間違いいっぱいの自動車選び。スカイラインクーペ(V35)の試乗レポート。
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日産スカイラインクーペ。車両型式CPV35。グレード「350GT」の6MTモデルです。
スカイラインクーペのシフトレバー操作感を評価。ここに最低限の質感はあるんだけど、それ以上でもそれ以下でもない。つまり、楽しみながらシフトチェンジするという目的からすると今ひとつ。
具体的に言えば、カローラとか商用車とかのMTよりは立派だけど、ミドルクラス以上のスポーティカーで比較すれば質感低い。
簡単に言っちゃうと、FFスポーティカーによくある操作感を重くしただけのミッションって感じ。
そんな感じだから、三菱ランエボやコルトラリーアートに搭載されるゲトラグブランドみたいな剛性感はないし、S15シルビアやアルテッツァのアイシン精機MTのような、精密で繊細なメカニカルフィールも持ち得ない。
だからといって、コンパクトクラスのMTよりは立派!官能性能も高いです。
総合すると評価は「並」くらい。
3ペダルMTのクルマを運転するのなら、シフトレバーが吸い込まれるようなフィーリングも楽しみの一つ。
回転数が合った時にスィと吸い込まれて、かつメカニカルな感触を感じられれば気持ちいい。
このV35スカイラインクーペの場合だと、MTがあるだけでありがたいってやつだね。
最低限の質感は持つと言える部分、それはミッションケースやマウント、もしくはその接合部に剛性感を感じられる点。横Gを発生しながらの加速中でも、直進時と同じようにギヤチェンジができる。この要因がミッションケース周辺の剛性らしい。
クラスが低いモデルというかFF車のMTというか、コーナーリング中はシフトフィールが変わっちゃう事があったり、弾かれて入んなかったりしちゃいます。
ギヤ比とかその辺は、排気量からして当然ながら全体的に高速型。このためエンジンのレッドゾーンが低めながらも各ギヤの守備範囲が広い。
試乗して思うことは、1速が走行中に使えるギヤ比で、またそこから5速までつながりが良い。その分ギヤ比的に、1速での発進時に半クラッチが、ちょっと長く必要かな。
6速は離れていて巡航用。5速からのシフトアップ時にはワンテンポ開く。飾りだけの6速よりきちんと使えるのが魅力。守備範囲は速度でいうとメーター読み60km/h辺りから。ただし神経質な領域なので実際は65km/h以上からが現実的な守備範囲。
内容は辛口評価です。試乗時に確認したいポイントを重視!
乗り心地や静粛性といった部分、一言で表せば”そんなに悪くない”となる。なるんだけど、どれくらいかってランク付けしようと思うと迷ってしまう。
スカイラインという車名やポジショニングから評価が難しいw フェアレディZとは兄弟車だけど、ネーミングやスタイルからすればスカイラインクーペはセダンの派生車種だし、車格的にもエンジンやフーガとの関係など考えればなかなか微妙。
乗り心地は近年発売される車種としては固く感じない。普通といっていいんじゃないかな。
正確に言えばサスペンションの動き出しが優しく、一定レベルまでは衝撃を上手くいなしてくれる。よくあるポコポコで良好だから、固くない印象が強い。
一定レベルを超えたあとはドタバタしてる感触が伝わってくる。ここらへんは普通に国産車らしい部分。ショックアブソーバーの減衰力も感じられるから、こんなモノといえばこんなモノ。
筆者の好みだと、次のV36とかドイツ車みたいな「固い上に揺すられるような乗り味」より、このV35の方が好みかな。
静粛性はトヨタ車基準だとイマイチ。車外からのノイズは気になりにくい低周波帯がメイン。安っぽくはないけど静かじゃない。長時間乗っているとイヤになってくる欧州車に近いイメージ。
トヨタでクラウンとかマークXとか6気筒クラスになると全体的に静か。そうした静粛性はスカイラインクーペにはありません。
それから、 フロントから聞こえてくるエンジンノイズは6気筒とはいえ安っぽいです。高回転で振動出すのも致命的。
オプションでも目新しい装備などが少なかったスカイラインクーペでは、難解なスイッチや操作に困ることはない。試乗や購入にあたって覚えておきたいのは2箇所。
左の画像はドアミラーの開閉と、ドアミラーのリモコンスイッチ。ハンドルの左側後ろにレイアウトされている。
右の画像はフューエルリッド。ガソリン給油口のフタね。位置は車体の運転席側で、欧州車のように外から押すだけで開く。室内のレバーなどはなし。
運転席の右下には、トランクを開けるスイッチと横滑り防止装置&トラクションコントロールのOn-Offスイッチ。
トランクはドアロックに連動しないので、このスイッチもしくはリモコンキーのスイッチで開ける。
横滑り防止装置&トラコンは走行中でもOn-Off可能(微妙なちょい長押し)。停止中または微低速時限定ではなく操作できる。ただ完全にOffになるかといえばクエスチョンマーク。
見た目も押し心地も質感低いのが、エアコン操作スイッチ。
見た目に関してはあまりに工夫無い形状と並びのデザイン。どうしても手元を見なければ操作できず。
押し心地はストロークが短すぎ!タッチパネルを触っているのと大差ない操作性。
温度の調整とか風量の調整を行う際、何度か連続操作する場合があるわけで、そうした時に画面を見ながら神経を使って押すことになる。
ここは気持ちいい悪いではなく、余計な神経を使わせないでというレベルで問題。
評価評論「間違いいっぱいの自動車選び」。一部の画像は拡大します。
V35スカイラインクーペの隠れた長所、それは全体の操作感が重めで統一されるという事。
例えば、ペダル類の踏み込みが重い。シフト操作が重い。サイドブレーキ引くのも重い。ハンドルは切り込んでいくと重い。
さらにそれだけじゃなくて、ドアの開閉やトランクリッド開閉も重いフィーリングだし、エンジンのレスポンスやノイズも重い(ここは合わせてくれなくても良いんだけどw)。例外なのはスイッチの押し心地くらいか。
操作感は必ずしも重い方向じゃなくていいんだけど、ドライバーが操作する部分で統一されているのは好ましい。初めて運転しても違和感ないし、体に馴染むのも早い。
それに1箇所だけ軽ければ「安っぽい」と認識しやすいし、また1箇所だけ重ければ「渋い」などと感じる原因になったりする。
余談だが最近の高級感といえば重い(高い剛性感)より、軽くて滑らかな方向じゃないかって気がする。
いずれはトヨタの高級車路線が主流になるんじゃないかと。そうした意味からすると、最近のドイツ車よりドイツ車みたいなスカイラインクーペはちょっと古っぽく感じたりもする。
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ドアミラー関連のスイッチはここ。
フューエルリッドは運転席側。輸入車みたいなプッシュ開閉タイプ。
メーカー純正ナビがないと小物入れが付く。
違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転で試乗レポート。
受け売りでなく、カタログ的でない。紹介ではなくレビューです。
評論家さまとの違いは、率直な表現と自由度の高さ。辛口といえば辛口です。
評価評論・比較レビュー「間違いいっぱいの自動車選び」。