間違いいっぱいの自動車選び。ウィッシュ(2011年式)の試乗レポート。
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トヨタ・ウィッシュ(2代目ZNE20系)グレード「1.8X HIDセレクション」です。
購入して2年7000kmを走行。目的を完了し、売却しました。
ウィッシュの主力グレードである「1.8S」と「1.8X」、グレード間の違いはほぼエクステリアディテールの差となります。
差異点は概ねカタログ通りですが、新車時装着タイヤの銘柄が違うというのはご注意を。比較すると「1.8S」の方が扁平率が小さいタイヤなのに、多少スムーズに段差を越える印象です。
2台を比較した時の条件はほぼ一緒でした。どちらもクルマがパンパン跳ねるような感覚はなく、タイヤ空気圧も適正値くらいだったはず(だいたいの場面でホイール重量は重い方が乗り心地良く、空気圧は低めの方が乗り心地がいい)。
リアブレーキが「ディスクブレーキ」か「ドラムブレーキ」という違いがあります。
「1.8S」はリアがディスクブレーキになります。所有満足度で考えればディスクブレーキが良いですし、アルミホイールなら隙間からブレーキ見えます。
しかしウィッシュのポジショニングを考えればコスト優先で選びたい部分ですし、通常走行時の性能差だってありません。
FF車だからリアブレーキの役割は小さく、筆者レベルでは運転中に違いだってわからないです。
メーター読み時速100kmまでのコーナーリングでは、ステアリングの感覚も一定で、不安感なくコーナーに入れます。
ワンテンポ遅れる緩いハンドリングながら、コーナー手前から切り始め、舵角を決め、丁寧に走れば問題なし。
ブレーキは扱いやすいし、操作をダイナミックにすればアグレッシブに走っている感じも味わえます。
ウィッシュでフロントタイヤのグリップを使い切るように走れば、さらに緩いリアセクションは2テンポ遅れます。ここは多少の古さというかボディ剛性感の緩さを感じます。
ゲストをお迎えしたらゆっくり丁寧な運転、挙動変化を楽しみたい時には右に左にガンガンと。
コーナー途中では、ステアリングに伝わってくる感覚は変わらないまま、ステアフィールが不正確になる瞬間もあります。
どこから感じるモノなのか、クルマがよれたりゴムがよれたり、タイヤがよれたりするブニャブニャな感触が体に残ります。
ダルでどこかがよじれている感じ。厚みのあるタイヤが路面に押しつけれる感覚とは違います。
アクセル全開からブレーキングして、時速120km程度となる高速コーナー。ウィッシュの加速力では少ないシチュエーションだけど、ここでも急にクイックになることないハンドリング。
クルマによっては急に敏感な挙動を示し、ビックリすることもあります。
ウィッシュではこのくらいの速度から、フロントタイヤの設置感が曖昧になり、神経質な恐怖感を感じるように。ペースの速い、高速道路の右側車線でも同様です。
いつもの通りに評価すれば、ウィッシュは直線でフラフラし、姿勢を作りにくく、またボディ見切りがわるいのもステアリングを切り始めるタイミングが掴みにくい原因です。
ハンドルを切り始める位置と切るスピードが掴みにくく、意のままに走れない。
しかし、「VSC(横滑り防止装置)」が付いているから、VSCに頼った運転もできなくはありません。
大きめにフェイントしてコーナー侵入したり、大きなフロント加重から一気に向きを変えたり、出口では素早くアクセル全開。思い切って運転することも可能です。
アグレッシブに操作しても終始安定志向がウィッシュの特徴で、VSCが作動すると大きな減速感を感じます。
VSCはOFFにするスイッチが付いているけれど、これは発進時専用。VSCは時速50km以上で強制Onになるから、アンダーステア出しながら加速するとか、旋回ブレーキでリアを出すとか、そうした走行は多分無理っぽいです。
※内容は辛口評価です。試乗購入時のお役に立てれば幸いです。
コーナーリングは、サスが固めなのでキビキビかと思いきや、全然そうじゃなかった。
ハンドル切ってからヨーが立ち上がるのにワンテンポツーテンポ遅れます。もっさりしています。やはり背が低めといってもミニバンスタイル。セダンのような感覚とは全く違います。
ハンドルとステアリング機構の間に分厚いゴムが挟まっているような感じ、サスペンションとボディとの間に分厚いゴムが挟まっているような感じ。
ゴムが気持ちよくないのは自動車の運転でも夜昼のお楽しみでも一緒w
速度が低い時は特に、路面からのインフォメーションが感じられません。ウィッシュは電動パワステの過渡期かもしれません。具体的には下記のような現象が。
ドライバーは、5感を働かせ自動車から様々な情報を感じつつ運転する。意識せずとも無意識にそうしている。運転を楽しむというのは、情報を得て判断をする課程を楽しむわけです。
ウィッシュは、ステアリングを始めとするクルマからの情報が希薄。だから運転が楽しいなんて感覚は、新しいクルマに慣れちゃえばすぐ無くなる。
トヨタ車らしいといえばトヨタらしいんだけど、電動パワステになって日が浅いから我慢の時期かな?短時間の試乗時には気付きにくいかもしれませんが、大事な部分です。
スポーティをウリにしているわりに、インフォメーションが全くなくてびっくりしたクルマもあります。
例えば三菱コルト・ラリーアート。サーキット走行であれれ?なんてなってます。
車両価格200万円以下に限定すれば、ウィッシュの静粛性は高い。同ジャンルの自動車の中ではトップと思え、ミドルクラスのセダンと比較してもいい勝負。
実際は、エンジンのかけ始めは大きなエンジン音が目立ち、時速20km以下ではCVTのベルト音が耳障り。しかしこれは他の車種でも似たようなもの。
ウィッシュはタイヤからのロードノイズも、路面が良ければうるさくはないし、風切り音だって基本的に抑えられている。エンジンが暖まっていればエアコンを付けてのアイドリング時も静か。
もちろん高級車的な静粛性はないので、期待しすぎると不満につながっちゃいます。しかしトヨタ車らしい長所はやっぱりこの静粛性の高さ。
ストリームなどライバルより静かというのは大きな長所です!
エンジンの音は非常にノイジーな音質。これで文句なければエンジンの質感なんて気にする必要ありません。というくらい。
それでも、巡航中の回転数は低くノイズは目立ちません。
100km/h巡航時のエンジン回転数は1700回転〜1900回転。
一定ではないのはCVTだから。ほんのちょっとのアクセル開度によって変わります。風向きや天候、乗車人数などが要因。
※リンク先では室内の静粛性についての話題に触れています。計測や制振材・吸音材追加など。またタイヤについて、別コーナーにて使用感をまとめています。
ウィッシュの後にデビューしたトヨタ・オーリス。ベーシックなCセグメントのハッチバックですが、こちらはもう少し静粛性が高いです。
価格は概ね200万円、排気量違えどウィッシュと同価格帯です。
差は僅かなんですが、同じ日に比較しながら試乗して、静粛性に体感できる差がありました。ほんの少しだけどね。
先代ウィッシュと一緒といってもいい2代目ウィッシュ(前期)の走行性能、残念ながら評価の低いプリウス(30系前期)と同レベル。
トヨタのミドルサイズコンパクトFFプラットフォームは、初代プリウスなどと共通です。衝突安全性も考えられた世代のシャシーですが、ちょっと古さが気になります。
7人乗車までを考慮しなければならないウィッシュは、リアサスペンションが硬めなのは仕方ありません。
結果、1人乗車ではバタバタする乗り心地になってしまいます。トヨタ車は多くでそうですが、渋くてチープなショックアブソーバーに決して質を期待してはいけません。
段差によっては商用バンのようにバッタンバッタンとリアがドサドサ。トヨタはスポーティと言いたいのかもしれませんが、サスペンション付いてますか?そんな言葉が浮かんできます。
ウィッシュは、試乗する車体により柔らかめなタイプもありました。思うに、マイナーチェンジ後のウィッシュは若干柔らかめです。
ただ質は一緒で、ある程度のレベルを超えた段差では、同じようにバッタン、という感じです。またそんな時、シャシーのどこからからカチャンと音が響くのも一緒です。
2011年夏に生産されたまっさらな新車のウィッシュを試乗し、乗り心地が良くなっている可能性も感じました。
ゴムブッシュが柔らかく、バネやショックも柔らかくなったような、そんな印象です。突っ張るだけの足回りが多少柔らかめに。
質感的には良くできたコンパクトカーレベル。コーナーでの感覚的にスタビはちょっと固めでロール感は少ない。いつの間にか改良された?そんな印象です。
純正装着されていたタイヤ銘柄は、トヨタのいつもの定番。ダンロップの場合とヨコハマの場合がありますが、銘柄名もよくわからないあのタイヤです。
走行10kmの状態でインパネやAピラーがカタカタ、トランク周辺もバタバタといった状態は相変わらず”ウィッシュ”でした。
それから、前期型で無かったネジのふたはしっかり追加されていました。
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フロント3WAYは比較的簡単に構築可能なスペースがある。
ナビの配置は手前ぎみなので斜め横から見る感じが強い。液晶画面の視野角の問題で視認性が良くない。
インダッシュナビを付けるとこんな感じ。ウィッシュにはちょっとオーバースペックかな。
システムスタートストップスイッチ、ドアミラー関連スイッチ、横滑り防止装置のOn-Offスイッチ。
メーターパネル内はものすごく安っぽい。グレードによってメーターバックライトの色が変わる。
メーターは視認性は問題ないが、ものすごく安っぽい。決して軽自動車と比較しないで下さい。
違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転で試乗レポート。
受け売りでなく、カタログ的でない。紹介ではなくレビューです。
評論家さまとの違いは、率直な表現と自由度の高さ。辛口といえば辛口です。
評価評論・比較レビュー「間違いいっぱいの自動車選び」。