2ページ目です!2023年執筆のCX-5、CX-30乗り味比較。
同じ2000ccと6AT、価格差30万円のガソリンモデル比較。マツダ内での世代が異なり、熟成か最新かという一面も。
※2023年・執筆 この記事を書いたのは?著者:ヒラリー男爵
内装・フロントシート周辺です。 上がCX-30、下がCX-5。
ボディデザインから通じるイメージ通りのインパネデザイン。内装にも統一感があると安心します。
CX-5は力強くでも穏やかな印象を受け、ボリューム感もたっぷりです。大きい車=高級と考えれば、ボリューム感は質感に繋がります。
CX-30は複雑な曲線がクロスするような優雅さ。メータークラスターからダッシュボード、ドアトリムへの連続するデザインが素敵です。
質感は、30万円安く同等と思えるCX-30は立派だと思います。
ただ見えにくい部分、シートのクッション性はCX-5の方が質良く、違和感感じずに座れました。
ここまで気にすると、高いほうが良く出来ているのでしょう。
でも、特別感あるのはCX-30。悩ましいです。
ボリューム感というレビューを除くと、助手席前の造形が違いが大きいかな。CX-30はここだけ矩形(四角)っぽい印象。
センターコンソールのデザインは似ていて、操作感も同じように感じられます。
それはシフトセレクターもそうで、着座姿勢が違えど、同じ様な位置にあって違和感を感じない。
またロータリーコマンダーもそうで、乗り換えても同じように操作できるのはマツダらしい魅力。
操作性を優先しているのか、ドリンクホルダーの位置は異なります。CX-30は前、CX-5は後ろ。
インパネ中央のエアコン吹き出し口は、設計が異なります。
CX-30は中央になくて、運転席/助手席と別れている様子。
リアシートまで車内を効率よく、空調を回す、と考えたら中央が良いんでしょう。
でもここは一等地。ナビの大型化で取り合いは激しいはずです(この2台はそんなでもなさそう)。
CX-30もリアシート送風口はあります。
CX-30(マツダ3も)、実はこの英断によって実現したデザインなのかもしれませんね。
他車でももし、中央に大きな送風口がいらない。CX-30のようにデザインできるのならば、ナビ位置を超最適化。ひいてはボディ見切り性能の向上。
なんていうのも考えられます。そしたらCX-30(マツダ3も)は先駆者ですね!
2000ccガソリンエンジンのCX-5とCX-30。対応するグレード同士で価格差は30万円です。
内装・リアシートです。 上がCX-30、下がCX-5。
実用性で最大の違いはリアシート。広くて快適なのはCX-5。ここはパッと座るだけでわかるだけの、明確な差があります。
CX-30はBセグコンパクトカーにちょっとプラスしたくらいのリアシートスペース。
マツダ3よりホイールベースが短いという事もあってか、圧迫感があります。
CX-5はミドル〜アッパーミドルくらいのリアシートスペース。頻繁に使うならCX-5を選んだほうが間違いないでしょう。
CX-30とCX-5はボディ全長で180ミリ、ホイールベースは45ミリの差があります(CX-5の方が大きい)。
参考までにマツダ3はさらに長く、CX-5プラス25ミリです。
CX-30のフロントシートは足を伸ばして後ろに、背もたれも寝かせて座らせるポジション。もしくは座れるポジション。
そう座ったほうがしっくりくるんだけど、アップライトに起きて座るポジションと比較すればスペースが必要です。
つまり、フロントシートで多くのスペースを使用すれば、リアシートは狭くなる。というわけです。
乗降性は筆者の場合ですとCX-30がラクでした。
頭上は軽くかがむくらいで車内に入れ、足も高く上げることなく、サラッとステップを超えて座れます。
頭上はSUV的、足元はコンパクトカー的。といえばわかりやすいかな。
降りる時もするっと足を出して、サクッと降りられます。
CX-5は少し、登るようにサイドシルを超えて入ります。
ハンドリングとかステアフィールと呼ばれる操縦感覚について。
刺激や個性が魅力的なCX-30に対し、コンフォートとか普通っぽい良さを感じるCX-5。
個性とか強い魅力というより、普通に良いと感じられるのがCX-5のハンドリング。好き嫌いがなさそうで、多くの方が運転しやすいと感じると思います。
これぞ熟成モデル!人気モデル!と思えるフィールで、乗り心地もそうですしハンドリングもそう。
ハンドル回す重さは、後期モデルは低速で軽く、速度上げると重くなります(前期は逆)。
CX-30の方が個性を感じます。ステアリングギヤ比、回す重さ、操作に対する反応。
ギヤ比がスロー、ハンドル回す量が多くなるタイプと感じられ、回し心地は重い。これだけ聞けばダルそうなものだけど、反応いいから回す量が少なく走れる。
さらに、グイッと回せば反応良好。けっこう個性的だと思います。
比較に乗った2台だと、路面からのザラザラをステアリングに伝えてこなかったのはCX-30。でも、段差などでカコンとした情報を伝えてくれるのもCX-30。
乗り心地で負けちゃう分、この部分では「CX-30らしいという魅力」を感じます。
扱いやすいのはCX-5。アイドリングストップが邪魔をするのがCX-30。
CX-30は停止直前、クルマが走ってるうちからエンジン止めちゃうタイプ。
ブレーキペダルを微調整しつつ丁寧に抜こうとすると、エンジン始動して意図しない飛び出し感、となったりする。
なる時もあるしならない時もあるから難しい。細かいこと気にせずほどほどで止まっちゃえば良いんだけどね。
通常走行中の速度コントロールでは、CX-30はちょっと軽く、ちょっと初期が効くような印象でした。ここもCX-5の方が好みです。
エンジン型式はどちらも「PE-VPS」。トランスミッションは、中身は違うかもしれないけどスペック上はどちらも6AT。
なので、同じエンジン同じミッション、加速感はどう?って興味湧きます。
比較している2車(2WD)の車重は、CX-5が1540kg、CX-30が1420kg。120kgの差があります。
またギヤ比が異なるようで、加速感の違いに大きく影響しています。
加速感・軽快感・伸び感、全て「感」に関する部分です。イコール、筆者の感じ方を筆者の表現で言葉にします。
まずCX-30。アクセル踏んだ瞬間はゆったり。でも伸び感ある。
比較でいうと、条件合った時にはCX-5より加速感が強く、これが車重120kgの差かな、と思ったり。
ギヤをホールドして加速すると、低回転で加速感弱く、回転数が上がるに従って加速力が増す。ギヤ比がロング(高速寄り)だから、CX-5より回転数によるトルク変化がわかりやすい。
続いてCX-5。比較すればギヤ比がショート(低速寄り)。
踏み始めはトルク感を感じやすく、その先はトルク感を感じにくい。
回転数はシュンと上がるけど、加速感は弱い感じ。
瞬間的な軽快感はこっちの方が感じられ、でも中回転以上で加速している感じは弱い。
CX-5からCX-30に乗り換えた直後は、CX-30の方が速い!と感じたから、加速感強いのはこっちだと思う。でもね、それじゃないのが難しい。
CX-30:速いと感じる時もあるけど、かったるいと感じる時も多い。
CX-5:かったるいと感じないけど、遅いと感じる時も多い。
結果、同じエンジン型式でも、制御その他が変わっているのかも。また体感できない部分でハイブリッドシステムの働きも考えられます。
あとギヤ比で変わる加速感。トランスミッションが与えてくれるワクワク感ですね!
トランスミッションの制御でだけいえば、CX-30の方が滑らかと感じます。
小さなショックも出さないように出さないようにと、丁寧に神経使って変速している様子。
変速早いんだけど、シフトアップを押さえたり、タメを作ったり。
あとロックアップを解除してるような、ふわっと回転を上げる時が瞬間があったり。これもしかしたらマイルドハイブリッド関係、モーターとの協調かも。
CX-5は、ギヤ比の違いやエンジン音の違いも含めて、ダイレクト感が高いようにも感じられます。
踏んだ瞬間や変速の瞬間、クルマ落ち着いているからギクシャクしにくい、だったらシャキッとさせちゃおう、みたいなノリかもしれません。
CX-30とCX-5を比較すれば、どちらも見た目からの期待を裏切らない乗り味。見た目から連想できる通りの乗り味、というのが嬉しいです。
比較するならわかりやすいし、統一感あるキャラクターというのはどのクルマでも望みたいところ。
ということで、2台の印象は見たまんま、明確です。
古い表現をすればスペシャリティクーペみたいなCX-30、逆に走りやすくて快適でリアシート実用性も高いCX-5。
価格差は30万円。「クラスの違い」ではなく「キャラクターの違い」として比較できる2台だと思いました。
意見ハッキリ!特徴と長所短所をわかりやすく!
違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転で試乗レポート。
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評論家さまとの違いは、率直な表現と自由度の高さ。辛口といえば辛口です。
評価評論・比較レビュー「間違いいっぱいの自動車選び」。