間違いいっぱいの自動車選び。トヨタ・オーリスの試乗レポート。
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オーリスは欧州版カローラとして販売されるクルマの日本仕様。トヨタ・オーリス(2代目)型式「NZE181&185」です。
2015年のマイナーチェンジで追加されたグレードが「120T」。
このグレードでは新エンジンの搭載が目玉。いわゆる低排気量ターボと呼ばれるタイプのパワーユニットが搭載されました。
車体の割に小さい排気量に過給器を付けて、必要な時だけ排気量アップのような考え方ということです。
この120Tはグレード構成の中で最上位。トップグレードとして位置づけられ、車両価格も約260万円と全くエコノミーじゃありません。
「燃費が良いから」とか「自動車税が安いから」なんて理由で選べるわけじゃなく、好きで選ぶグレード。そう、新世代エンジンで走りたい。そうして選ばれる事を想定したグレードということが想像できます。
価格設定は強気です。マツダがディーゼルエンジン搭載車の車両価格を高額に設定していますが、あちらは大きな補助金が期待できます。
またライバルのゴルフやV40などなら豊富な在庫車で大きな値引きが期待できます。
それを考えればオーリスはビックリ価格。このエンジンに50万円の価値を見いだせればこそ、ということですね。
最大のライバルはやっぱりVWゴルフでしょう。大人げなくエンジンも価格も似せてくるところが流石トヨタ。
メンツ気にしてこれができなきゃ会社はつぶれますw しかも商品企画だってすごい。ゴルフの弱点=オーリスの長所。試乗すればすぐわかります。
※内容は辛口評価です。試乗時に確認したいポイントを重視!
エンジン型式は「8NR-FTS」。最低限の人気が得られれば、今後10年も20年も使われることになる可能性いっぱいの新エンジン。筆者も試乗に興味津々です。
エンジンの質感は高い!どれくらい高いといえば、オーリスには過剰かと思ってしまうほど。
今までトヨタの4気筒といえば、只の動力源。音、振動、フィールetc.まともに褒められるエンジンなんてなかった。
どれも「オタンコだけどパワー感ある」って感じで。すぐれた6気筒が安く用意されるから4気筒は割り切り。そんなイメージだった。
それが今度のエンジンは全然違います。クルマ好きでも4気筒を積極的に選ぶ時代に合わせてきたかのような、「良いモノなら高くてもいいよね」系。
質感重視して〜価格をアップして〜という最近のトヨタを具現化しているよう。
エンジンノイズはボリュームレベル低く、しかも耳障りな音じゃありません。
回してもノイズは盛り上がらず、4000回転オーバーまで苦しそうな音を出さない。もうね、タコメーターとニラメッコしていないと、どの回転数を使っているのかわからなくなる。
エンジン本体の音が静かなだけじゃない。ターボといえば補機類からの音だって聞こえてくるものだけど、ターボらしい音も気にならず。
エンジンのみに注力するような乗り方をしなければ、ターボらしいのは中回転での力強さくらいか。
トヨタ車が静かなのは当たり前。オーリス120Tのエンジンはそんな次元を越えてる。アクなんてな〜んもない。モーターの方が音的な刺激があるんじゃないかってほどw
試乗中、休憩しながらエンジンフードを開けてみた。そこで気付いたのは、アイドリング時のエンジンノイズだって質感高いという点。
トヨタの4気筒らしい、ユルユル&ボヘボヘという音ではなく、カリカリカリカリ〜ってメカニカルの音。
高質&硬質。直噴エンジンの音から嫌みを消し去った音のように感じる。
マフラーからのボーボーした排気音は無駄な演出に思えるが、これまた最近のトヨタ流。この位はガマンしなくちゃと思った次第。
また大事なエンジンマウント、普通というか貧弱に見えました。見えないところに最新技術が詰まっているのかもしれないが、やっぱりエンジン自体が素晴らしいと思った次第。
エンジンの出力特性は予想以上に最近のターボ車らしい味付け。
1500回転以下でレスポンス悪く、2500〜3500回転で十分なパワーを発揮し、それ以上はただ回るだけ。
レッドゾーンは5500回転から。
おおざっぱに言えば低回転から、1200cc > 1800cc > 1500cc 可変排気量みたいな不思議なパワー感。ゴルフ以上にターボらしい特性。
中回転で急にパワーが盛り上がる=低回転が弱く感じる=急激なトルク変動で運転しづらい、となりがちだけど、そこは上手くCVTがカバーしている印象。ゴルフやポロのような乗りにくさはない。
停止からの加速、中間加速、踏めるだけ踏む、どんな時でもジワ〜となだらかな直線を描いて最大加速に入ってくれるから、ドライバーは余計な事を考えないで済む。
犠牲になったと思われるのは、極低回転でのアクセルレスポンス。
微妙な操作に反応してくれません。極端に、一瞬アクセル全開にして緩めるという動作を試しても、反応が悪い。
ターボで1500ccレベルの出力といっても、特性が異なります。排気量の差を埋められるわけじゃないです。
新しい世代の低排気量ターボ、この”らしさ”は助手席に座っている時の方が感じやすい。
ノイズの少ない中回転でジェントルに加速してくれる様子は、オーリスのイメージを超えています。
補機類の音など含め静かで、低めの回転数で加速。ミドルコンパクトにも高級車の価値観をというヤツですね。
こんな感じだから、2人以上でのドライブでは車内の会話がラク。声が小さいドライバーっているでしょ、まわりのノイズ考えろって人。そんな人と試乗に行ったら最高ですw
ご年配の方にお話伺えば、30年前からトヨタのミッションは素晴らしかったらしい。ライバル比較で常に上質な乗り味を提供してきたというハナシを複数耳にする。
オーリス120TのCVTもやはり素晴らしい。現時点で、ここまで上品に走れるCVTって思いつかない。スロットル特性含め、雑味とかクセが気にならないんだよね。
特徴は適当でも走りやすいセッティング。クルマを考えれば、レスポンスを犠牲にしても乗りやすいさを重視したフィールは好感が持てる。
エンジンとセットで考えれば、低排気量ターボの弱点もうまく補っているんだろうし、初めて乗っても違和感なし。
今までのクルマで当たり前だった、雑なセッティングはなんだったんだろうw
エンジン単体だと静かで刺激がないけど、このミッションやスロットル特性と合わさって、長所が倍増。ある種の高級感を感じさせてくれる。とってもバランス良し。
そういえば7型ゴルフR、トルクの強い低いギヤでホールドしても、扱いやすさが印象的だった。
あれと同じ方向性で、さらにDSGに対してCVTだから、もっともっと滑らかに加速減速できるし、レスポンスの悪さはラフなアクセルワークも十分に許容してくれる。
ミッションも含めて考えれば、キャラクターは真逆。DSGのギクシャク感、あれは合わない人には全くダメみたい。
当HP「間違いいっぱいの自動車選び」スタッフもVWシロッコRを短期間で手放した。安い買い取り価格でもガマンしてw
オーリスはそんなゴルフの痛いとこをしっかり付いてきた!
評価評論「間違いいっぱいの自動車選び」。一部の画像は拡大します。
オーリス120Tのエンジンフードを開けると、エンジンがとても小さいのがわかる。同様にゴルフの1200cc搭載車もそう。とっても無駄だと思いません?
2000ccエンジンを搭載するよう作られたモデルに、高価で小さいエンジンを搭載。ちょっと待って冗談でしょって言いたくなる。人気モデルはギリギリまで室内の広さを広げたモデル。オーリスもゴルフも室内は狭い。
プリウスは未だに新鮮みのある、未来感あるボディデザインとインテリアが魅力。
小排気量ターボも、車内広さに活用するなり未来感に活用するなり、せっかくコンパクトなユニットならそれを生かすようなクルマに期待。どっちかっていえばホンダの方がやってくれそうだね。
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相変わらず渋さのあるエアコン操作スイッチ。
シフトセクレターのタッチはこのクラスでは十分に良好。
フロントアームレストは前後にスライドする。
リアシートは狭い。
やっと出てきたトヨタの衝突軽減ブレーキ。
なんだか高価そうなバッテリーが搭載
違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転で試乗レポート。
受け売りでなく、カタログ的でない。紹介ではなくレビューです。
評論家さまとの違いは、率直な表現と自由度の高さ。辛口といえば辛口です。
評価評論・比較レビュー「間違いいっぱいの自動車選び」。