評価評論「間違いいっぱいの自動車選び」。試乗車はカローラフィールダー。
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トヨタ・カローラフィールダー(E160系)1.5X CVTモデルの試乗レポートです。2014年式。
以前、MT仕様に試乗、今回はCVTモデル。違った観点からお届け致します。
カローラフィールダーの内装、主にインパネ周辺などフロントシートの部分。
カローラのインパネを見ると、その時代のトヨタ上級車とイメージが近い。目指すところは一緒だよ、みたいなね。
これで上級なイメージを感じちゃう。素材的な質感より形状が重要というわけです。
他の国内メーカーだと異なる事が多いです。ホンダではフィット系はフィットらしく、シビック系はシビックらしく、アコード系はアコードらしくなど、クラスによって明確に。日産だって統一された感は薄い。
CS-5から続く最近のマツダは、内外装の統一感をウリにしている。でも上級車のアテンザで今ひとつだから、こんなものかって感じで逆効果もあり得る。
だからこそ、カローラは安くても立派に感じられます。
カローラフィールダーの内装を見て何を思う?さりげなく派手ですなと思いました。
ドアを開けて内装を覗くと、座ってみたくなる。そんな興味を引く色気がある。
カローラに色気ですよ!今コレを書いてても信じられません。でも初めて感じた印象はそんな感じでした。
近くでみれば当然そんなもの。やっぱりね、そうだよね。シートの肌触りも各部の触り心地もそんなものです。騙されたと感じないで下さい。
ただしこのカローラフィールダー、価格は約160万円。同時期のヴィッツ「U・1500c」が170万円オーバー(2015年2月)それを考えれば、十分素晴らしいじゃないですか!
細部は昼間見ると安っぽいものの、カーボン調パネルは妖艶な加工がされています。カーボン調パネルの場所は、助手席前とドアトリム上部。
夜間、光が当たると鈍く反射し、特にオレンジ系の照明が反射すると雰囲気が良いんです。水銀灯が並ぶ道路で魅力を感じます。
内装をのぞき込んで乗ってみたくなる演出、女性を乗せるためにはとっても重要です。気分はランボルギーニのノリですな。
※内容は辛口評価です。試乗購入時のお役に立てれば幸いです。
リアシートが使えるかどうかで、1番の関心事はスペースでしょう。スペース的にはヴィッツ系と思っていれば、広い!と評価出来ます。
また何も考えずに乗り込めば、まあこんなもの。可も不可もありません。
運転席に一人、リアシートに一人という乗り方をする場合は、助手席シートがかなり前にまでスライドするという特徴が生かせます。
助手席を最も前にスライドさせて座れば、レッグスペースはちょっとしたミニバン並み。
足元から直立する荷物を積んだり、病人乗せて病院を目指すとか、活躍出来る場面は必ずあると思います。彼女といちゃつく?もちろんOK!
スペース的には広くはないけど、良く考えられている部分もあります。
優れた乗降性もその一つ。ラクに乗り降りできるから、予想すれば小さなおばあちゃんでも乗り降りしやすいと思います。
スライドドアが乗りやすいというけど、このカローラフィールダーの方がいいんじゃない?
筆者の身長は172cm。頭をぶつける心配もないし、ストンとお尻を降ろす感じでもない。つま先やかかとだって意識することなく、乗り降りできる。
さらにドアの開閉も軽い。開口部の広さより、フロアやサイドステップの高さとか、シート座面の位置や高さ、そうした部分が大事なんだと思った次第。あと望むとすれば、乗り降りに使えるアシストグリップくらいかな。
特別広くはないけど乗降性は優れていると評価させて頂いたカローラフィールダーのリアシート、大事な快適性はどうか。
座ってまず思うのは、シートクッションは固め。昔のフカフカシートがお好みな場合はガマンするしかありません。
次に思うのは着座姿勢。セダンとしてはアップライト。コンパクトカーみたい。乗り込む前に、シートバックが立ってるなと思ったけど、やっぱりね。
アップライトに座らせればレッグスペースは小さく済む。ただし、シートの座面直下に足を置く部分が必要。
国産車でも輸入車でも、足を置きたい場所に置けないリアシートを持つクルマが非常に多い。
足を前に出せればいいよ。でもアップライトな着座だと、足は引いて座るんだよ。構造物が邪魔してかかとに当たるクルマは何とかして下さい。このカローラフィールダーや歴代フィットはバッチリ!
とっても気になる部分。お尻の滑り止めが雑。走行中イヤな負担が掛かって痛いほど。最近リアシート座面に、前方への滑り防止の工夫がされていたりする。
お尻がどんどん前に出て行き、セクシーなポーズになっていくという。ある意味ウレシイ仕様が止められてきてるわけですが。
この滑り止めにはタイプがある。細かい横の縫い目だったり、異なる固さのクッションで調整していたり。カローラフィールダーは大きく食い込んだ1本のミゾが作られてる。そしてこれが太もも裏に負担を掛ける。
リアシートに試乗して気になるのは前述の座面滑り止めと、それから空調関連。
試乗車ではリアにエアコン吹き出し口がありませんでした。
フタの出来ないエアコン吹き出し口もあったような。そういやアクセラはデュアルエアコンも標準装備だった。
リアシート快適性は、上記2点を除けば合格の評価。走行中の揺すられ感はマイルドに感じられるし、静粛性はフロントシートに近いレベルが確保されてる。乗り心地はそもそもフロントシートでも悪いからね。
ワゴンといえばやっぱり、ラゲッジスペースの使いやすさ。
筆者はラゲッジをフルに活用する習慣がないので、詳しいことはわかりません。
いいなと感じたのは、リアシートを畳むレバー。写真の黄色い丸印がそう。ワンタッチで軽く畳めます。
左がラゲッジスペースの写真。右がラゲッジアンダートレイ。
フロアボードの下のスペース。フィールダーのラゲッジ奥行きは実測「97cm」。納得の奥行き。ワゴンの荷室スペースを考える場合、容量より奥行きが使いやすさのポイントですね。
アンダートレイは、奥行きと幅は十分だけど、高さがない。入るのはスニーカーとか非常用工具あたりでしょうか。
秘密のスペースとして利用すれば、Hな本の収納場所とかw 500円玉で貯金したらいくら貯まるんだろう?w
※一部写真は別の車体です。作りが変わった?
カローラフィールダーのライバルといえば、一番はフィットシャトルでしょう。フィットのストレッチワゴンです。
こちらもBセグベースのCセグメントサイズということで、似たようなキャラクターの持ち主。
フィールダーとフィットシャトルでラゲッジスペースを比較。シャトルの奥行きは「100cm」で差はなし。
差があるのはアンダートレイのスペース。シャトルは荷物が入れられる大きなサイズが用意されています。
ここの寸法は「奥行き60cm、幅52cm、高さ23cm」。写真奥に見える仕切りの位置は移動可能。
カローラにはMTモデルもラインナップされています。クラッチペダルの付いた伝統的な3ペダルMT。
貴重な貴重なマニュアルミッション。趣味としてクルマを運転するなら、これほど優れたミッションはありません。
ダイレクトだし、情報量多いし、積極的に好きなポジションを選べるし、シフトダウンでは濃汁が溢れる。
誰のためのMTかは別として、今回もMTを用意してくれたカローラにはホント感謝。
今回の試乗とは別にカローラフィールダーのMTモデルも試乗していますので、その時の印象を。
カローラのMTは楽ちんなタイプ。クラッチ軽いし、シフト操作も軽い。半クラッチ領域も広く、無神経に扱ってOK。エンジンの揺れも低速時のスナッチも気にならない。そして適当にシフトチェンジしても=ミート時に回転数が合っていなくても、ショックが気になりません。
実用性を重視された特性だから、細かい事を気にせず好きなギヤを選べるという、MTの魅力を再確認できます。渋滞中でも苦にならないのがカローラのMT。ラクラクです。
積極的にスポーツドライビングする場合も考え、走行中に1速までギヤを落としてみました。
「クラッチ切ってシフトを1速ゲートに軽く押しつけた状態でアクセルを煽る」。回転数が合うとスコンとギヤが入るのでクラッチを繋ぐ。
このとき1速5000回転でクラッチをミートしたんですが、全然普通です。良くあるMTでは、力ずくで入れないと1速に入らない。とか、回転数が合ったのがわからない。とか、そもそも走行中は1速に入らない。なんて事がよくあります。
悩むことないので楽しいトコだけ味わえる。飽きるのも早いかもしれませんが。「ギヤチェンジがヘタだけどマニュアル乗りたい」なんていう方にも、とってもオススメ。
交通の流れに沿って走行し、車載の燃費計に表示された燃費はこんな感じ。
同クラスのライバルと比較すればなかなか優れた数字が表示された。1300ccのコンパクトカーと変わらない燃費だと思う。田舎道ではエコランすればもっと伸びる可能性が高い。
燃費に関する事として、巡航中のエンジン回転数は、60km/hで1000回転、80km/hで1500回転、ともにメーター読み。
カローラフィールダーのCVTでへぇと感じたのは、60km/hで1000回転で走行中アクセルを戻すと、エンジン回転数は1200回転あたりに上昇する。これは多分、燃料カットによる燃費向上のための制御と考えられる。
ドライバビリティという面では好ましくないけど、回転数を確認しながら走る領域じゃないし、体感的な変化は小さいから問題はない。
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かかとの部分がくぼんでる。座りやすいし、乗り降りもしやすい。
助手席シートはけっこう前までスライド。
リアシートを倒すレバー。便利。
アンダートレイの使い道は本文参照。
助手席下にはジャッキを格納するケースがある。これはヴィッツの名残り。もしかしてこのせいでエアコン吹き出し口がない?
違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転で試乗レポート。
受け売りでなく、カタログ的でない。紹介ではなくレビューです。
評論家さまとの違いは、率直な表現と自由度の高さ。辛口といえば辛口です。
評価評論・比較レビュー「間違いいっぱいの自動車選び」。