間違いいっぱいの自動車選び。スカイラインクーペ(V35)の試乗レポート。
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日産スカイラインクーペ。車両型式CPV35。グレード「350GT」の6MTモデルです。
V35スカイラインクーペ最大の魅力といえば、ハンドルを切った時の感触とブレーキング時の感触。エンジンなどに大きな弱点を持ちつつも、ハンドリングとブレーキングが素晴らしいから許せちゃう。
このスカイラインクーペは、執筆時点で11年落ちという古いクルマ。コンディションは新車時とは別物と思われます。
出来る限りのメンテナンスとして、交換可能なサスペンションアーム(ロアアームなど)を交換し、接合部のゴムブッシュをリフレッシュ。細かなところではパワステフルードのメンテナンスなんかでもフィールの違いを体感しています。
ショックアブソーバーは純正新品に交換しましたが、わけあってバネはRS-RのTi2000というローダウンスプリングに変更になりました。走行中の高入力時には挙動が”悪化”しています。
またタイヤはいくつかのブランド変更と、サイズダウンも試しています。
肩肘張らない日常的なペースでのハンドリングがめちゃくちゃ気持ちいい。
中立付近が軽いハンドルを丁寧に切り始めれば、クルマからゆっくりと挙動を返してくれながら、内側を向いていく。
決してクイックという類のステアフィールじゃないんだけど、ハンドル回せば回しただけ、それが無駄に力を入れずに回し始められるから、とてもスムーズに曲がっていく印象を受ける。
車両感覚が掴みやすい。一般的なミドルクラス以下とは比べ物にならないほどで、よく出来ているビッグクラスと比較しても悪くない。
その車両感覚の取りやすさを含めれば、コーナーで切り遅れる事態にはほぼならない。なのでとても運転しやすい。
直進性の高さもポイントの一つ(後述)。そこからブレーキングまたはアクセルオフしてハンドル切り始め、コーナーで最も内側に寄るところまでが素晴らしい。
一連の良い所をまとめると、ビシッと直進して軽く切りこめ、サスペンション初期が動き初め、舵角は一発で決まる。そしてゆっくりと車体がフラットに戻っていく。
車格的にモノ的には良い国産同クラスでも、この流れの中でどこかギクシャクするポイントがあったりする。スカイラインクーペは繋がりのバランスも良い。
ハンドルの回し心地は中立で軽く、切り込む量が増えると重くなる。また速度が出ていれば軽く、微低速時は重い。
基本に忠実というか、運転しやすいタイプだと思うんだけど、重い時にはほんと重い。
具体的には住宅街によくある、狭い直角コーナーとかで重いと感じる。夏場とかパワステ付いてないんじゃないかって思う時もあるw
1速のギヤ比が高速型だったりもするので、クルマ全体が重ったるいなかで「よいしょ」みたいな感じ。右に左に切り返しが続く時なんて体力勝負だったり。
狭いとこでも涼しい顔してラクラク運転するのがカッコいいと思えば、若さか筋力が必要w
内容は辛口評価です。試乗時に確認したいポイントを重視!
現在クルマは、車高調ではないローダウンスプリングに変えて、リアタイヤの幅を狭くしている状態。リアタイヤを狭くしているのは楽しいと思える部分があるも、安直な車高ダウンとの組み合わせではピーキーな部分が出たりする。
ちょっとペースを上げたくらいなら、何事もなかったようにスイスイ曲がり、いかにもスポーティクーペを運転しているという感じを味わえる。それが強いブレーキングからアクセル全開で立ち上がるような運転をすると、問題が出たりする。
どんな時かといえば、初期が動きやすいサスペンションは路面のウネリに弱く、特定の路面ではピョコピョコした上下の揺すられが目立ち、踏んでいけない。
サススロークを多く使うコーナーでは、タイヤの接地感が希薄になり、舗装したての路面のように感じることもある。
こんな時実際に、唐突に横滑り防止装置が介入し、リアが滑りそうなのにフロントがギツンと滑った感じを出す時がある。コーナーリング中のバンプなんかでもクルマは跳ねないのに接地感だけ減ったり、ゾクッとする時もある。
低い速度で挙動を味わいたい。そう考えると現状で良いんだけど、前後左右に強いGを掛けて走りたいとすれば低レベル。やっぱり純正状態か車高調がいいね。
現状だと1速2速ではアクセルひとつでオーバーステアにできるというのは魅力。またカリカリにならなくても不安定な挙動を味わえる。逆にその分レベルの低い段階でピーキーな部分が顔を出す。
中古車を購入するなら、こうした点も考慮して好みの個体を選ぶといいかも。
直進性の良さは輸入車含む高級車などと同じに感じるレベル。
スカイラインクーペのボディサイズや車両価格、さらに車齢まで考えると非常に素晴らしい。
真っ直ぐ走るというのには、サスペンションが動きやすいという部分が影響していると思うし、ドライバーが車両感覚をつかみやすい事、無意識に修正できるステアフィールなども重要な部分だろう。
路面からの外的要因を軽減できて、中立をがっちり押さえ込める電動パワステなら、真っ直ぐ走れるクルマは他にも多い。しかしスカイラインクーペは旧来的な油圧パワステだし、その中でも自然なステアフィールを持つクルマ。
ボディサイズは全長4640mm、全幅1815mmとミドルサイズ。全幅は大きめだけど輸入車まで含めればやっぱりミドルサイズ。これでビッグセダン並かそれ以上の安定感。
まっすぐ走るとか走らないって感覚がよくわかならければ、ぜひこのスカイラインクーペを試乗してみて頂ければと思う。
中古車店でも試乗できるお店は増えてるしね。
その後でヴィッツやプレミオなど200万円以下クラスとか、軽自動車なんかを運転すればわかりやすいと思います。
V35型スカイラインクーペはすでに中古車世代。中古車を買ったらとりあえずメンテナンスが必要なのは今も昔も変わりません。
気持ち良い走行フィールを求め、敢えて中古のクーペを買うのなら、効果を体感できるメンテは積極的に行うべきだと思います。
コンパクトクラスだと元から悪かったり、耐久性が低かったり、メンテの効果は限定的。それがミドルクラス以上だと元が悪いことは少なく、耐久性だって高い事が一般的。
つまりメンテで復活する可能性は無限大。このスカイラインクーペだって状態が良い時は現行車並かそれ以上にビシッ!っと走ります。
具体的なメンテナンス箇所といえば、パワステオイルの交換やスロットルバルブの清掃。少し予算を用意されるなら、サスペンションアーム/ブッシュやショックアブソーバーの交換。
「上手く走りにくいよ」という場合にはぜひ試してみて下さい。
コーナーリング感覚と並んで優れている部分がブレーキ。どちらも直感的というか思い通りに扱いやすい、そこがイイ!
神経使わずにブレーキが踏めるクルマは運転がラク。当たり前のようで実は当たり前じゃない。
ブレーキングに関してドライバーが感じる部分を言葉にしてみると「唐突でない特性」「微調整可能な反応」「不快じゃない前後バランスやサスペンションの動き」。
こんな感じかと。あ、ブレーキングに限ったことじゃないねw
このスカイラインクーペのブレーキは日常での減速も、加速中から急減速もほとんどの場面で扱いやすい。
サスペンションも弱い減速でも微妙に動いてドライバーを安心させてくれるし、そこから踏み増ししてもある程度まではゆっくりと沈んでゆっくり戻る。
わざとグリップを切るようにドカンと踏んだり、ブレーキ中にバンプを通過したりしなければ、ジェントルで「超」好印象。
評価評論「間違いいっぱいの自動車選び」。一部の画像は拡大します。
FR(後輪駆動)車は全般に言えることながら、リアブレーキの効きが強い。バイクではリアブレーキから当てる。
フロントより一瞬早くリアブレーキをかけることで、リア側が沈んで車体が安定する。そして減速中は上手く前後のブレーキを調整することで車体全体が沈んでいく。
このクルマはそんなブレーキをペダル一つでやってくれる。普通のFRセダンより踏み初めにリアの効き具合が強い感じで、そこから先も車体がベタ〜っと地面に吸い付くように減速する。
ABSが作動する少し手前では、サスストロークを使っちゃったかな、みたいにブレーキのコントロール性が落ちたように感じる部分がある。
ここでの微調整はちょっと難しいけど、タイヤの接地感は十分。強いブレーキング中でも落ち着いていられる。比較する相手がスーパースポーツではない限り、かなりいいブレーキだと評価させて頂きたく。
この試乗車は安直なローダウンによって加速中のタイヤ接地感が低い。
それがわかりやすいタイヤを履いているという前提はあるにせよ、ブレーキング中の方が接地感高いというのは安心して緊急回避ブレーキなんかもできるんじゃないかな。
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非常に旧世代的なメインメーター。
ブッシュが劣化したサスペンションアーム(フロント)
何種類か使用したタイヤ。最近だとネクセンN9000とナンカンNS-2を使用。
違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転で試乗レポート。
受け売りでなく、カタログ的でない。紹介ではなくレビューです。
評論家さまとの違いは、率直な表現と自由度の高さ。辛口といえば辛口です。
評価評論・比較レビュー「間違いいっぱいの自動車選び」。