日産エルグランド(E52型)グレードは3500ccの「350ハイウェイスター」。車両価格400万円とリッチなグレードです。
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試乗内容は限定的。第一印象重視でより一般的な表現を心がけています。
乗り心地には様々な要因が影響するわけですが、エルグルランドの乗り心地、こと足回りの動きと衝撃の弱さという面では、非常に優れています。
今までのエルグランドみたいにただ柔らかいわけではなく、車体のフラット感を保とうとするだけの固さはありながら、ショックアブソーバーがスルスル動いている感じで、決して固くない。クルマは優しく上下し、小さい段差による衝撃は吸収してくれているような感じです。
ゴツゴツするような段差でも、体に感じる衝撃は角がとれて丸い。乗り心地が良く、単に柔らかいだけより高級感も感じる。
これについて、車重があった方が「良いアブソーバーの動き」を演出できるというが、エルグランドがまさにそうかも。筆者は粗が目立ちにくいと思っている。
エルグランドがドコ製のどんなショックアブソーバーを利用しているかわかりません。そんなの試乗してよればなんでもいい、ですよね。
ちなみにライバルのアルファードはゴツゴツして乗り心地最悪。アブソーバーやらゴムやら渋いってもんじゃない。中でもスポーティ系グレードでは最悪の最悪で、とても300万円超のクルマとは思えません。
アルファードもハイレベルな車高調など良質なショックアブソーバーに交換すれば乗り心地が良くなるらしい。やはり車重が乗り心地にもたらす影響は大きいワケですね。
ハナシは戻ってエルグランド、乗り心地良く、そしてコーナーでのロールは少なめ。ブレーキングでのピッチングも少なめ。動き自体はもっさりしているけど、それとは関係なく走りやすい。
チェックという名の好き勝手走行を行えば、コーナーに向けてハンドルを切っていくのが怖くない。トレッドの広さやセッティングなどからくる魅力があります。
気になったのは一つ。急コーナーではシートから体がズルッと滑って焦りました。かなり大きく滑り、シートから落ちるような錯覚さえ受けたほど。(シート素材は本皮シート)
コーナーでシートから滑り落ちる感覚、確かにサーキット走行では経験があります。サーキットでは思いっきりGがかかりますから、シートから体がズリズリと落ちそうになります。
長いコーナーではお尻半分はみ出てそうな感じ。しかし一般道を走行している限り、普通は本皮シートでもここまで滑らないような気がします。
本皮シートにも種類がある。固かったり柔らかかったり、滑りやすかったり滑りにくかったり。
非常時とか、緊急回避をする際にはご注意下さい。
ハンドルに体重を乗せないように、アクセルとブレーキペダルもしかり。ハンドルやペダルで踏ん張ってはいけません。フットレストで踏ん張って体をシートに押しつける、非常時にうまくいくかは普段の特訓次第。
エンジンの質感や加速性能は、ちょっと期待はずれ。
3500ccのエンジンは6気筒だし排気量も大きいので車重が気にならない「グーン」という加速を期待していたが、そうではなかった。
質感的には、アイドリングでボーボーボーボーという音が聞こえてくる。窓を閉めていても聞こえてくる。うるさいエンジンだなぁと思ってしまう要因です。
試乗前の期待が高かったから余計気になったのかもしれない。冷静に考えれば4気筒モデルみたいに嫌な音ではないから気にしなければどおってことない可能性も。
加速感は3500ccという排気量からくるパワーを期待してアクセルを踏み込むと、えぇーというほど遅い。
エンジン回転が上がってしまえば大きな不満ないのだけれど、発進からの加速と、CVTをホールドモードに切り替えた場合での低回転では期待するほどの加速はしてくれない。エルグランド3500ccの車重は2トン近い数値。やはり重量というのはなかなか大事なファクターのようです。
この加速という面ではCVTの制御が大いに影響しているはずで、ガンガンに高回転を使うようになっていないのかもしれない。この辺りを含め総合的には2500ccクラスのセダンと同程度の感覚です。余裕満々というわけではないが、いつもアクセル全開の人でなければ問題なし、だと思います。
クルマは大きいほど便利か?といわれれば、これは非常に難しい問題。しかし新車で発表されるクルマがモデルチェンジごとに大きくなっていくところをみると、人は大きいクルマに惹かれるのでしょう。
実際には駐車場が狭いという問題を持つ方もいらっしゃるはずで、小さくても魅力の高いクルマ、日本にこそこんな自動車が増えて欲しいものです。
しかしエルグランドはそのキャラクターから、ボディが大きければ大きいほど魅力が増すクルマでしょう。
エルグランドのボディスリーサイズは、全長4915×全幅1850×全高1815mm。高級なビッグセダンに近いサイズを誇ります。全長はちょっと短いけれど、それでもホイールベースは3メートル。ホイールベースはビックリするほどの長さになっています。
全高は背の高い男性の身長くらいで、ライバルと比較すれば低め。ただベルトライン(ウエストライン)が高めでそんなに全高低くは見えない。グラスエリアが大きいセレナより全高高く感じるし、何より高級感がある。
立派なボディサイズだから室内空間が広い。あたりまえです。そして室内が広いから2列目には大きくて立派なシートが付く。乗り降りもラク。
3列目のスペースをライバルと比較してみれば、エルグランドの全高はアルファード/ヴェルファイアより低く、またエルグランドの方が立派なシートを付けている関係上、ちょっと劣る。
アルファード/ヴェルファイア3列目は2000ccクラスの2列目シートみたいな広さがある。
個人的にはシートがゴージャスな方が好き。広さ比較すればライバルの方が広いかもしれないが、トータルで考えればどっちでもいいと思えるくらいの感覚的な差だと思っている。
総合してエルグランドは最高クラスのボディサイズと室内空間を持つミニバン。これくらいなければミニバンじゃない、とまで思える広さ。このクルマに乗ったら次は何買ったらいいの?なんていらぬ心配までしてしまいます。
最近、ノートパソコンの天板など家電で採用され、よく耳にするスクラッチシールド。実は日産車でも使われています。スクラッチシールドとは何か?といえば、傷を自己修復する柔らかいクリア塗装。
以下、日産のアナウンスより
「ボディに軟質樹脂を配合したクリヤー塗装を施すことで、洗車によるすり傷、日常使用での引っかき傷程度なら、時間がたてば復元する世界初の塗装です。
また、一般のクリヤー塗装と比較して、傷がつきにくくなったことにより水はじきも良く、ツヤ、光沢も持続します。 」
スクラッチシールドが採用されている車種は、エルグランド、セレナ、スカイライン系、フェアレディZ、ムラーノ、エクストレイル、フーガ、ティアナ。
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パワーテールゲート。ゴルフバッグの出し入れに使ってみたい。
グレードによっては黒内装に白本革シートを選択できる。
ドリンクホルダーには当然フタが付く。
違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転で試乗レポート。
受け売りでなく、カタログ的でない。紹介ではなくレビューです。
評論家さまとの違いは、率直な表現と自由度の高さ。辛口といえば辛口です。
評価評論・比較レビュー「間違いいっぱいの自動車選び」。