評価評論「間違いいっぱいの自動車選び」。トヨタ・アクア(NHP10)「S」。初期モデルの試乗レポート。
当ページは3ページ目です。
当ページは初期モデル・2013年式の試乗レポート。2017年マイナー後は別ページに記載しています。乗り味は大きく変わっています。
アクアの魅力の一つが、特別なことなく走行できるということ。ハイブリッドだからといって特別な操作は必要ありません。初めて運転しても、ずっと付き合ってきた愛車のように運転できると思います。
アクアに乗り込めば、普通のガソリン車と同じような感覚で発進加速できる。シフトセレクターだってトヨタ式ハイブリッドのそれじゃなく、一般的な形状。
昼間のドライブならあっちらこっちら車外のノイズが入ってきて、”エンジン止まっているから静か”なんて感じはほとんどない。
左の画像がアクアのシフトパネル&セレクター。
右の画像はお馴染みプリウス。アクアはこの辺りも普通。
ガラスやAピラーが寝ているのにも関わらず、他車より良好な視界が確保されています。
それに、ドライバーズシートにはほどよい包まれ感でスペシャリティな雰囲気もあるのに、気軽に走りやすいんです。
特に女性ユーザーに合わせている部分が多いと感じる(詳しくは後述)ので、女性の方で運転が不慣れな方にもピッタリでしょう。
細かい部分ではペダルが内側寄り(中央寄り)にレイアウトされていますが、特別運転しにくいというほどではありません。ブレーキペダルがちょうどステアリング中央からの延長線上にあるんですが、最近はこんな感じのクルマが増えてます。
フロントのドアノブの写真。ロックスイッチのセンサーが触れやすい場所にあり反応も悪くない。
いろいろ使ってみると、ロックスイッチが上部に付いているより、またドアノブにプッシュスイッチが付いているより、これが最適に思える。
意外な長所。Aピラーが思いっきり寝ているのに、右左折時にあまり視界を妨げない。極細というわけでもないのに。
基本的にヴィッツと一緒。見切りはヴィッツに乗ってもわかる。
意外な短所。純正ナビゲーションのLEDがかなりまぶしい。白いイルミネーションがとても眩しいです。
液晶画面は消せるんだけど、試乗していた間にはLEDは消し方がわかりませんでした。
※内容は辛口評価です。試乗購入時のお役に立てれば幸いです。
アクアは女性ユーザーをターゲットに開発?クルマ全体がそう訴えてきます。
シートの作り、ブレーキペダル、サイドブレーキ、ドライビングポジションなどからそう感じます。運転席側にバニティミラーが付くというのも大きなポイント。
ブレーキペダルは高めの位置にレイアウトされ、フカフカで人工的な反発力。チカラが弱い方でもヒールでも軽く踏める。固くて踏み切れないブレーキなんて意味ありません。
またパニックブレーキ時に助けてくれるブレーキアシスト。これがすぐ介入して効きが強い。訓練していないと最適な急ブレーキはなかなか踏めないモノ。アクアはちょっと素早く踏めばすぐにブレーキ踏み込み量にアシストが掛かる。
そしてサイドブレーキ、かる〜く引けます。ソフトタッチでこんなところも女性向けかなと。
最大にポイントなのがこのドライビングポジション。以下箇条書きで。
簡単に言えば、内股で座れる方にピッタリということです。
アクアを運転すると疲れる、腰が痛くなるというハナシを聞いたんだけど、その人は体の大きな男性。いわく、アクア後遺症とか仰ってました(笑)
ではということでシートをチェック。気になるのはシートバックのちょうどベルトが当たる部分が大きく盛り上がっている。して固い。ここにベルトが当たる。
アクアは大きな段差では残像が残るようにドサドサとクルマが揺れる時があるから、ごっついベルトをしていると腰に来るかもしれません。背中下部が盛大にもっこりしてるシートバックよりは座りやすいと思うんだけどね。
それから男性の重さだと、座っているうちにクッション性が悪くなっていく。いやCT200のリアシートよりはマシなんだけど、最適なのは体重60キロくらいまでなのかな。タイムリミットは1時間!
アクアはリアシート下にハイブリッド用バッテリーを積んでいるということで、なるほどラゲッジスペースの広さは普通に確保出来ていた。
なにしろアクアが積んでるバッテリーの容量は、プリウスの半分くらいというウワサ(未確認)。そうするとFAX付き電話くらいの大きさだろうか。
ホンダの新しい世代のハイブリッド車、アコードハイブリッドなんてボディ大きくて室内は快適なんだけど、トランクスペースの狭さは閉口もの。アコードではトランクの3分の1くらいをバッテリーが占有。
セダン買う人は車室内に荷物を置きたくないでしょ。荷物からガチャガチャ音だってするしね。
戻ってアクアのラゲッジ、決して広くはないから過度の期待は出来ないけれど、軽自動車のラゲッジからすればよほど広い。
燃費は重要だけどラゲッジも必要となれば、軽自動車ではなくアクアという選択肢に。N-Boxに設定されるラゲッジの使いやすいグレードなど、価格がけっこう高い。
アクアで気になるのはリアシートを倒した際の段差。そういえばヴィッツではこの段差を埋めるオプションがあったけど、アクアもあるのかな。後日調べます。
グレードにより異なるが基本的にスペアタイヤはオプション。標準はパンク修理キット。
出先でいざパンクという時、女性ユーザーでも気軽に対処できるのはパンク修理材。
スペアタイヤへの交換は大変です。タイヤ重いしボルトは固いし、危険だし手は汚れるし。
筆者の知る女性では、タイヤ交換のやり方を知っている人はいなかった。クルマいじりが好きな筆者だってもちろんやりたくない。
あまりないけれど、バーストに対応できるのはスペアタイヤしかない。
そのほかでは、自宅でタイヤローテーションをされる方、パンク修理材を注入したタイヤをそのまま使いたくない方。
実際にパンク修理材を注入したタイヤをそのまま使ったことがあるけど、質感の悪化を感じられるかは微妙かな。1本だけ重いとかわかりませんでした。
ボディデザインはご覧の通り。全高がヴィッツより5センチほど低いから現代のコンパクトカーとしてけっこう低め。
ぱっと見はちょっと背が低いコンパクトカー。良くまとまっているので全然普通。
しかしよく見れば全体的にうねりがあって有機的。生物的な感じというのかな、日本車では少数派のタイプですね。あえていえばフランス車っぽいようなアクの強さがあります。
こんなアクアのボディデザインは、どちらかといえば万人受けするタイプじゃないかもしれないけど、かといってものすごく嫌いな人もいなそうな絶妙のバランス。
買ってしまえば地味なだけのデザインよりよほど所有満足度は高いハズ。ボディカラーも曲線や造形が際立つ、光でコントラストが強くでるカラーがいいですね。
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Aピラーは思いっきり寝ているが、視界はそれなりに良好なのでご安心を。基本的にヴィッツと一緒だから、ヴィッツを運転しても感覚はわかる。
Lグレードではスペアタイヤが標準。ほどほどに妥協したエコカーというのはスペアタイヤというのを見てもわかる。上位グレードでは10500円のオプション。
違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転で試乗レポート。
受け売りでなく、カタログ的でない。紹介ではなくレビューです。
評論家さまとの違いは、率直な表現と自由度の高さ。辛口といえば辛口です。
評価評論・比較レビュー「間違いいっぱいの自動車選び」。