アッパーミドルサイズのセダン、日産ティアナ。グレードは「230K」。2300ccの6気筒エンジンを搭載した前輪駆動車です。
比較と辛口評価の試乗レポート
日産ティアナは大型セダンそして上級FFサルーンという位置付けがされているクルマ。
それを前提に試乗し記事は辛口言いたい放題の評価レポートをお届けします。
ティアナは価格的にはミドルクラスセダン。車格的にはアッパーミドルセダン。
ティアナのボディサイズは全長4770mm。全幅1765mm。大きめサイズが低価格というプライスが特徴です。
プラットフォームは前輪駆動のFFレイアウトなのでフロントシートでは足元広く、リアシートも特に足元が広々としています。趣味性より実用性が重視され、パッケージングが優れたセダンと評価ができます。
試乗車のグレードは「230JK」。2300ccの4ATモデル。新車価格は236万円とそのポジションやボディサイズからは相当にお得な価格が設定がされています。上位グレードの3500ccエンジン搭載モデルでも約290万円。こちらも排気量に対するお得感はかなりのモノ。
この立派なボディサイズはトヨタ・マーク2なんかと比較しても悪くありません。ことセダンにおいては車格=ボディサイズという側面が強いですから、大きいクルマ=上級車と言い換えることもできるわけです。
新車時の車両価格(デビュー初期)は、2300ccで230万、3500ccで290万。とってもお買い得なクルマです。この大きさと広さ、4人乗車でも十分な動力性能を持つ3500ccが買えるとなると、とにかく大きなエンジンをお手頃価格で欲しい人にとっては、もうティアナしかないんじゃないでしょうか。
しかもエンジンはどちらも6気筒!”V6”です。
後輪駆動に惹かれればマーク2かスカイラインになりますが、3000ccは大雑把に340万円。ティアナより50万円高いです。
ティアナのもうひとつの売りは、日産がモダンリビングと呼ぶ「インテリア」。特にインパネが個性的かつ上質なインテリアと唄っています。
実際は値段なりの質といった方がいいでしょうか。デザインはリビングと言うより寿司屋。そんなイメージをする方も多いといいます。質感もすごく良いという程ではないので、期待し過ぎは禁物。忘れてはいけません、ティアナで一番の特徴は、大きくて安いという所なので。
アッパーミドルクラスボディサイズで230万円!エンジンは6気筒!すばらしいコスパの6気筒セダン、これがティアナの最大の特徴。
お得なクルマだからこそ購入後の満足度は高いと思います。お知り合いに勧めても喜ばれる。こんなにわかりやすいクルマはそんなにありません。もっといえば、FFセダンは不人気ジャンル。中古で買えばさらにお得。これはもう、試乗しないで買ってもいいくらい。
冒頭で述べたティアナのボディサイズ、これがどれくらいの大きさかといえば、「クラウン」サイズ。クラウンに迫るボディサイズです。
日産車で価格帯が近いのは「プリメーラ」。典型的なミドルセダンです。
比較すればティアナのホイールベースが約10cm長く、エンジンは全くの別物。
そんなプリメーラと比較すれば、非常にお得なティアナ。そのぶん、微妙に安っぽいのはしょうがない。
それよりこれだけの全長&全幅を持つセダンですから、知らなければ見れば立派!に見えます。全長が短いセダンと比較すればそれはもう...月とすっぽんです。
ティアナのエンジンはベースグレードから6気筒エンジンを搭載。同じ排気量でも気筒数によって受ける印象は大きく異なります。良質と言われる4気筒でも、上質感では6気筒にかないません。
ミニバンやSUVなら間違いなく4気筒の価格。他のセダンを見てもだいたい4気筒の価格帯。だからティアナはお得。大きくて6気筒で安い。これがティアナの特徴です。
※燃費性能やメンテナンス性など4気筒が勝る部分もあります。
ティアナのエンジンは2300ccも3500ccもV型6気筒です。
4気筒エンジンと比較すると、振動少なくエンジン音が上品。空ぶかししても軽やかな事も多いです。ほんと、4気筒のエンジンを搭載したクルマと比較すれば、天と地の差があります。質感それは長時間走行での快適性にだって差が出ます。
エンジン型式は「VQ23DE」。日産主力のV型エンジン、VQ型です。古くなりつつあるVQエンジンですが、アクセル踏んだ感触は悪くありません。動力性能でも悪くない。どちらのエンジンを積んだグレードでも車重が1500kgを切っているので、ボディは軽量。エンジンの余裕という部分では、2300ccでも必要十分な加速はします。
※エンジンは改めて試乗した際に確認してきました。2300ccも6気筒です!
3500ccが必要かどうか?実用性を考えればいらないんじゃないでしょうか。刺激をとってランニングコストを受け入れるのもいいですが、2300ccの方がティアナの魅力が引き立ちます。
3500ccもCVTでワイドレンジなギヤレシオ。余裕や静粛性を考えて乗り比べればこっちがいいんですけど、価格的にライバルも増えてきますからね。その辺をどう考えるかだと思います。
やはりティアナは安くて立派だからこそ価値がある。クルマの重要な部分で贅沢すれば価格は高くなるに決まってます。
でも普通に走れば十分というユーザーは意外にも多い。安い6気筒、そんなユーザーにティアナのこれは貴重な選択肢になっているはず。
試乗すると、ティアナは足回りは柔らかく、国産セダンが軒並み固めのサスセッティングを選択する中で非常に貴重。柔らかなフィールのセダンがなくならないことを切に願います。
その分、つまり柔らかめのサスペンションな分、タイヤの接地感はあまりないので、スポーティに走るのは苦手ですね。昔ながらのセダンの価値観を持つセダン。
そのほか、駆動系という部分でいえば、2300ccの4ATのシフトパターンがどうも気に入らないのは、自分だけではないみたいですが。
何度もいいますがこのクルマに高級感やスポーティなどといった質感を求めるのはきついので、整った道をゆったりと、細かい事を気にせず走るにはいいクルマです。
インテリア、つまり内装の上品さをアピールしているので、複数にわたる試乗の際には何度もチェックしました。200万円代のクルマとして、絶対的な価値観を基準に、本当にいいのか悪いのか。
そうして出た結論、質感は2000ccクラスだがデザインが斬新。デザインはセダンというより高級コンパクトカーの様。
つまりセダンとしては新しい提案といえる。圧倒的な華やかさを感じさせる。そしてこれ、年齢や今まで乗り継いだ車種により、評価は大きくわかれるかもしれない。
実質的にFFとなったセフィーロの後継となるティアナ。セフィーロの内装は至って普通。色合いもグレーがメイン。
日産らしい旧来然とした内装だったわけですが、それと比較すれば遙かに華やか。確かに細かな部分、木目パネルなどの質感という面ではセフィーロの方に部があるかもしれません。でもしょせん細部は細部。全体的なイメージこそ重要。後はアフターマーケットのパーツでも自作でも何とでもなる。
結局のトコロ、デザインも質感の一部。そしてデザインが好みなら細かな質感は気にならないというのが実際のトコロでしょう。
試乗したクルマにはオットマンが付いてました(グレードにより省かれるかオプションなのかはわからず)。
足を伸ばしてくつろげる着座姿勢がセダンの特徴。それならこれは必需品といってもいい装備。なぜ今まで無かったのか?変な疑問もわいてしまうほど嬉しい装備。
実際にオットマンを採用している車種が少ないのをみるかぎり、そんなに好評な装備では無いのかもしれませんが、筆者はクーペにだって装備して欲しいほど気に入りました。
お迎えしたゲストに喜ばれると、やっぱり気分いいですものね。
ライバルは排気量によって。トヨタだとマーク2、マークX、カムリ、プロナード。ホンダだとアコード、インスパイア。マツダだとアテンザといったところでしょうか。
マークX。ティアナと比較するとアグレッシブで質も高さがわかりやすい。エンジンはどちらもV6だけど、マークXは元気いっぱい。FR後輪駆動ののフィーリングに惹かれればマークXしかない。乗り心地の良さでティアナ。
カムリはガチライバル。端正なボディデザインで優勢なれど、あまりにも地味で不人気。ティアナを選んだ方が幸せと思われる。
プロナードはさらに大きくて300万円。質感もあって乗り心地も柔らかくティアナの好敵手。ナビが標準で価格差は少ない。プロナードの弱点はボディデザイン。タクシーみたい。
インスパイアは基本的にはアコード。なんだけど270万円の価格で3000ccとコストパフォーマンス高く強敵。試乗してもいいクルマです。比較するとティアナ厳しい。価格で勝負です。
ティアナは値引きも大きく、一声で二桁万円らしい。中古ではさらにお得。新車時に値引きの大きいクルマの場合、中古車価格も安くなる傾向がある。日本ではミドルクラスのコストパフォーマンス重視なクルマながら、ロシアなど一部の海外では日産の高級車と認識されている国もあるらしいです。
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ティアナのバッテリー適合詳細
ティアナ
J31 - VQ23DE 2300cc 2003年〜
55D23L
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国産車バッテリー
エンジン質感 | |
駆動系質感 | |
足回りの質感 | |
内装の質感 | |
外装の質感 | |
快適性 | |
お買い得度 |
緻密に並んだスイッチは質感を感じさせる一方、運転中の使いやすさは一歩劣る感じがする。
助手席オットマン。シートは目一杯後ろに下げて使うこと。
木目パネルは木材にニスを塗って仕上げた様な感じ。
違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転で試乗レポート。
受け売りでなく、カタログ的でない。紹介ではなくレビューです。
評論家さまとの違いは、率直な表現と自由度の高さ。辛口といえば辛口です。
評価評論・比較レビュー「間違いいっぱいの自動車選び」。