タイヤ使ってみました!
アジアンタイヤ!
コンフォート性能として乗り心地をメインに、タイヤによってはサーキット走行でのレビューも掲載中。
ピレリはイタリアの有名タイヤメーカー。
最近はベーシックラインで中国製やトルコ製が流通し、安価にピレリブランドを味わうことも可能になりました。
ピレリといえばハイパフォーマンスカーに純正装着されたり、F1タイヤを供給したり、高級タイヤがラインナップされたりと、高いブランドイメージを持つタイヤメーカー。
最近は低価格輸入タイヤと同価格帯で比較できるベーシッククラスもラインナップ。
ピレリは1980年代からという長い歴史を持ち、知名度も十分。そうしたメーカーのタイヤですから、安くても品質基準や安全性基準は高いことが想像できます。
cinturato P6は低価格で購入できるピレリタイヤで、新鋭の中国ブランドとそう変わらぬ価格で購入できるのが魅力。どっち買うかって聞かれたら、やっぱりピレリかなって思います。
またcinturato P6はコンフォートタイプ。日常的な利用でお得感を味わえるようなタイヤです。
価格と取り扱いの有無は変動しています。
ピレリ・cinturato-P6をトヨタ・ヴィッツで使用しました。
タイヤサイズは「175/65R15」
一般的な新車時装着タイヤや、他の輸入タイヤと比較した印象をまとめます。
一つ前に履いていた輸入タイヤ
ネクセン N-blue-eco
タイヤは特に評価基準、判断が難しく、テスターの体調次第で比較評価が変わってしまうほど繊細です。主観を多く含む評価になってしまう点をご了承下さい。
※記事中のタイヤ空気圧、圧力単位は 「kgf/cm2」。
※XL規格=ヨーロッパのETRTO(エトルト) XL規格。
ベーシック系 + コンフォート系 (ETRTOスタンダード)
エコタイヤ・ラベリング制度「A-b」
PIRELLI(以下ピレリ)はイタリアのタイヤメーカーです。長い歴史とモータースポーツ活動で知名度やブランド力が高いと思います。
cinturato-p6は、燃費性能が重視されたエコタイヤ。らしいですが、使用感では転がりが"重い"タイヤです。
むしろ、柔らかな乗り心地と、スポーティに感じさせたい味付け。そういった印象が強いタイヤです。
2018~2020年の第3世代と呼ばれる国産エコタイヤ(少燃費タイヤ)は、エコタイヤゆえの欠点が目立たなくなり、相当に進化しています。
cinturato-p6を使用するクルマは2014年式ヴィッツ。今回タイヤの使用感を記すにあたり、装着後2000km弱を走行しての試乗レポートです。
ご紹介中のタイヤはcinturato。この一つ前に履いていたタイヤが、ネクセンのN-BLUE-ECO。
安価で性能的に大きな不満点もなく、燃費性能も適度なレベルを持ち合わせていました。そのため、ミゾが無くなるまで使用したいと思いましたが、なんと突然のパンク。
パンク修理して使用を続けるという選択肢もあったのですが、これも機会かと考え、タイヤ4本セットで交換しました。
cinturato-p6の乗り心地は、多くの場面で良好です。トレッド面のゴムがかなり柔らかく、路面のザラつきとか小さな段差で、柔らかな乗り心地を提供してくれます。
多少気になるのは、橋のつなぎ目以上の入力がある場面。
衝撃もあるけどドタバタ感が強く、コンパクトカーやミニバンが苦手とする部分を強調してしまいます。
とはいえ、筆者の知る低価格な輸入タイヤの中では、乗り心地は平均以上。多少の不満はあれど大きな不満はないかな、と思います。
また後述しますが、タイヤ空気圧に関するスイートスポットは狭めです。
諸所の問題から空気圧を高めたり低めたりしてみましたが、走行フィールを優先して高めにセットすると、乗り心地は極端に悪化します。
衝撃の強さと言うより、タイヤが真円でないような微振動が強く、終始ブルブルを発生させました。
静粛性は低めというか、アジアンタイヤとして一般的なレベル。
cinturato-p6を使い始めてまだ1000kmほど。ゴムが柔らかくて厚みもあってと条件良好。この状態では舗装が良い路面、もしくは低速走行中だと、特別うるさいとは感じません。
一方でロードノイズが気になりやすい、古い路面では、ゴロゴロと低めの音が響きます。
低速走行で、新しい舗装なら、国産の低価格タイヤと比較しても不満はありません。
ハンドリングは骨太です。ステアフィールはガシッと重くなり、スポーティフィールを感じられます。
ただ、スポーティから連想されるキビキビ感は低く、特にヨー(曲がろうとするチカラ)の発生は相当にゆったりしています。
このあたりはクルマ本体とのマッチングで評価が変わりそうです。
試乗車としてcinturato-p6をセットしたヴィッツは、緩さが目立つクルマです。こうしたクルマだと反応が悪くて乗りにくいという評価になるかもしれません。
逆に、過敏とも思えるスイフトの廉価グレード、こうしたクルマだったら重厚感が増して走りやすさを感じられるかもしれません。
ハイグリップタイヤのように重くなるステアフィールと合わせ、保蛇力の高さもスポーティ感につながっています。
保蛇力とは、ハンドルの舵角をキープするチカラ。高ければ良いわけではなく、適度に高いと良くできたクルマと同じような良さを味わえます。
cinturato-p6とヴィッツの組み合わせでは、適度な保蛇力と応答性のバランスが好印象です。
これは直進性の高さにも繋がっていると思われ、まっすぐ走ってる感が強まりました。
一点付け加えれば、ここもタイヤ空気圧次第で大きくバランスを崩します。
「乗りにくい」とか「ふらつきやすい」と感じたら、空気圧の再調整で改善される可能性があります。
発進時は重さを感じるようになりました。
具体的には大人1人分の重さくらいでしょうか。アクセル踏む量が増え、使用されるエンジン回転数は高めにシフト。MT車だったらクラッチミートが若干神経質になると思います。
これ自体は安価な輸入タイヤでは珍しくなく、多くのスポーティタイヤでもありがちです。ただ、タイヤが温まると改善される印象があります。cinturato-p6では、タイヤが温まっても抵抗感は高いまま、という感覚です。
アクセルOFF時の減速では、これが逆に、走りやすさに繋がっています。
エンジンブレーキがほとんど効かないようなクルマって、乗りにくいと感じません?cinturato-p6なら適度なエンジンブレーキを感じられ、アクセルワークでは気持ち良いメリハリ、通常の停止では滑らかで挙動一定な減速がしやすいです。
cinturato-p6を装着して約2000km走行。車載の燃費計に表示される燃費を見ていると、あまり良くはありません。平均時速35km/hと条件が良い状況でも、燃費は17km/L台が表示されます。
今まで使用してきたタイヤ(2銘柄)では、燃費18〜20km/L超が表示されていたシチュエーションです。ドライバーがこのタイヤに慣れれば差は縮まりそうですが、現状では1割ほど燃費が悪くなりました。
前述の強い抵抗を軽減するため、タイヤの空気圧を変更しながらチェックしてみました。
試したのは、「2.5 〜 3.2kgf/cm2」です。
ETRTOスタンダード規格として、適正またはちょい高めと思われる、4輪「2.5kgf/cm2」。加速時の抵抗はかなり強いです。
しかし乗り心地など快適性は高く、ステアフィールも良好です。
4輪「3.2kgf/cm2」にすると、加速時の抵抗は普通くらいに落ち着きます。
しかし、ブルブルとした微振動を終始発生させ、段差ではドタバタが強まって乗り心地は悪化。ステアフィールに至ってはフラフラすぎて、これスタッドレス?と思ってしまうほどに悪化しました。
結果、「2.75kgf/cm2」で使用しています。発進時の重さはありますが、乗り心地とステアフィールはまずまず良好です。
※使用したのはスタンドの空気圧ゲージです。ゲージによる誤差はご容赦下さい。
cinturato-p6はピレリタイヤが安価に手に入る!というのが大きな魅力です。
もちろん内容的にも悪いわけじゃなくて、上手に使えばきっと満足感を得られるタイヤだと思いました。
特徴は、エコと言うよりスポーティテイストが強いタイヤ。
スポーティの方向性はマイルドで落ち着き重視。キビキビした特性ではありません。
その代わり、乗り心地は柔らかく、静粛性もまずまず。それなりの快適性も持ち合わせます。
省燃費タイヤラベリング取得という割に、転がりは重いです。実際の燃費も伸びませんが、「僅かな燃費の差より、安いが正義!」というご意見も多いでしょう。
次が、タイヤ空気圧によるスイートスポットの狭さ。丁度よい妥協点を探るのが難しいです。ただこれも一長一短。美味しいポイントを見つけた時は、大きな喜びを味わえると思います。
cinturato-p6とヴィッツの組み合わせでは、こうした印象を持ちました。
エコタイヤ、だけどスポーティ感も加味されているというタイヤ。
安いタイヤの場合は組み付け工賃がネック。だからアルミホールセットがとてもオトク。オートウェイの場合は送料が無料になったりも含め、差額は最小限(1万円とか)。
他のタイヤ、他の車種でもテストを行い、データを集めています。
ピレリ P6 cinturatoとイメージが近いタイヤの使用感です。
しかし改めて思いますが、グッドイヤーとかナンカンとブランドイメージで比較すれば、ピレリブランドの魅力って抜けてますよね!
ブランド力と実売価格の関係、悩ましいです。
違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転で試乗レポート。
受け売りでなく、カタログ的でない。紹介ではなくレビューです。
評論家さまとの違いは、率直な表現と自由度の高さ。辛口といえば辛口です。
評価評論・比較レビュー「間違いいっぱいの自動車選び」。