1ページ目です!2024年執筆のクラウンクロスオーバー、カムリの比較。
兄弟?親分?弟分?同じGA-Kプラットフォーム、同じ2500ccハイブリッド。横置き前輪駆動をベースとしたクラウンクロスオーバーとカムリの比較。
※2024年・執筆 この記事を書いたのは?著者:ヒラリー男爵
国産車では貴重なDセグメントクラスのセダン。
写真は白いボディ色が「クラウンクロスオーバー」、白とシルバーが「カムリ」です。
ボディサイズはクラウンの方が大きく、全長で4cm、全高で10cm、差があります。全幅は一緒。
写真だと伝わりにくい部分がそれぞれあります。
クラウンのボリューム感は、近くに寄るとわかります。全高で10cmの差と、19インチタイヤと17インチタイヤの差はしっかりあります。
カムリは着座位置が低く、外から想像するより低く座ります。インパネやドアトリムなど内装も低いので、低い位置の見切りよく、走行中揺れが気にならず、座ってみるとハッキリわかります。
ボディフロントとリア。撮影時期の違いから、画像サイズと撮影カメラが異なります。
どちらもトランク別室のセダンボディ。クラウンもセダン的要素の強いクロスオーバースタイルと感じられます。SUV寄りというよりセダン寄りなイメージ。
フロントマスクはクラウンが端正で万人受けしそう。カムリはビューティフルモンスターと宣伝されたイメージそのまま。個性的です。
サイドビューは今見るとオーソドックスなカムリ。新しいクルマ感の強いクラウン。ホイールサイズの大きさも現代的。
クラウンはハッチバック的ですがリアガラスははめ込みで、トランクリッドのみ開きます。
シャキーンと細くワイドに光るクラウン。いわゆるハンマーヘッド顔ほど斬新ではありませんが、端正という言葉がすごく似合います。
クラウン、グリルは気品と言うには大雑把な印象。実際は穴の空いてない面積が広いです。
フロントマスクだけは攻撃的にぶっ飛んでるカムリ。品なんて言葉は1ミリも思い浮かびません。噛みついちゃうぞってイメージ。
ただね、このフロントマスクがあるからこそ、記憶に残る。
まとまりの良さだけがデザインじゃないというのを教えてくれます。筆者もグラフィックデザインが本業ですから、肝に銘じなきゃ。
2500ccHVのクラウンとカムリ。対応するグレード同士で価格差は100万円程度。
クラウンクロスオーバー(AZSH35)2500HV
新車価格:475万円(435万円〜)
前輪駆動ベースの4WDとして新設。セダンボディながらクラウンセダンとは生い立ちが異なります。
モデル・グレード | クラウン・クロスオーバー | カムリ |
---|---|---|
グレード「G」 | グレード「G」 | |
全長 | 4930mm | 4885mm |
全幅 | 1840mm | 1840mm |
全高 | 1540mm | 1445mm |
ホイールベース | 2850mm | 2825mm |
車重 | 1760kg | 1580kg |
いきなり難しいテーマ。カムリの方がクラウンっぽい乗り心地と書いたら怒られちゃいそうだけど、がんばります!
条件がピタリと合った路面では、相当滑らかに走ります。乗り心地良好!
それ以外。平らに見える路面でも、細かいゆすられ感が続く乗り心地。
乗り心地のために抜いたとしたら、抜きすぎじゃないの?ってくらいぴょこぴょこしてます。もっと重厚感ある柔らかさがほしいよね。
リアシートでは沈んだ際に、自分のお尻の下だけ上下する感覚。左右の分離が強すぎというかバンプトーイン的というか、自分だけ曲がってる感覚。
ハンドリングはシャープに正確に高剛性に。ホイールは大きく現代的に。ここは新しいクラウンを伝える。
乗り心地はフワッとした柔らかさでイメージ通りのフワフワ感を。
これらすべてを求めたら、煮詰めるには時間が足りなかった、と思いたいです。
oddメーター1万km。この状態で乗り心地は良いです。正確には特別なことない乗り心地だけど、これを普通と言ったらもうしわけないくらい。
適度に柔らかく、適度に4輪が別々に動いてくれて、適度にゆっくり動いてくれて、適度に高いフラット感。
ほんと特別なことないけどよくまとまっていると思います。アメリカではベスト・オブ実用車みたいな存在らしいけど、これぞトヨタ車に求めたい乗り味、という感じ。
後述しますがハンドルに関する部分も、クラウンほど高性能じゃないけど、十分高性能、足りないのは官能性能...というくらいにまとまっています。
なお新車時、oddメーターが5000kmくらいまではリアサスが渋く、カチャカチャ音を出しながらギスギス動いていました。
現在ではこれが消えて、もう少し走ったら柔らかさが目立ってくるかもしれません。
クラウンは熟成待ち!と自分は思います。小改良を繰り返しながら、良くなってくれるはずです。
カムリは2023年末までに何回か小改良が行われています。
もしかしたらその中で、ここで述べているのは異なる乗り心地に変わっているかもしれません。
といった上で、このカムリの乗り心地の方が、クラウン的なイメージに合っている。そんな印象です。
クラウンの良いところは他にあります!
両車ともに、エンジンノイズ以外は静か!エンジンの効率求めたり、高張力鋼板で軽量化求めたり、これが進めば進むほどに目立つ音や振動が気になるなんて思っています。
クラウンクロスオーバーは低音域のゴロゴロしたノイズと、中高域のザーザーした音域はしっかりカットされ、静粛性は高いです。
クラウンからカムリに乗り換えても、そこに大きな差は感じませんでしたが、別のコンパクトカーに乗り変えた瞬間は、もの凄くうるさく感じられました。それくらい静粛性は高いです。
しかしクラウン。ノイズの音質的な特性から、コモリ音的に抜けの悪い音質。楽器ではつまった音なんて表現しますが、心地よいノイズ感ではないです。
カムリはクラウンと比較した場合、超低域と中低域、ここが盛り上がっています。
静粛性自体は比較しないと差を感じないレベルでありつつ、カットの難しいであろう低音域をしっかりカットしているクラウンは、さすがクラウンと思います。
また走行中にエンジン始動すると、カムリはその低域に、つまりロードノイズにエンジンノイズが隠れます。新車時装着タイヤだと、同じような音質のノイズ。狙ったとしたら凄いです。
クラウンの方がエンジン始動すると明確。人間の耳には補正機能があって、音のレベルとは相対的な音量となりがち。
トータルとして、気にするほどの差はないかもねと感じます。
両車に乗って感じた違い。クラウンクロスオーバーとカムリの乗り味を比較しています。
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評価評論・比較レビュー「間違いいっぱいの自動車選び」。