試乗記(評論と特徴) 自動車の試乗比較、中古車選びにも

2009年記事 三菱 ギャランフォルティス
著者:元自動車整備士

ギャランフォルティス試乗「1」

試乗車は三菱ギャラン・フォルティス(CY4A)。「スポーツ」の試乗レポート。

当ページは1ページ目です。

「概要と内装、サスペンション印象」を掲載

三菱自動車
  • グレード:”スポーツ”
  • 型式:CY4A
  • 車両価格:234万円
  • デビュー年:234万円
  1. ここ - ギャランフォルティス「1-1」エンジン、サスペンションの印象
  2. 分割 - ギャランフォルティス「1-2」車格、三菱のイメージ
簡単な試乗による試乗レポート、プチインプレッションです

試乗内容は限定的。第一印象重視でより一般的な印象を言葉に出来るよう心がけています。

試乗車概要

試乗したのはギャランフォルティス・スポーツ。車両価格230万円、全長4570mmのミドルクラスセダン。エンジン排気量は2000cc。2台ほど購入経験のある馴染みのディーラーにある試乗車です。

ギャランフォルティスのグレードラインナップは200万円弱から用意されています。従来からの中級を受け継ぐミドルクラスの中のミドルクラス。昔はエントリークラスからのステップアップクラスといわれたそうです。

ギャランフォルティスの試乗について、ベーシックグレードなどコンフォート系には試乗していません。そのため主力グレードとは多少印象の異なる部分もあると思います。ご了承ください。

概要:ギャランフォルティス

ミツビシ

ランサーエボリューションX(通称ランエボX)と同じプラットフォームを利用したモデルとして、後からデビューしたのがギャランフォルティスのスポーツパッケージ。

ランエボの兄弟車?

ボディデザインは細かく見ないと違いが分からないほど近く、いやボンネットに穴は空いてないですし、バンパーも違うとディーラーマンは説明していましたが、外版はほとんど一緒のよう。内装を見てもこれは同じクルマです。

そんなギャランフォルティスはランエボの為に存在するクルマ??利益のために仕方なくラインナップされるそんな軽薄なイメージも頭をよぎります。

手厳しい見方をすればランエボそっくりのセダン。”普通のミドルセダンとはちょっと違うんだぜ!こだわって乗っているんだぜ。”とマニアックな雰囲気を感じさせてくれます。
まさに隠れたコダワリ派を演出するクルマ

筆者的には、トヨタや日産のミドルセダンほど地味じゃないのが嬉しいトコロ。プレミオやシルフィよりは若々しいイメージがあります。

三菱のクルマ

三菱といえば個性的なボディデザインを連想します。他の自動車メーカーが滑らかな一体感を重視したり、直線と曲線が融合したボディーラインを模索している中、ガンダムベースが三菱デザインのアイデンティティ(笑)。すみません。

人気を得たRVRなどでも、子供っぽい親しみやすさが強いものでした。

悪いんじゃなくて個性的

ガンダムデザインと言えば、今やジャパンデザインと呼ばれるオリジナル。グラフィックの世界でもそう表現される事があります。そんなカクカク系ボディデザインを採用する三菱自動車、孤軍奮闘と言うべきか、デザイナーの考えが古いのか?Goサインを出す重役があれなのか??

内容は問題なし

何が言いたいか?三菱らしいボディデザインが無問題で、三菱のイメージが無問題なら、クルマの内容には魅力ある事が多いです。

割安感ある値付けがされることも多いですし、電装品の便利さだって他メーカー車にはない気配りがあったり。そしてマニアにはたまらないクルマだってラインナップ。通好みがお好きな方にはたまらないと思います。

三菱車を購入してみた!

三菱車というとマイナー、特に最近はアレがアレでああなっちゃって。マスコミは怖い...だからって、絶対イイ部分だってある!筆者の知人は免許取得から三菱車を買い続けてる!

コルト

魅力は所有してみなければわからない!

ということで、当ホームページスタッフも、実際に三菱車を購入しました。

実際に所有することで長所短所やディーラーの対応などもわかるはず(かなり前には新車でRVRも購入しています)。

クルマは「コルト・ラリーアートバージョンR」

新車からお付き合いさせて頂いているクルマですが、走行7万km。とりあえず目立ったトラブルはありません。別に所有する年式の近いスカイライン・クーペは大きなトラブルが出ているのにコルトは堅調。

試乗レポはこちら!

ギャランフォルティスの内装

ギャランフォルティスの基本グレードは、「エクシード」と「スーパーエクシード」、そして「スポーツ」の3種類(ラリーアートを除く)。

内装ではお約束通り、パネル表面で差別化。茶木目パネルや光沢パネル、シルバー調パーツで飾られます。

最近では加飾なんて呼ばれますが、木目調パネルのインテリアに関しては、ゴツゴツしたエクステリアとのイメージギャップが強くバランス的なイメージはよくありません。黒基調な内装では特に、他の加飾タイプが人気でしょうし、もしかしたらリセールバリューで差が出るかもしれません。

内装(フロントパート)の質感

運転席からギャランフォルティスの内装を見渡すと、パッと見た目の質感は悪くはありません。質実剛健といいますか、シンプルにまとめられて現代風なボリューム感もあります。

気になるのは触れる箇所の操作感。スイッチ類の押し心地は悲しくなるほどチープです。最近ではミドルクラスでも押しやすく不快感もないスイッチが使われている車種もあります。「セダンは価格が全てのピラミッド」を感じてしまうと購入意欲が冷めてしまいそうです。
ミドルクラスセダンでは、走行性能よりも頻繁に触れる部分の質感向上を望みます

ワイドで現代的なインパネデザイン

インパネデザインはワイド感を強調している様子。水平基調よりブーメラン曲線基調とでも言いましょうか。現代的なボリューム感を感じさせてくれるのと同時に、パッと見の質感に貢献していると思います。
気にするとセンタークラスター周辺で不思議な曲線が採用されている感もあり、多数派であるトヨタ車を基準にすると購入後も違和感を感じてしまう可能性があります。

シートサイズに関して

フロントシートは若干小さめに感じました。一方でリアシートは座面は大きめ。フロントシートが小さい分余計そう感じるのかもしれません。
またリアシートのシートバック(背もたれ)は、全長4500mmというミドルセダンでは、角度が寝ています。そのため頭上にも空間はありまし、着座姿勢も優雅な方向性。

ギャランフォルティスがリアシート重視のセダンだとすると、好感が持てます。ミニバンとセダンの違いそれは、リアシートの座り心地だと思っています。

内装で目立つピラミッド階層、それでも....

各メーカーでセダン=ピラミッド階層。これがある限り、価格か内容で妥協しなければいけないわけです。ハッキリ表現すれば価格が全て=妥協して選ぶ。悲しい事にギャランフォルティスもそうした立場なわけで。

それでも昔と違ってエクステリアは車格にとらわれず立派になりました。ほんとボディデザインはコンパクトクラスから立派になってきました。内装の質感、装備の違い、ここは仕方ないですね。

試乗:足回りの印象

基本は「スポーツ」というこのグレードに試乗しました。その後メンテナンスの合間程度に「エクシード」というグレードも試乗させて頂きました。

グレード「スポーツ」

ミツビシ=柔らかいサスペンションというイメージを持って試乗すると、「スポーツ」の足回りは固い!ハーシュネスがとても気になります。特に荒れた路面などを走ると、わなわなした振動とロードノイズが乗員に伝わってきます。

このスポーツは、サスペンションの固さにプラスして、大きなタイヤ/ホイールが装着されます。サイズは215/45R18インチ。もしかしたらタイヤの衝撃吸収性能も悪かったのかもしれません。

路面の細かなザラザラはゴムの柔らかさで吸収している事が多く、段差の少ない都市部では路面のザラザラ処理こそ、乗り心地の印象に強く関係してきます。そんなところも含め、スポーツでは三菱どうしちゃったの?っていうほど固めの足回りです。

グレード「エクシード」

続いて一般的なディーラー試乗程度に市場したエクシード。このエクシードは柔らかめの足回りで、欧州車的な外観から想像もできないほどミツビシ的。ミツビシ車って柔らかめなのが伝統的。欧州車的なイメージと従来からの日本車的乗り心地を持ち合わせています。

ギャランフォルティスのユーザー層を考えるとこちらが正解と考えられます。

このエクシードをライバルであるだろうトヨタのプレミオ/アリオンと比較すると、ギャランフォルティスの方が重厚感が高く、ゆったりしている印象。プレミオ/アリオンはフニャフニャで動きが早いだけの柔らかさ。一言で表すとチープです。

試乗:エンジンと駆動系

搭載されるエンジンは2.0リッター直列4気筒(※前期モデルのため)。ミッションはCVT。またフルタイム4WDもラインナップされます。

※エンジン排気量はマイナーチェンジで1800ccに変更されました。

クルマの中でも中心となるコンポーネンツがエンジン。ギャランフォルティスのエンジンは、実用4気筒エンジンの中では軽くフケ上がるという魅力があるエンジン。

軽やかなエンジン

走行中に感じられる長所ではありませんが、軽く空ぶかしをしてみると、軽やかに回転があがり、スッっと落ちてきます。

最近ではアクセルペダル操作に遅れて反応、踏み初めも離した直後も。電子制御スロットルが完璧でない現在、それが当たり前だったりします。

通常走行で力強い

走行中はスムーズさと同時に低回転でのトルク感も感じさせます。振動やエンジンノイズ、それからスロットル特性による部分ですが、トヨタの2A系エンジンと比較すれば、ワンランク上といっていいでしょう。トヨタファンからするとショックですよね。

なお、ギャラン・フォルティスのスポーツではミッションが選択できます。なんと5MTがラインナップ。「5速マニュアル」と「CVT」2つのミッションが用意されていて、どちらも同じ価格で販売されています。

追記:エンジンに関して

後から追加されたギャランフォルティススポーツバック。このエンジンは凄くいいです。

何がイイって、まるでホンダの4気筒か?なんて感じるほど。乗員はエンジンが良ければ自然と高級感を感じるもの。低回転の質感が高く、少し高めの回転数をキープするのも苦にならず。地味で知名度低いのが実にもったいない

こちら正確な型式は不明ながら、セダンとは別物エンジンもしくは改良されたタイプだとおもいます。

このエンジンを味わいたい。でも新車でっていうならちょっと待って。ミツビシは全体的に中古での価格付けが安く、中古車でとてもお買い得なクルマです。もちろん新車を買えば相応の値落ちを覚悟しなければなりませんから、指名買いではなく充分交渉し、大幅値引きで購入して下さい。

値落ち率の高いクルマほど、新車購入時の条件を大切にどうぞ!

※セダンよりこのスポーツバックの方が全長が長くなっています。ボディサイズ全長はセダン+15mm。

※ディーラーになかなか試乗車がありません。見つけたらすぐチェックされる事をオススメします。


前期モデルには5MTが用意されます

貴重な貴重な、セダンボディのマニュアル車。ギャランフォルティスなら用意されています。(前期型オンリー)。

ダイレクトでレスポンス良く、高回転を保ってシフトチェンジすれば半端ない快感を与えてくれるのがマニュアルトランスミッション。
MTのできの良さなんて2の次。MTなら自由にギヤを選べて快感も得られます。

「これじゃ彼女できないよ?」といわれれば、「彼女なんていらないよ!」と即答できること間違いありません。

良くできたマニュアル車で夜の道を走れば、それはまるで異性と交わっているときの快感と同等。
この点で言えばアルテッツァのミッションがいいです。神経質だけど吸い込まれる瞬間の精密感がものすごい快感。またラクラクなMTならカローラのMTだって捨てがたい。どちらも同じセダンだし購入の敷居は高くない。

そしてアルテッツァミッション縦置きのFRだからダイレクト感高いってのも、あると思います。ハンドル切ってもブレーキ踏んでも楽しい。ただしエンジンだけはギャランスポーツバックのエンジンの方が大幅にいい。

三菱・ギャランフォルティス

ミツビシ

fortis (フォルティス)

  • 試乗グレード:”スポーツ”
  • ミッション:CVT
  • 年式:平成19年(2007y)
  • 新車時価格:234万円

エンジン概要

  • 排気量:2000cc
  • エンジン型式:4B11 (MIVEC)

その他概要

  • 型式:DBA-CY4A
  • ボディサイズ:4570/1760/1490mm
  • 車重:1440kg
試乗レポ・ライター

当記事は「元お車整備士」がお届けします
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ギャランフォルティス

CY4A - 4B11 2000cc 2008年〜
55D23L


ギャランフォルティススポーツバック

CX4A - 4B11 2000cc 2008年〜
55D23L


寒冷地仕様はどちらも80D23L

 
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比較評価
エンジン質感 5段階評価
駆動系質感 5段階評価
足回りの質感 5段階評価
内装の質感 5段階評価
外装の質感 5段階評価
快適性 5段階評価
お買い得度 5段階評価


メーター部分の切り抜き。ここは200万円クラスとして十分な質感を持つ。クルマは2000ccクラスで十分だという方が多いのもうなずける。


室内で最も上品な場所、シフトゲート部分。光沢パネルと金属調パネルの組み合わせ。


NAモデルはSOHC-MIVEC。ターボモデルはDOHC-MIVEC。
前期は2000ccメイン。後期は1800ccメインにエンジンが乾燥された。


ギャランフォルティス・スポーツバック

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