2008年式V36スカイライン・グレード「250GT」を試乗しました。
当ページは1ページ目です。
先代V35をブラッシュアップし、内外装の質感アップがされたV36スカイライン。このページでは2500ccモデルを取り上げています。
試乗内容は限定的。第一印象重視です。
先代V35スカイラインから基本は変わらず、ブラッシュアップしたのがこのV36スカイライン。V6エンジン+5AT+FRというデザインのアッパーミドルサルーンです。
試乗して感じる印象は、サルーンというよりスポーティセダン。引き締められたボディとサスペンションでカッチリしているのが特徴的。単純な快適性よりフラット感重視という、最近のセダンらしい印象です。
V36スカイラインのエンジンラインナップ(デビュー当時)は、2500ccと3500cc。どちらも日産らしいVQエンジンで、若干型式が変わって末尾の「DE」が「HR」に変更されています。”高級感”という部分では変わらずですが、高回転での迫力はレベルアップ。
組み合わされるミッションは旧世代感の強いステップ式のAT。
※のちのマイチェンで3500ccは3700ccに変更。また5ATは7ATに変更。
今回わたくし、一般的なディーラー試乗としては長い距離を走行させて頂きました。またとても幸せなことに様々な路面を走る事ができました。
スカイラインは購入候補として考えています。ミドルサイズ〜アッパーミドルセダンが候補で、IS250やマークXあたりと比較しています。
ディーラーでV36スカイラインの簡単な説明を聞きながら、ボディ全体を見渡します。前から横から後ろからと見ると、想像よりスタイリッシュじゃないですか!
ディテールも面構成の質感が高く、安っぽくないウネリが美しい。写真で見るより全然良いです。
言い換えると、日産らしくない仕上がりw ボディからはアッパーミドル以上の車格感を感じさせます。ライバルはレクサスISというのも納得です。敢えていえば、ボリュームがもう少し前寄りだったら日本人向けだろうと思います。
で、試乗して購入したか??答えはいいえ。エンジン&ミッションがどうしても納得いかず、別の8気筒セダンをチョイス。スカイラインは見送りになりました。
しかしなぜか、当HP編集スタッフの桃花が、CPV35のMTを購入。クーペの方ね。サスペンションのフィーリングとか、ハンドル切った時の反応とか、さらにエクステリアデザインだってこれが一番じゃない?ってことで。
ドアを開けて運転席に座ると、車内の印象は先代V35から大幅レベルアップ。V36スカイラインの内装デザインは現代風になりました。
時代に合わせて洗練というか、ずっとずっとスカイラインの弱点だった部分が、ライバル車と比較できるところまで来ました。さすがインフィニティブランド!
内装で良いのは造形。インパネ〜ドアトリムの造形とワイドに広がるダッシュボードに洗練というイメージを頂きます。これが無骨なスカイラインか?と思うほど。
質感としてはライバルと比較して良いではなく、むしろインパネ周辺の質感は最低限。包まれ感あるデザインや多くのスイッチをレイアウトすることで高級に見せていますが、手触りとか、押し心地とか、残念な部分も多いです。
従来までのように「内装がキライだから買わない」なんて文句言うほどではありません。
不格好なアナログ時計や、低品質っぽいシルバー塗装パネル。如何です??
それからメーターパネル。スカイラインを乗り継がれている方にはお馴染み、チルトステアリングと同期するメーターパネルは健在。ステアリングを上下させるとメーターも一緒に上下。
ハンドル下げてもメーターが隠れないんですが、他車で採用していないのを考えると何か問題があるのかと心配してしまいます。
左上の写真がCU系アコードセダン、右上120系マークX。左下がSAI。右下がレガシィ。
他のセダン、マークXやアコードと比較すればどこか厳しいスカイラインの内装。でも同価格帯のミニバンと比較すれば、スカイラインの方が断然いい印象。
ミニバン系に質感を求めるのはまだまだ先かな。エルグランドとかアルファードだって、そもそも大事なゲストを乗せてイイだけの質感がない!ハイエースにベッド積んだ方がデートに使えると思っているのは自分だけじゃないはずw
試乗です。まずエンジン、そしてミッションの印象。
試乗ということで走り出す。多少なりともクルマに慣れるまで、違和感が取り除かれるまで、頭を無にしてゆっくり走る。
慣れてきたら低回転からジワッと、1秒掛けてアクセルを踏み込む。エンジンは高回転型といえるような、上でパワーが盛り上がる感じが好印象。この盛り上がりこそエンジンの醍醐味。6気筒ということもあり高回転でレスポンス上々。の楽しく回せます。荒っぽいノイズと音量が特徴ですが、好きならこれだってクセになる。
低回転で踏みこむ量を増す必要のある時、かつ、シフトダウンするほど強力な加速を望まない時。巡航回転数でトルクの厚みを感じます。余裕があって苦しそうな音をしないのが気持ちいい。
高級感という面では低回転から今ひとつ。アイドリングからジェントルとは言えないエンジンだけど、中排気量クラスらしくジェントルに走ることはできる。
厳しめに評価すれば相応の質感とパワー感。もっと滑らかさを求めたくなるのは事実。逆に初めてこのクラスに乗るなら、コンパクトカーとは全く違うことをすぐに体感すると思います。
未だに4気筒と6気筒の差はデカイ。しかも安価な6気筒エンジン搭載車は減っている。上級コンパクトカーを180万円とすると、280万円のスカイラインとは100万円の差、この100万円で質感の差はものすごい差になる。
いずれはコンパクトカーがこのレベルに...。いやいや燃費の方が重要ですか。電気自動車ならエコノミー&滑らかです!
エンジンは「VQ25」型。古いY33セドグロの時代から存在するエンジンです。もちろんエンジン自体は年々改良されてるらしく、今回は「VQ25HR」という型式。高回転で盛り上がる振動が減り、印象は良くなりました。
エンジンノイズはらしさ満点、日産のV型エンジンぽさがあります。回転を上げると、ウネリ音みたいな音質のノイズが聞こえます。これぞV型!みたいなイメージです。
トヨタのGR系V6だって荒っぽいエンジンノイズが特徴だけど、あっちの方が6気筒らしい感じが強く、音の割に振動を感じる場面は限定的。アクセルペダルOn-Offでの扱いやすさも悪くない。踏んだ瞬間のフィールはジェントル。日産の6気筒エンジンてなかなかね、いつもトヨタより厳しいね。直6時台、1JZとRBの時代もそうだった。
何年か昔にVQエンジンがデビューした時には、これは上質だなと思いました。搭載されていたのがセドグロというのもありますが。
ところがトヨタもV6がメインになり、比較されるようになってからは厳しくなりました。そうして言われるのはやっぱり、直6は良かったと。スムーズさや心地良いエンジンノイズなど直6だったRB型の方が上。なくなってみればRB型が恋しく〜ってヤツですね。
演出という部分で子供っぽいような印象。音が特別いいわけでもないし、むしろクセがあるな音。特別加速が速いわけでもないのにこの音量。
隣のパッセンジャーとゆっくり話ながらのドライブ、アクセルちょっと踏み込んだだけで、話がシャットアウトしてしまう...。ボディデザインと6気筒という言葉から想像されるだけの高級感はありません。
逆にスカイラインをスポーティカーと考えれば全然あり。そういえばサスペンションも固められています。ゆったり走りたいのであればフーガが用意されていますしね。
アクセル踏んで良いと感じる部分。VQ25HRではアクセルペダルの反応が好ましい。以前より乗りやすく調教されています。
同じスカイラインでも3500ccのモデルは不完全です。唐突な部分が強くギクシャク感半端ない。VQ35DEはVQ35HRになってもスロットル特性に疑問を感じます。
なので、日常での運転しやすさで選べばこの2500ccモデル。
現在だとまだ、電子制御スロットルっていろいろ。ワンテンポ遅れたり、唐突なスロットルカーブだったり、違和感ないクルマの方が珍しいくらい。
ミッションは相変わらずの、日産らしい5AT、このミッションは不快な部分が目立つ旧世代的ミッション。現代のレベルからすれば大きく劣っています。同じように変速するホンダの5ATだってもう少しマシ。BMWなら1シリーズの6ATだってもっと上級。
スカイラインの足を引っ張るのはこの部分。運転して、加速減速して、なんだこのミッション、R33の時代から進化してないじゃん...。それが第一印象。
交差点からの立ち上がりの度にストレスを感じます。慣れれば普通なのかな。
追記:2010年マイナーチェンジでミッションは7ATになりました。未試乗ですが期待できます。
ブレーキはペダルタッチが微妙に独特で、多少の扱いにくさを感じます。ブレンボマークの旧型V35スカイライン、あれはとっても扱いやすくV35スカイラインのブレンボ、市街地でもどこでも扱いやすくて高感度高いです。
V36スカイラインも、ブレンボブランドの性能はなくても扱いやすさは同レベルを望みたいところ。最大の減速力はタイヤ次第。望みたいのは日常での扱いやすさ。
同じ日産車ならコンパクトSUVのデュアリスの方が気持ちよく減速を楽しめる。背の高いFF車の方がブレーキを楽しめるなんてちょっと不思議。やっぱりこの、扱いにくさが問題。
減速といえばミッションに関係する部分も。スカイラインのATは制御が雑でショックやラグが大きいので、ドライバーの工夫で滑らかな減速というのは、けっこうな工夫が必要と思われます。
系列サービスです!
法人、個人事業主の「ETCカード」。複数枚契約が可能。
セディナなど法人ETCカード
系列サービスです!
「自動車保険一括見積り」の比較。見積もりはメールか郵送で安心。
保険一括見積りサービスの比較サイト
ネットでバッテリー価格を確認
国産車バッテリー
エンジン質感 | |
駆動系質感 | |
足回りの質感 | |
内装の質感 | |
外装の質感 | |
快適性 | |
お買い得度 |
奥まっている位置にナビが付く。近いより遠い方が見やすい。ただボタンが遠い。
後期型のフロントマスク
限定車専用の外板色ガーネットブラック&レッド本皮シート
違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転で試乗レポート。
受け売りでなく、カタログ的でない。紹介ではなくレビューです。
評論家さまとの違いは、率直な表現と自由度の高さ。辛口といえば辛口です。
評価評論・比較レビュー「間違いいっぱいの自動車選び」。