評価評論「間違いいっぱいの自動車選び」。マツダ・アクセラセダン(BLEAP)2000ccの4WDモデルの試乗レポート。
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日本車離れした性格そして、この時代のマツダ車らしい操縦感覚が特徴のミドルセダン。
高いボディ剛性とベルギー産テネコの良質なショックアブソーバーが組み合わされると評判のアクセラ。遠慮やシガラミなく筆者が率直に感じる印象そして疑問をまとめました。
アクセラはサスペンションが固めのセッティング。合わせるようにFシートのクッションも固い。
シートは「固め」ではなく、セダンとしては欧州車のカチカチみたいに「固い」。
そんなキャラクターを持つアクセラ、ボディ剛性が高いから乗り心地が固い??ボディ剛性が高いから乗り心地が不快じゃない??
アクセラの乗り心地は、感じ方も評価も表現も、相当分かれそうな感じがする。
筆者が感じるアクセラの乗り心地は、あんまりよろしくない。
確かに先代アクセラと比較すればドタバタは減ったのだろうけど、固そうなゴムブッシュに固いフロントシート、ピッチングの速さから想像する渋いショックアブソーバーなどにより、お世辞にも快適とは言えない。
いや単独の凸なデコボコではそんなでもない。荒さを感じるのは2つ以上連続した凹凸な段差を通過する時。サスペンションの追従性が悪く、ドタバタバタってしてしまう。とても欧州車っぽいとはいえず、昔の国産スポーティカーのようにアラっぽい。
今回の試乗車、20Eの4WDモデルでは、「本当にベルギー産テネコのショックが使われてるの?」と、本気で疑ってしまう。
なお、フロントと比較してリアサスペンションの方がマイルドで、リアシートの方が乗り心地が良い辺り、こうしたキャラクターは上級セダンの雰囲気を感じるね。
総合的な静粛性は2000ccクラスとしてみれば悪い。1500ccクラスと見れば普通。
およそどんなマツダ車に試乗しても、対応するトヨタ車を越えていることはない。トヨタ車を普通だと思ってマツダ車を試乗すれば、単純にイヤだとなってしまう。
でもどっちかっていえば、トヨタほど静粛性を重視してるメーカー、他にあるのかないのか。
そんなアクセラ、基本的に静粛性は低い。というよりマツダの平常運転。
一定レベルから急にワイルドになる籠もったエンジンノイズとか、ガラスが薄いんじゃないかと疑ってしまう雨がフロントウインドーを叩く音。
その他タイヤノイズや風切りノイズなどなど、例えばトヨタ・オーリスと比較すればやっぱり厳しい。
しかし、なかなかイイと感じさせてくれる部分もあって、ここは好印象。
例えばアイドリング中の静粛性は満足がいくレベル。静かです。それから、自車のシャシーから発するカキンとかゴトゴトする音、室内に伝わってくる音はなかなか硬質。安っぽいガチャガチャした響きじゃない。
ちょっと意外だったのが、リアシートの乗り心地。フロントシートより良かった。同乗するなら助手席よりリアシートをオススメします!
筆者のイメージだと、コンパクト〜ミドルクラスのFF車では、リアサスペンションは固められることが多い。全高が高い事が多いし、横幅も狭いから、緊急時の挙動を抑えるような感じでね。
しかしアクセラは違った。運転していても、フロントよりリアサスペンションの方が柔らかく感じるほど。
例えば最近のホンダ車なんかとは違う。
積極的にリアシートに乗りたくクルマ、イイじゃないですか。
冷静に考えればアクセラ、それなりの車幅があるし、セダンは全長もある。車重だって1410kgもあるわけだった。車内が狭いからこの辺を忘れてしまった。
だったらそうだよね、ボディディメンションから正当派的な乗り心地を想像すべきだった。
それからリアシートの座面、フロントシートより断然柔らかい設定。VWのようなリアまでパンパンしたシートじゃないよ。
リアシートの居住性は想像以上に狭かった。着座位置が低いからしょうがないんだろうけど、ヒザ前など前後方向のスペースは話題のコンパクトカーや軽自動車より狭いんじゃない?
救いは横方向の余裕と、大きなフロントシート・スライド量。うまく座って対処して下さい。
フロントドアとリアドア、締める感触がけっこう異なる。
フロントは、イイネっ!できればリアドアも感触を合わせて欲しい。
なんでだろう?細かい事はわかんないけど、リアドアのパネルを叩いてみればパカパカのスカスカ。なるほどなるほど、これがミドルクラスってわけですね。
よく、プリウスのリアドアはペカペカだって評価を見かけるほど、実はアクセラだってたいしてかわんない。アクセラとプリウスは多分にして同クラス。
※内容は辛口評価です。試乗購入時のお役に立てれば幸いです。
写真はアクセラのトランクスペース。開口部が小さいのは仕方ないとしても、中だってお世辞にも広いとはいえず。
写真のゴルフバッグは48インチサイズで大きめなんだけど、横積みはちょっと厳しい。無理すれば入りそうなんだけど借り物のクルマだし、という感じ。個数的には、リアシート倒せば2個は入る。
実際の所、トランクが狭いのは仕方無いと思う。小さくてスペース効率を優先したコンパクトカー、質感はご存じの通り。このクラスになれば他に優先して欲しい部分があるわけだからね。
写真左。リアシートは分割可倒式。ハッチバック車のように利用することも可能。ただし構造物が大きく、出てくる穴はちょっと小さめ。
写真右。トランクの開閉はボタンがスイッチになっている。
ボディ全長はほとんど一緒。横幅はより狭く5ナンバーサイズのトヨタ・プレミオ。同じゴルフバッグをトランクに積んでみたら、余裕で横積みができた。無理に詰め込んだワケじゃない。これでまだ左右に余裕がある!
またトランクスルーの部分、ちょっと写真の角度が悪いんだけど、構造部分が大きく、穴が小さいのがアクセラ。
逆に穴が大きいのがプレミオ。ボディ剛性感に影響があるのかはわかんないけど、こだわってそうなのはアクセラ。トランクのスペースだって、サスペンションレイアウトを優先してるのかな。
商用車を除き全てのクルマで重要なドライビングポジション。また実用車として地味に大事なスイッチ操作性。このアクセラではどうか?
ドライビングポジション。もはやこのクラスでも当たり前になった、
チルト&テレスコピック付きのステアリングと、シートリフター。アクセラにももちろん装備されている。
これらを利用して身長172cmの筆者がポジションを合わせた場合、シートバック含め違和感のないドラポジが取れる。
欠点としては、シート座面の形状なりサイズなりで、もう少し右足をサポートしてアクセルワークをラクにして欲しい部分。先代となる初代アクセラでビックリした座面は今回も健在。
ドラポジを取って運転時の特徴は、シートリフターを一番下にセットしても低いインパネと感じる部分。
合わせて窓のキャラクターラインも低く、包まれ感は薄い。その分というかなんというか、クルマを左側に寄せる際には感覚が撮りやすかった。
また、身長180cmと身長182cmのスタッフがポジションを取ると、上半身が飛び出るような感じに。182cmのドライバーによれば、メーターが低すぎて視線移動が大きいとのこと。
逆に座高の低いドライバーの場合、メーター内のシフトインジケーターがスゴイ眩しい。走行中、「D」という表示が明るすぎてヤバイ。ここは照度の調整には連動しない模様。
カップルディスタンスって、運転席と助手席の間の空間。だいたいセンターコンソールの幅って思ってもいい。
で、アクセラはカップルディスタンスが広い!
どれくらいかっていえばアッパーミドルといっても通用するくらいの幅がある。手尺で約20cm。
ここの広さは車格感や複数乗車時の快適性に直結。他車と比較すればがんばった!といえるレベルがスゴイ。
加えてセンターコンソールの高さ、まるでFRセダンのように盛り上げられてる。プライベートな空間を大事にってことかな。
しかもそれでいてFF車だから、FR車だと大きなミッションがある場所がスッキリ。フロントシート内側の足下が広いという、まさにGood!Good!Good!な感じ。
細かい事考えなくても、立派な印象を受けると思います。
アクセラはスイッチにも剛性があるw 押し心地が重めで、センタークラスターのスイッチからステリングスイッチまで統一感がある。
これらスイッチはどれもクリック感がないから、手元を見てないと確実に押せたのか不安になってしまう。
アテンザとかだと一部のスイッチではピッと音が出たから、そうした心配りが欲しくもある。
エアコン関連のスイッチはとりあえず並べましたという印象。DUALエアコンでロータリースイッチは左から助手席温度、風量、メイン温度と並ぶ。
ロータリースイッチには、DUAL、風量ON-OFF、AUTOモードON-OFFが組み合わされる。
吹き出し口のモード切り替えなどがプッシュスイッチとして下に整列される。
使い勝手はAUTOで使用する分には問題無い。でも手動で細かく操作する時にはちょっと。
あんまり使わない助手席側温度をロータリーにするくらいなら、モード切替をわかりやすいスイッチにして欲しかった。
これだけ大事にされているデュアルエアコンの助手席側温度、液晶表示があり得ないほどドライバーを向いちゃってるwww
助手席の彼女は疎外感を感じ、さらに使いにくいー!なんて文句をいうこと間違いなし。
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筆者が30分ほど運転すると、お尻の骨の辺りが凹む。体重は60kgちょっと。
灰皿はフタ付き。開く方向はクエスチョン。
ゴルフバッグ、長尺の48インチサイズでは横積みはちょっと厳しい。実用上の問題は無いけどねw
トランクの開閉はここ。
違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転で試乗レポート。
受け売りでなく、カタログ的でない。紹介ではなくレビューです。
評論家さまとの違いは、率直な表現と自由度の高さ。辛口といえば辛口です。
評価評論・比較レビュー「間違いいっぱいの自動車選び」。