間違いいっぱいの自動車選び。カムリの試乗レポート。
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トヨタ・カムリ(型式AXVH70)「G」ハイブリッドです。シルバーのカムリが2017年式、白いカムリが2018年式です。
2017年登場のカムリ、キャッチフレーズは「ビューティフル・モンスター」。インパクト強すぎます!
美しいかどうかはさておき、確かにモンスター的なフロントマスクで個性を主張。美しくもコンサバだった先代からは大変身です。
先代からは内容的にも大変身。特徴を単純に表せば、「適度な価格で大きなボディ」「ハイブリッドシステムによる高燃費」。
燃費は、今ではアピールになるほどではありませんよね。
しかし試乗すると、「ほんとにトヨタ車?」と疑ってしまうような長所短所の持ち主。
今までのトヨタ車とは異なる新しい方向性。トヨタ車がこのカムリから変わっていくとすれば、永く魅力を保てる1台になるかも!
試乗したのは2017年式トヨタ・カムリ。グレード「G」。車両価格が約350万円で販売的に中心的なグレードと思われます。
オドメーターが示す走行距離は3000km。各部馴染んできたクルマとして最も美味しいところで、このクルマを4日間350kmほどドライブ。
クリスマスイブの渋滞から深夜の市街地、またちょっと遠出しての田舎道や山道などを走行してきました。
筆者ヒラリーは、父親との共同所有で購入を検討中。SAIかスカイラインを売却して購入するか、比較しながら検討中です。
国内では2023年で販売終了予定とのこと。セダンの魅力、カムリの魅力、追記しました。
※内容は辛口評価です。試乗購入時のお役に立てれば幸いです。
筆者より一足先にディーラーからカムリを借りてきた父親。そんな父親の発した言葉は、「クラウンよりしょぼい、でもクラウンより良い!」。
特徴を言葉に表すのって意外と難しいから、ハッキリした事は聞けなかったんだけど、試乗後に考えると実に的を得た評価だと思う。
実際に試乗後は、クラウンどころかマークXにも負ける質感&官能的なフィール、細部の品質感...。
ただ、良い部分がとても良い!しかもそれが、今までのトヨタ車で欠点になっていた部分。
ステアリングレスポンスから感じる運転しやすさや、サスペンションの動き方。運転しやすく思い通りに走りやすい。
聞こえは悪いけど、大きなカローラ的な役割をバッチリ果たすであろうクルマに思う。
一方で悪い部分は走行的質感や官能性だけでなく、可動部の品質的な部分に及ぶ。
個体差でなければこれはもしかして、トヨタ車的長所を捨ててまで、現代的走行性能が与えられたのか?同世代のクラウンやマークXとは真逆に近い長所短所を感じました。
外せないのは新しくなったハイブリッドシステム。”ハイブリッドは遅い”という評価を覆すだけの力強さがあり、満足できるレベルに。現在とても進化の早い部分だよね。
特徴としてもエンジンの主張が強まった。うるさいと感じる時もある反面、クルマのキャラクターに似合ってます。
コストパフォーマン的にみると、カムリのコスパは良いです。好む好まずに関わらずコスパ良好。
ボディサイズと加速力、燃費、さらに現状の国産ミニバンなどでは味わえない走りやすさetc... これが350万円だから、品質感の悪さなど考えても文句はいえず。気になるのは売却・下取り価格だけ。
カムリってどのクラスのクルマ?日本車のピラミッド的に考えるといまいちピンとこない。
これは重要で、高級車を期待して乗ると肩透かしを食らう。購入後に不満が出る可能性もあるでしょう。
感覚でいえば、カムリのボディサイズは高級車サイズ。ボディ大きいから高級車を想像してしまうかもしれない。
一昔前なら価格的にも高級車クラス。しかし実際は、マークXクラスと考えた方が満足感が高いと思われる。
具体的には、実用性能が強い、ちょっとリッチなミドルクラスと考える。
2019年式のクラウンに試乗しました!
新しくなったエンジンの型式は「A25A-FXS」。ダイナミックフォースエンジンと名前が付けられ、高い熱効率がウリにされているエンジン。
試乗すれば従来より硬質なエンジンノイズが耳を引きます。
今度のカムリでは今までの、「静か&マイルドこそ質感」というのは違います。
エンジンノイズはメカニカルな響きが感じられ、多少なりとも緻密な印象を受ける音質に。排気音だってボーボーと演出され、語弊を恐れずにいえば欧州車的な質感が感じられるように。
ボリューム的にも大きく、耳に刺激がある音質でもある。
従来のトヨタ4気筒で感じる、聞きたくもないノイズ的な音質からは大きく変化。
静粛性的には、静粛性の高さに魅力があるSAIと比較するとハッキリうるさい。
後述する加速力やレスポンス向上など踏まえると、エンジンの主張が強くなったと表現したい。
厳しくいえばペダルなどを通してドライバーに伝わってくる振動などもあり、長時間快適にという評価軸ではややツライ。
筆者の場合だとせいぜい1時間。連続でこれ以上走るとなると疲れちゃう。その位のバランス。平たくいえば、良くなったんだけど疲れやすい場面もあるよねって感じ。
最大加速力は、条件が合った時の加速力はかなり強い。
ハイブリッドだから遅いなんて言葉は過去のものになる可能性、大排気量を好む筆者でも不満を感じる部分は少ない。
燃費良くて加速力もよい。総合したパフォーマンスを比較すれば相当にハイレベル。
車両価格から考えてもこれはまさにモンスター。現時点でね。
実際に運転中は様々なシチュエーションがあり、得手不得手はトヨタ式ハイブリッドらしさがそのまま。
特に低速域からの加速は遅いと言いたくなるレベル。CVTや有段AT搭載車とは異なり、出だしはモッサリ、巡航からの再加速は速い。
速いってどれくらい??
時速60kmから100km辺りからの中間加速力は2500〜3000ccあたりが連想される。
得手不得手の中間では、従来からの加速感から変わったと感じる部分がある。アクセル踏み増しして加速を始める瞬間には、CVT車のような加速と感じる時がある。
ミッション付きの通常ガソリン車のようにエンジン回転数を上げていくというか、エンジンにモーターの一体感が強くなったというか。ハイブリッドが嫌いな方でも受け入れやすくなったように思う。
また低速時はエンジンがかからない範囲でドライブしようとすると、モーターの力強さが感じられてラク。数値上の出力は変わっていないようだけど、モーターだけで走れる領域が広く感じられる。
エンジンは止まっている時が上質。音や振動、ハンドルを回す滑らかさに違いが感じやすい。
このあたりSAIやアコードハイブリッドと比較すると、カムリは低負荷時にはエンジン始動しにくい印象。
逆に加速力が必要な時はどんどんエンジン始動し、音質的にも音量的にも元気いい。静粛性的にはうるさいと感じる時も多い。ステアリングへの影響は中立が重く調整されている関係からか影響は気にならず。
SAIは低速走行時でもエンジン掛かりやすい。だけどカムリより静かでエンジン始動がわかりにくい。駐車スペースなど極低速時でエンジン始動・停止すると、ステアリングなどへの影響は感じられる。
アコードハイブリッドはモーターで走る時間が長く、元々軽く滑らかなステアフィールはいつも滑らか。従来からの高級車的な質感が高い。
やっぱり感じるのは、停止から発進直後にエンジン始動した時に感じる振動。
タイミング悪いと不快な振動が、シートを通して腰に伝わってくる。助手席に座っていても一緒。
ここは新しくなっても、大きくは変わっていなかった。もしかしたらこれ、大した欠点じゃない??
ドライバーは可能ならば、少し走り出してからアクセル開度を増せば良いんじゃないかな。筆者がゲストをお迎えするならば、そうした運転を心がけたい。信号での右折時だけ会話でごまかしますw
走行距離1万kmに近づいてきた、所有するカムリ。
エンジンフード(ボンネット)の開閉回数も増えてきましたが、新車時と変わらず、試乗車とも変わらない渋さは相変わらずです。
手を離しても途中で止まっちゃうw くらいなので、開閉が渋いです。これなら突っ張り棒でも良いんだけど、って思っちゃいます。
※この1年後くらい、急速に滑らかになり、渋さは相当に減りました。様子は動画に含めています。
カムリの走行モードにはお馴染みの「エコ」「ノーマル」「スポーツ」モードがあります。
加えてシフトセレクターで操作する「Sモード」。疑似的に有段ホールドしているようなホールドモードが使えます。
感想は、違いがある上に意外と使いやすいエコモード、走りやすいノーマルモード、思わずドライビングシューズが欲しくなるスポーツモード。
この中で特筆はスポーツモード。
スポーツモードでは僅かなアクセルワークにも反応する特性を発揮。イージードライブしたいユーザーには過敏過ぎちゃうくらい。
MT車に乗っていたんだぜっ!という微小なコントロールがお好きなユーザーにおすすめです!
シフトセレクターで選択する「Sモード」は疑似ホールドモード。メインメーターに3速とか4速などと表示され、エンジン回転数が高く保たれる。
コーナーで”再加速に備える”という意味では必要性を感じないけど、アクセルを抜いた瞬間のレスポンスに効果を感じる。
それから人間って、あるものは使ってみたくなるもの。ユーザーを飽きさせない付加機能としても魅力的な装備だと思う。
評価評論「間違いいっぱいの自動車選び」。一部の画像は拡大します。
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動力質感 | |
トヨタのハイブリッドにしてはエンジンの主張が強く、加速力も強い。 |
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快適性 | |
市街地での乗り心地に不快さを感じる時がある。ミドルクラスと考えれば並。 |
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足回りの質感 | |
トヨタとしては改良されたような質感。どちらかといえばハンドリングの部分で良さがある。 |
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内装の質感 | |
ドライバー周辺の造形は高級車ライク。ただ見て触る部分は適度な質感。 |
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外装の質感 | |
アクを強めて個性というのは質感とは違う方向性と感じる。 |
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運転しやすさ | |
運転が苦手という方にこそ一度、運転してみて頂きたい。 |
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お買い得度 | |
品質の悪さが目立つ箇所があるものの、ドライバーは運転しやすく、加速力からみても納得。 |
違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転で試乗レポート。
受け売りでなく、カタログ的でない。紹介ではなくレビューです。
評論家さまとの違いは、率直な表現と自由度の高さ。辛口といえば辛口です。
評価評論・比較レビュー「間違いいっぱいの自動車選び」。