評価評論「間違いいっぱいの自動車選び」。ダイハツ・ミライース。
2ページ目です。
ダイハツ「Mira-e:s」ミライース・Xメモリアルエディションです。
試乗して得られるフィーリング=走行感覚については、全体的には安かろう悪かろうではなかった。
いや〜安心しました。試乗してよかったとホッ一安心。
細かくは頂けない点もあるが、とにかく近距離一番のダイハツ車においては優れている面もある。以下、好ましい点とそうでない点を箇条書きで。
※内容は辛口評価です。試乗時のお役に立てれば幸いです。
モデルチェンジごとに進化している現在の軽自動車。
それに合わせて価格が上がってしまっているのは残念だけど、燃費が向上しているのでまだ納得できるし、性能が上がったことによって軽自動車とコンパクトカーが比較されるようにもなった。
そんな中でブレーキの質感、フィーリングに関しては、ビックリするほど進化していない。
いや、わざとこういった味付けにしているのかもしれない。だから、これで良いといえば良い。
どんな感じかといえばペダルのストロークは長く、剛性感なくフニャフニャ。ブレーキング中のフィーリングも悪く減速速度の調整がしにくい。
ミライースは「エコタイヤ+空気圧標準2.6キロ」という組み合わせのため、複数の路面や坂道でフルブレーキのテストを実行。皆様も不安を感じたら試乗車でテストしてみて下さい。
思いっきりブレーキを踏もうとすると、軽いブレーキペダルだから、ラクに思いっきり踏める。
クルマが軽量なこともあり、初期の食いつきは合格!路面によっては踏んだ瞬間にタイヤのスキール音が出るので、ブレーキシステムはタイヤの性能に勝っているし、ペダルが奥に入って底付きしてしまうこともない。
総合的な制動力という面では不安も残る。比較して具体的な数値を計測したわけではないので微妙だが、ドライバーが話ながら笑いながらフルブレーキ程度の制動力しか発揮できない。
ペダル踏み込んですぐ、グッと制動力が立ち上がる。これは女性の力でも思いっきり踏めて全く問題なし。
問題はそのあと、ABSが働いてから。4輪すべてでスリップアングルが大きくなるほどブレーキを効かすと、ABSが盛大に動作し、たいした制動力を発揮してくれない。
コクッと止まりそうな場面で、ズルズルズルっと前に進んでしまう。停止直前でも「とまってぇ〜」と呟いてる時間がある感覚。
気になるならタイヤを変えた方がいいし、また路面の状況によっては「速度が落ちたらその分ブレーキも弱める」といった昔ながらの踏み方も有効かもしれない。
※軽自動車全般で同じような感じです。
燃費を改善する機能の一つして注目されているアイドリングストップ。
5分も10分も動かないような渋滞では、手動でもエンジンを切りたくなる。夏場なんて水温も上がるし後付けメーターを付けていると気分的に良くないほど。
そんなアイドリングストップだけど、実は極端な渋滞を除き実際の効果は不明。
エンジン始動の際はけっこうな燃料を消費するとか、自動車用コンピューターの書き換えをする技術者も心配するほど。
2012年まで、トヨタが積極採用していないのも不思議だ。
考えるに様々な我慢をして少しメリットがあるかどうか、というのがアイドリングストップの実際。メーカーのメリットはカタログ燃費の向上なのかしれない。
仮に5万円のオプションだったら元を取ることは難しいだろう。
バッテリーが高価な専用品になり、他の関連パーツだって消耗が心配。
前置きが長くなりました。
何が言いたいのかというと、「こんなもんだからOnOffスイッチぐらいちょうだいね」と。それから、「賢くストップしてね」と。これなら納得できる。
ミライースのアイドリングストップは”デビュー当時時点”では、いいね!と思える内容。
同乗者による手元のストップウォッチでミライースの中間加速力を計測してみました。
計測条件は大人の男性2人乗車。ガソリン残量はメーター読み2分の1。風は体感上なし。タイヤ空気圧フロント、リヤともに2.6キロ。道路は直線。タイヤは新車時装着のブルーアース。
※速度はメーター読み。
※他車の比較タイムが少ないので比較が難しいデータになります。 今回、時速50キロ超の計測は省きましたが、スピードは時速125キロ程度までは実用的に加速します。
この数値、軽自動車内で比較すれば遅い訳じゃない。普通に走る時は超燃費指向、強く加速したい時には可能な限りパワー重視と、2面性を持つのが今風。
身長172センチの筆者がドライビングポジションを取った状態でリアシートをチェック。
クルマ業界全体が、道具かおもちゃか、2極化していると思う。
そんな中でミライースは「最高にローコストの道具」を目標にしたクルマなのは間違いない。
いくら移動の手段、いくら道具とはいえ、プライベートで使用するのなら最低限の品質は欲しい。欠点は許容できる範囲であって欲しい。
もちろん現代の軽自動車だから、雨風しのげるし、走行中にドアが取れてしまうこともない。いくら剛性が低いからといって人間の力でくしゃくしゃに折り曲げられるわけでもない。
そういう最低限のレベルを超えた上で、ただ安いだけでは人気はでないわけだ。
ミライースはアルトエコのような極端な燃費スペシャルでないのが素晴らしい。
内装外装デザインと質感はまさに道具に徹しているけど、素のミラを越える操縦性を持ちつつ、燃費の良さをアピール。
タイヤにはヨコハマ・ブルーアース銘柄が刻印され、ハッチゲートはパカパカではなく静粛性に一役かっている。
要所には快適性にもお金が掛けられている感がある。
ということでミライース、ファーストカーとしては所有満足度という点で多少不満はあるかもしれない。内装とか装備とか。
でも走った感覚は他の軽自動車とそんなには違いない。現在の所、最もコストパフォーマンス良く所有でき、普通の軽自動車として走ってくれるわけだから、セカンドカーなら充分実用的でしょう。
系列サービスです!
法人、個人事業主の「ETCカード」。複数枚契約が可能。
セディナなど法人ETCカード
系列サービスです!
「自動車保険一括見積り」の比較。見積もりはメールか郵送で安心。
保険一括見積りサービスの比較サイト
ネットでバッテリー価格を確認
国産車バッテリー
ココだけ見ればトヨタの高級車ともさしたる違いはない?
テールライトはLED、ハッチの面は真っ平らでないのもわかる。
インパネやセンターコンソールの質感は最低レベルだが、そんなのきにしちゃいけません。メーターは立派。
ドリンクホルダーの数は多く、飲みかけを置いておいたりドリンク型灰皿を置くのも問題なし。カップホルダーの数はフロント2個、リアは合計5個。
ラゲッジスペース。広さなど至って普通。パンク修理キット+リアアンダートレイ。ミラシリーズでは最も進んでいる。
ダイハツの軽自動車はシートを倒してもあまりフラットにならない。ミライースでは段差がないのがせめてもの救い。
スズキの軽自動車だとだとだいたいフラットになる。
違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転で試乗レポート。
受け売りでなく、カタログ的でない。紹介ではなくレビューです。
評論家さまとの違いは、率直な表現と自由度の高さ。辛口といえば辛口です。
評価評論・比較レビュー「間違いいっぱいの自動車選び」。