評価評論「間違いいっぱいの自動車選び」。トヨタ・アイシス(ZGM11G)/「G」の試乗レポート。
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トヨタのアイシス、特徴は片側Bピラーレス&スライドドア。3列シートのミドルクラスミニバン。
※写真は都合上、試乗車とは別のクルマ2台の写真を利用させて頂きました。
アイシスに試乗し、多少意地悪くハンドルを切っても、横Gが掛かるような運転をしても、さらにはガタガタな路面を走っても、意外と普通のクルマのように走ってくれる。Bピラーレスなんていうことは気になりません。
細かくはボディ剛性が弱い分、ステアフィーリングをダル目にセッティングしているのかも。グリグリとハンドルを回してみればどこかのたわみらしき反応は感じるものの、ボディがねじれている感触やきしみ音は感じない。このあたりは2代目マイナーチェンジ後のウィッシュと同じような感触だから安心です。
サスペンションのゴムブッシュは柔らかく、右に左にハンドルを切れば、不正確で気持ちの悪い感じでノーズがモサモサ。直進性だって悪く感じられます。
コーナーではなるべく手前からゆっくりとハンドルを切っていきたいんだけど、ワンテンポ遅れてクルマが反応するため、なかなかに乗りづらい。
これらから予想すれば、ボディ剛性があるんじゃなくて、剛性感の悪さを感じさせにくいセッティングと評価させて頂きます。走行性能にコダワリがない方が、快適性重視の走り方をする分には全然問題ないと思います。
ステアリングの回し心地、ゆっくり走る場合でもクルマの質感に影響します。
駆動方式を始め、タイヤサイズとかパワステ機構とか、ステアリング機構周辺の剛性とかが関係するわけだけど、人間が常時触る部分ある以上、高級感とは切っても切り離せない部分。
アイシスのそれは、残念ながらよくありません。出始めの電動式パワーステアリングみたいな感触。回した感じがとにかく安っぽい。
ウィッシュなら、ハンドルに伝わる感触に難あれど、こと回すことだけに絞ればなかなか高級感ある感触を感じられる。ちょっと重くなってしまうのでだるいかもしれませんが、どうせ比較するならこんなところも気にして試乗してみると面白いですよ。
ステアリングの回し心地がチープという点に加えて、ブレーキの踏み心地もものすごくチープ。なんだか、初代プリウスとか2代目プリウスのような感触。
プリウスはハイブリッド車だから許せるにしても、アイシスでこれはないんじゃない??なんて思ってしまう。
強めのブレーキを試してまた残念。アイシスにはフロントの沈み込み(ノーズダイブ)量を軽減する機構が付いていると感じたのだが、フロントがグッと沈み込む途中でこの機構が働く。フロントが大きく沈み始めてから大きく挙動が変わるので違和感を感じるし、多少なりとも不安感がある。
ペダルのコントロールもノーズダイブ量ではなく減速Gをしっかり感じて行うカタチになる。
ウィッシュにもこんな機構が付いているが、アイシスよりサスペンションが固いこともあり、ブレーキ時は違和感なく、うまく調整させているといった印象。
ステアリングの回し心地同様、ブレーキフィーリング、踏み心地という面でもウィッシュに大きく分がある。
他メーカーのモデルと比較しても、ウィッシュのブレーキは評価して良いと思っています。
サスペンションは柔らかいしゴムブッシュも柔らかいから乗り心地はマイルド志向。ショックアブソーバーに質感の低さを感じるから、柔らかいか固いかわからないような感じもあるんだけど、マイルドという表現が一番近いかなと。
デコボコに荒れた路面、埠頭の古い舗装路ですが、ここを走ると、乗り心地はよくはないんだけど、車体やシャシーからの異音が少ないのに気がつく。
こうした場面ではマークXのスポーティグレードなどより乗員が感じるノイズは少なく、サスペンションが柔らかいことの恩恵を感じられる。
フロアがブルブルして乗り味の質感は低いんだけど、それでもマイルドだからそれなりの乗り心地を確保。
静粛性はアイドリング時はクラスでトップレベル。走り出しても低回転を多用してくれるから、エンジンの音もそんなにうるさくないし、巡航ならCVTのワイドレンジを生かし時速100km巡航でもエンジン音は最小限。
エンジン静かだと逆に気になるのがロードノイズやタイヤを叩くとパンパンするノイズ。このあたりはこのクラス全ての車種でもっともっとがんばって貰いたいものです。
アイシスの助手席側、Bピラーがありません。最大の特徴はやはりこれでしょう。初めてドアを開けた瞬間はきっとビックリすると思います。
この感覚は写真では伝わりにくいため、気になったらディーラーに行って見てくるのが一番です。
確認までにピラーって何?という話題。クルマの天井を支えてる柱部分をピラーと呼び、車体横から見て前から「A、B、C、D」という呼び方がされる。
フロントガラスの場所がAピラーで、フロントシートとリアシートの間のピラーがBピラー。
アイシスは写真のように、前から2番目のBピラーがありません。高い開放感を感じられます。
実際に利用してのメリットとは?というと、まず、荷物を積む時にピラーが邪魔にならない。助手席を前に出しておけばリアシート足下に大きな荷物も詰める。
次に、お子様をチャイルドシートに座らせるのがラク。ベビーカーを助手席足下に置いておけば、とってもラクラク。
このメリットはボディサイズが絶対的に小さい軽自動車だと実用性にも繋がると思う。例えばタントならBピラーレスの意味が大きい。
アイシスならスライドドア自体が大きく開口部は元から広い。そのため実際のメリットは限定的と考える。イメージ的に優れるのがメリットでしょう。
タントはこんな感じ。助手席側がスライドドアで運転席側がスイングドアになる。
ミニバン的なボディデザインから、ついつい3列目シートも利用できると考えちゃうアイシス。しかしミニバンと呼ぶにはボディサイズは小さい。それをを忘れちゃいけません。
具体的には、中途半端に3列目シートが付いているので、前から後ろまでが中途半端なスペース。しかし2列目シートまでは実用上困らない。
3列目は、小学生低学年のお子様までと考えておいた方がよさそう。それ以上だと、前のシートを前にずらしていくことになるから、助手席の同乗者がきつくなる。ヒザがインパネに当たって座ることに。
2013年現在の新車価格(主要グレード)
このほかに4WD仕様が用意されています。組み合わせは1800ccエンジン搭載グレードのみ。
一説によると、重量の関係で2000ccとは組み合わせられないとのこと。これホントだったら、ずいぶんギリギリの設計なんですね。
アイシスの強力なライバルがウィッシュとプレマシー。
簡単に言えば、こんな感じ。
こちら2車種、詳細な試乗レポートをご用意しています。比較等にご覧いただければ幸いです。
プレマシーは日産からも販売されています。エクステリアが大きく変更され、名称は「ラフェスタハイウェイスター」。
良質な車種が日産ブランドで買える!地方でもディーラー拠点に困らない!!プレマシーよりお値段はちょっと高くなりますが中古車なら問題なし。
その他の競合他車では、マツダ・CX-5や日産・デュアリスなども価格的に近くなっています。2列シートのコンパクトSUVは都会的なイメージで走行フィールも乗用車的。
Bピラーレスというアイシスならではの特徴を持ち、入り口広いその分、走行に関する質感は低い。
価格を見ても安いとはいえず、車重が100kg軽いウィッシュなら1800ccで良くても、アイシスだと2000ccが欲しくなる。
そうはいっても、特殊な特徴を持つアイシスなら、お得感だけで価値が変わるモノではありません。どうしてもアイシスじゃないとダメな理由がある。それならアイシスで決まりですね!
ライバルとの比較では、走って感じる高級感や乗り心地の良さなら、他車にかないません。特にヒンジドアのミニバンは走りが魅力的な事が多いです。
Bピラーレスの凄さは半端ないけど、乗り味の質感という部分で犠牲になっている部分も多いと思います。
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落ち着き感あるインパネデザインだから子供っぽさはない。若々しさを求めるなら他車を選んだ方が幸せでしょう。対象年齢は40歳以上とか??
ドア内張は至って普通のデザイン。
ペダルレイアウト。アクセルペダルをつっているリンケージ部分にちょっとつま先が当たる。
スライドドアの開け閉めって、重くて面倒くさい。でもこれなら、開ける気になっちゃうでしょう。見せびらかしたい気分は抑えて抑えて。。。
運転席側のリアドアだってスライドドア。
違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転で試乗レポート。
受け売りでなく、カタログ的でない。紹介ではなくレビューです。
評論家さまとの違いは、率直な表現と自由度の高さ。辛口といえば辛口です。
評価評論・比較レビュー「間違いいっぱいの自動車選び」。