辛口比較・評価評論。ホンダ・アコードワゴン(CH9型)、グレード「SIR」。
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アコードワゴンSIRの車両価格は250万程度。また後から追加された下位グレード(Viカジュアルスタイル)なら200万円程度となっています。
肝心のライバルですが、SIRの場合はマーク2の2500ccと同程度の価格であり、あと少しでレガシィのターボが買えます。カルディナやレガシィより高級で上質、マーク2よりはワンランク下といった車格、ポジションでしょうか。キャラクター的には同世代のスカイラインにも似ているように思います。
今回のアコードワゴンは、ワゴン人気が下火になってデビューした車で、ライバルに難しいアコードワゴン。限られた予算でお買い得やコストパフォーマンスを求めれば、違う車がいいでしょう。特別な愛情があってこそ選べる選択肢ってヤツです。
そのほか、リアシートにゲストをお招きすることが多い場合も、セダンを選んだ方がいいと思います。
ということは、細かな質感や車格感にとらわれず、トヨタ車より若々しいイメージを持つモデルが欲しい場合に最適。
エンジンと駆動系について、マーク2やマークXを選択すれば、こちらは6気筒。またアルテッツァもASグレードは6気筒。やはり6気筒エンジンと比較してしまうと、アイドリング中の振動や音といった面では分が悪くなります。
しかしながらさすがホンダエンジン。4気筒で比較をすれば、振動は最小レベル。音という面でもふけ上がり方という面でも最高。十分なトルクを持つ低回転域、高質な音を出しながら回る高回転域。そしてその間の回転の上がり方もまさにドラマティック!
アクセルオフから踏み直しの際のレスポンスも最高。エンジンは4気筒の中で最高のフィーリングといえるかもしれません。
しかしこれだけいいエンジンですが、マニュアルトランスミッションでないとその魅力の半分しか味わえないのが残念(セダンならMTが選択できる)。
アコードワゴンのSIRは確かにエンジン自体はいいんですが、4ATの特性やギヤ比により、フィーリングの良さもちょっとスポイルされ、加速感も特別速いモノではありません。
そうそう、アコードユーロRだったら、極上のフィールとパワーを持つH22Aエンジンを5MTで楽しむことができます。低回転から必要以上のトルク感があり、高回転での切れ味だって鋭い。
エンジンだけで比較すれば、ライバルのカルディナやプレミオ、アリオンなんかのトヨタ勢とは天と地ほどの差があります。アコードのエンジンが立派です。
空ぶかしをしてもふけ上がりがいいので、単にバランスシャフトがついて振動を抑えているだけ、というわけではなさそう。
ドライバビリティ、トルクの出方もホンダの方が自然。好みの差はあるでしょうがトヨタの小排気量車の場合は基本的に少しアクセルを踏んだだけでガバッとスロットルが開きます。
トヨタや日産ならFR(後輪駆動)のモデルが選べます。これについては「FFでもFRでもどっちでもいいよ」という方も多いはず。
実用性では関係ない部分ですが、実は日常ユースでも小回り性能で差があります。
多くの場合で、FRの方がフロントタイヤの切れ角が大きくなっており、小回りが可能な事が多いです。駐車スペースが狭めな方など、実際にチェックしてみるといいかもしれません。
今回のアコードの目玉と言えばこの装備!「EPS(電動パワーステアリング)+VGR(可変ステアリングギアレシオ)」。
EPSと名付けられている機能は、電動パワーステアリングのこと。
モーターを利用してステアリング裁きをアシストするほか、写真にあるようなこのスイッチを操作することで、パワーステアリングのアシスト量が変わります。
マイナス方向でアシスト大、プラス方向でアシスト小に。
平たく言えばハンドルを軽くしたり重くしたり出来るということですね。
また、モーターが随時作動し、路面からの振動を打ち消す役割も持っているため、路面からのゴトゴトがステアリングに伝わりにくくなっています。エンジンの負圧を利用したパワステと比較して、燃費が改善されたりする効果もあるもよう。その分、ハンドルを回す感触が独特。
このEPS、ディーラーマンの説明では、「エンジンがストップしても動作する」といっていました。現代の自動車でも、交差点で不意にエンジンが止まってしまうこと、たまにありますからこれは嬉しい。
しかし実際は、EPSが故障する可能性の方が高いかも。筆者も経験していますが、そのときはエンジン切ってかけ直したら復活。下で取り上げるSIR-Tに関してはEPSの故障で修理代が高いために、その時点で手放しています。
次にVGR。これはステアリングギヤレシオが一定ではなく、切れ角に応じて変化する仕組みです。中立付近は穏やかで、切れ角が増えるとクイックに。体感上、クイックというよりも”穏やか”に感じられます。
アコードの魅力、1番はブランド力とイメージ。アクティブで若々しく、オーナーの魅力をワンランク上げてくれる素晴らしいクルマ
さらに立派なボディは思いっきりスタイリッシュ。無理に個性を強調せずに美しい。これもオーラだね。
上記は先代までのハナシ。今回は普通の日本車になってる。余裕ある美しいボディデザインと「US」というブランドイメージを捨て去っちゃった。
今回のアコードワゴン、タクシー専用車がピッタリのセダンから、無理に個性を強調したワゴンボディに仕立てようとしたのが見え見え。無理に個性を持たせたデザインて、クルマに限らず美しくない。バランスブレイカーであって苦肉の策であって、そもそも志が低いモノ。
つまり、今までのようなオーラが無くなりました!コレではアコードワゴン積極的に選ぶ価値はありません。
魅力あるのはエンジン。不人気だからこそ低価格でスポーティグレードを購入出来れば、素晴らしいエンジンを存分に味わえます。
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違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転で試乗レポート。
受け売りでなく、カタログ的でない。紹介ではなくレビューです。
評論家さまとの違いは、率直な表現と自由度の高さ。辛口といえば辛口です。
評価評論・比較レビュー「間違いいっぱいの自動車選び」。