自動車の試乗比較、中古車選びにも・メーカー別評価「トヨタ」

2013年記事 トヨタ アイシス
著者:ヒラリー男爵

トヨタ・アイシス試乗「1」

評価評論「間違いいっぱいの自動車選び」。トヨタ・アイシス(ZGM11G)/「G」の試乗レポート。

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「アイシスの特徴とエンジン質感」

トヨタ
  • グレード:“G”
  • 型式:ZGM11G
  • 車両価格:229万円
  • デビュー年:2004年09月〜
アイシスの内装1アイシスの内装2

トヨタのアイシス、特徴は片側Bピラーレス&スライドドア。3列シートのミドルクラスミニバン。


  1. ここ - アイシス試乗「1」内装、エンジンとミッション
  2. 分割 - アイシス試乗「2」走行性能、乗り心地や静粛性、ピラーレスの利便性

※アイシスが属するローハイト系コンパクトミニバンの比較をまとめました。
2013〜2014ローハイト系コンパクトミニバン比較

試乗車概要:アイシス

※写真は都合上、試乗車と別のクルマで2台から利用させて頂きました。

アイシスは1800cc&2000ccの基本5ナンバーサイズのミニバンです。比較的コンパクトな部類で、通常は4人乗りワゴン、非常時は3列目シートを利用することが想定されたモデルと予想できます。

助手席側ドア競合車には同じトヨタのウィッシュのほか、マツダ・プレマシー、日産ラフェスタ、ホンダ・ストリームが揃います。

その中でアイシスは、「助手席側スライドドア+Bピラーレス」という他車にはない特徴を持っています。

助手席側のドアを開ければ、それは広大な入り口。まるで「玄関はでかい方が偉い!」といわんばかりの風景が目の前に広がります。
意味があるかは問題じゃありません。凄いと思えるかどうかが重要ですね。

アイシスは走れば快適性低いです。お値段だって高い。しかし、どうしてもアイシスじゃないとダメな理由。この入口が凄いと思ったらアイシスで決まりですね!

※筆者はアイシスと兄弟車のウィッシュを比較検討し、ウィッシュ(2代目)を購入しました。7000km走行し、試乗テストも終え、売却しました。

長期間販売のロングセラーモデル

アイシスは2004年のデビューから長期間にわたり販売され、ロングセラーモデルになっています。

特長が強いモデルだと、ロングセラーになることがよくあります。途中でビッグマイナーチェンジも実施しているため、発売後8年が経過しても高い商品価値をキープしていると思います。

基本部分はウィッシュと共通

豊田自動車豊田自動車

アイシスの基本部分は同じトヨタのウィッシュと共通している部分が多いみたい。ウィッシュはヒンジ付きスイングドアだから、スイングドアかスライドドアで選べるラインナップといっていいでしょう。

さすがトヨタ、ユーザーが楽しく選べる豊富なラインナップを揃えてくれます。

カウルトップとストラットタワー

写真部分はストラットタワー。こんな部分もウィッシュとそっくり。

お値段はアイシスの方が10万円度高く、しかもウィッシュの方が安全装備が充実しているので、20万円以上ウィッシュの方がお得な計算です。

ビッグマイナーチェンジ

アイシスは2004年デビューなので、この記事を書いている時点で8年落ち。非常にモデルライフが長くなっています。

その間にビッグマイナーチェンジを実施し、パワーユニットやパワートレーン、つまりエンジンやミッションが変更されています。

2009年の9月以降のモデルではトヨタご自慢の「バルブマチック付きエンジン+CVT」が採用され。燃費のカタログ値も向上しています。

どのウィッシュと近いのか??

この間、ウィッシュは初代〜2代目とデビューしているから、アイシスが近いのはどちらだろう?と気になります。答えは、「2009年9月以前は初代ウィッシュ、それ以降は2代目ウィッシュに近い」といえます。

2代目ウィッシュの基本はほとんど初代と一緒。違いといえばエクステリアが変わって、エンジン&ミッションが変更になり、安全装備が充実しました。

試乗:インテリア(内装)

助手席側からのインパネ

内装の全体的なデザインは至って普通さを重視していると思われます。各種スイッチも当たり前にデザインされ、ヘタに若い世代に合わせた形状より、安っぽさを感じさせません。

普通ぽく感じるのは何で?トヨタ車が売れているから普通に見えるのか、王道なのか、日本人に流れるDNAなのか。

無駄話はおいて、質感についての評価。昔からトヨタの内装って、素材感は悪くても見せ方がうまいなんてよくいわれます。アイシスもそうした部分が感じられ、内装はカタログで見ると立派に見え、実際見るとそうでもないタイプ

実車では平均的といえる評価ですね。比較すればウィッシュよりは全然良く、ノーブルなイメージ。上級車的な表現がされています。

シフトゲートや各種スイッチ

エアコンパネル

運転中、常に手で触れることになるのがシフトセレクターやエアコンスイッチ。アイシスでは写真のようなカタチをしています。

エアコンのスイッチは、規則正しく並んでいるわけではないのですが、どうしても手元を見ないと押したいスイッチは押せず

スイッチのタッチは渋い

窪みを付けるとか、分離させるとか、手探りで判断できるデザインだったら、運転中も操作しやすいだけに残念。
こういった部分で、より上級のマークXなどとは差別されています。上級なクルマほど、気配りがされていることが多いです。

各スイッチのサイズは大き目です。ですが押し心地が渋く、スイッチ中央を押さなければ引っかかりを感じてしまう。安いPC用キーボードみたいな部分もあります。

シフトセレクター

シフトゲートにはアルファードのようなメッキ縁取りが付き、見た目は豪華。またスムーズな操作性を期待させてくれます。

操作感はまずまずの好印象。節度感強いけど使いにくいほどではありません。このクラスでは良い方の部類だと思います。
コンパクトカーのようにガゴッと固すぎるわけではなく、またチープな音や振動もそれなりにはカットされています。取付支持部の剛性も悪くはないのが予想できます。

試乗:エンジン

エンジンルーム

試乗車のパワーユニット&パワートレーンは2000cc+CVT。ビッグマイナーチェンジ後のバルブマチック付きエンジンとCVTの組み合わせです。

発進加速力や巡航中の余裕という面では、1800ccとは違います。主力グレードは1800ccでしょうが、4人以上の乗車機会があるようなら、2000ccをチョイスした方が満足度高いと思います。

加速力と力強さ

具体的には、2000ccも1800ccも最大の加速力には違いは感じられません

CVTのプログラムが異なり、アクセル開度が増えてもできるだけ低回転をキープしてくれるのが2000ccの方。エンジン回転数低いまま加速していってくれる感じはATの発進加速に近く、感覚的にイヤじゃない。

一方で1800ccモデルは、エンジン回転数が1000回転くらい上の領域を使わされる。パワーを発揮しやすい領域を使おうとするのが1800ccの方

エンジン質感

エンジンの質感については、やっぱりトヨタの4気筒といった感じ。特に1800ccエンジンではコモリ音が強く、2500回転〜4000回転あたりは振動も気になります。

バルブマチックのエンジンは力強いので、質感の低さが目立ちにくいと思いましたが、やはり負荷が高いと目立ちます。

そういった意味では、日常で負荷の低い領域を多用できる2000ccエンジンの方が質感が高いと評価できます。

試乗:ミッション・CVT

ミッションがCVTだと、CVTのフィーリング次第でエンジンの印象も変化。動力に関する評価するならCVTのハナシも忘れてはいけません

2000cc+CVTは発進加速時にかなり低回転を保って加速してくれます。これはアイシスの評価できる点。

例えばマークXジオなんて2400ccあるのに、出だしから2000回転以上をどんどんと使う。自然に発進したいので「そうっ」とアクセルを踏み我慢するしかない。ちょっと強めの発進など為難くて仕方ありません。

また1800ccとは違った余裕をキャラクターとしても演出されています。低回転で加速し、低回転で巡航でき、少しはダイレクト感もある。特殊な運転をしなければこれで十分かな、と思えるものです。

他車比較でもレベル高い

アイシスの2000CC+CVTは他車CVTより良いモノだと思います。

たしかに静かな夜間などはCVTのうなり音が気になるし、速度と関係なくエンジン回転数が上下するこの感触は、間違いなくCVTのそれ。しかし市街地の速度域で効率が高いシステムとなれば、選択の中心でしょう。

もしアイシスのCVTでもフィーリングが気に入らなければ、プレマシーのスカイアクティブを選択するのが吉!
こちらのミッションは新しい世代の6AT。これを試乗してみて下さい。あっ、4ATと5ATのグレードはきっついです。比較しがたいほどクセとか違和感が強いです。

バルブマチックについて

トヨタ車で使われる名称&仕組みで、エンジンの効率をアップさせる技術。どうやらアイシン精機の技術らしい。機械的なスロットルバルブがなくなり、電子式にアクセルペダルから信号を送り、エンジンの負荷をコントロール。

アイシスではモデル途中からバルブマチックが採用されている。バルブマチックの効果で、ポンピングロスが減ったかどうかなんてわからないが、エンジンブレーキが弱くなったりはしているのかもしれない。

違いといえば、なんだか高回転までエンジンが回るようになったんじゃないかと。以前は苦しそうな音をだしたり極端に加速感が鈍ったり。それよりは高回転が回り、トップエンドに向けてほんの気持ちだけ、加速の盛り上がりがある。

質感は悪いエンジンだけど、実用性という面では効率の方が重要ですね!

ドライビングポジション

ドライビングポジションについて一言。アクセル全開を使わない方は飛ばして下さい。

アイシスでドライビングポジションをとると、右足&アクセルペダルの関係に違和感がある。右足のかかとを付けたままペダルコントロールをしたいのだけど、アクセル開度が大きい部分でペダルリンケージにつま先が当たってしまう。結果、足の位置がずれる

また、日常でのドライブに合わせ、アクセル開度30%あたりまでがスムーズに操作できるポジションで座ると、足の裏の角度とペダルの角度が一致しない。ブレーキペダルの位置がしっくりこない。

ステアリングと体の中心

写真はウィッシュの写真。そういえばあちらはこんな感じで、ステアリング中央と体の中央にずれを感じた(笑)
運転する上で問題を感じたことはないけれど、アイシスはどうなんだろ?確認するのを忘れました。

アイシスのドライビングポジションアイシスのドアを開けた写真

右側視界は最悪レベル

ミニバンやコンパクトカーでは、運転席から右斜め前が見にくいクルマが多いです。もしかしたら、アルファードやエルグランド、オデッセイ辺り除けばほとんど、といってもいいかも。

アイシスもそうです。しかも最悪レベルに視界が悪い。ピラーは立っているから視界は良いんじゃないかと想像していたけど、全然そんなことはありませんでした。
右コーナーで先が見づらいというだけならたいした問題じゃない。しかし右前に人がいても、完璧に確認出来る訳じゃない。

そういやオデッセイは極細の内装でAピラーが覆われていた。ライバルのウィッシュやプレマシーだってAピラーによる死角が気になるほうだけれど、感覚的にアイシスの方が気になりました。

試乗の際は奥様や営業の方に立って頂いて、確認してみて下さい

トヨタ アイシス

トヨタ

isis (アイシス)

  • 試乗グレード:“G”
  • ミッション:CVT
  • 年式:2011y
  • 型式:ZGM11G
  • 新車価格:229万円

エンジン概要

  • 排気量:2000cc
  • エンジン型式:3ZR-FAE

その他概要

  • ボディサイズ:4640×1710×1640mm
  • 車重:1470kg
  • 発売時期:2004年09月〜
  • 新車価格帯:199万円〜
試乗レポ・ライター

当記事は「ヒラリー男爵」がお届けします
ヒラリー男爵

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アイシス

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比較評価
エンジン質感 5段階評価

2000ccはまだマシ。

駆動系質感 5段階評価

CVTのフィーリングはなかなか良い。

足回りの質感 5段階評価

柔らかめ&渋めのサスペンション。質感悪いけど乗り心地は悪くない。

内装の質感 5段階評価

上品に見える、でも同価格他車と比較してしまえば良くはない。

外装の質感 5段階評価

スクエア系のボディはどうしても安っぽく感じてしまう。

お買い得度 5段階評価

Bピラーレスに惹かれればプライスレス。そうでなければ非常に割高。



助手席側ドアを開けるとこんな感じ。



運転席側のリアドアだってスライドドア。


エアコン操作部の触り心地は今一歩。特に温度調節の回転スイッチの質感はシブチン。
逆にシフトセレクターの操作性は悪くない。積極的に触りたくなるかも。


3列目シートの写真。成人男性が座れるかどうかは期待しないで下さい。


写真は1800ccモデルのエンジンルーム。

試乗や比較が難しい中古車も、より具体的なレビューでぜひ!
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違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転で試乗レポート。
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