかも常用する3000rpm以下でこれだからイヤな部分が目立つ。
マニュアルトランスミッションだから加速開始時にアクセルを開けた時は、適度なダイレクト感で加速しやすい。
また小さいクルマのように唐突感ある早開きというわけでもない。気になるのはアクセルOFF時の反応の悪さと、クラッチを切っている間のアクセルレスポンス。
こんな感じなので、日常での細かなシフトチェンジで目的の回転数に合わすのが神経質。シフトアップの時は回転が落ちてきてくれず、シフトダウンの時は微妙なアクセル操作をしなければ希望の回転数に合わせられず。
運転中は低回転よりはレスポンスが上がって運転しやすくなる中回転以上を使いたくなってしまう。
上で述べたように「質感低い!」がもっとも大きな特徴。なんだけどそれだけじゃちょっとさびしいw のでその他の特徴を。
エンジンが発する音は、ドゥロドゥロと濁った音が強く、国産V6の中でも外国車みたいな音。これを好きな方からニッコリじゃないかな。
筆者は同じ荒っぽいにしてもトヨタのGR系V6の方が好み。やかましいけど迫力ある。もしくは三菱のV6も緩い印象がなかなか。
VQエンジンも出始め当時は魅力あったんだけどね、今やちと古いのかな。
落ち着いたスロットル特性で飛び出し感ない加速。制御が荒っぽいと感じる部分はあるけれど、ミドルクラス以下よりは普通に走りやすい。
もし唐突な部分が目立っていたらまずはスロットルバルブ清掃をぜひ。スカイラインクーペに限らずね。
この車両はフライホイール交換による副作用で超低回転域が扱いにくく、大排気量らしい余裕を感じるには1500rpmはキープする必要がある。
ジャダーや負荷が掛かった音を気にしなければ4速5速でだいたい走れちゃうんだけど、ギリギリで走っている感じになる。おじいちゃんの運転みたいなねw
1500〜3000rpmあたりでは、もっさりした印象を残すものの、ターボ車よりはナチュラルで運転しやすい。新世代の小排気量ターボといえど、今のところ大排気量NAエンジンには及ばないと考える。
3000rpm以降ではアクセルの付きが良くなり、シフトチェンジも気持ちよくできる。そして3500rpmあたりから5000rpmにかけてトルクが盛り上がってきて、フラットに6000rpmを目指す。
よく低回転型エンジンと言われるけど、美味しいのは中回転域だね。苦しくてトップエンドまでは使えないから、5000rpmくらいを目安に使用する。このあたりを使って走れば不満も感じにくいんじゃないかと思う。
加速感は、あんまり速さを感じないタイプ。
クルマの安定性やギヤ比、エンジン特性、見える景色、音etc.そういったものから伝わってくる加速感は、たいしたことはない。
「速さ感」なら2000ccターボの方が強いくらい。
それでも実際の加速力なら悪くはない。絶対的な加速力というよりも、5速入れっぱなしでも加速できるのは魅力。5速固定でもコンパクトカーの全開加速より速いんじゃないかな。
ってことでカリカリになって走るクルマとはまた違う魅力。他車と一緒に走っても余裕が違うよね。
ということで、加速感低いけど思ったより速度が出ている。という事になりやすい。慣れないと突っ込み過ぎちゃいやすいから、速度計を見てオーバースピードにならないようにぜひ。
スカイラインクーペが如何に「軽量大排気量」といえど、さらなる大排気量車とは体感出来るだけどの差がある。
MTやATは関係なし。排気量大きい方が全域で速く、速度が高い時の伸びも全然違う。
評価評論「間違いいっぱいの自動車選び」。一部の画像は拡大します。
3500ccのMT車って、燃費はどれくらいだろう?このスカイラインクーペには車載燃費計が付いていないため、満タン法で数回計測。
車体はフライホイールを軽量なものに交換している関係上、1500rpm以下は使いにくく(ジャダーが出るため)。必要以上にトルクの出る回転数で走るという前提条件(無駄走行)。
結果、6〜10km/Lということで計測する度にけっこうな差が出る。6速で巡航できる時間が長い高速道路と田舎道を含んだ場合で概ね10km/L。ここで市街地の割合が多い時でもそんなに悪化せず。思ったより燃費は悪くはない。
逆に当然というかやっぱりというのが、アクセルを踏み込む時間が長い時の燃費。
45分走ってワインディングに向かい、そこで30分走り、45分で帰ってくるというパターンだと燃費は6km/Lあたりの計算になる。
排気量が大きい=たくさんガソリンが燃やせる=ガソリン燃やしただけ加速する。そう考えると納得できる。
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エンジン質感 | |
レスポンス、回り方、高回転での振動など厳しい面が多い。 |
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駆動系質感 | |
最低限、クラスに合った操作感はあるももの今一つ。 |
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足回りの質感 | |
多少は動いてくれるサスペンション。タイヤ次第でコンフォートにもスポーティにも。 |
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内装の質感 | |
車両価格からすれば考えられず。 |
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外装の質感 | |
セダンからの差別化と塊感が流石。 |
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快適性 | |
素直な走行フィールは快適性にも繋がる。 |
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コーナリング感覚 | |
クルマ全体で一体感あり。この気持ちよさは国産他車ではなかなかね。 |
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お買い得度 | |
エンジンと内装除けば価格以上の質感。 |
違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転で試乗レポート。
受け売りでなく、カタログ的でない。紹介ではなくレビューです。
評論家さまとの違いは、率直な表現と自由度の高さ。辛口といえば辛口です。
評価評論・比較レビュー「間違いいっぱいの自動車選び」。