自動車の試乗比較、中古車選びにも・メーカー別評価「トヨタ」

2012年記事 トヨタ マークX
著者:ヒラリー男爵

マークX(GRX120)試乗「1」

初代マークX、グレード「250G」。車両型式は120系GRX120。2代目マークXが発売された後の記事(2012年執筆)です。

当ページは1ページ目です。

「内装とエンジン質感」を掲載

トヨタ
  • グレード:“250G”
  • 型式:GRX120
  • 車両価格:約270万円
  • デビュー年:2004年11月

内容は辛口評価です。試乗時に確認したいポイントを重視!

マーク2からマークXに名前が変わり、内容もレベルアップ。プラットフォームはクラウンと共通に、エンジンは直列6気筒からV型6気筒に。
執筆時期の関係から、中古vs新車の比較も含めています。


  1. ここ - マークX試乗「1」内装とエンジン、ミッション
  2. 分割 - マークX試乗「2」乗り心地とステアフィール、2代目との比較

走行性能が洗練された2代目マークX!
130系マークX(2500cc)試乗レポート

簡単な試乗による簡単なレポート、プチインプレッションです

試乗内容は限定的。第一印象重視で一般的な表現を心がけています。

試乗車概要:マークX

豊田自動車

マーク2からマークXにネーミングが変わり、時代の流れからかコンポーネンツも大きく変わりました。

プラットフォームはクラウンと共通に。その流れからエンジンは直6からV6に、パワステは油圧から電動に。ショックアブソーバーさえ復筒式から単筒式に変わりました。

魅力は変わらず!

主たる内容は大きく変わっても、マークXらしい魅力は全く衰えありません!

なんといっても、FR、6気筒、アッパーミドルセダン。これで最廉価グレードではコミコミ250万円というお値段!

正確には、全長4730mm、FR+6気筒+6ATで250万円。ライバルのスカイラインがクラスアップした今、この価格と内容をキープしているセダンって他に思い浮かびません。

ガラパゴスといわれるほど日本にしかないポジショニングのマークX。特別な走行性能よりわかりやすい魅力が一番の特徴!
お得感の高さは割安な中古車を見つければさらに大きなモノになるでしょう。


この記事は2012年執筆。2代目マークXが発売された後の記事です。中古vs新車の比較も含め、新車時とは異なる時代背景からまとめています。

セダンボディも一定の需要はある

セダンが不人気と言われ続けていますが、一時期の爆発的人気と比較すればと認識しています。

現在でも一定の人気はキープされ、上級クラスのセダンは存続し続けています。このマークXも毎月2000〜3000台がコンスタントに販売されていました。

イメージはこうかも?セダンに関するキーワードをピックアップ。

  • 高級セダンは若い世代からも人気が高い。
  • コンパクトセダンは60歳以上専門。イメージはご年配向け。
  • フォーマルにはセダンでなければ!そんなイメージはすでに幻想。
  • ミニバンよりお得な価格設定。逆にブランドイメージは今ひとつ。
  • 狭い室内に乗り降りしづらいリアシート。
  • 一度座ってしまえば快適なリアシート。
  • セダン=スポーティの時代。必要以上に走行性能重視。

クルマの本質的内容が重視

ざっとこんな感じ。メーカーコンセプトとしてもクルマ本来の魅力、快適な移動と走行性能をウリにした、クルマ好きにピッタリのモデルが多いです。

セルシオやシーマなど高級セダンの人気は、雑誌に掲載される量からもわかります。
300万円台〜購入できるクラウンやフーガは、ドレスアップベースとして趣味利用への需要も高いです。

マークXなどアッパーミドルクラスはどうでしょう?価格的には立派なクラスではありませんが、内容はしっかりで、割安な価格設定は大きな魅力。バリューフォーマネーを感じる選択肢だから、限られた予算で本質が重視されたクルマに乗りたい方にピッタリです。

特徴はお得な価格設定

マークXの特徴といえば、何はなくともその価格設定。車両価格240万円〜という、内容からは信じられないほどお得な価格が設定されています。

見積もり頂くと、最廉価グレードで総額250万円(値引き含む)。

コスパ的な魅力が高い!

クラウンと共通のプラットフォーム=後輪駆動、2500ccの6気筒エンジン、6速ATという内容は、同価格帯のミニバン/SUVより断然立派。内装の質感だってワンランク以上も立派で、それでこの価格です。

また1800cc〜2000ccエンジンを搭載するミドルクラスと比較してもお得すぎるほどお得です。

例えば車両価格200万円のプレミオ(1500cc)に、最低限のオプションを付けただけで価格は近づきます。マークXに限ったことではなく、元々クラスが高いクルマの方が、標準装備が充実します。

250万円のグレードも普通に乗れる内容

250万円という素晴らしい価格で販売されるマークXは、「250G・Fパッケージ」というグレード。最廉価といっても、普通に選択できる装備は備えていて、致命的な弱点はありません

ひとつ上の人気グレードと比較すると、メーター形状の若干の違いの他、アルミホイールとディスチャージヘッドライト、パワーシートが省かれるくらいです。
ディスチャージヘッドライトは、アフターパーツで安価(数千円)に交換できます。

※黒い内装を希望すると「250G・スポーツパッケージ」というグレードに。車両価格は290万円まで上がります。

マークXの内装

内装はどうでしょう?

マークXは内装もしっかりアッパーミドルクラス。手放しで喜べるほど質感高いわけではありませんが、価格を考えれば納得以上の質感。

ダウンサイジングでの乗り換えでなければ、オーナーの満足感は高いと思います。

見える部分は相応に立派

ミニバンだったらノアやヴォクシー、ウィッシュの上位グレードと同価格となるマークXですから、それらと比較してみてください。相当に高級に見えると思います。

例えばインパネ上部は軟質パネル。木目調パネルやシルバー塗装の加飾も多く、スイッチの手触りだって異なります。
包まれ感高い上級車的ドラポジだって、好きな方には堪らないポイントでしょう。

見えにくい部分はそれなり

しかしよ〜く見てみると...。豪華なのはパッと見だけで、見えにくい部分はそれなりなのがわかります

フロント部分なら乗員の腰から下、シート下、サイドならドアトリム(内張り)全般、など、コクピットに座って視線を落としたその先は、ミドルクラスの実用車と違いはありません。

見えにくい部分は安っぽい。しかしこれはアルファードやベルファイアなど上級ミニバンだって一緒。この辺りが気になる方へはクラウンやそれ以上のモデルが用意されています。

リアシートは価格相応

どうしてもチープなリアシート。リアシートの作りはそれなりで、厚さはペッタペタで薄い、もしくは薄く感じられる座面をしています。

ボリューム感がなく、高級セダンのイメージを抱いているとショックを受けます。大切なゲストをお迎えするにはちょっとチープ。そんな印象です。

絶対的な広さ的には問題なく、一世代前のセルシオとも勝負できるスペースがあります。リアシートに乗りたくないほどではありませんが、シートに関してはコスト削減された部分でしょう。

リアシートはクラウンとの差別化なんて意味合いもあるかもしれません。違いが目立つ部分です。

フロントシートとドラポジ

運転席パワーシートの調整幅は低く下げる方に大きく動きます。低いポジションに収まれば包まれ感が向上し、もっと高級なクルマに座ってるような気分が味わえます。

フロントシートでは座面の長さも調整できるのでこの機能も高級なレカロシートのよう。ドライビングポジション的にもコンパクトな車種よりも無理がなく、シート位置を変化させてもペダルの踏み心地はスムーズ。足を自然に伸ばせるということですから、許容する範囲が広いと思われます。

FR(後輪駆動車)で気になるミッションの室内への出っ張りですが、大排気量車のように大きく出っ張っているわけでは、左足の窮屈さは常識的なレベル。

リアシート考えればクラウン

豊田自動車

通称ゼロクラウン。同じ車体に同じエンジン、要するに同じクルマで100万円高いクラウン。

100万円の差は内装特にリアシート。マークXより良くできています。リアシートを使う機会が多ければ、クラウンを選んだ方が満足感高いと思います。

FRでも車内広い!パッケージング上々

昔の後輪駆動車というと車内狭く、前輪駆動車の魅力が散々アピールされてきました。しかし今では、FRだって進化し、FRだから狭いとは感じません。

フロントシートに座れば左右シート間の距離が広く、ミッションはそれほど邪魔に感じず。またリアシートの足元は一昔前のビッグセダンと比較できるスペースがあります。

トランクルームだって奥行きがあり、気になるのはトランクフロアの高さくらいでしょうか。

全長4700mmという数字を考えれば、パッケージング的に悪くない。というか全然いいと思います。トヨタも日産も大きいサイズのFF車(カムリやティアナ)を発売していますが、差はそこまで大きくないと考えます。

試乗レポート(エンジン)

マークXのエンジンは2500ccと3000ccの2種類がラインナップ。絶対的な加速力は2500ccでもなかなかな加速力。速いクルマが減ったのもあるでしょうし、人気のミニバンなどを基準にすれば「速い」くらいです。

ミニバン比較で、特に出だし軽快

例えばアルファードの2400ccと比較すれば、とうてい100ccの差とは思えません。これは日常で多用する出だしから速度が上がるまでの間で差が大きいため、マークXの方がパワフルに感じるわけです。

逆に中間加速ではCVT方式の優位性を感じる場面もあり、差は小さいです。

V6エンジンの質感

V型6気筒エンジンの質感ですが、回転の上がり方は思ったよりスムーズ。アクセル特性もリニアかつマイルド、扱いやすいです。

それでも直列6気筒エンジンと比較すればコンフォート的質感で分が悪く、高回転では荒々しい回り方と音。振動が無くても振動が伝わってくるように感じる時もあります。

アラアラしくてドロっとしてて、高回転では勇ましい。これを逆にスポーティ感という見方もできるでしょう。
ノイズレベル的にはハッキリうるさいだけの音量です。

高回転でうるさいと言われるマツダの4気筒MZエンジンと比較しても、室内に透過してくる感じは同レベル。

2000回転以下のごく低回転ではジェントルで振動も気にならず。直6エンジンから比較してもエンジンノイズの音質が異なるくらいです。一般的な4気筒エンジンとの差をしっかり感じられます。


「V8エンジン」>>「V6エンジン」>>>>>>「直4エンジン」
こんな感じ。


Sパッケージは黒系の内装カラー

すごくいい、6速AT

段付きの6ATとなるミッションも上々の質感です。従来ながらの方向性でジェントルな加速減速を行うことができます。

ミッションは旧来のATよりダイレクト感が高まり、タコメーターの動きからも無駄が減ったのがわかります。試乗中、嫌なジャダー的振動を感じることもありませんでした。さらに楽しみたくなれば、積極的にシフトレバーを操作して楽しめます。

CVTと比較すれば、より自然な加速でより高級です。スムーズに発進できて運転しやすく、同時にスポーツ感覚を演出しています。ミッション単体の効率だって、ATの方が優れる場面もあるそうです。

FR(後輪駆動)だとミッション位置の関係で、乗員の足元センターが狭くなりますが、2500ccクラスならそんなに邪魔になるサイズでは無いです。

トヨタ マークX (初代)

トヨタ

markX (マークX)

  • 試乗グレード:“250G”
  • ミッション:6AT
  • 新車価格:約270万円

概要

  • 車両型式:GRX120
  • 排気量:2500cc
  • ボディサイズ:4730/1775/1435mm
  • 車重:1510kg
  • 発売開始時期:2004年11月〜

マークXのモデル別の違いや比較
その他の概要はリンク先で掲載中。

試乗レポ・ライター

当記事は「ヒラリー男爵」がお届けします
ヒラリー男爵

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マーク2、マークXのバッテリー詳細


マークX 初代

GRX120 4GR-FSE 2500cc 2004年〜
55B24L

マークX 初代

GRX120 3GR-FSE 3000cc 2004年〜
55D23L

 
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Sパッケージのアルミペダル


全グレード単筒式ショックアブソーバー。通常は復筒式が多い。ただし単筒式だからといって良いとは限らない。


Sパッケージのアルミホイール

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