自動車の試乗比較、中古車選びにも・メーカー別評価「トヨタ」

2017年記事 トヨタ

SAI(ビッグマイナー後)
試乗評価「2」

間違いいっぱいの自動車選び。SAI(2015年式)試乗レビュー。顔付きなど大きく変わったビッグマイナーチェンジ後モデル。

当ページは2ページ目です。

「静粛性と乗り心地、運転感覚」

トヨタ
  • グレード:“G”
  • 型式:AZK10
  • 年式:2015年式
  • 車両価格:393万円
  • デビュー年:2009年12月
SAI内装1SAI内装2

トヨタ・SAI(型式AZK10)「G」の試乗レポートです。


  1. SAI(MC後)「1」特徴とエンジン質感・加速感
  2. SAI(MC後)「2」静粛性と乗り心地、運転感覚
  3. SAI(MC後)「3」内装質感
  4. SAI(MC後)「4」細部の長所短所
  5. SAI(MC後)「5」燃費
  6. SAI(MC後)「6」装備と評価総合

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試乗:快適性(フロントシート乗り心地)

SAI・ドライブ

セダンに期待したいのはワゴン/ミニバン以上の車内快適性。特にリアシートの快適性は負けられない部分。同時にSAIの車両価格を考えれば、それなりに立派な快適性が欲しい。

フロントシートの乗り心地

乗り心地は総合して、あんまり良くない。というか悪いです。ダンパー(ショックアブソーバー)が固く突っ張っちゃってゴツゴツ。

固めだから腰砕けよりは輸入車的高級感はある。それにシートのクッション性は高いから、場面によっては悪くない。それでも乗り心地が良いか悪いかと聞かれれば、やっぱり悪いと答えざるを得ない。

突っ張っているからアラが目立つ

フロントシートトヨタのミドルクラス以下クラスでは最近、スプリング硬めでダンパー弱めという味付けが多いと感じる。アクアなどモデル途中で大きく変わった。

一方でマークXなどでは、マイナーチェンジで固めに変更されることがしばしば。柔らかいより硬いほうが、アラが目立つというか、質的な部分も伴ってくれないと不快に感じやすい

例え硬めでも上質ならば只の特徴。高級な乗り心地と考えれば満足感も高いだろう。

そうではなくて、単純にゴツゴツするだけのクルマを買っちゃったら、それは気づいたら最後w とりあえずタイヤ空気圧を下げるなど試してみて下さい。

ライバル車の乗り心地

SAIのライバル車といえば、ホンダ・アコードハイブリッド。絶対的に柔らかい足回りな上に、サスペンション全体から滑らかさを感じるからラグジュアリー。

逆に良い噂を聞かないレクサスブランドの乗り心地。比較すればレクサスCTやHSはSAIと同じようにゴツゴツ感がある。

クーペと比較しても乗り心地不満

価格の近いクーペ、筆者が所有するスカイラインクーペは、ブレーキングとハンドリングがものすごく快感なクーペ。それでもSAIとスカイラインクーペの乗り心地を比較すると、スカイラインクーペの方が乗り心地良い場面が多い。

年式もずっと古いし、クルマのキャラクターを考えれば意外ですよね。

初期モデルのSAIと乗り心地を比較

助手席足元ビッグマイナーチェンジ後は全体的に引き締まった。サスペンションもボディも、余談だがステアフィールも。

ビッグマイナー後は乗り心地に関する部分でもボディ剛性感が上がったのがわかり、フロント足元のブルブルなどは相当小さくなった。同時にシートのクッション性か、また何かそういう緩衝材的な部材の性能も向上している感がある。

ただその良くなった部分を、操縦安定性の向上に使ってしまったのでないかと思われる。普段が混雑した市街地走行や短距離お買い物走行がメインだったりすると、マイチェン前の方がイイかもしれない。


※内容は辛口評価です。試乗のチェックポイントを重視!
※一部画像はクリックで拡大します(横長画像など)

試乗:快適性(リアシート乗り心地)

上記のようにSAIの乗り心地は悪いんだけど、リアシートの乗り心地は好感がもてる。筆者がSAIのどこに座りたいかといえば、一番はリアシートかな。

シートのクッション性で乗り心地良好

リアシート車両価格を考えれば、良いクルマと思えるわけじゃない。これでもいっかwとその程度。

ハッキリ言えば、クルマに詳しくないゲストなら自信をもって迎えられる。その反対の場合は...意識が乗り心地に向かないよう、会話でテンション上げてごまかすw

リアシートはシートのクッション性が優れている。リアシート足元のフロアに感じる衝撃と、体に伝わる振動に差がある。ガチャガチャしていると感じる割に不快じゃない

さらには座り心地もよろしく、走行中の姿勢も安定する。

またミニバンのリアシートと比較しても快適。ミニバンにはアルファード/ヴェルファイアも含んでね。エルグランドには負けてる感もあるけど忘れておく。

試乗:快適性(静粛性)

フロントサイドガラスSAIはフロントシートもリアシートも、基本的に静粛性は高い。エンジンノイズが静かなクルマだから、風切音や下からの騒音には相当に気を使われているのだろう。

新車時は”クラウンより静か?”なんて思ったりもした。

ハイブリッドだからこそのピーピーキューキュー不快な電子ノイズ。このレベルが小さく、苦痛な電子ノイズが車内で気にならないというのはポイント高い

なんらかの事情で静粛性低下

「基本的に」とか「新車時は」というのは、つまりそういうこと。年月と距離を重ねていくほどに静粛性が高いとは思えなくなり、タイヤが減れば響きの強い安っぽいノイズが気になる

このSAIを購入してから1年ちょっと、試乗を兼ねてタイヤは2回交換し、現在は「BSレグノGR-X1」を装着している。ご存知の通り静粛性では最高レベルのタイヤだ。

それでもなぜか、新車時のような静粛性は感じられない。これぞレグノ効果!なんて思える路面もあるのだが、その他の路面ではやっぱりうるさいんだよね。

とりあえず今のところ、フロアマットを3重にしてみたり気休め程度の事も試しながら、気づいた点が見つかれば追記する予定です。

試乗:ドライビング感覚

ビッグマイナーチェンジ前からすれば大きく手応えの増したステアフィールにより、欧州車的な方向で立派になった。SAIを高級ミディアムクラスとすれば、所有者の満足感が高い方向性だろう。近所の移動用にセカンドカーをお持ちのユーザーにもピッタリくるんじゃないだろうか。

ステアリングフィールは人工的

ステアリング何気なくハンドル握れば、意外と立派な感触を感じられる。車両価格を知った上で、多機能をアピールするかのような内装をみてから走りだし、そして何も考えずに走るだけだけなら立派なクルマと思ってしまっても無理はない。

しばらく走っていても、プレミオやプリウスなどのミドルクラスと比較すればもちろん立派なんだけど、問題はハンドルを回す、曲がるといった時のフィーリング。ちょっと、いやけっこう人工的な印象が強い

ハンドル中立付近では手応え弱く、それ自体は悪くないんだけど、クルマが動こうとする感触がわからないから曖昧な印象を受ける。

またハンドルを回し始めると、一定のところから操舵力がグッと重くなる。最近のトヨタ車らしい味付けで、タイヤが太くアシストが少ないクルマっぽい感じは受ける。でもこの辺の過渡特性に違和感を感じてしまう。

それにプラスしてクッション性高いシートや動かないサスペンションによって、ドライバーに伝わってくる情報が少ない。曲がり始めるとか直進に戻ろうとするとか、そういった部分。
だから微調整も効かないクルマじゃないんだけど、微調整の量とタイミングが分かりにくく難しい。

ハンドリングに関する部分

硬めのサスペンションで乗り心地が悪い反面、コーナーリング時は不安感少なく、思ったよりペースが高かったりする。グィっとハンドル切ってガバッとアクセル踏みたいドライバーにはなかなか好かれるタイプなんじゃないかと思う。

インフォメーションの薄さが走りにくい

SAIはマイルドなステアフィールで、またロールしにくく、ステアリングやシートから伝わってくる情報もわかりにくい。だからハンドル握って楽しいクルマじゃない。
ただその分、細かいこと気にせず走ることはできる。多少ハイペースで走るくらいなら、余計な情報ない方が安心感高いっていうのかな

ワインディングで踏んでいけば、ドライバーがロールを感じるようになる。サスペンションダンパーの減衰力が高いのはこうした時の走りやすさに現れ、ジワッっとロールしてくれる。こういう場面ではそんなに悪くはない。反応薄いのは相変わらずだけどね、安定感の高さがプラスに働くから。

なのでやっぱり、それなりのペースでダラッっと走る事が多いドライバーには良いと思う。筆者としては、運転席よりリアシートに座りたいクルマだけどねw

 


評価評論「間違いいっぱいの自動車選び」

メインメーター(昼)メインメーター(夜間)

ブレーキ、カックンぽい部分はまだ残る

ペダルレイアウト回生機能が強いハイブリッド車の弱点と言われてきたブレーキ特性。4代目になるプリウスでさえ、踏み始めに唐突な食いつきを感じることがある。

疲れちゃうほど丁寧に踏んでも、不快にならないブレーキは100発100中にはきまらない。

またハイブリッド車に限ったことじゃないんだけど、停止直前の抜くのだって難しい。

このブレーキング初期の特性はSAIの方が好ましい。プリウスも運転しやすくなり、最新のシステムだろうから、車体ディメンションや重量なども関係しているのかと思う。

SAIのブレーキはドライバーによっては”気にするほどじゃない”と評価するし、またドライバーによっては”カクカク”すると評価する。そんなとこからまとめると、カックンはまだわずかに残るという感じだ。

筆者がSAIを運転している時、ブレーキで「カクッ」とか「コツッ」とくることはあんまりない。ただただ、ブレーキペダル踏み始めと抜き終わりだけは集中する。ドアの開閉に例えれば、開け始めと閉め終わる直前はゆっくりという基本の上で、静かに開閉しなきゃいけない場面なのに、静かに占めにくいドア。つまりSAIは、疲れちゃうブレーキ。ってだけかな。

トヨタ SAI

トヨタ

SAI (サイ)

  • 試乗グレード:“G”
  • 型式:AZK10
  • 年式:2015年式
  • 車両価格:393万円
試乗レポ・ライター

当記事は「ヒラリー男爵」がお届けします
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助手席足元のブルブル感は、ビッグマイナーで大幅に低減された。


サイドウインドーは2重ガラスタイプ。

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