間違いいっぱいの自動車選び。トヨタ・オーリスの試乗レポート。
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オーリスは欧州版カローラとして販売されるクルマの日本仕様。トヨタ・オーリス(2代目)型式「NZE181&185」です。
試乗車をお借りして、まずは混み合う市街地を走り出すと、自然に加減速ができることに気付く。飛び出し感がなく、CVTも今までより自然な変速をしてくれる。
ドライバビリティは先代オーリスで劣悪だった点。
今度は、VWゴルフのDSGみたいなギクシャク感もないし、他のコンパクトカーのような不自然な加速感とか、イメージ通りに加速できないといった問題が改善されている。
大げさにいえばクラウンアスリート3000ccのよう。高級車に近い方向性でドライバビリティが向上しています。
トロトロと走りながら試乗コースはどこにしようか考えたり、室内各部をチェック。そんな時でもクルマが想定外の動きをして、自分の体が前後に揺すられることはなかった。
この思い通りの加速感はアクセルを大きく踏んだ場合も。時速100kmからの最加速でも概ね良好。
オーリスはトヨタがファントゥドライブなクルマと位置づけている。「ファントゥドライブ=思い通りに動くクルマ + 何か」と考えてくれるなら、これからのトヨタ車が楽しみ。
エンジンはトヨタ1500ccお馴染みの1NZ。「がさつさ」が特徴の実用エンジン。低回転でも加速中は大きなノイズを出すし、相変わらずがさつな音質から雑なフィーリングの持ち主。緻密さなんて言葉は「ち」の字もなし。
とにかくガラガラとした音がうるさい。今回のオーリスには似つかわしくない。
それでも、振動に関しては低減された気がする。エンジンが改良されたのかもしれないし、車体の進化かもしれない。
これなら、マニュアルモードで中回転以上を保持することも躊躇無くできる。振動がイヤだから低回転をキープしたいなんて考えることもない。
動力性能、加速力は、各社1500ccの中で最も元気といわれるエンジンながら、2代目オーリスの車重は1220kgもある。
だから速さを感じることはないし、どこでも全開にできる程度のパワー感。オーリスは静かだし速度を感じさせないクルマだから、実際より遅く感じるという面もある。
※内容は辛口評価です。試乗時に確認したいポイントを重視!
CVTに関してのフィーリングはまずまず良好。初代オーリスより制御は劇的に進化し、ベルトの音も気になるほどではない。
擬似的にギヤポジションをホールドできる7段マニュアルモードは全グレードに付き、コイツの変速レスポンスがなかなか早い。
わざとか結果としてか、シフトチェンジのショックもある。シフトチェンジすると「カクン」とくる。
これは自然な加速感と運転の楽しみを演出。決して高回転型のエンジンではないため、レッドゾーン近くをキープする必要はないが、アクセルレスポンスのいい回転数をキープするのに役立つ機能。
MTでギヤチェンジがうまくできないなら、こちらの方が楽しく走れるなんていうハナシも良く聞くハナシだ。
比較対象?かもしれないのがホンダ・CR-Z(220万円〜)。こちらのCVTはスポーツモードにしてもレスポンスゆっくり。落ち着いたフィーリングです
2012年デビュー時、NZE18系オーリスのグレードは3種類。そしてそれぞれでSパッケージが選択可能なので、都合6種類になります。
(正確にはもう一つ廉価グレードがあるけど一般的ではないので割愛)。
このSパッケージというのはスポーティという感じではなく、単純に便利装備とインテリア加飾が充実するパッケージです。
Sパッケージの価格はプラス20万円、追加される装備内容は大きい箇所で以下のよう。
デビュー時のオーリスのグレードは、エンジン2タイプで6バリエーション。このようなグレード構成。グレード名と概要は下記の通り。
「150X」「180G」「RS」となります。ここで価格表をよく見れば、180XとRSの価格はほとんど一緒。つまり1800ccのCVTが180X、6MTがRSと考えてよさそうです。
するとCVT限定ならば、1500ccで2パターン、1800ccで1パターンに絞れます。
MTが希望なら「RS標準」。車両価格202万円だからフィットハイブリッドRSとほぼ同じ価格で満足感は高い。ただしスマートエントリーがなくエアコンはオートではなくなる。
より一般的なCVTミッションで比較すれば、ベーシックな「150X」が180万円。「150X・Sパッケージ」と「180G」が約200万円。
近い価格ですが、満足度が高いのは「150X・Sパッケージ」だろうということで、180Gは条件次第。
とベストバイまとめ。MTならRS標準。CVTなら150X標準か150X・Sパッケージ。
評価評論「間違いいっぱいの自動車選び」。一部の画像は拡大します。
ブレーキに関して、こちらも柔らかいサスの影響で、とにかくノーズダイブが大きい。フロントが大きく沈み込む。
全長の短いFF車だから当然?いえいえそんな次元を越えてますよ、コレ。
強くブレーキングするにしても、ジワッとブレーキペダルを踏んでやらないとすぐにフロントタイヤがゴーゴー言い出す。そこからもうちょっと踏み込めばABSが効き始める。
そんな感じなので減速感はあまりなし。緊急時の減速はトヨタが販売するくらいだから大丈夫だろうけど、試乗の際には急ブレーキも試して頂きたいと思います。
ブレーキペダルのストローク量は長く、踏み込む量でブレーキの強さを調整する感じ。踏み始めで急な部分がないのは好印象。またABSの制御は細かめで問題なし。
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トヨタ車らしいフロントマスク。
リア側のエクステリア。リアウインドの小ささは塊感と高級感を感じさせてくれる。バックミラーを見ても小さいのを感じるほど小さい。
全体的には、旧オーリスの面影もけっこう残っている。
上段:MTモデル。グレード「RS」のトランスミッションは6MT。
下段:CVTモデル。CVTは全タイプで7段マニュアルモード付き。1800ccモデルでは前後左右のGを元に適切な回転数を保つなんていうギミックも。CVTはいかにも日本らしい方向で進化している。
ターボエンジン搭載グレードと、1800ccモデルのエンジン。
違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転で試乗レポート。
受け売りでなく、カタログ的でない。紹介ではなくレビューです。
評論家さまとの違いは、率直な表現と自由度の高さ。辛口といえば辛口です。
評価評論・比較レビュー「間違いいっぱいの自動車選び」。