セルシオ自動車比較

自動車購入の試乗比較、中古車選びにも・メーカー別評価「トヨタ」
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(2012年記事 トヨタ セルシオ
著:ヒラリー男爵)

トヨタ 20系セルシオ(後期)試乗インプレッション

今回の辛口比較・評価評論のターゲット車は、トヨタの8気筒FRセダン、セルシオ。試乗レポートです。
筆者はこの20セルシオ、前期型A仕様と後期型Bユーロ、2台を友人とまるで共同所有のように使用していました。2台の違いや比較を踏まえながらお届けします。
国内には同格のライバルとして比較できる車種が微妙なので、今回はこのような形になります。

※20後期は中古車にて購入状態からローダウンバネが付いていたのでその状態でのレポートとなります。

セルシオ20後期・室内2セルシオ20前期・室内2
トヨタ
  • グレード:“Bユーロ”
  • 型式:UCF20
  • 車両価格:620万円
  • デビュー年:-

試乗車の状態等

豊田自動車豊田自動車

今回、レポートの中心となるセルシオ2台、古いクルマなのでコンディションは新車と全く違い、多少改造もしてあるので、まずはクルマの状態から。

20セルシオ前期・・・走行8万キロ。ノーマルサスから20万円クラスの車高調に交換。アルミとタイヤ交換。グレードはA。セルシオ(20前期)試乗レポート

20セルシオ後期・・・走行9万キロ。購入時からダウンサスに交換済み。タイヤは純正サイズのレグノに交換。エンジンマウントブッシュ交換。エンジンヘッド周りリフレッシュ。グレードはBユーロ。

マイナーチェンジでの変更点(エクステリア)

20前期の外観デザインは、10系セルシオとほとんど変わらないデザインでデビュー。細部はかなり贅肉をそぎ落としてバランスを取ったといっても、よほどセルシオが好きな方かセルシオオーナーしか違いがわからないほどそっくり。10系の方が優雅で高級感高い事もあり、「どっちが新型なの?」なんて。
こんな20系セルシオですが、後期へのビッグマイナーチェンジは気合いが入ってました。ご存じの通り、見た目の印象はガラッと違うイメージに。

ボディ外板に関してはボンネット、フェンダー、バンパー、ライト、グリルの変更のみならず、リアのテールライトは高さ方向に「2ミリ」小さくなったとのこと。コレに伴い、トランクリッドもわずかに変更されています。
とても気合いの入ったマイナーチェンジということがおわかりでしょう。

これらにより、セルシオのエクステリアは変身しました。非常にイメージの異なったデザインとなり、キャラクター的に優雅な高級路線よりスタイリッシュさ、そしてパーソナル感を感じさせてくれるようになりました。フロント周りの重厚感や高級感は多少失われた代わり、セルシオのドライバーズセダンとしての印象は強まったと思います。後期の方が単純にかっこいい、という意見が大多数。

マイナーチェンジでの変更点(メカニズム関連)

ドライバーズセダンとして最も重要な、クルマの本質となる部分についても、大きな変更が施されました。ミッションは4ATから当時最新の5ATに変更。エンジンもより高回転が元気なタイプになりパワーアップ。

装備面もかなり充実。ポジション記憶機能(マイコンプリセットドライビングシステム)が付き、パワーシートはヘッドレストも操作可能。エアバッグにはサイドエアバッグも追加されました。さらにトラクションコントロールは横滑り防止装置(VSC)&ブレーキアシストにパワーアップ。
また純正ナビゲーションはワイドタイプに変更になっています。

内装について一言

セルシオの内装について、デザインは前期後期ともに非常にノーブルなデザイン。つまり普通。しかし「あるべきところにあるべきものがある」、初めてでも全く違和感なく馴染めるはず。
とっても普通なデザインながら、シートの大きさ、センターコンソールの幅広さ、ここのデザインは普通とはいえません。大きいんです。シートが大きいととってもラク。また助手席が遠いというのも非常にラク。ここ、セルシオに限らず非常に重要なところです。

音消しにチリあわせ、びっちりした内装

質感についてですが、これはなかなか素晴らしいものがあります。
インパネのみならずドア内張、ピラー、いたるところがとても厚みのある軟質ウレタン。柔らかいし、傷も付きにくい。木目パネルは厚みのあるクリアコーティングがされ、どれだけコンパウンドで磨いても平気。

そしてチリあわせはびっちりで、ツメもノイズが出にくいツメが使用されています。

またフロアのカーペットはスポンジ部分の厚みがものすごく、10センチあるような部分もあります。剥がしてみると感動モノかもしれません。

次にリアシート、こちらは足下のスペースはクルマの大きさを考えれば標準的。シートの厚みも厚く、シートバックも寝ていて非常に快適ですが、日産シーマも同じ様な感じですし、ベンツSと比較すると広さでは劣るような印象。試乗した感覚だと多分Sクラスの方が広い。

シートの本皮については、セルシオの皮の耐久性は十分。安いクルマの本皮シートとはちょっと違います。これをシーマの皮シートと比較すると、個人的にはシーマの方が柔らかくてちょっといいような気がします。
(皮の質感については知識無いため、個人的な主観と好みで評価)

室内、後期モデルでの変更点は?

セルシオ20後期になっての内装部分での変更点は、エアバッグの充実、シートポジションメモリーの充実、メーターパネル内に液晶表示部分の追加がされています。
この液晶部分には半ドア警告やテールライトの球切れなどが表示されます。走行中は平均燃費や週間燃費が表示されます。

試乗レポート・全体的な質感等

では試乗レポートにいきます。乗り心地、静粛性、ハンドル切った質感について。
(この部分は20セルシオ前期のレポートと大方共通です)

乗り心地について

純正状態のサスペンションの場合、乗り心地はフワフワです。これは後期型のダウンサスが付いている方のセルシオでもキャラクターは一緒。古いのでショックがアレなのでしょう。
前期型の単筒式ショックアブソーバーの車高調では、乗り心地は非常に良く、減衰力をそこそこに締め上げれば質感も十分。弱くすればブヨンブヨンのスムーズさを味わえます。よく作られたボディによく動くショックアブソーバー。クルマを運転するのが楽しくなります。

ボディ剛性感という面では多少柔らかさも感じるため、逆にこれも乗り心地が良く感じる原因かもしれません。シートの厚みがものすごいのでここでスポイルされている感触も多そうですが。

乗り心地を全体的に評価させて頂けば、固めのバネでも乗り心地すこぶるよく、段差も気にならず、荒れた路面もなんのその。ガタガタを走る事自体が快適に感じます!内装内張がミシミシいうこともなし。細かなボコボコはボディやシート、ゴムブッシュがシャットアウトしてくれているみたいで、ドライバーに多くは伝えてきません。

そういえば本革シートではハンドル切った状態で段差を越えればリアシートからガサガサいいます。他車で確認してもどれもそうなんでこれで正常だと思います。

静粛性について

静粛性、実は標準状態を味わう前に、分解して制振・吸音作業を行ったんですが、いやコレ凄いですよ。6気筒エンジン搭載車クラスからしても1段以上レベルが上。救急車の音だって聞こえなかったり。

なんで静かなのか?そりゃボディも内装もエンジンも、設計いいんでしょう。しかしバラしてみてわかるのはかなりの物量作戦。機密性の徹底やこれでもかって言うほど熱いフロアカーペット。内装だってボルトの数が違うし太さも違う。ピンだってノイズが出にくいタイプを数多く仕様。ノイズが響かないような部分にもしっかり、物量を投入しています。

ハンドル切った質感について

流石腐ってもセルシオ。乗り心地がいいのは当然のこと。静粛性が高いのも当然。あえて記事にするほどのことでもありません。注目して頂きたいのは、アクセルもブレーキもフィーリング良く、扱いやすい。コーナーリングも十分得意と言えるレベル。

ステアリングはロックトゥロックが大きく、操作量は多いのですが、全体的にはそこそこ機敏な動き(ビッグセダンでの比較)で、フロントの重さを感じるのは最小限。レスポンスは悪いようでそこまで悪くない。

意図的にリアをホイールスピンさせた場合、晴れの日はそんなにオーバーにならず、雨の日は横を向いてしまいますがそのときの動きはゆっくりカウンターを当てて、戻してと、落ち着いて操作できます。トラクションコントロールが介入しますがホイールスピンしたあとなので、タイヤが空転してもオーバーレブする危険だけを防いでくれる機能といってもいいかもしれません。レッドゾーン直前で止まってくれます。
アクセル緩めず踏み続けたらスピンもするのかな。そういや試してません。

この動き、挙動が大きい時でもアライメント変化が少なくタイヤの接地面がしっかりしている印象。想像ですが、足回りパーツの剛性が高いのかもしれません。
(後期型からは横滑り防止装置が装備されます。意図的にタイヤを滑らすような試乗はしていません)

ダウンサス+純正ショック+レグノ

ここでレポートしている試乗車、セルシオ20後期には中古にて購入時からダウンサス+純正ショックの状態でした。
新車から7,8年落ちだと流石にセルシオといえどもちろんショックはへたってます。
この状態の純正ショックアブソーバーにダウンサスを組み合わせると、フカフカのフワフワ。リアシートに座り、ゆっくり走っている時は特別問題もなく十分快適ですが、セルシオらしいかといわれればちょっと何か違う・・・車酔いしてしまいそう。

これで走ると、せっかくのBユーロというグレードが残念でしかたありません。どことなくクラウンに近い安っぽさと表現したらわかりやすいでしょうか?これならエアサスの方がセルシオらしい感じです。

※ダウンサスのブランド、内容は不明。

一方、ブリジストンのタイヤ、レグノは大当たり。値段が高いだけありミドルクラスのセダンや少し背の高いクルマでもそれなりの効果を感じられるレグノ。セルシオならよりハッキリした効果とマッチングの良さを感じられます。個人的なフィーリングだとビッグセダンとレグノの組み合わせはピッタリと感じます。

乗り心地、特に当たりの柔らかさという点は他のタイヤと全然違います。レグノも2000ccクラスで使用すれば、とっても固いタイヤで、これってスポーティタイヤじゃん!なんて感じるほどですが、セルシオクラスだと違います。欠点が消えて長所が際立つ印象。
素早くハンドルを切っても、ブレーキしながらハンドルを切っても、腰砕けに感じることがなく、非常にいいです。エコタイヤや外国製タイヤだとビッグセダンの良さが多少なりとも失われてしまうかもしれません。
(残念、筆者セルシオ所有時に試すことができず。)

試乗レポート・エンジン等

セルシオのエンジンはトヨタご自慢の8気筒エンジン。例えエンジンブッシュが切れていようがアイドリング時の振動は全く気にならず、音も静か。そして上質。

振動無くウルトラスムーズなこのエンジン、フィーリングを言葉で伝えるのは難しいので、クルマ好きならぜひ実際に味わって頂きたいモノ。音は言葉で表すと、低回転ではシュイーン。高回転ではジュワイーンにキーンという音が混ざった感じ。そして後期のエンジンでは元気で勢いのあるビュワーという音が混じります。
低回転では、どこか遠くの方でフーンという感じでエンジン音が鳴っています。

セルシオ20前期と後期、このパワートレインも結構変わってます。ミッションは4ATが5ATになり、エンジンも可変バルタイになり、進化。高回転が一段とよく回るようになりました。

この後期なら直線道路でGT-Rとアクセル踏みっぱなし勝負になってもなってもいい勝負が出来ます。先に加速を始めた方の勝ち、といった感じです。

ミッションの多段化により、ワインディングでの走りやすさは劇的に向上。ギヤ比が詰まることでシフトアップ時のドロップ回転数が少なくなり、シフトアップ時の不安感も減りました。2速ホールドから3速ホールドのポジションを繰り返す峠道での扱いやすさは間違いなくレベルアップ。

エンジンは高回転がより回るようになりました。(カタログ上の馬力も向上)。装備も充実したため車重は同グレードで70キロ増えていますが(セルシオって意外に軽いんです)、ドライバーが感じる加速感は後期セルシオの方が上なくらいなので心配入りません。
アクセルを全開にすれば、時速150kmくらいまで加速感は衰えず、普通に加速します。そこからメーター読み180キロまでも大して問題なく加速。巡航に入れば、ドライバーが涼しい顔して高速走行でき、パッセンジャーは速度感低く快適。

他のハイパワー車との比較

例えば人気の高性能エンジン、2リッターターボなどは、確かに100キロくらいまでは速いのですが、その辺りから加速感は鈍ります。排気量の大きいセルシオなら3速に入っても同じように加速してくれます。
(ユーチューブに加速中にスピードメーターを写した動画あり)。

3000ccターボクラスのエンジン、簡単にブーストアップできることもあり、十分な加速力でセルシオより早く速度が乗ります。つまり、ちょっといじればセルシオより全然速いです。

セルシオの故障など

中古で買う場合、多少なりともトラブルは覚悟した方がいいかもしれません。如何にセルシオといえど、運が悪ければトラブルが起こります。

筆者が所有していた間に起きた故障(トラブル)

  • タイミングベルト切れ・・・20後期。走行距離は99900キロくらい。
  • スピードメーターが動かなくなる・・・20前期。110000キロくらい。
  • メーター照明が付かなくなる。・・・20前期。110000キロくらい。
  • ラジエター周辺から異音・・・20前期。80000〜90000キロくらい。
  • ステアフィールの悪化・・・20前期。80000キロくらいから。
  • エンジンマウント切れ・・・20後期。80000キロくらい。
  • パワステメタル損傷によるオイル漏れ・・・20後期。99000キロくらいから。
  • ブレーキフィーリングの悪化・・・20前期。100000キロくらい。

後期のクルマはタイミングベルトがきれました。そのときのオドメーターが示す数値はちょうど10万キロ。トリップメーターがあっているのかどうか疑いたくなります。
といっても、そんなクルマでもちょっと手を入れれば高級車らしく乗れます。走行距離の戻しなど、中古車は運次第。たまにはしょうがないことです。

それ以外では、前期の方は速度メーターが動かなくなりました。(叩くと直ったりします)。自発光の照明全体が点灯しない事も。昼間でも見えません。最終的には水温計も上がらなくなった。

また、ラジエターファンのオイル交換、パワーステアリングフルードの交換。フィーリングキープに非常に重要な部分。特にパワステフルードを交換すると、機能は体感できるほど復活。コーナーでワンテンポ遅れるようなフィーリングがなくなり、グラグラせず、走りやすさと楽しさは最高。
まめな交換でオイル漏れトラブルを防ぐことが出来ます。(20セルシオの持病)。

そのほか効果のあったメンテナンスは、エンジンマウントの交換。前期はそのまま、後期のみエンジンマウントを交換したので違いはよくわかりました。2台のボンネットを開けてエンジンを吹かしてみれば視覚的にもその違いがわかります。マウントがダメだと、エンジンが大きく揺れます。
ただしセルシオの場合、エンジンマウントが切れたからといって、極端に振動が大きくなったり、アクセル操作がシビアになるということはありませんでした。

ブレーキフィーリングの悪化、これはペダルが奥に入る量が増え、剛性感が減りました。初期でカクッと効き過ぎないのは良いんですが、できれば踏み力でコントロールしたい訳です。
ブレーキマスターシリンダーのオーバーホールとキャリパーのオーバーホール両方行いましたが、劇的には改善せず。

スムーズで静か。でも高回転での音はいい。20後期では高回転がパワーアップ。

燃費や税金、維持費

セルシオの燃費、確かに良くはない。でも、そんなに悪いわけではないですよ。走行距離少ない方なら問題なしでしょう。前期で6〜8キロ、後期ならプラス1キロが期待できます。新車販売当時、2000ccクラスで10キロ程度の燃費ということを考えれば、これだけの内容が味わえてこの燃費の差なら、まあ許容範囲内かと思いますが如何?走行距離の少ない方ならガソリン代は月に1000円くらいの差でしょう。

自動車税も、2500ccクラスのクルマにプラスして3万円。車検の時にかかる金額は車重1500超のクルマと同一。維持費は思ってるほど高くないといわれる方が結構します。

セルシオの新車当時の価格は500万円台前半。この価格でライバルより圧倒的に違う内容を持っていたので、これはお値打ち価格だったのかもしれません。当然、絶対的には高いですが・・・。

トヨタ セルシオ (20後期)
トヨタ

celsior (セルシオ) 20後期

  • 試乗グレード:“Bユーロ”
  • ミッション:5AT
  • 年式:平成9年(1997y)
  • 新車時価格:620万円

概要

  • 型式:UCF20系
  • 排気量:4000cc
  • ボディサイズ:4995/1830/1435mm
  • 車重:1770kg

セルシオのモデル別の違いや比較
その他の概要はリンク先で掲載中。

試乗レポ・ライター

当記事は「ヒラリー男爵」がお届け致します。
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ライバルと比較しての評価
エンジン質感 5段階評価
駆動系質感 5段階評価
足回りの質感 5段階評価
内装の質感 5段階評価
外装の質感 5段階評価
快適性 5段階評価
お買い得度 5段階評価


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