間違いいっぱいの自動車選び。トヨタ・オーリスの試乗レポート。
2ページ目です。
オーリスは欧州版カローラとして販売されるクルマの日本仕様。トヨタ・オーリス(2代目)型式「NZE181&185」です。
柔らかめ、というか非常に柔らかい。
段差ではコツコツと衝撃が伝わってくるが、これはショックアブソーバーの渋さによるもので、ピッチングとローリング(前後左右の傾き)は大きい。
ブレーキング時のノーズダイブは大きいし、コーナーリング時のロール量も凄い。
サスペンションの渋さは、新車だから、ということもあります。
ショックアブソーバーが渋いんだけど、新車時は仕方なくて、2000kmも走れば変わってきます。
その後を予想すると、トヨタの中ではスムーズかもしれない。どのあたりがスムーズかもと感じるのかといえば、コーナーではスッとスムーズに沈み込む。強いGをかけると急にグラっとするのではなく、ちょっとしたコーナーリングから沈むのは一緒。
サスペンションが馴染んだクルマでもう一度評価してみたいです、コツコツ強い割にロール量が大きいという、いつものトヨタ車で無いことを祈ります。
ステアリングを回した感じは軽い。
オーリスのスポーティイメージとは違って、一瞬戸惑うほど。一昔前のビッグセダンのように軽いです。柔らかいサスペンションによく合っています。
ステアリングの軽さは停車時でも変わらず、小指一本でくるくる回る。というのは言い過ぎかもしれないけど、ほぼ据え切り状態でも重さ変わらず、
回すフィーリングは、人工的感覚で味気ない。路面インフォメーションも希薄です。
※内容は辛口評価です。試乗時に確認したいポイントを重視!
オーリスの試乗は市街地と山道。クルマの特徴がわかりやすいコースを選んで試乗です。
山道では、平坦+ちょっと登りのワインディングを2往復。
試乗すれば足の柔らかさが際立ち、ロールの量もスピードも大きくて早い。
ロール量が増えると思い描いた感じにコーナーを抜けられなかったりもする。
オーリスはスポーティな走行性能を連想させるCMをしてるから、この味付けは予想外。
ハンドリングの評価でよくあるのは、足が柔らかければハンドリングは鈍くなり、固ければクイックという傾向。また背の高いクルマだと固くてもワンテンポ遅れる傾向。
オーリスはミニバンと比較すればよほどリニア。柔らかいけど神経使わず曲がれる。
スポーティなクルマと比較すると、評価が変わる。レスポンスが悪く、もうちょっと何とかして〜と思うポイントがある。
思い通りに走るには、読み間違えた時のリカバリー力が低い。挙動変化が早く、滑らかさを欠く。修正舵をあてたり、旋回ブレーキを行ったり。自由には出来ません。
「硬めの足=スポーティ」とは直結しないと思っているが、もうちょっと挙動を抑えてくれないと、「オーリスらしくないよ!」って感じます。
ステアリングフィールが軽いから接地感が低く感じ、タイヤもよく鳴きました。
試乗時、クネクネ道に入り、少しずつ速度を上げていこうかと思ったら、一つ目のコーナーでフロントタイヤがキキキキーと。あれっと思って次は少しブレーキを残してハンドルを切り始めれば、やはりフロントがキキーと無く。
もちろん加重オーバーになるほどノーズダイブしていないし、意地悪にハンドルを切っているわけでもない。丁寧にハンドルを切ってこんな感じ。
こんなにキーキー鳴くタイヤを履いているのって、他には軽自動車くらい?もしかしたら空気圧がおかしい? とも考えたけど、ディーラー試乗車だからそれは無いと思いたい。こんな感じでした。
くどいほど書いてきた柔らかいサスペンションによって、乗り心地はまずまず良好。段差で気になるコツコツ感などもあるが、もっと高価で柔らかいクルマでも、同様なコツコツがあるクルマは普通に存在する。
またちょっとサスが動くと、ブッシュか何かのコトコト音が結構な音量で響く。
これは筆者が知る限り、同じようなプラットフォームを使うSAIやマークXジオでも音が出ていた。他にも明らかに容量不足でしょ?的なブッシュを持つミラやアルトでも新車時からコトコト音がしていた。
風切り音などは速度感を感じさせないくらいにシャットアウトされ、フロントシートにいる限りはタイヤのロードノイズも気にならない。
例えばセルシオやレクサスのようなドアを閉めた瞬間に「シーン」するような静粛性はないが、特にタイヤからのノイズは効果的にカットされている。
同価格帯〜やや上級のトヨタ車と比較すれば、ウィッシュやアイシス、ノアやヴォクシーといったコンパクトミニバン系よりオーリスの方が静粛性が高い。
余談ですが、それなりの料金と全てのシートを外すだけの手間を掛けて防音&吸音性能を強化したウィッシュ。そんな手間隙かけたウィッシュと比較してもオーリスは同じくらいの静粛性が確保されている。
長所ともいえ短所ともいえるのがカップルディスタンスの狭さ(左右シート間距離)。
オーリスのボディ全幅は1760mmと広いのに、助手席が近い。シートが中央寄りに付いているのだろう。
男2人で乗る場合など特に、運転席と助手席は離れていた方がラクなのは間違いない。
200万円のクルマとして総合的に比較すると、オーリスのフロントシート快適性は高い。
リアシートの快適性については今回試乗できなかったのでわからず。座ってみた感じでは6型ゴルフのシート座面より柔らかい。
しかしそんなゴルフも7型ゴルフではかなり日本車的な感覚で座れるようになってきました。
国産車では珍しい、スライドするアームレスト。これなら飾りじゃなくて実用的。
評価評論「間違いいっぱいの自動車選び」。一部の画像は拡大します。
ローパワーなエンジンと軽いステアフィールによって、FF車感覚がかなり軽減されているように感じる。
FF車の場合は加速中、極端に直進性が上がり、ステアリングレスポンスが悪くなり、フィーリングも悪くなるモノ。このオーリスの場合はそういった感覚が少なめ。
またステアリングの戻し方向に関しても、FF車は戻りの反力が強かったりするが、オーリスではそれなりに弱め。
最近のファントゥドライブ重視系FF車では、トレンドとも言える味付けだから、アライメントをそういうセッティングにしているのだと思う。
戻し方向に切っていく、そう感じることも出来るこの辺り、少しずつでもFR車の持つ良さに近づけているのかもしれない。
スポーティなFR車だと、アクセルとハンドルを使って、無意識に自然に、走りたい場所を走れる事が多い。
余計な違和感を感じることなく、スゥ〜とハンドルが切れ、スゥ〜とハンドルを戻せる。
系列サービスです!
法人、個人事業主の「ETCカード」。複数枚契約が可能。
セディナなど法人ETCカード
系列サービスです!
「自動車保険一括見積り」の比較。見積もりはメールか郵送で安心。
保険一括見積りサービスの比較サイト
ネットでバッテリー価格を確認
国産車バッテリー
ターボエンジン搭載グレードと、1800ccモデルのエンジン。
大きめの調整幅を持ち、望ましいステアリング角度、しっくりくるドライビングポジション。
前後にスライドするアームレスト
「RS」グレードの6MT。一部グレードに装備される、スライドするアームレスト。
違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転で試乗レポート。
受け売りでなく、カタログ的でない。紹介ではなくレビューです。
評論家さまとの違いは、率直な表現と自由度の高さ。辛口といえば辛口です。
評価評論・比較レビュー「間違いいっぱいの自動車選び」。