評価評論「間違いいっぱいの自動車選び」。トヨタ・アクア(NHP10)「S」。初期モデルの試乗レポート。
当ページは2ページ目です。
当ページは初期モデル・2013年式の試乗レポート。2017年マイナー後は別ページに記載しています。乗り味は大きく変わっています。
アクアの魅力はハンドリングのバランスの良さ。ハンドルを切ったあとの挙動が、過敏でないうえに反応が良いから走りやすい。
ハンドル切ってヨーの立ち上がりやフロントのロールスピード、落ち着いたリアなどバランスが良い。
反応自体は良いんだけどジワッとクルマが曲がり出す感覚。ちょっとハイスピードで流すのも気持ち良い。
またFF(前輪駆動)の走りやすさもうまく表現しており、ハンドル切った状態でアクセル踏んでいけば、ハンドルが重くなる。
手のひらでそれを感じたら、ハンドルを戻す量に比例してアクセルを踏み込んでいく。クルマが直進に戻りたがる感じは、バイクのバンク角を起こしていく感じにも似ている。
そんな感じで走りやすいアクア、ここは積極的に良いと評価できる。プリウスとはキャラクターが違うから、うまく住み分けできていると思う。
大きくダメなのが一点、ステアリングを回した時のフィーリング。安っぽい手応えに舵角が増えるとザラザラ。オモチャのハンドルコントローラーを回しているフィーリングでここはマイナス。
出だしから巡行中までハイブリッド車らしくエンジンは止まる。
エンジンが止まれば快適?
元々うるさくて振動も多いから、エンジンどうこうは関係なし。普通に実用性最優先。
エンジン掛かればブルッと不快な振動が伝わってくるし、エンジン始動中にシステムOFFにすれば、震度1の地震がアクアを襲う。クルマ全体が揺れます。
それでも流石ハイブリッド車。単なるアイドリングストップの不快さとは全然違う。特に軽自動車など、エンジンスタートやストップの衝撃、嫌なモノです。
フロントシートではサスペンション柔らかめなのにゴツゴツ。ガッツンガッツン、平らに見える路面の細かなボコボコをたくさん拾ってる。
ショックアブソーバーが渋く、フラット感強い乗り味は日常でのコーナーリングでメリットあるかもしれないけど、乗り心地は悪い。
フロントより柔らかい印象で、比較すれば快適。
絶対的には固めだけど、フロントよりは動きがある。
縦方向にはブワンブワンと伸びたり縮んだり、クルマ酔いそうな感が強いんだけど、横方向の揺れやロールは抑えられる。ドライバーのハンドルさばきが雑でも、急な横Gが伝わってきづらいマイルドさは魅力。
ドアを閉める感覚が前後で異なり、ドアノブなどから伝わる感触が異なる。フロント側は普通でリア側がチープに割り切られている。
快適性で特に静粛性を評価すれば、10年前のコンパクトカーと同程度か、ヴィッツ1000ccの3気筒モデルに毛が生えた程度の静粛性。
普通は下回りからのノイズが大きいけど、アクアではエンジンルームからのノイズが大きく気になる。
アクアに乗るならは燃費最優先モデルとして割り切りが必要です。
リアシートは広いとはいえません。リアシートのリクライニングは試乗時わからず(多分なし)。背もたれは立っている。
またリアシート座面が低いから、フロントシートのシートバックから非常に圧迫感を感じる。頭上に余裕があれば、座布団の出番です。
カップホルダーは1個。ドアにはなくてセンターコンソール後端に1個。
身長172cmの筆者がドライビングポジションを取った状態でリアシートをチェック。
軽自動車とアクアを比較している場合は、横方向にスペースがあると空間的な余裕を感じると思う。アクアはスペース優先のクルマじゃないのをお忘れなく。
※内容は辛口評価です。試乗購入時のお役に立てれば幸いです。
ブレーキはまずペダル位置、アクセルペダルと比較して、ブレーキペダルは手前に出ていて、奥の方まで踏んだ状態でチカラが入れやすい位置にある。
それに合わせてブレーキペダルはプニャプニャで奥までストローク。
ペダルに剛性感なんて微塵もない上にハイブリッド車らしい踏み心地。通常走行でもコントロールはしにくい。
きっと女性ユーザーにはピッタリなんです。クルマのキャラクターを考えれば、軽いブレーキタッチは好ましいもの。女性のかたでもがっつりブレーキが踏めると思う。固くて踏み切れないブレーキなんて意味がありません。
市街地では、停止中にブレーキを踏んでいるのがだるくなる。アクセルペダルとブレーキペダルの高さに違和感を感じる。
Nレンジにしてサイドブレーキを引けば良いんだけど発進がワンテンポ遅れちゃいます。
ブレーキアシストの介入が早い!そして唐突で派手な動作のABS。ちょっと強めのブレーキングをしようすると、ブレーキアシストが介入してしまう。
コーナーを楽しもうとすれば、ジワッと素早くブレーキを掛けるのが醍醐味。しかしアクアでは踏み込んだ瞬間に緊急制動。タイヤと路面を結んでいた糸がプツンと切れる。
タイヤの特性も原因かもしれない。エコタイヤだと荷重過多のようにフロントタイヤが横にずれる。ほとんどノーコントロールといってもいい。
ぼーっとしてる時の緊急ブレーキって、思うほど強く踏めないものです。なので介入の早いブレーキ足とは安全かもしれません。びっくりせず、日常では急ブレーキにならないように運転できればね。
力が弱くても、ヒールを履いていても、緊急時は全力で踏みつけて下さい。ABSが作動しても、最大限に制動力を発揮するにはさらに踏み込む必要があります。さらに強く4輪を目一杯使えるようにもっともっと。
※ブレーキアシストとはドライバーが急ブレーキを踏もうとするのを検知し、ブレーキの効きを強める機能。
同乗者による手元のストップウォッチでアクアの中間加速力などを計測してみました。
計測条件は大人の男性2人乗車。ガソリン残量はメーター読み4分の3。エコモードOFF。バッテリー残量は半分以上。風はほぼなし。気温は26度。タイヤ空気圧(温間)フロント2.3キロ、リヤ2.1キロ。道路は直線。
速度はメーター読み。比較タイムが少ないので比較が難しいデータになります。
このタイムは1800ccのトヨタ・ウィッシュより全般的に1割ほど遅いタイム。またハイブリッドシステムを積んだホンダ・CR-Z(CVT)や2400ccのホンダ・オデッセイと比較すれば、低速時はアクアの方が速く、時速50km以上では遅くなっています。
市販の騒音計を利用して、ノイズを計測してみました。単位はdB。(dBについてはネット検索して下さい)。
騒音計ということで音圧に対して補正が掛かっていますが、人間が感じる不快さとは違います。耳障りな音とか気になりにくい音とか、そういった感覚は含まれていません。
タイヤはブリジストン・エコピアEP25。175/65R15。
アクアは耳障りな音が多く、数値以上にうるさく感じます。
アクセルオフ時に惰性で走る時間を計測しました。
計測3本行ったうちの中間の数値。エネルギー回生が強かったのか、エンジンブレーキ?が強めな感じです。ハイブリッドSAIでは30秒以上転がっていました。
アマチュアレベルの計測なので、厳密な正確性については期待しないで下さい。他のタイヤ、他の車種でもテストを行い、データを集めています。
身長172cmの筆者がドライビングポジションを取った状態でリアシートをチェック。
カップホルダーの数
ヴィッツはイヤだからアクアを選ぶ、お気持ちわかります。
ヴィッツといえばピラミッドのスタートライン。車格というピラミッドが出来ている以上、どうしようもありません。
クラスによってはこれでもいいんだけど...。なんてこともあります。アクアは単純に、一番安いのはイヤだからコレにするか。そんな感じでも選択できちゃうポジションなんです。
もっとも燃費を気にしなければ、同価格帯で一クラス上の車種も買えちゃう。例えばトヨタ・オーリスやスバル・インプレッサ。
静粛性の高さで選べばオーリス、乗り心地の良さで選べばインプレッサ。
小さい方が好きだ!という場合にはヴィッツG's。サスペンションの質感はアクアより断然立派です。
系列サービスです!
法人、個人事業主の「ETCカード」。複数枚契約が可能。
セディナなど法人ETCカード
系列サービスです!
「自動車保険一括見積り」の比較。見積もりはメールか郵送で安心。
保険一括見積りサービスの比較サイト
ネットでバッテリー価格を確認
国産車バッテリー
女性サイズとなるフロントシート。男性が座ると長時間は厳しい。クッション性が悪化する。着座ポジションは高すぎず座りやすい。
リアシートは身長170センチ位までなら平気。だけどフロントシートの圧迫感がある。
ステップ部分の段差はうまく広げられているができればやや高さがある。ドア開口部がもう少し広いと嬉しい。
タイヤはブリジストンのエコピアEP25。ブレーキロック時の挙動など従来からのエコタイヤらしさがある。
違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転で試乗レポート。
受け売りでなく、カタログ的でない。紹介ではなくレビューです。
評論家さまとの違いは、率直な表現と自由度の高さ。辛口といえば辛口です。
評価評論・比較レビュー「間違いいっぱいの自動車選び」。