自動車の試乗比較、中古車選びにも・メーカー別評価「トヨタ」

2017年記事 トヨタ

SAI(ビッグマイナー後)
試乗評価「6」

間違いいっぱいの自動車選び。SAI(2015年式)試乗レビュー。顔付きなど大きく変わったビッグマイナーチェンジ後モデル。

当ページは6ページ目です。

「車内装備やシート、評価総合」

トヨタ
  • グレード:“G”
  • 型式:AZK10
  • 年式:2015年式
  • 車両価格:393万円
  • デビュー年:2009年12月
SAI内装1SAI内装2

装備は標準で充実

新車を買う時、オプションやサービスパッケージで総額はどんどん上昇。御存知の通りですよね。
もうね、カタログの車両価格なんて意味ないじゃんw なんて思ってしまう。クルマに限ったことじゃないけど。

求める条件と一致すれば、最初から装備充実したクルマを選択するほうが、価格的にはお得。結果、購入後の満足感も高いと思います。

標準装備充実=求めるならお得感高い

SAIはそんな、標準装備が充実したクルマ
正確にはビッグマイチェンを経て、メインとなるグレードが変わった様子。

メーカー装着ナビの標準設定が代わり、従来=ベースグレードから標準。ビッグマイチェン後=2つ目のグレードから標準となった。

クラス的なこともあり、ベースグレードでも装備は悪くない。ちょっとしたクルマでも300万円くらい行ってしまうわけだから、お得感はある。

SAIの魅力が強調される「G」グレード

でもやっぱり、SAIの特徴が際立つのは「G」というグレード(当ページ試乗車)。

総額400万円という価格で、高級車と同じような装備が付いてくる。マルチ機能を持つ大きな画面のナビだって標準。ディスプレイは開閉可能だから、眩しい時は閉じておけるなど、細かな魅力だってデカイ。

こんな部分が高級車ライク

昔だったら500万円、今なら600万円。そんな高級車と同じような装備が400万円で味わえる。

シート1シート2

まずはシート。フロントもリアも立派なシート。表皮は革ではなくファブリックだが、サラサラとしっとりがミックスされた上品で高級なタイプ。それなりの滑りにくさだって確保されている。

次にフロントシートのボリューム。大きさはほどほどながらも厚みのボリュームは立派。一昔前ならレクサスとかセルシオとかマジェスタとか、そのクラスのレベル。

今は室内スペース優先でシートはどんどんコンパクトになっていると聞く。SAIのシートは十分に座り心地を優先させたシートではないかと思う。

おもてなし機能付きハンドル&パワーシート

シート3

次に、シートに関する機能。パワーシートは当然として、電動チルト&テレスコピック。それにポジションメモリー機能付き。さらにシステムON/OFFに合わせてのおもてなし機能付きだ。

走行後システムをオフにすると、シートは一番後ろまで下がり、ハンドルは最上部に跳ね上げられる。狭いところでもドライバーは降りやすいってわけ。

次に乗り込んだ時は、システムONでシートとハンドルが元の位置に戻る。
メモリー機能に関しては2種類までの記憶となっていて、ここは高級車と差別化されている。

内装の仕立てで気づいた点

ドアトリム1ドアトリム2

見える部分だけ立派に仕立てる。これが中級車だとすると、見えにくい部分も立派に仕立てるのが高級車。例えばマークXとクラウンの関係なんかもそうした部分が見受けられるからね。

SAIでは、ドアトリム(内張り)の肘掛け部分なんかがそうで、普通に座って見えるのは上の左の画像。側面は見えない。しかし覗き込んでみれば、加工された金属調の質感を持っている(右の画像)。

鋭い方なら手触りでわかるだろうけど、普通は気にしない部分。そんなところに自己満足できて所有満足度が満たされるかもしれないね。

ちなみにもっと高級車は、足元の方とか、より見えづらい部分にも気配りがされていたりするよ。

 


※内容は辛口評価です。試乗のチェックポイントを重視!
※一部画像はクリックで拡大します(横長画像など)

試乗:タイヤ良好なら静粛性は高い

タイヤSAIは排気量大きめのハイブリッド車。だからエンジンかかっている時も基本静かだし、エンジンかかっていない時は当然静か。

さらに車内気密性が高く、窓ガラスなども気を使われているから風切音も静か。

新車時は相当に静か

そして車内で大きな面積を占める、高級車と変わらないサイズのシート。モコモコする帯域の吸音性能も持ち合わせていると思う。で、新車時の静粛性は、十分に高かった

問題はココから。タイヤの溝が減ってきたら、ものすごくうるさいクルマになりました。正確には、フロアからの音が安っぽく響き渡る。

せっかくなので、溝はあんまり減ってないけど、トレッドが固くなり始めたタイヤを、中古タイヤショップというかアップガレージで購入してみました。
結果、うるさいのは変わりません。

ノイズの音質が安っぽい

安っぽいノイズって、高級車みたいな引き締まったノイズじゃなくて、安っぽく感じる響きの強い音質なんだよね。

特にリア側からの音は、ゴーゴー言ってるのと同時にクルマが振動しているような感覚を受けるっていうのかな、そんなノイズ。

これはSAIってやっぱり200万クラスなのかって感じてしまうポイント。作りとか精度とか剛性とか言われる部分が、そのクラスのクルマかなって感じてしまう。

ということでSAIの静粛性を味わうには、良好なタイヤというのが一つの条件。普通のガソリン車より、タイヤに求める部分が大きいかもしれないね。

身内ライバルにカムリ

トヨタ

2017年に登場したカムリ(AXVH70型)は、SAIにとって身内のライバル的存在。

ネッツ店ではSAIとカムリが併売され、トヨペット店ではSAIとカムリにプラスしてマークXが併売される。

アッパーミドルクラスのセダンが3台。お値段的にも近い存在で3台。セダン不毛と言う割にはかなり充実したラインナップじゃないですか。

加えてアルヴェルだって同予算クラス。ユーザーにとっては嬉しい悩みです。

同じ価格、同じセダン、キャラクターは異なる

SAIとカムリを比較すると、どちらもセダンボディのハイブリッド車な上に、お値段も総額で400万円程度と揃う。標準装備の違いからナビなどつけてだいたい一緒。

しかしクルマの方向性は全く別方向。SAIは安いクルマを装備面で高級に仕立てた作り。カムリは走りやすさの高い実用車の上級車。比較試乗すれば長所も短所も全然違います。

装備優先でSAI、走りやすさ優先でカムリ

カムリのステアリングゆっくりした市街地しか走らず、かつ段差もコーナーも殆ど無いという道路がメインなら、SAIを選んだほうが満足度が高いと思う。

逆ならカムリ。SAIより大きなボディを持ちながら、ドライバー優先で気持ちよく走りやすい。元からして優れたセダンらしい作りを持つカムリは車両感覚が掴みやすく、狭い場所で神経使わないのもある。

どれくらい違うかと言えば相当違う。普通に1クラスとかそんなもんじゃありません。長所はどちらも極端です。

高級装備が魅力的なSAI

SAIの主力グレード「G」ではまるで高級車?という装備が付くし、静粛性も高い。

走りやすさでカムリ

カムリの主力グレード「G」は、2017年現在のトヨタ車中で最高と思える走りやすさを持ち、それまでのトヨタ車を過去のものにしています。

 


評価評論「間違いいっぱいの自動車選び」

メインメーター(昼)メインメーター(夜間)

SAI(ビッグマイチェン後)評価総合

ボディエクステリア

200万円クラスのクルマに、600万円クラスの装備を付けて、お値段400万円。SAIの特徴はこんな感じ。実際はハイブリッド車だし静粛性の高さなどあるから一概には言えないんだけどね。

こうした部分から「トヨタらしいトヨタ車」となっているSAI。

誰もが走行的質感を求めてるわけじゃないだろうから、装備と価格のコスパは高い。ここのお得感はバッチリ

逆にクルマ好きから見れば問題外だろう、とも思う。
色気や丁寧な作りはよくわかった。プリウスより高級なクルマが欲しい。でも肝心な部分が今ひとつ。フラットライドなら高級でしょ?というアプローチは、少なくても筆者的には好ましいものじゃない。

初期型のSAIと比較すれば、性能や質感は大きく向上。その分メイングレードが上位に移り、実質的な車両価格が上昇したのは納得できず

初期型を中古で購入しても、SAIはSAI。基本的には同じクルマ。乗り心地の優しさでは初期型の方に分があるから、中古を狙うのもいいかもね。

トヨタ SAI

トヨタ

SAI (サイ)

  • 試乗グレード:“G”
  • 型式:AZK10
  • 年式:2015年式
  • 車両価格:393万円
試乗レポ・ライター

当記事は「ヒラリー男爵」がお届けします
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ボリューム感ある立派なフロントシート。


パワーシートは電動チルト&テレスコと組み合わせられ、メモリー機能付き。







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評価評論・比較レビュー「間違いいっぱいの自動車選び」。

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