新型RAV4、その精悍なルックスに目を奪われます。超未来的で今後数年、同クラスをリードしていくであろうフロントマスクが印象的。
では中身はどうでしょう?スペック表という名の履歴書から、「進化」「ごまかしの決別」と、新たに生まれた「拘束」。
先代RAV4を元に深堀りしていきます。
※2026年・執筆 この記事を書いたのは?著者:ヒラリー男爵
実際に試乗し、撮影しています。

トヨタ・RAV4(50系)
新車価格:270万円~
最新記事では2025年登録のRAV4、ガソリンモデルを取り上げています。グレードはアドベンチャー4WD。乗り味は何と言っても走りやすく、乗り心地は良い時はとてもよく、でもちょっと気分屋。そんな一台です。

2026年登場の新型RAV4。未来的なボディデザインを持つ、60系RAV4です。まずは簡単にモデルチェンジの概要と主たる変更点です。
新型RAV4はGA-Kというプラットフォームはそのまま、パワーユニットも進化版。その代わり、電子制御や目に見えない質の向上、そして内装質感のレベルアップが推測できます。
最大のポイントは、ラインナップのボトムを支えてきた「純ガソリンモデル」の完全廃止。選択肢はハイブリッドモデルのみになります。効率的かつ合理的な「2.5Lハイブリッド」およびプラグインハイブリッド(PHEV)へと集約されました。

2026年登場の新型RAV4を、先代と比較しながら深堀りしていきます。
最近ではホンダも同じ手法を取っていますので、トヨタだけ責めるわけにはいかないです。でも、選択肢が狭まったのは事実。RAV4をより高付加価値の上級モデルにシフトしてきたイメージです。
スターティングプライスは、ハイブリッド専用車となったことで、日本では450万円スタート、グローバルでは380万円スタート(国や地域による)へと引き上げられました。
先代の「道具としての手軽さ」は、今や遠い過去の記憶に。プラットフォーム変わらずとも、クルマがワンランク上がったイメージ。その分はダンパーの質や、構造用接着剤の増量といった見えない部分にコストが掛かっているはずです。
動画では映像も使いながら、4つのポイントを述べています。2026年登場の新型RAV4について深堀り考察。先代50系と比較しながら、乗り味の変化や変わりに失ったものなど考察。

最初はサスペンションダンパーの話。摺動抵抗という名の「カタログ的に凄そうな名称」を脱ぎ捨て「本質」へと回帰したと思われるサスペンション。
先代50系RAV4、あるいは現行ハリアーにおいて、トヨタは「摺動抵抗ショックアブソーバー」という、耳に心地よくも、意味を考えさせられる言葉を並べていました。中身を調べれば、ゴムの渋みや摩擦を利用した、「抵抗をそのまま減衰力に使ってしまおう」というもの。安価で不確実。減衰力の代用品に過ぎません。
本来ショックアブソーバーは、可動部の摩擦を減らし、オイルで減衰力を発揮させる。滑らかな動きとゆったりした動きを両立させるための、いわば必須事項。
物理的な摩擦に依存する仕組みは、気温や個体差というノイズにあまりに弱かった。
温度と個体差で差が大きく出る。つまり温度変化に弱いクルマになる。
夏や昼間は滑らかで重厚な乗り味を見せる一方、冬場や夜は硬化したゴムの抵抗でギスギス。路面の情報を遮断して走りくくもなる。
これが新型RAV4では、KYB(カヤバ)製のオーソドックスなダンパーへ戻したらしいです。
何を感じるか?「カタログのための技術」から「質実かつ誠実な」本物志向への転換と言ってもいい。もしくは、普通こそ最良とも。
メーカーとしては価格競争のために、たまには別メーカーの商品を納入しなければならない。そうした事情もあるでしょうし、グレードによっては今回も継続している可能性もある。
しかし、1mmの動きを正確に制御しようとする設計者の考えは、好感が持てます。

接着剤の光と影。良い点ばかりの構造用接着剤。しかし限定的にデメリットになる可能性も秘めています。静粛性と引き換えに失った「修復の自由」
次は静粛性の話。新型でレベルアップしたであろう静粛性。「ブーン」というこもり音のない車内が期待できます。
その立役者は、ボディの骨組みにたっぷりと流し込まれた構造用接着剤でしょう。
トヨタのハイブリッド特有の、燃費効率を追求するがゆえの「不快な振動」60Hzの二次振動を封じ込めるため、点(スポット溶接)ではなく面(接着剤)で固める手法が取られているとの技術解説があります。
燃費を優先すれば、イヤな振動が目立ってしまう。これが根本にあります。
手放しで素晴らしい構造用接着剤の盲点、実はひとつ、でも特級の落とし穴があります。この接着剤は工場の巨大なオーブンで、200度という高温で焼き付けられて、初めて本来の機能を発揮する魔法です。
生産時は塗装と同時に焼き付けられると言われます。アイデア賞ですね。
もし事故に遭ったらどうなるか?板金屋でも接着剤は扱えます。ただ、街の板金屋で扱えるのは、常温硬化の接着剤。すると、二度とメーカーが意図した新車時の一体感を取り戻すことはできません。
メーカーは無駄にコストを使わないはず。つまり構造用接着剤ありきでデザインしているはずです。これで確保した分は、別の場所で削る。無駄を省くためにも当然です。
すると気になるのは事故車としての中古車。
最新の車ほど「修復歴あり」という記述は重く、中古車としての賞味期限は短くなっていると自分は考えます。
修復技術が上がって、「修復歴車はお得だよ」って言えた時代はそろそろ終わりかなと。そうすると、中古車を買う方は避ける傾向。すると法律上は明記しなければならないレベルの事故車になると、大きく損をする可能性。

土台剛性の進化。30%の強化が暴く、先代に施された「人工的な締め付け」の正体。先代RAV4と比較しながらの数値です。
フロント30%、リア27%。取り付け部の剛性アップという、この過剰なまでに立派な数値を見て何を思います?
凄い!ってだけじゃない。先代が頼りなかったともいえます。
トヨタは設計的な弱さを、電動パワステのパラメータ調整という、いわば「デジタルな調味料」で味付けするのがすごく上手です。言い換えれば誤魔化せる。結果として、「車両が安い」という魅力に繋がるし「違和感」というチープさに繋がる時もある。
具体的には、路面からのインフォメーションは削ぎ落とされ、ハンドルに伝わる手応えが「希薄で不自然な」ものになっていることがしばしば。
ボディの要所をガチガチに固めれば、トヨタだって人工的な味付けに頼る必要がなくなるでしょう。ホンダやマツダ、日産といったライバルが誇る「素材の味」を、トヨタがその強大な力で、奪いとるかもしれない。
そしたら安くて最高!となりますが、今度のRAV4はグッと高価に。450万円スタート。先代のデビュー時は250万円でした。
大事なのは味付けです!どういったユーザーをターゲットに、どれだけ時間をかけて煮詰め、どういう味付けをしてくるか。結局はソフト側をコントロールする人間次第です。

電子制御の介入はどうなる?確実な効果を得やすいと推測すれば、違和感に繋がる可能性。四輪独立ブレーキがもたらす「魔法」と「不自然な拘束」を考察。
先代は「バネ上制振制御」と呼ばれる方式で、車体前後の揺れを抑えていました。いわゆるピッチングコントロール。ハイブリッドモーターによるトルクを使った、繊細な制振制御技術です。
しかし比較しても、違いがわからないほどにわずかな効果。その分、違和感だって感じません。
新型RAV4では新タイプに代わりました。4輪別々にブレーキを「つまむ」ことで姿勢を制御する手法です。
センサーが計測、コンピューターが計算、そして四輪を独立して、路面へ車体を押し付ける。狙いはわかりやすいですし、仕組みは理論上、驚異的なフラット感を生み出すこともできるはずです。
不安だって大きい。全ての席で良くすることは不可能だから。
路面の凹凸という「目に見える情報」に対し、デジタルが車体の揺れを不自然にキャンセルしたとき、視覚と三半規管の間には「微細で陰湿な」ズレが生じる。
慣れたドライバーや子供、あるいは感覚の鋭い同乗者にとって、それは「なぜか酔いやすい」「なぜか疲れる」という不自然な違和感として蓄積されるでしょう。
また物理に反した挙動を示した時、ドライバーはびっくり。そもそも挙動がわからなければ、先を予測しての運転なんてできない。
さらにクルマは常に動いていて、路面の様子だって変わる。ABSと同時に介入したら?凹凸に強風に修正舵、サスやタイヤのコンディション。予測し続けるAIでも搭載しない限り、不確定要素の連発。どこかでボロがでる。ボロが出なければドライバー以外の乗員が不快になる。

上記理由から、積極的には効かせないんじゃないの?って思います。
アベレージドライバーが嬉しいレベルだとすると、詳しいドライバーやレビューワーにとっては不快。プラシーボで凄いって言えるくらいがいいんじゃない?
さらに車との対話を楽しもうとする者にとっては「窮屈で無機質」なクルマ。そうならないことを祈っています。
意見ハッキリ!特徴と長所短所をわかりやすく!
違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転。
受け売りでなく、紹介ではなく、レビューです。
評論家との違いは、自由度の高さ。辛口といえば辛口です。
評価評論「間違いいっぱいの自動車選び」。